プリント中の
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小形 ¢は参考文献,“小形,「振動・波動」(裳華房)”を示します。
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松本 は参考文献,“松本,「線形代数入門」(共立)”を示します。
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高木I ¢は参考文献,“高木隆司,「力学(I)」(裳華房)”を示します。
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高木II ¢は参考文献,“高木隆司,「力学(II)」(裳華房)”を示します。
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佐川本間 ¢はテキスト,“佐川,本間,「力学」(シュプリンがー)”を示します。
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川薩四 ¢はテキスト,“川野,薩摩,四ツ谷「微分積分+微分方程式」(裳華房) ”を示します。
オフィスアワー: 水曜3講時,金曜6講時
url: http://www.math.ryukoku.ac.jp/ iida/lecture/lecture.html
現数B.1
1 単振動 – 調和振動 –
物理数学II ¨
§
¥
高木I§4.1¦¨
§
¥
小形§1.2¦¨
§
¥
佐川本間§4.4¦ 目標
・ばねにつながれた質点の運動方程式が与えられた座標系で書ける。
・単振動の運動方程式の解が書ける。
・与えられた初期条件に対する単振動のグラフが書ける。
1.1
単振動の運動方程式質量mの質点に時刻 tに力F~(t)が働く場合の運動方程式は md2~r(t)
dt2 =F(t)~ , (1.1)
ここでは,質点がx軸上を運動する場合を考えるので
~r(t) = (x(t),0,0), F~(t) = (Fx(t),0,0) (1.2) より,運動方程式(のx成分は)
md2x(t)
dt2 =Fx(t) (1.3)
となる。
ばねにつながれた質点にはたらく力
ばね定数 k, 自然長 `のばねの長さがLである場合,ばねが質点におよぼす力の大きさと向きは
・大きさ:k|L−`|( フックの法則 )
・向き:|L−`|が減少する向き,つまり,ばねが伸びている場合(L > `)はばねが縮む向き,ばねが縮んでいる 場合(L < `)はばねが伸びる向き
となる。
【問1】
右図のように座標系をとった場合の質点の運動方程式を書きなさい。
x= 0の位置にある壁にばねの一端が取り付けられ,ばねの他端に 質量mの質点がつながれている。
【答1】
ばねの左端の座標が0,右端の座標がx(t)なので,ばねの長さはL=x(t)となる。従って力の大きさはk|L−`|= k|x(t)−`|となる。力の向きは
x(t)> ` ばねは伸びている 力はx軸の負の向き ⇒ Fx(t) =−k|x(t)−`|=−k(x(t)−`), (1.4) x(t)< ` ばねは縮んでいる 力はx軸の正の向き ⇒ Fx(t) = +k|x(t)−`|=k(`−x(t)) (1.5) となる。どちらの場合も
Fx(t) =−k(x(t)−`) (1.6)
と書ける。以上より,運動方程式は
md2x(t)
dt2 =−k(x(t)−`). (1.7)
【問2】
右図のように座標系をとった場合の質点の運動方程式を書きなさい。
x= 4`の位置にある壁にばねの一端が取り付けられ,ばねの他端に
質量mの質点がつながれている。
x
( ) t
O x 4 l
m k
【答2】
ばねの左端の座標がx(t),右端の座標が4`なので,ばねの長さは
L= 4`−x(t) (2.1)
となる。従って力の大きさは
k|L−`|=k|3`−x(t)|. (2.2)
力の向きは
3` > x(t) ばねは伸びている 力はx軸の正の向き ⇒ Fx(t) = +k|3`−x(t)|=k(3`−x(t)), (2.3) 3` < x(t) ばねは縮んでいる 力はx軸の負の向き ⇒ Fx(t) =−k|3`−x(t)|=−k(x(t)−3`) (2.4) となる。どちらの場合も
Fx(t) =−k(x(t)−3`) (2.5)
と書ける。以上より,運動方程式は
md2x(t)
dt2 =−k(x(t)−3`). (2.6)
1.2
単振動の運動方程式の解d2x(t)
dt2 +ω2x(t) =ω2x0 (2.7)
の一般解を求めよう。ここでω=
√k
mは 角振動数 。また,【問1】の場合はx0=`,【問2】の場合はx0= 3`。 微分方程式(2.7)は,「数理モデル基礎I」の用語では 非斉次線形2階常微分方程式 と呼ばれる:
・2階: d2x(t)
dt2 が微分の最高階。
・線形:x(t)は1乗の形,dnx(t)
dtn , n= 0,1,· · ·,で現れる。
・非斉次:x(t)の0次の項(非斉次項),ω2x0,がある。
'
&
$
% 非斉次線形2階常微分方程式の一般解の求め方 数理モデル基礎I ¨
§
¥
川薩四§10.6¦
(せ) 斉次微分方程式(非斉次項,つまりx(t)について 0次の項,を0とおいた方程式)の一般解を求める。
u(t) =C1u1(t) +C2u2(t)
(ひ)非斉次微分方程式(そのままの方程式)の解を,なんとかして一つ求める( 特解 )X(t) (わ)非斉次微分方程式の一般解はx(t) =u(t) +X(t) =C1u1(t) +C2u2(t) +X(t)
現数B.3
.
