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アレルギー疾患 の所見パターンと臨床的意味とまとめ ( 比較しやすいように テキストとは順番を変えています ) アレルギー疾患 症例 14 症例 1 膀胱炎 女性 65 歳農業 ( 三十年の軌跡 P229) 4 花粉症及び通年性アレルギー性鼻炎 男性 53 歳地方公務員 ( 長野康司症例 ) タイプ

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長野式臨床研究会

平成 23 年 第 13 期 「大阪マスタークラスセミナーQ&A」

第5回 テーマ『アレルギー疾患』

平成 23 年 9 月 25 日

講師 長野康司

『アレルギー疾患』 私達の身体は長い時間をかけて免疫システムが確立してきた ↓ 近年医学、衛生学の発達で、抗生物質の進化や生活環境の整備で微生物の脅威が減少 ↓ 環境面で守られすぎ、自分の免疫を十分に発揮しなくてよくなり 免疫バランスが崩れ、害の無いものにまで過剰反応をしだす ↓ アレルギー体質者が増加

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2 「アレルギー疾患」の所見パターンと臨床的意味とまとめ (比較しやすいように、テキストとは順番を変えています) 『アレルギー疾患』症例①④ 症例 ①「膀胱炎」 女性 65 歳 農業(「三十年の軌跡」P229) ④「花粉症及び通年性アレルギー性鼻炎」 男性 53 歳 地方公務員 (長野康司症例) タイプ 季節性のアレルギー 季節性及び通年性のアレルギー性鼻炎 主訴 頻尿、排尿不快感 めまい、鼻・咽喉違和感 現病歴 毎年田植えの時期発症 田んぼに入ると憎悪 数年来の花粉症 咽喉の違和感は長期に渡る プロセス 慢性扁桃炎→田植え季節の何かのアレルギー →毎年同じ時期に膀胱炎発症 慢性扁桃炎→慢性的に自律神経失調→年中バラ ンスを崩している→アレルギー性鼻炎 随伴症状 足腰の冷え、慢性気管支炎 20 日前メニエール再発、10 年来の耳鳴り 脉状 滑(アレルギーによく出る脉状) 沈やや虚(症状が長い事を表す) 腹診 中極(膀胱経募穴)(+) 大赫(膀胱炎に反応が出やすい)(+) 右天枢(肺実)(+) 火穴 魚際(肺)、行間(肝)、崑崙(膀胱)に(+) 魚際(+) 局所 特記なし 特記なし 所 見 その他 蠡溝(肝絡穴)(+) アレルギー体質(痒み出やすい) 順証逆証 脉状、腹、火穴等「実」で「順」 脉状「虚」、腹「やや実」で「逆」 ①扁桃処置(扁桃 7 点を使う) ②アレルギー処置(腰兪・命門・脊柱・身柱等) ③肺実処置(尺沢) 処置 所見に沿っ て ①扁桃処置→基本処置で外せない ②大椎周囲 4 点→慢性気管支炎に対して ③通谷・至陰(膀胱気水穴) 刺鍼と施灸 蠡溝・曲泉(膀胱炎の特効穴) 刺鍼と多壮灸 ④中極(膀胱募穴)に皮内鍼固定 経過 遠隔地で自宅施灸 3 ヶ月間、その間に 4 回鍼 治療、その後 5 年発症せず、治癒 メマイは 2 回の治療(扁桃・アレ・胃 3 点)で消失。 4 回目、花粉の時期に再発、咳も出る。 「沈遅」で腎虚を現す。 8 回目「沈」あまりない。 その 2 ヵ月後、症状再発、「沈やや遅」があるの み。その後 2 回で症状消失。 解説 ・毎年同じ時期に発症する場合、アレルギー があると考えられる。 ・原病巣となりやすい扁桃の強化が重要。 ・膀胱粘膜強化に「蠡溝」の多壮灸が有効。 ・膀胱炎の起炎菌の炎症抑えるために「通谷」 「至陰」の施灸。 ・下腹部膀胱の違和感に「中極」の皮内鍼。 ・沈遅→自律神経・内分泌双方低下→血行障害、 反射機能低下→全身倦怠、腰痛、頚肩こり、 足腰冷え、耳鳴り、めまい、不眠、神経痛、 筋肉・関節痛等を発症させる。(脉改善大事) 「症例①のポイント」 ・毎年同じ時期に発症するものは、「季節がアレルゲン」と考えられる。 季節性のものは、春と秋の気候の変わり目に現れやすい。(気管支喘息等) ・免疫のバリヤ機能強化には「扁桃処置」が大事。 ・膀胱実には、膀胱経の気水穴「通谷・至陰」を使う。 また、膀胱炎の特効穴「蠡溝」の多壮灸や、「曲泉」の施灸も効果がある。 (膀胱炎イコール「蠡溝」の多壮灸と考えても良い) ・根本的に体質を変えるためには、「もっぱら施灸」 即効的には「刺鍼」だが、症例①も、他の症例も同じ「お灸」が効を奏している。

