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社会的責任 の基礎理論

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研究論文

社会的責任 の基礎理論

小 島 大 徳

アブス トラク ト

本稿では、企業の社会的責任 をめ ぐる議論が、歴 史的にいかなる事象 を契機 として論 じ られ るに至ったのかについて考察 し、企業の社会的責任論の基礎 を論 じている。具体的に は、(1)日本 において企業の社会的責任 がいかなる事象 を契機 として論 じられ るよ うになっ たのかについて、その歴史的背景 について検討す る、(2)企業の社会的責任 にお ける代表 的な研究者 の見解 を考察 し、その展 開や認識 の変化 について述べ る、 (3)企業の社会的責 任 に関す る議論の動向を検討す る、の3つ を取 り上げる。そ して、企業の本質 と企業運営 の在 り方 とい う今 日の経営学における2大課題の基礎理論 を構築 しよ うとす るものである。

1.はじめに

経営学や法律学な ど多 くの学問分野において、

企業の社会的責任 に関す る研究が精力的に行わ れている。そ して、今 日では、国際会議 の場 に おいて も企業の社会的責任 が議題 として挙げ ら れているように、その議論は世界的に活発 となっ ている。 しか し、一言に企業の社会的責任 といっ ても、その定義や議論の内容は論者によって様々 であ り、非常に多岐に渡 ってい る。 た とえば、

「企業 には どの よ うな責任 が存在す るのか」 と い う社会的責任の具体的内容 について論 じるも の もあれ ば、 「企業 に社会的責任 は存在す るの か」 とい うよ うに、企業は どのよ うな存在であ るかを問 うよ うな議論 も存在 しているのである。

そ こで、本稿 では、企業の社会的責任 をめ ぐ る議論が、歴史的にいかなる事象 を契機 として 論 じられ るに至ったのかについて考察 し、企業 の社会的責任論の基礎 を論 じよ うとす るもので ある。そ こで、第2節では、 日本 において企業 の社会的責任がいかなる事象 を契機 として論 じ られ るよ うになったのかについて、その歴史的 背景について検討す る。そ して、第3節 では、

企業の社会的責任 にお ける代表的な研究者 の見 解 を考察 し、その展開や認識 の変化 について述 べ る。 くわえて、第4節では、企業の社会的責 任 に関す る議論の動向を検討す る。

2.

企業の社会的責任 に関する議論の展開

2.1変化する社会の要請

今 日、企業の社会的責任 が強 く求 め られてい る。 これ は、企業に対す る社会の要請 と考 え ら れ、企業はこれに応 えることが求められている。

また、企業は社会において どのような役割を担っ てい る存在であるのかについて考 えなければな

らない。

企業は、商品生産 とい う職分 を社会か ら負託 され てい る1。 そ して、その商品はただの財 ・ サー ビスであってはな らず、消費者 に とって必 要 とされ、かつ、良質で安心 ・安全な財 ・サー ビスであることが求め られてい ると考 え られて い る2。 この よ うに、企業 は社会の一部 に存在

し、社会的存在であるといえよ う。

そ して、 日本 において企業の社会的責任 が唱 社会的責任の基礎理論 67

(2)

1

日本 における企業 の社会的責任 に関する認識の変化 高度経済成長期頃の企業における

企業の社会的責任に関する認識

今 日の企業における 企業の社会的責任に関する認識

(出所)筆者 作成。

え られは じめた当初 は、企業は営利活動 を行 う ために存在す るのであ り、社会的責任 を果たす 使命 は負 っていない との主張がな されていた。

しか し、今 日において企業の社会的責任 は、企 業が果たすべ き行為であるとの認識で一致 して いる。 このよ うに、社会の要請は時代 とともに 変化 していると考 え られ、企業の対応 にも変化 がみ られてい るのである。

そのよ うな、企業の社会的責任 に関す る認識 の変化 は、図1の よ うに示す ことができよ う。

まず、高度経済成長期 の頃は、企業は営利活動 を行 う存在 であ り、社会的責任 を果たす必要 は ない と考 え られていた。 しか し、公害問題 をは じめ とす る企業不祥事の発生 を契機 として、企 業の社会性が強 く問われたのである。そ して、