cos(α−β) = cos(α) cos(β) + sin(α) sin(β) eiα= cos(α) +isin(α) オイラー(Euler)の公式
斉次微分方程式d2u(t)/dt2+ω2u(t) = 0の一般解を求める 単振動の‘公式’
'
&
$
% d2u(t)
dt2 =−ω2u(t) (3.1)
の一般解は
u(t) = Ccos(ωt) +Dsin(ωt) (3.2)
= Acos(ωt−θ). (3.3)
(C, D), (A, θ)は任意定数で互いの関係は
Acos(θ) =C , Asin(θ) =D , A=√
C2+D2. (3.4)
【問3】¤
£
¡
川薩四 例題9.5¢
u(t) =eλtが(3.1)の解となるように,定数λを決めなさい。また,この結果を用いて(3.1)の一般解を求めなさい。
【答3】
u(t) =eλtを(3.1)に代入すると
λ2 eλt=−ω2 eλt (3.5)
となる。eλt6= 0なので,λの満たすべき式,
λ2=−ω2 (3.6)
より
λ=±iω (3.7)
が得られる。(3.1)の独立な2つの解,e±iωt,が得られたので,(3.1)の一般解はC1, C2を任意定数として
u(t) = C1eiωt+C2e−iωt (3.8)
= (C1+C2) cos(ωt) +i(C1−C2) sin(ωt) (3.9)
= Ccos(ωt) +Dsin(ωt) (3.10)
となる。ここでC=C1+C2,D=i(C1−C2).
非斉次微分方程式d2x(t)/dt2+ω2x(t) =ω2x0 の特解を求める x(t) =定数 となる解を探すと
x(t) =x0 (3.11)
が(2.7)の特解であることがわかる。質点の位置がx0であるとき,質点には力がはたらず,従って質点はずっと
静止していることができる。つまり,x0はつりあいの位置( 平衡点 )である。
以上より(2.7)の一般解は
x(t) =x0+Ccos(ωt) +Dsin(ωt), (3.12) あるいは
x(t) =x0+Acos(ωt−θ) (3.13)
となる。C, DとA, θの関係は(3.4)。
1.3
与えられた初期条件に対する単振動のグラフ【問4】
時刻t= 0での物体のx座標がx1,速度(のx成分)がv1である場合の,(2.7)の解を求めなさい。また,質点の 運動する範囲を求めなさい。
【答4】
(3.12)より
x(0) =x0+Ccos(0) +Dsin(0) =x0+C=x1. (4.1) また,速度(のx成分)vx(t)は
vx(t) = d dt
(
Ccos(ωt) +Dsin(ωt) )
=−ωCsin(ωt) +ωDcos(ωt) (4.2) なので,
vx(0) =−ωCsin(0) +ωDcos(0) =ωD=v1. (4.3) 以上より,C=x1−x0,D=v1
ω なので
x(t) =x0+ (x1−x0) cos(ωt) +v1
ω sin(ωt) (4.4)
となる。(3.13)のように書くと
x(t) =x0+Acos(ωt−θ), A=
√
(x1−x0)2+ (v1
ω )2
(4.5) となるので,質点はx0−Aからx0+Aの間を振動する。
x0> Aの場合のグラフは下図のようになる:
x0
x0+A
x0−A
t
T
( )a ( )b ( )c ( )d
x軸(縦軸)の位置は
x1> x0, v1>0の場合 ⇒ (a)の範囲内 (4.6) x1> x0, v1<0の場合 ⇒ (b)の範囲内 (4.7) x1< x0, v1>0の場合 ⇒ (d)の範囲内 (4.8) x1< x0, v1<0の場合 ⇒ (c)の範囲内 (4.9) のどこかとなる。
現数B.5 単振動のいろいろな量
記号 単位 名前 意味
A [m] 振幅 平衡点からの最大距離
ω [rad/s] 角振動数 , 角周波数 単位時間あたりの位相の変化
−θ [rad] 初期位相 時刻t= 0 における位相
ωt−θ [rad] 位相 cosの引数
T = 2πω [s] 周期 ¨
§
¥
高木I (1.47)¦ もとの位置と速度にもどるまでの時間
f = T1 [1/s] = [Hz] 振動数 , 周波数 単位時間に何回振動するかという数
【問5】
【問1】の状況で,m= 1, k= 9, `= 4の場合に,初期条件,x(0) = 3, vx(0) = 3√
3,に対する解を求めてグラ フの概形を描きなさい。
【答5】
問題の条件よりω= 3, x0= 4,x1= 3, v1= 3√