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3 「症例④のポイント」 ・脉の「沈虚」は非常に弱い脉状なので、この改善が大事です。 ・「右天枢」「魚際」そして、鼻の症状、全て「肺実」の症状が揃っています。つまり、「扁 桃処置」がポイントになります。 ・「沈脉」は、症状が長い事を表している。 ・8 回目の時には「沈」がなく、浮いてきている。症状が軽くなってきたが、「沈脉」の改 善には時間がかかるものです。 『アレルギー疾患』症例②③ 症例 ②「慢性気管支炎」 女性 52 歳 主婦(「三十年の軌跡」P283) ③「気管支炎」 男性 41 歳 自営業(「三十年の軌跡」P328) タイプ アレルギー性の気管支炎 アレルギー性の気管支炎 主訴 咳 咳 現病歴 1年前より咳が止まらない 急に息苦しくなり咳が出て汗が出る 専門医→アレルギー気管支炎と診断 3週間前より激しい咳が止まらない 病院で喘息と診断、加療も、好転しない プロセス アレルギー体質と扁桃の慢性的な弱体化→慢 性気管支炎 何も異常なし→突然の激しい咳→アレルギー性 気管支炎 随伴症 薬アレルギー反応あり(服薬不可) 結婚後常に風邪を引きやすい状態 胸が苦しい、倦怠感 脉状 細数(血流が悪く熱がある) 腎虚・肺実(脉差診) 滑(痰ある時に出やすい脉状) 腎実(脉差診) 腹診 特記なし 特記なし 火穴 魚際(+)(肺実) 特記なし 局所 天牖(+) 扁桃反応(天牖)(+) 所 見 その 他 アレルギー性体質(特異体質) 特記なし 順証逆証 脉状「虚実」、腹「虚」、症状「実」で「逆」 脉状「実」、反応「実」、症状「実」で、「順」 処置 所見に沿 って ①扁桃処置(慢性的な扁桃の弱体化) ②C7(扁桃)、T1.2(中枢)、T3(胸腺)、T7(瘀血) 以上に横 V 字椎間刺鍼 ③「大腸兪」「次髎」(細脉に対し)刺鍼 ④「天牖」「大椎」「曲池」「照海」(扁桃 7 点) 「尺沢」(肺実)に施灸 (ただし「大椎」は 21~31 壮多壮灸) ①「公孫」「尺沢」15 分留鍼(腎実の咳) ②内ネーブル雀啄(臍は「脾」津液に関与) ③C7(扁桃)、T3(胸腺)の横 V 字椎間刺鍼 ④内ネーブル皮内鍼(アレルギーに必須) ⑤「公孫」「尺沢」に施灸(腎実と粘膜の炎症) 経過 毎日施灸、週 1 鍼→4回である程度回復 細数→細沈遅に変化「太谿」「尺沢」15 分留鍼 その後月 1 回治療→約 1 年で症状改善 1 回目の治療で、咳が殆んど止まる。 2~3 日おきに 4 回治療、全症状消失。 解説 ・扁桃を原病巣とする疾病は、1 年の季節の変 化に適応するよう体力を養うようにしなけ ればならない。 ・脉の変化は身体の変化、変化に応じて処置も 変えなければならない。 ・この場合もお灸が大事。 ・「公孫」を使ったのは、「腎実」があったので 「太谿」では、「腎」を補う事になる為、脾経 の「公孫」を使った。 肝 腎 心 肺 脾 ・「公孫」は粘膜に関係の深い脾経の絡穴。 ・3 週間の症状は、やや慢性化していると診た。 ・「内ネーブル」は、粘膜下のリンパ組織を活性 化し、抗体産生を増大させるのではないか。 ・「内ネーブル」の刺鍼方向は、内方 45°深さ 10 ㍉、念入りに雀啄。