今 日では、企業の社会的責任 は、企業が当然 に 果た さなけれ ばな らない ものである との認識 に 至ったのである。

2. 2

日本 にお ける企業 の社会 的責任 の契機 と 動向

本格的な企業の社会的責任 を論 じる前 に、 日 本 において企業の社会的責任 が主張 され るよ う になった契機 について詳 しく検討す る必要があ ろ う。 日本 において企業の社会的責任が強 く論 じられ るよ うになった契機 は、高度経済成長期 に発生 した公害問題 な どに代表 され る企業不祥 事であった。高度経済成長がなされていた当時、

ほ とん どの企業は、利益 を求めることを第‑ に 考 えて経営活動 を行 っていた。 しか し、営利 と い う企業 目的 を最大限求めた結果 として公害が 68 国際経営論集 No.37 2009

起 こ り、企業に対す る社会の要請や経営者 の経 営行動 に変化が表れたのである。

た とえば、熊本の水俣病についてみてみると、

その原 因はチ ッソとい う企業が水俣湾 にメチル 水銀化合物 を含む排水 を放 出 していた ことにあ るとされている。 当初、水俣病 は、猫が狂い死 ぬ といった猫 の奇病 として表面化 し始 めた。そ の後、 しだいに人間にも発症 し始 めるにつれ、

水銀 に汚染 された魚介類 を食 した ことによるも のであることが長い調査 によって判 明 した。そ して、 この公害の原因は、チ ッソの工場排水で あることが判 明 したのである。 この よ うな一連 の企業経営行動 には、地域住民な どによる抗議 運動が行 われ、企業の責任 が厳 しく問われたの である。 この公害問題 は、何 も熊本だけではな く、同時に様 々な公害問題 が 日本 中で発生 した のであった。

また、企業による公害問題 とともに、カ ラー テ レビの二重価格 問題や、欠陥車問題 とい う企 業不祥事 も、企業 に対す る厳 しい批判の要因 と なった。 カラーテ レビの二重価格問題 とは、松 下電器産業な どに対 し、メーカーの表示価格 と 市場の実売価格 との差が著 しい とされた問題 で ある。そ して、消費者団体が中心 とな り、現行 商品の値下げ要求、カラーテ レビ買い控 え運動 が展開 された。 また、 トヨタ 自動車 (トヨタ) や本 田技研工業 (ホンダ)に対 しても、アメ リ カで発生 していた欠陥車問題 に影響 され、欠陥 車糾弾の動 きが生 じたのであった。

以上のよ うに、公害問題や初期的企業不祥事 が特異な企業による散発的な問題行動ではなく、

日本全国に共通 した企業経営の潮流であった と

(3)

表1 第2次大戦後 か ら2000年代初頭 にお ける企業不祥事の内容 と特徴 年代 主な企 業不祥 事 の 内容 発 生 した企 業不祥 事 の特徴 (1)1960年代 産業公害、環境破壊、欠陥 .有害商品、 企業行動の過程で、事後的または副次的

誇大広告、不当表示な ど たものが多かつたoに発生 して、結果的に反社会的行為になっ (2)1973年 の石 油 投機 、買い 占め、売 り惜 しみ、便乗値上 最初か ら反社会的行為であることを知 り

危機後 げ、株価操作、脱税、背任、贈収賄な ど なが ら、世間の 目を掠めて うまい汁 を吸お うとして、意図的に引き起 こされた ものであ り、企業の倫理性が問われ るものが多かつたo (3)1990年代 価格カルテル、入札談合、贈収賄、業務 最初か ら反社会的行為であることを知 り 上過失致死、私文書偽造 .行使、不正融 なが ら、意図的に引き起 こされた もので 資、イ ンサイダー取引、利益供与、損失 あつたが、その行為の悪質 さか ら、経営 補填、粉飾決算な ど 行動の倫理性 を厳 しく糾弾 されねばな らないものがほとん どであったo (4)2000年代初頭 集団食 中毒、食 肉な どの産地偽装、食 品 最初か ら反社会的行為であることを知 り の賞味期限の改ざん、自動車のクレーム . なが ら、意図的に引き起 こされた もので