3なので,【問4】の結果より,
C=−1, D=√
3, A= 2, θ=2π
3 (5.1)
となる。(3.12),(3.13)より
x(t) = 4−cos(3t) +√
3 sin(3t) = 4 + 2 cos (
3t−2π 3
)
(5.2) となる。質点は,平衡点x= 4のまわりで振幅2,角振動数3の単振動を行う。グラフは下図のようになる:
( )t
x
/ t π
2 3
T =
π1.4
質点の両側にばねがつながれた場合の単振動【問6】
右図のように,質量mの質点の左側にはばね定数k1,自然長`1= 2`
のばねが,右側にはばね定数k2,自然長`2=`のばねがつながれて いる。左側のばねの左端はx= 0の位置にある壁に,右側のばねの 右端はx= 4`の位置にある壁につながれている。この質点の運動方 程式を書きなさい。平衡点x0と単振動の角振動数ωを求めなさい。
x
( ) t
O x 4 l
1
m
k k
2l
2l
1【答6】
左側のばねが時刻t に質点に及ぼす力(のx成分),F1(t)は【問1】でk→k1, `→2`として F1(t) = −k1
(
x(t)−2`
)
(6.1) となる。右側のばねが時刻tに質点に及ぼす力(のx成分),F2(t)は【問2】でk→k2として
F2(t) = −k2
(
x(t)−3`
)
(6.2) となる。これより,質点の運動方程式は
md2x(t)
dt2 =F1(t) +F2(t) = −( k1+k2
) x(t) +`
(
2k1+ 3k2 )
(6.3) となる。
平衡点は(6.3)の右辺が0になる位置なので
x0= ` 2kk1+3k2
1+k2 (6.4)
となる。質点はx0 のまわりに角振動数
ω=
√k1+k2
m (6.5)
の単振動を行う。
【注意】
座標系を自由に選んでよい場合は,平衡点x0が座標系の原点になるような座標系を選んでおけば運動方程式(2.7) に非斉次項は現れない。ただし,平衡点の位置ははじめにはわからない場合もある。
現数B.7
2 平衡点のまわりの微小振動
目標
・平衡点(力のつりあう点)を求められる。
・平衡点のまわりの微小振動を単振動で近似して,その周期を求められる。
2.1
平衡点Â平衡点
Á
¿
À 力(のx成分)Fx(x) = 0となる点x=x0 を平衡点という。
• 平衡点x0は Fx(x0) = 0を解いて求められる。
• その点にそっと(=初速度0で)置いたら,物体はずっとその位置にとどまる。
【問7】
右図のように,質量mの質点の左側にはばね定数 k1,自然長`1の ばねが,右側にはばね定数k2,自然長`2のばねがつながれている。
左側のばねの左端はx= 0の位置にある壁に,右側のばねの右端は x=Lの位置にある壁につながれている。この質点の運動方程式を 書きなさい。平衡点x0と単振動の角振動数ωを求めなさい。
x
( ) t O x
1
m
k k
2l
2l
1L
【答7】
左側のばねが時刻t に質点に及ぼす力(のx成分),F1(t)は【問1】でk→k1, `→`1として F1(t) = −k1
(
x(t)−`1
)
(7.1) となる。右側のばねが時刻 t に質点に及ぼす力(のx成分),F2(t)は【問2】と同様に考えると,質点の位置が x(t)のときのばねの長さはL−x(t)なので
F2(t) = k2 (
L−x(t)−`2 )
(7.2) となる。これより,質点の運動方程式は
md2x(t)
dt2 =F1(t) +F2(t) = =−( k1+k2
)
x(t) +k1`1+k2
( L−`2
)
(7.3) となる。
平衡点は(7.3)の右辺が0になる位置なので
x0=
k1`1+k2
(
L−`2
)
k1+k2 (7.4)
となる。質点はx0 のまわりに角振動数
ω=
√k1+k2
m (7.5)
の単振動を行う。
単振動の場合
Fx(x)はxの1次式で,Fx(x0) = 0なので,Fx(x) =−k(x−x0)となる。(kは定数。)運動方程式は md2x(t)
dt2 =−k (
x(t)−x0 )
. (8.1)
(ω=√
k/mとすると,(8.1)は(2.7)と同じ式。) x(t) =x0は非斉次方程式(8.1)の特解。
平衡点x0 が座標系の原点になるような座標系をuを選ぶと
u(t) =x(t)−x0, (8.2)
du(t)
dt = dx(t)
dt , d2u(t)
dt2 =dx2(t)
dt2 (8.3)
なので,u(t)についての運動方程式は