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4 「症例②のポイント」 ・薬のアレルギーがあるということは、特異体質で、もともと扁桃が弱い。 ・脉差の「肺実」、「魚際」の圧痛、「天牖」の圧痛、明らかに扁桃の反応が出ている症例。 ・「数脉」が「遅脉」に変わった。 通常なら「照海・兪府」を使うが、「太谿・尺沢」の「咳の処置」を使う。 ・1年間アレルギー症状がある場合、1年かけて「季節に合う身体」になるように体質を 変えていった。その為に1年の時間を要した。 「症例③のポイント」 ・「滑脉」は、気管支の痰を意味する。 ・喘息は、気道が過敏なので、ちょっとした事(気温、空気の流れ、臭い等)でも症状が 出る。 ・咳には、通常「太谿」を使うが、「腎実」があるので、「太谿」で腎を補ってしまうと症 状が悪化する事も考えられる為、「脾経の絡穴」である「公孫」を使って、「腎実」を抑 える事が必要になる。 また、「公孫」は、粘膜の炎症にも良く効く。 ・激しい症状が3週間続いているということは、本人の苦痛も長い、それが「腎実」を呈 しているのではないか。そして、やや慢性化していると考えても良い。 ・「内ネーブル」は、臍の部分なので、後世派の診方では「脾」に関わりがあり、「津液」 にも関係する。 つまり、粘膜下の活性化を促す働きがあると考えられ、この症例の場合は「気道粘膜」 を活性化させることとなる。 ・「内ネーブル」の刺鍼方法は、45°中心へ向けて、寸 3-②番で、10 ㍉位刺入雀啄。 単刺では効かない、雀啄が大事です。その後、5 ㍉の皮内鍼固定で効果が増す。 『質問 01』喉に痰が、朝、晩、時には昼にも溜まります。副鼻腔炎の関連でしょうか? 「返答 01」そうですね、関連あると思います。冷えると出やすいです。 『質問 02』痰がからむ時の処置は? 「返答 02」手関節横紋中央に、痰切れのツボ「太陵」があります。両側やってください。 また、「滑脉」を打っていれば、「脾」を使います。「商丘」「陰陵泉」や「督脈 上のツボ」がいいです。因縁のツボの「風市」(胆経)も頑固な症状に効きます。 雀啄は長めにやってあげてください。

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5 『アレルギー疾患』の臨床的パターンとキーポイント 脉状 「滑脉」アレルギー疾患が出ている場合、比較的「滑脉」を打つ。 「左寸口の滑」→気管支に炎症あり、痰が出る。 「細」や「沈」の「虚的な脉」が出る事もある。 腹診 「右天枢」に出やすいが一様ではない。 火穴 「魚際」や「行間」に出る場合がある。 その他 「天牖」には多く出やすい。 「自律神経過敏」が多い。 アレルギー 発症 プロセス 「花粉症」 花粉に接触→免疫バランスの乱れ→IgE 抗体が作られ→粘膜の肥満細胞に付着→花粉の 侵入に備える→再度花粉を感知→肥満細胞がヒスタミン等の化学物質放出→花粉除去反 応(くしゃみ、鼻水、目のかゆみ等) 「アレルギー患者増加理由」 ・食生活の変化(高蛋白、高脂肪等) ・住環境の変化(殺菌・消毒の徹底、住宅の高気密、新建材等) ・ストレスの増加(不規則な生活リズム、管理社会等) これらが→バリヤ機能低下→免疫反応の異常→アレルゲンに過剰反応→アレルギー アレルギー 疾患 共通の処置 免疫異常や自律神経・内分泌のアンバランスが原因となるので、 「扁桃」の強化、「自律神経」の調節が治療ポイントとなる。(太字が特に重要) ①「命門」L2(副腎強化) ②「脊柱」T11(糖代謝) ③「至陽」T7(瘀血ある場合) ④「筋縮」T9(肝疾患を伴う場合) ⑤「中枢」T10(胆のう疾患を伴う場合) ⑥「接骨」T12「神道」T5(胃疾患を伴う場合) ⑦「巨厥兪」T4(心疾患・眼窩疾患を伴う場合) ⑧「身柱」T3(胸腺強化、アレルギー疾患に不可欠) ⑨「陶道」T1「T2」(脳・顔面・頚部の循環障害を伴う場合、血圧亢進) ⑩「腰兪」仙骨下(副交感神経賦活させるので、自律神経調節に不可欠) 個別 アレルギー 処置 引用 耳針療法 針灸經外奇穴図譜 「アレルギー性鼻炎」 ①「腰兪・命門・脊柱・身柱」(抗アレルギー体質にする為に、刺鍼と特に施灸が大事) 「風池・上星・顖会」(鼻水を止め、鼻スッキリ) (毎日の施灸で「抗アレルギー体質」になっていく) ②「内庭・厲兌」(胃経気水穴)に補鍼、「解谿」(胃経火穴)を瀉鍼 「商陽・二間」(大腸経気水穴)に補鍼、「陽谿」(大腸経火穴)を瀉鍼 (鼻は「陽明経」が巡っている為、「胃経」「大腸経」の気水穴を使う) 「アレルギー性眼瞼炎・結膜炎」 ①「命門・脊柱・身柱・巨厥兪」(共通の処置) 「膏肓・合谷」(眼のツボ) 「アレルギー性喘息」 ①高校生以下の若年者 「三陰交・支溝」(毎日施灸 1 ヶ月)(血流改善、扁桃強化、「支溝」は子供の扁桃処置) 「孔最」(肺経の郄穴)に皮内鍼固定 ②成人及び高齢者 「魄戸・膏肓」(皮内鍼固定)(咳で背中に張りが強く出る) 「復溜・至陰」(施灸)(腎と膀胱の強化) 「耳垂扁桃点」(皮内鍼固定)(←左図参照) 「アレルギー性口内炎」 ①「二間・内庭」(陽明経水穴)(施灸) ②「商陽・厲兌」(陽明経気穴)(頑固な場合は、この「気穴」を追加する) 「蕁麻疹」 ①「築濱」(解毒のツボ)(皮内鍼固定) ②「肩髃」(皮膚病のツボ)(施灸 15 壮、嫌がる場合は皮内鍼でも可)