リコール隠 し、原子炉の損傷隠 し、有価 あ り、 1990年代のそれ と同様、その行為

(出所)平 田光弘[2003]115頁を基に筆者作成。

考 えることができよ う。 この よ うな企業 による 公害問題や企業不祥事 の発 生 を契機 として、企 業 の社会的責任 が論 じられ るよ うになったので ある。今 日では1970年代 の公害問題 な どか ら派 生 した企業の社会的責任 とは異 なった社会貢献 活動 も生 まれ てきてい る。 なお、企業 の社会 的 責任 は コーポ レー ト・ガバナ ンスや企業倫理 と いった学問分野 と関係 が深 く、 これ らの学問分 野 とともに論 じられ てい るのである。

2.3日本 における企業不祥事の発生 と分析

上述 した よ うに、 日本 において、企業の社会 的責任論 は、高度経済成長期 に起 きた企業 に よ る公害問題 の深刻化や企業不祥事の発生 を契機 に論 じられ るよ うになった。 それ まで、企業 は 営利活動 を行 うために存続 してい るのであ り社 会的責任 を果 たす使命 は負 っていない との主張 が強かった。 しか し、表1の よ うに、様 々な企 業不祥事 が発生 した ことを背景 に して、企業の 社会的責任 が重要視 され るよ うになった。 そ し て、今 日では企業の社会的責任 は企業 が当然 に 果 た さなけれ ばな らない行為 である との認識 で

一致 してい る。

この よ うに、企業の社会的責任 が重要視 され るよ うになった背景 には、公害問題 をは じめ と す る企業不祥事 がある。平 田光弘は、第2次大 戦後か ら現在 までに起 こった企業不祥事 は、表 1の よ うに、(1)1960年代の高度経済成長期、(2) 1973年 の石 油危機 後、 (3)1990年代 バ ブル 経 済 崩 壊 後、 (4)2000年 代初 頭 、 の大 き く4つ に分 類 してい る3。

表1に示 した よ うに、(1)の企 業不祥 事 は企 業行動の過程 で、事後的または副次的に発生 し て、結果的に反社会的行為になったものが多かっ た4。 また、 (2)の企業不祥事 は、最初 か ら反社 会 的行為であることを知 りなが ら、世 間の 目を 掠 めて うまい汁 を吸お うとして、意図的に引き 起 こされ た ものであ り、企業の倫理性 が問われ る ものが多 かったのであ る5。 そ して、(3)の企 業不祥事 は、最初 か ら反社会的行為 であること を知 りなが ら、意 図的 に引き起 こされた もので あったが、その行為 の悪質 さか ら、経営行動の 倫理性 を厳 しく糾弾 されね ばな らない ものがほ とん どであった6。 さらに、(4)の企業不祥事 は、

(3)と同様 に、最初 か ら反社 会 的行 為 で あ る こ 社会的責任の基礎理論 69

(4)

表2 企業倫理 の課題事項一 関係領域 と価値理念‑

関係領 域 価 値 理 念 課 題 事 項

Q)競争関係 公正 カルテル、入札談合、取引先制限、差別対価、差別取扱、不当廉売、知 的財産侵害、企業秘密侵害、贈収賄、不当割戻、な ど

②消費者関係 誠実 有害商品、欠陥商品、虚偽 .誇大広告、悪徳商法、個人情報漏洩、など

③投資家関係 公平 内部者取引、利益供与、利益保障、損失補填、作為的市場形成、相場操 縦、粉飾決算、な ど

(彰従業員関係 尊厳 労働災害、職業病、メンタル‑ルス障害、過労死、雇用差別(国籍 .人種 . 性別 .年齢 .宗教 .障害者 .特定疾病患者)、専門職倫理侵害、プライバ シー侵害、セクシャル .ハ ラスメン ト、な ど

⑤地域社会関係 共生 産業災害(火災 .爆発 .有害物漏洩)、産業公害(排気 .排水 .騒音 .電波 . 温熱)、産業廃棄物不法処理、不当工場閉鎖、計画倒産、な ど

⑥政府関係 厳正 脱税、贈収賄、不 当政治献金、報告義務違反、虚偽報告、検査妨害、捜 査妨害、な ど

⑦国際関係 協調 租税回避、 ソーシャルダンピング、不当資金洗浄、多国籍企業の問題行 動(贈収賄、劣悪労働条件、年少者労動、公害防止設備不備、利益送還、

(出所) 中村瑞穂[2006]11頁.