md2u(t)
dt2 =−ku(t). (8.4)
となる。つまり,
「斉次方程式を考える」=「平衡点を基準にした座標で考える」
x
( ) t
Ox
u x
0O
u ( ) t
2.2
ばねの力のもとでの振動Fx(x) =−3x+ 6 (8.5)
の場合を考えよう。運動方程式は
md2x(t)
dt2 =−3x(t) + 6 (8.6)
となる。平衡点はx0= 2. 一般解は
x(t) = 2 +Acos(ωt−θ), ω=
√3
m (8.7)
となるが,解を計算しなくても,平衡点の近くで振動しそうなこと は 力の向き からわかる:
x <2 Fx>0 右向き(x軸の正の向き)の力,
2< x Fx<0 左向き(x軸の負の向き)の力. (8.8) 常に平衡点x= 2に質点を引き戻そうとする力( 復元力 )がは たらくので,質点は平衡点のまわりに振動しそう。平衡点x0 = 2 は 安定な 平衡点。
x
( )
xx
F
x0
現数B.9
2.3
ばねとは限らない一般の力のもとでの微小振動Fx(x) =x2−6x+ 8 (9.1)
の場合を考えよう。運動方程式は
md2x(t)
dt2 =x(t)2−6x(t) + 8 (9.2)
となる。(この方程式の解は3角関数では表せない。)平衡点はF(x0) =x20−6x0+ 8 = 0を解いて, x0= 2,4. 平衡点 x0= 2は復元力がはたらくので,その近くで振動がおきそう。平衡点x0= 4は,近くに置いた質点が平 衡点から離れていくので,そのまわりでの振動はおきないだろう。
x
( )
xx
F
ቯ
ਇ
ቯ
2.4
安定な平衡点・不安定な平衡点安定な平衡点・不安定な平衡点 '
&
$
% 力,Fx(x)を受けてx軸上を運動する質量mの質点を考える。運動方程式は
md2x(t)
dt2 =Fx(x). (9.3)
定義
• Fx(x0) = 0⇔x0 は平衡点
– Fx0(x0)>0⇒x0 は不安定な平衡点。 Fx0(x) = dFx(x)
dx はFx(x)の導関数。
– Fx0(x0)<0⇒x0 は安定な平衡点。
– Fx0(x0) = 0⇒x0 は安定か不安定かは場合による。
性質
• 平衡点にそっとおいた物体は,ずっと平衡点にとどまる。
• 安定な平衡点の近くでは物体は微小振動できる。
• 不安定な平衡点の近くに物体をそっとおくと,平衡点から離れていく。
力のポテンシャル
力のポテンシャル ( 位置エネルギー とも呼ばれる),U(x),と力Fx(x)の関係:
Fx(x) =−dU(x)
dx (9.4)
【注意】
x軸上の運動に限らない一般の場合には Fx(~r) =−∂U(~r)
∂x , Fy(~r) =−∂U(~r)
∂y , Fz(~r) =−∂U(~r)
∂z . (9.5)
【問10】
【問7】の場合の質点にはたらく力に対する力のポテンシャルを求めなさい。
【答10】
dU(x)
dx =−Fx(x) = (
k1+k2
)
x−k1`1−k2
( L−`2
)
(10.1) を満たすU(x)を求める。(10.1)の右辺を積分して
U(x) =
∫ ((
k1+k2
)
x−k1`1−k2
( L−`2
))
dx= k1+k2 2 x2−(
k1`1+k2
( L−`2
))
x . (10.2)
(10.2)は次のようにも表せる:
U(x) = k1 2
( x−`1
)2
+k2 2
(
L−x−`2 )2
−k1
2 `21−k2 2
( L−`2
)2
. (10.3)
(10.3)は力のポテンシャルがそれぞれのばねの力のポテンシャル k1
2 (
x−`1
)2
と k2 2
(
L−x−`2
)2
の和であるこ とを示す。
【注意】力のポテンシャルには定数だけの不定性がある。
安定/不安定平衡点と力のポテンシャル ¨
§
¥
川薩四§7.1¦ '
&
$
%
• x0は平衡点⇔ dU(x) dx
¯¯¯¯
x=x0
= 0 ⇐ x=x0でU(x)は 極値 をとる。
– x0 は 不安定 な平衡点⇔ d2U(x) dx2
¯¯¯¯
x=x0
<0⇔x=x0でU(x)は 極大 となる。
– x0 は 安定 な平衡点⇔ d2U(x) dx2
¯¯¯¯
x=x0
>0 ⇔x=x0でU(x)は 極小 となる。
(9.1)に対する力のポテンシャルは
U(x) = −x33 + 3x2−8x . (10.4)
Fx(x)とU(x)の図は下の様になる:
x
( )
x x
F
( ) x 4 U +
ቯ
ਇ
ቯ
ᭂዊ
ᭂᄢ現数B.11
.