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6 「アレルギー疾患のポイント」 ・アレルギーのある患者は、「虚脉」が多いようだ。 ・アレルギー体質の人は「IgE 抗体」が出来やすくなっているので、それに対応しなけれ ばならない。これがアレルギー体質の元です。 ・「身柱」は、胸腺の裏になり、胸腺由来の免疫細胞「T細胞(Tリンパ球)」の活性化に深 く関わる。 『質問 03』家庭での施灸する場合、施灸箇所が多くありますが、全部すえるのですか? 1~2 穴撰んでやってもいいですか? 「返答 03」基本的に、鼻炎には「腰兪・命門」、次に「気水穴」。先代がやっていましたが、 効果あります。アレルギーには「気水穴」も効果があります。 できたらやった方がいいです(特に「扁桃7点」は重要) 『質問 04』艾の大きさは、半米大ですか? 「返答 04」そうですね、しかしやってもらうと、初めは大きいお灸になりますが、だんだ ん小さくなり、上手くなって来ます。 今は、お灸をやらない人が多いので、灸点紙を使ってもらったり、どうしても ダメな場合は、せんねん灸(台座付間接灸)でもいいです。(本意ではないが) 『質問 05』お灸の焼加減は?(笑い)痕が残らないお灸をする人がいますが、どうでしょ う? 「返答 05」江戸時代、華岡青洲が考案した「紫雲膏(しうんこう)」を塗るという手があ ります、やけど抑えの外用薬です。 お灸をやる前に「紫雲膏」を塗ってやるといいですよ。 本当は、直灸(透熱灸)で、最後まで燃やした方がベストです。 『質問 06』「紫雲膏」は、延ばして塗るのですか? 「返答 06」厚みが1㍉位に延ばしてやります。 『質問 07』蕁麻疹の処置の、「皮内鍼固定」と「お灸」の違いは? 「返答 07」お灸が苦手な人には「皮内鍼」でもいいです。 「中極」は皮内鍼、「扁桃7点」は皮内鍼よりお灸をやります。 基本的には「お灸」、苦手な人には無理強いしなくて「皮内鍼」でもいいです。 「肩髃」は、何で初めから皮内鍼にしないかというと、動くと痛みが出やすい ので、お灸にしたのだと思います。 また、アレルギーは、皮膚が過敏なので、テープかぶれを防ぐ理由としてお灸 を使うという意味もあります。 場所的なもので、皮内鍼やお灸の使い分けに違いがあると考えていいです。 『質問 08』アレルギー処置の督脈のツボは、普通に刺すのですか?横 V 字椎間刺鍼ですか? 「返答 08」アレルギーは、体質を変えるために、「陰証」に対し「陽」を使っています。 横 V 字椎間刺鍼は、「血管運動神経活性化処置」といって、血管運動神経の活性 化が目的なので、使い方はまったく違います。