とを知 りなが ら、意図的 に引き起 こされ た もの であ り、その行為 の悪質 さか ら、経営行動 の倫 理性 を厳 しく糾 弾 されねばな らない ものばか り であった7。

こ うした、企業不祥事の発生 か ら企業 の社会 に対す る責任 が問われ るよ うにな り、企業 は社 会 に対 して責任 を果 たす ことが求 め られ てい っ たのであ る。 なお、 中村瑞穂 は、企業不祥事 を 表2の よ うに関係領域 ごとに分類 してお り、企 業不祥事 について考 える上で1つの指標 であ る

ことを強調す る。

2. 4

新 しい企業 の社 会 的責 任 と企 業 の社 会 貢 献活動

企業の社会的責任 に関す る概念 は、時代 と共 に変化 してい る。企業の社会的責任 が論 じられ は じめた頃は、利益 を挙 げることは社会 に対 し て も良い ことである との考 えが主であった。 こ の頃は、社会的責任 に対 して消極的であ り、そ の行動 も問題 が発生 してか ら対処す るよ うな受 動的な ものであった。 しか し、相次 ぐ企業不祥 事の発生か ら、企業 に対 して厳 しい視線 が注 が れ るよ うになる と、企業は受動的 な対応 (企業 70 国際経営論集 No.37 2009

の社会的責任 )か ら、問題 が発生す る前 に未然 に防止 しよ うとす るよ うな能動的な対応 (企業 の社会的即応性) を行 うよ うになってい ったの である8。

企業の社会的責任 と企業 の社会的即応 の概念 については、図2によ うに示す ことができよ う。

まず、企業の社会的責任 にお ける問題‑の対応 は、問題 が発生 してか ら行動す る といった受動 的な対応 であった とい えよ う。 また、企業 の社 会的即応 にお ける問題 ‑の対応 は、問題 が発生 す る前 に未然 に防止 しよ うとす る能動的な対応 である とい えよ う。

そ して、バ ブル経済が崩壊 した1990年代初頭 以降は、公害 問題 な どか ら論 じられ るよ うにな り、 これ までの企業 の社会的責任 とは異 なる企 業の社会貢献活動 が生 まれ て きてい る。 た とえ ば、具体的な社会貢献活動 として、企業が芸術 活動や文化活動 を支援す る活動であるメセナや、

慈善活動 を指す フィラン ソロピー といった活動 が徐 々に広 まってい った。 また、経団連 におい て、会員 に対 し経常利益や可処分所得の1パー セ ン ト相 当額以上 を 自主的に社会貢献活動 に支 出 しよ うと努 める1パーセ ン トクラブが作 られ た。 この よ うに、社会貢献活動 が積極的に行わ

(5)

図2 企業の社会的責任 と企業の社会的即応性

問題が発生してから行動す るといった受動的な対応

企業の社会的責任

問題が発生する前に未然に防止

企業の社会的即応性 (出所)筆者作成。

3

企業の社会的責任活動の体系

具体 的な施策 の範 囲 例示

企業の社会的責任活動 狭義の社会貢献活動 環境保全活動、国内経済成長、企業価値向上活動、

企業の福利厚生充実など

広義の社会貢献活動 メセナ、フィランソロピー、海外の貢献活動、技術 (出所)小島大徳[2007a]86頁.