f(x)のx=aにおけるテイラー展開 ¨
§
¥
川薩四§6.5¦ f(x) =f(a) + X∞ n=1
dnf(x) dxn
˛˛
˛˛
x=a
(x−a)n n!
2.5
安定な平衡点の近くでの微小振動運動方程式(9.2)(簡単のためm= 1とする),
d2x(t)
dt2 =x(t)2−6x(t) + 8 (11.1)
の安定な平衡点x= 2の近くでの様子を考えよう。Fx(x) =x2−6x+ 8を平衡点x= 2においてテイラー展開 する:
Fx(x) = Fx(2) + dFx(x) dx
¯¯¯¯
x=2
(x−2) + d2Fx(x) dx2
¯¯¯¯
x=2
(x−2) 2
= |{z}0
平衡点だからFx(2) = 0
+ (−2)
|{z}
安定だからFx0(2)<0
(x−2) + 1 (x−2)2
= −2(x−2) +O((x−2)2). (11.2)
x= 2 近くの運動なら, (|x−2|が小いので), 2次(以上)の項,O((x−2)2),を無視した運動方程式:
d2x(t)
dt2 =−2(x(t)−2) (11.3)
で近似できるだろう。これはx= 2のまわりの角振動数ω=√
2 の単振動を表す。
安定な平衡点の近くの微小振動 ¨
§
¥
小形§1.4¦ '
&
$
% 質量mの質点が運動方程式
md2x(t)
dt2 =Fx(x(t)) (11.4)
に従って運動するとき,安定な平衡点x=x0 の近くの運動は,運動方程式 md2x(t)
dt2 =Fx0(x0) (x−x0) (11.5)
で表される単振動で近似できる。ここで,Fx0(x) =dFx(x)
dx はFx(x)の導関数。単振動の角振動数ω と周期T は
ω=
√|Fx0(x0)|
m , T = 2π ω = 2π
√ m
|Fx0(x0)| (11.6)
となる。力のポテンシャルU(x)を用いると,Fx(x) =−dU(x)
dx なので,(11.5)は md2x(t)
dt2 =−U00(x0) (x−x0) (11.7)
となる。ここで,U00(x) = d2U(x)
dx2 。角振動数ω と周期T は ω=
√U00(x0)
m , T =2π ω = 2π
√ m
U00(x0). (11.8)
.
【問12-1】
図に描かれたようなFx(x)の場合,安定な平衡点はどれか?一つ選んでください。
x
( )
x x
F
(1) (2) (3)
(4) (5)
1.(1) 2.(2) 3.(3) 4.(4) 5.(5) 6.(1)と (5)
【答12-1】
(3)
【問12-2】
図の力のポテンシャルのもとで運動する物体を考える。物体が(単振動で近似できるような)微小振動を行う場合 がある力学的エネルギーの値はどれか? 一つ選んでください。
U(x)
E E
E E E1
2 3 4 5
a b c d e f g h i j k l x E6
w
1.E1 より少し大きい 2.E3 より少し大きい 3.E5より少し大きい 4.E1 より少し大きい, とE3より少し大きい
5.E1 より少し大きい, とE3より少し大きい, とE5 より少し大きい
【注】 力学的エネルギー の保存 ¨
§
¥
佐川本間§5.2¦
¨
§
¥
高木I§5.3¦
質点が力のポテンシャルU(x)による力のみをうけて運動する場合,力学的エネルギー,E,
E=m
2vx(t)2+U(x(t)) (12.1)
は運動の過程で一定の値となる。運動エネルギーは非負なので,質点は不等式
E≥U(x(t)) (12.2)
を満たす領域内を運動する。
【答12-2】
(4)
現数B.13
・微小振動の例:単振り子 ¨
§
¥
小形p.6¦
¨
§
¥
高木I p.73¦
¨
§
¥
佐川本間§4.4.1¦