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7 『質問 09』アレルギーに限らず、過敏な人を治癒させる為には? 「返答 09」花粉症も同じですが、結構繰り返す人が多いです。 根治の為には、お灸です。 抗アレルギー体質にする為には、IgE 抗体を減らす「脾経」が大事です。 鍼よりお灸をする事で変わってくるのです。 『質問 10』皮膚の症例のアトピーはないのですが、どうしたらいいですか? 「返答 10」じんましんと同じ処置(肩髃・築濱)でいいです。 『質問 11』アトピーは、特に症状がでている側をやるのですか? 「返答 11」所見に沿って、扁桃、瘀血、アレルギーに対してやる処置にプラスして「肩髃・ 築濱」を両側やります。 10人来て10人に効くというわけではないですが、7~8割位は効きます。 全身にあったものが局所だけになった等、だんだん変化してきます。効果があ りますよ。 『質問 12』アトピーの場合、薬を多く使っている場合があると思いますが、どう指導した らいいですか? 「返答 12」ステロイドの外用薬を使っている事が多いと思いますが、 徐々に減らしていけばいいです、いきなりやめてはいけません。 『質問 13』処置の順番で、上向きで「瘀血」取ってから、「扁桃」をやった方がいいです か? 「返答 13」同時進行で構いません。 留鍼以外は、同時進行でやっていいです。

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8 『長野康司治療ノート』 「アレルギー体質者の傾向」 症例 ⑤男性 59 歳 会社役員 ⑥女性 36 歳 主婦 ⑦男性 40 歳 自営業 主訴 左上腕部シビレ 肩こり 腰痛 アレルギー性喘息あり 頭重 頚肩の凝り アレルギー体質(ハウスダスト) 現症 2 年前より発症 最近ひどい 記載ないが、 5 年前から来院している 記載ないが、 4・5 年前から来院している 脉状 やや血虚 血虚 細虚 腹診 腹やや冷え 左天枢(+)(肺実) 左中注(+)(瘀血) 胃内停水(水毒) 右天枢(+)(肺実) 火穴 なし 特記なし 特記なし 所 見 局所他 胸鎖乳突筋硬化 皮膚がベトベト(糖分過剰) 陰陵泉(+) 過敏な人 順証逆証 脉「虚」、腹「虚」で「順」 脉「虚」、腹「実」で「逆」 脉「虚」、腹「実」で「逆」 処置 扁桃(基本処置) 丘墟・上四瀆(胸鎖乳突筋緊 張あるので) 横 V 字(シビレに頚椎を) 骨盤虚血(血虚に) 扁桃(基本処置) 肝実(左天枢に) 瘀血(左中注に) 骨盤虚血(血虚に) 帯脈(筋肉系の痛み・凝りに) 扁桃(基本処置) 肺実(右天枢に) 副腎(身体過敏で弱っている為) 骨盤鬱血(陰陵泉に) 経過 1 回でほぼ消失 2 回目、血虚→弦 6 回目以降、血虚なし、体調 良好 2 回目、頚すじ大分軽い 5 回目以降、 脉変化し、虚→やや数 3 人に共通 ・比較的「虚脉」あるが、数回で好転→症状も改善されてきている ・比較的「神経過敏体質」(健康に対する、知識・意識が高い) ・術後の反応が早い(神経過敏とも関係がありそう) ・「症例⑥」の皮膚がベトベトは、汗のベトベトとは違い、砂糖っぽくネバ・ベト。糖分過 剰を表している。 ・アレルギーは、免疫過敏なので、免疫強化が大原則。 ・アレルギー自体は過敏反応だが、長期になると「陰証」になる。 「陰証」の場合は「督脈」を使う。 ・アレルギーは、1回の治療で変わるものではないが、体質を根気よく変えていくことで アレルギー反応は変わってくる。 その為には、お灸が不可欠になる。

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9 「脉のイメージトレーニング」 頭の中で患者さんを診ている様に、臨床を想定してイメージしてください。 症例①「滑」 クルッとした、球を転がすような脉。 緊張ではなく、先が丸まったような感じです。 アレルギーの脉でもあります。 「寸口の滑」は、痰を現す。 症例②「細数」 「細」の細いというのは、糸の様。 血流障害を現しています。 「数」は、熱を現します。 血流が悪いと、何処かに熱があります。 この症例の場合は、1年来の咳が物語っています。 症例③「滑」 これもクルッとした脉で、 この場合は、明らかに咳を現しています。 症例④「沈やや虚」 沈んで弱い脉。 「沈」は、「中位」から「沈位」でやっと触れる脉。 症状は、長期化して、「表証」ではなく、「裏証」の状態。 「やや虚」は、身体が疲れきっていることを現す。 治療ノート症例⑤「やや血虚」 「中脉」が弱く、何か“空洞”があるような脉。 冷え(お腹の冷えも)、血流障害がある。 治療ノート症例⑥「血虚」 これも、同じ冷えを現します。 治療ノート症例⑦「細虚」 「細」細くて弱い。 症例④と同じく、冷え性、疲れきっている、正気の不足を現します。 脉を変化させるのに、5回の治療を要した。

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