長さ`の伸び縮みしない質量の無視できる棒の先端に質量mの質点が取り付けられている。棒の他端は回転軸 に取り付けられ,棒と質点は鉛直面内を摩擦なく回転できるとする。このように,質量が棒の先端に集中してい ると理想化した振り子を 単振り子 と呼ぶ。
θ
m
x y
z
F r
gF r
Tl
v r
O
図では,y 軸を鉛直上向きにとり,z軸を回転軸としている。質点と棒はx-y平面内を運動する。鉛直下向きか らの棒の角度をθとするとこの系の運動方程式は
d2θ(t) dt2 =−g
`sin(θ(t)) (13.1)
となる。θ= 0 が安定な平衡点で,θ= π が不安定な平衡点となる。振動の振幅が小さい場合(|θ(t)| ¿1),
テイラー展開
sin(θ)) =θ+· · · (13.2)
より,θ= 0のまわりの微小振動は
d2θ(t)
dt2 =−ω2θ(t), ω=
√g
` (13.3)
で表される。
単振り子の微小振動の周期 '
&
$
% 単振り子の微小振動の周期
T = 2π
√
`
g (13.4)
は糸の長さ,`,と重力加速度の大きさ,g,により決まり,振幅の大きさやおもりの質量に依存しない。これを 振り子の 等時性 と呼ぶ。
【注】(13.1)の導出1:角運度量の時間変化より求める
(原点Oに関する) 角運動量 の時間変化が 力のモーメント に等しいという式 d~L
dt =N~ ¨
§
¥
佐川本間(11.3)¦¨
§
¥
高木I (6.16)¦ (13.5)
を用いる。
L~ =~r(t)×m~v(t) =m
`sin(θ(t))
−`cos(θ(t)) 0
×
`cos(θ(t))dθ(t)dt
`sin(θ(t))dθ(t)dt 0
=
0 0 m`2dθ(t)dt
. (13.6)
質点には重力
F~g= (
0,−mg ,0 )
, gは重力加速度の大きさ, (14.1) と棒からの力
F~T =
(−T(t) sin(θ(t)), T(t) cos(θ(t)),0 )
, T(t)は力の“大きさ” (14.2)
がはたらく。(T<0の場合,図と力の向きが逆になる。)~r(t)×F~T =~0 なので力のモーメントは
N~ =~r(t)×F~g=
`sin(θ(t))
−`cos(θ(t)) 0
×
0
−mg 0
=
0 0
−mg`sin(θ(t))
(14.3)
となる。(13.5)のz成分が(13.1)となる。
【注】(13.1)の導出2:質点の運動方程式より求める
質点の座標を~r(t) = (x(t), y(t),0) とすると,質点の運動方程式 md2~r(t)
dt2 =F~g+F~T (14.4)
の x,y成分は
md2x(t)
dt2 =−T(t) sin(θ(t)), md2y(t)
dt2 =−mg+T(t) cos(θ(t)) (14.5) となる。一方,
x(t) =`sin(θ(t)), y(t) =−`cos(θ(t)) (14.6) より
d2x(t) dt2 = `
(
cos(θ(t))d2θ(t)
dt2 −sin(θ(t)) (dθ(t)
dt )2)
(14.7) d2y(t)
dt2 = ` (
sin(θ(t))d2θ(t)
dt2 + cos(θ(t)) (dθ(t)
dt )2)
(14.8) となるので,(14.5)は
m`
(
cos(θ(t))d2θ(t)
dt2 −sin(θ(t)) (dθ(t)
dt )2)
= −T(t) sin(θ(t)) (14.9)
m`
(
sin(θ(t))d2θ(t)
dt2 + cos(θ(t)) (dθ(t)
dt )2)
= −mg+T(t) cos(θ(t)) (14.10) となる。(14.9)×cos(θ(t))+(14.10)×sin(θ(t))より(13.1)が得られる。また,−(14.9)×sin(θ(t))+(14.10)×cos(θ(t)) より
T(t) =mgcos(θ(t)) +m`
(dθ(t) dt
)2
(14.11) が得られる。
現数B.15
.
3 連成振動
目標
・2個以上の物体とばねがあるときに運動方程式を書ける。
・連成振動の微分方程式を基準(固有)モードの方法で解ける。
3.1 2
個の質点の連成振動¨
§
¥
小形§2.1¦
【問15】
質量mの2つの質点が,下図のように,自然長`,ばね定数がそれぞれk1,k2,k3 のばねにつながれている。図 のように座標系をとった場合の2つの質点の運動方程式を書きなさい。
x
O
m m
1
( ) t
x x
2( ) t
k
1l k2 l k3 l
l
3 l
【答15】
一番左のばねが時刻tに左の質点におよぼす力(のx成分),FL(t),は【問1】と同様に考えて FL(t) = −k1
(
x1(t)−` )
. (15.1)
また,一番右のばねが時刻tに右の質点におよぼす力(のx成分),FR(t),は【問2】と同様に考えて FR(t) = −k3
(
x2(t)−2`
)
. (15.2)
次に,中央のばねが,時刻tに左の質点におよぼす力,FM1,を考える。時刻tでのばねの長さはx2(t)−x1(t) なので,ばねが質点におよぼす力の大きさはk2|x2(t)−x1(t)−`|となる。力の向きは
x2(t)−x1(t)> ` ばねは伸びている 力はx軸の正の向き
⇒ FM1(t) = +k2|x2(t)−x1(t)−`|=k2
(
x2(t)−x1(t)−` )
, (15.3) x2(t)−x1(t)< ` ばねは縮んでいる 力はx軸の負の向き
⇒ FM1(t) =−k2|x2(t)−x1(t)−`|=−k2 (
`−x2(t) +x1(t) )
(15.4) となる。どちらの場合も
FM1(t) =k2
(
x2(t)−x1(t)−` )
(15.5) と書ける。同様に,中央のばねが,時刻tに右の質点におよぼす力,FM2,は
FM2(t) = −FM1(t) =−k2 (
x2(t)−x1(t)−` )
(15.6) となる。以上より運動方程式は次のような連立微分方程式となる:
md2x1(t)
dt2 = FL(t) +FM1(t) = −k1
(
x1(t)−` )
+k2
(
x2(t)−x1(t)−` )
, (15.7)
md2x2(t)
dt2 = FR(t) +FM2(t) = −k3
(
x2(t)−2`
)−k2
(
x2(t)−x1(t)−` )
. (15.8)
【問16-1】
3つのばねに蓄えられる位置エネルギー(力のポテンシャル)U(x1, x2)から,それぞれの質点にはたらく力を求め なさい。
【答16-2】
ばねに蓄えられる位置エネルギー= ばね定数
2 ×(自然長からのばねの伸縮)2 (16.1)
を用いる。左のばねに蓄えられる位置エネルギーは k21 (
x1−` )2
,中央のばねに蓄えれる位置エネルギーは
k2
2
(
x2−x1−` )2
,右のばねに蓄えられる位置エネルギーは k23 (
2`−x2
)2
,なので,
U(x1, x2) =k1 2
( x1−`
)2
+k2 2
(
x2−x1−` )2
+k3 2
( 2`−x2
)2
(16.2) となる。これより
左の質点に働く力=−∂U(x1, x2)
∂x1
= −k1
( x1−`
) +k2
(
x2−x1−` )
(16.3) 右の質点に働く力=−∂U(x1, x2)
∂x2
= −k2 (
x2−x1−` )
+k3 (
2`−x2 )
(16.4) が得られる。確かに(15.8)の左辺に一致している。
平衡点からの変位で表した運動方程式
平衡点は3つのばねが全て自然長の場合でx1=`,x2= 2`となる。平衡点からの変位
u1(t) =x1(t)−` , u2(t) =x2(t)−2` (16.5) を用いて運動方程式(15.8)を書くと
md2u1(t)
dt2 = −(k1+k2)u1(t) +k2u2(t) (16.6) md2u2(t)
dt2 = k2u1(t)−(k2+k3)u2(t) (16.7) となる。
【問16-2】
k1=k3の場合 に,連立常微分方程式(16.6,16.7)を次の新しい座標
U1=u1+u2, U2=u1−u2 (16.8)
を用いて表しなさい。
【答16-2】
md2U1(t)
dt2 = md2u1(t)
dt2 +md2u2(t)
dt2 =−(k1+k2)u1(t) +k2u2(t) +k2u1(t)−(k2+k1)u2(t)
= −k1
(
u1(t) +u2(t) )
=−k1U1(t) (16.9)
md2U2(t)
dt2 = md2u1(t)
dt2 −md2u2(t)
dt2 =−(k1+k2)u1(t) +k2u2(t)−k2u1(t) + (k2+k1)u2(t)
= −(k1+ 2k2) (
u1(t)−u2(t) )
=−(k1+ 2k2)U2(t) (16.10)
現数B.17 新しい座標U1, U2を用いると,連立微分方程式(16.7)が,結合していない2つの単振動の運動方程式になる ことがわかる。このような座標を 基準座標 とよぶ。一般解は(3.3)より
U1(t) = C(1)cos(ω(1)t) +D(1)sin(ω(1)t) =A(1)cos(ω(1)t−θ(1)), ω(1)=
√k1
m, (17.1)
U2(t) = C(2)cos(ω(2)t) +D(2)sin(ω(2)t) =A(2)cos(ω(2)t−θ(2)), ω(2)=
√k1+ 2k2
m (17.2)
となる。{C(i), D(i);i= 1,2}あるいは{A(i), θ(i);i= 1,2}は積分定数。{ω(i);i= 1,2}は系の 固有振動数 とよばれる。
質点の座標は
u1(t) =1 2 (
U1(t) +U2(t) )
, u2(t) = 1 2 (
U1(t)−U2(t) )
(17.3) となる。
連成振動は基準モードの和 º
¹
·
¸ この例のように,一般に,ばねで結合された複数の質点の振動( 連成振動 とよぶ)は,基準座標で表された
独立な単振動の和で表される。この独立な単振動の1つ1つのことを 基準モード (または 固有モード ) とよぶ。
x
O
m m
1( )t
x x
2( )tk
1l l l
k
23 l k
1U
1基準モードU1
x
O
m m
1( )t
x x
2( )tk
1l k
2l l
3 l k
1U
2基準モードU2
【問17】
【問16-1】でk1=k3の場合 を考える。初期条件 x1(0) =`+a , dx1(t)
dt
¯¯¯¯
t=0
= 0, x2(0) = 2` , dx2(t) dt
¯¯¯¯
t=0
= 0 (17.4)
に対する解,u1(t), u2(t)を求めなさい。
【答17】
平衡点からの変位を表す座標u1, u2の初期値は u1(0) = a , du1(t)
dt
¯¯¯¯
t=0
= 0 , u2(0) = 0 , du2(t) dt
¯¯¯¯
t=0
= 0 (17.5)
となる。(16.8)より,基準座標U1, U2の初期値は U1(0) = a , dU1(t)
dt
¯¯¯¯
t=0
= 0 , U2(0) = a , dU2(t) dt
¯¯¯¯
t=0
= 0 (17.6)
なので,U1(t), U2(t)は
U1(t) = a cos(ω(1)t) , U2(t) = a cos(ω(2)t) (17.7) となる。(17.3)より解は以下となる:
u1(t) =a 2 (
cos(ω(1)t) + cos(ω(2)t) )
, u2(t) =a 2 (
cos(ω(1)t)−cos(ω(2)t) )
. (17.8)
2つの質点が弱く結合している場合(k2¿k1)と強く結合している場合(k2'k1)のu1(t), u2(t)のグラフを以 下に示す:
1( ) u t
2( ) u t
t
t Tbeat
m= 1, k1= 1, k2= 0.1, a= 1 2つの質点が弱く結合している場合
1( ) u t
2( ) u t
t
t
m= 1, k1= 1, k2= 0.8, a= 1 2つの質点が強く結合している場合
2つの質点が弱く結合している場合は,左の質点の振動がだんだんと右の質点に伝わっていくことがわかる。
うなり ¨
§
¥
小形§2.5¦
2つの質点が弱く結合している場合(k2¿k1),2つの固有振動数はほぼ等しくなる(ω(1)'ω(2))。振動数がほ ぼ等しい2つの単振動の和からは振幅が繰り返し大きくなったり小さくなったりする うなり と呼ばれる現象 が生じる。うなりの周期(振幅が大きくなる時間間隔),Tbeat,は
Tbeat= 2π
|ω(2)−ω(1)| (18.1)
となる。(18.1)は解(17.8)を以下の公式を用いて書き換えると導ける。
'和積公式
&
$
% cos(α) + cos(β) = 2 cos
(α+β 2
) cos
(α−β 2
)
(18.2) cos(α)−cos(β) = −2 sin
(α+β 2
) sin
(α−β 2
)
(18.3) sin(α) + sin(β) = 2 sin
(α+β 2
) cos
(α−β 2
)
(18.4) sin(α)−sin(β) = 2 cos
(α+β 2
) sin
(α−β 2
)
(18.5)
ωbeat=ω(2)−ω(1), ωav=1 2
(
ω(2)+ω(1) )
(18.6) とすると(17.8)は(18.2)と(18.3)より
u1(t) = acos(ωavt) cos(1
2ωbeatt)
(18.7) u2(t) = asin(ωavt) sin(1
2ωbeatt)
(18.8) と表せる。k2がk1に比べて小さいので
ω(1)'ω(2)'ωavÀωbeat. (18.9)