れていった。そ して、 これ らよ りも一歩進んだ 社会的責任 を果たそ うとす る企業活動 も見 られ るよ うになる。その特色は、それ まで国内中心 であった企業の社会貢献活動 を、海外 にも拡大 す るとい うことである9。

そのよ うな、企業の社会的責任活動は、おお まかに表3の よ うな広義 と狭義の社会貢献活動 に分 けることができる。 まず、狭義の社会貢献 活動 は、環境保全運動や国内経済成長、企業価 値 向上活動や福利厚生充実な どが挙げ られ る。

つぎに、広義の社会貢献活動 は、メセナや フィ ランソロピー、海外の貢献活動や技術移転 な ど が挙げ られ る。

くわえて、近年では、経済的な指標 とともに、

社会的な指標 も考慮す るとい う社会的責任投資 (socialResponsible Investment,SRI) も活発化 してきてお り、 こ うした動 きも無視す ることは できない。 しか し、資本市場の盛衰 によって、

SRIの規模 が変化す る可能性 が大であ り、現代 社会 に果たす役割や影響力は、限定的な ものに なると思われ る。

3.

企 業 の社 会 的 責 任 に関 す る学 説

3.1企業 の社会 的責任 に関す る議論 とそ の特 徴

企業の社会的責任 に関す る定義や見解 は論者 によって様 々であるが、論者 の展開は大き く2 つ に分 けることができる。 1つは、企業には社 会 に対す る責任 が存在 し、それ を果た していか なければな らない と考 える社会的責任肯定論で ある。 も う1つは、企業に社会的責任 は存在せ ず、利潤 を生み出 して株主の利益 を考 えること が企業の社会的責任 であるとい う社会的責任否 定論である。 この2つは、企業の社会的責任が 社会的責任の基礎理論 71

(6)

3

日本 における企業の社会的責任 に関する議論 の内容 と特徴

1950年代 1960年代

1970年代 1980年代 1990年代

2000年代 初頭

(出所)筆者作成。

内容

企業の社会的責任が論じられ始める

日本において企業の社会的責任が論じ られ始める

公害問題などをきっかけに社会的責任 の重要性が認識されるようになる 学界や実業界において企業の社会的責 任が活発に議論されるようになる 経済が安定し、社会的責任に対する関 心が薄らぐ

バブル経済の崩壊により、企業不祥事が 多発し、社会的兼任の議論が再燃する 経済のグローバル化により、従来の社会 的兼任とは異なる問題を提起し、新たな 社会的土任が求められている

活発 に議論 され るよ うになってか ら今 日に至 る まで議論がな されているものである。

企業の社会的責任論の展 開や特徴 をま とめる と、図3のよ うになる。 まず、企業の社会的責 任が最初 に論 じられたのは1920年代である とさ れている。 また、 日本では、第2次世界大戦後 の1950年代頃か ら企業の社会的責任が説かれ る よ うになった10。 その後、1960年代か らの高度 経済成長期の企業活動 によ り発生 した公害問題 をきっかけ として、企業の社会的責任 とい う概 念が認識 され るよ うになった。1970年代 にな る と、学界や実業界において、企業の社会的責任 が活発 に議論 され、重要視 され るよ うになって いった。 また、経済が安定 していった1980年代 には、企業の社会的責任 に対す る関心が薄 らぎ、

その議論 は沈静 していったのである。そ して、

バブル経済が崩壊 した1990年代初頭 には、経済 の低迷か ら、企業不祥事が多発 し、 コーポ レー ト・ガバナ ンスや企業倫理 とともに、企業の社 会的責任 に関す る問題が再燃 してきたのである。

さらに、それ を踏 まえて2000年代初頭 には、従 72 国際経営論集 No.37 2009

議論の特徴

企業の社会的責任は、当初、従業員や顧客に対する経営者の 責任のように企業と密接に関係するものに対する責任である と考えられる

それまでの利益第‑主義であった経営活動から、社会に対す る影響を考慮した経営を行うことが求められ始める

企業は、社会的存在として社会的兼任を負うとの認識が高まっ てきたが、義務的要素が強く、対応も受動的なものであった

それまで論じられてきた社会的責任論とともに、メセナやフイラ ンソロピなどそれまでとは異なる企業の社会責任が論じられる ようになる

具体的な定義などはまだ存在しないが、企業は経営活動のな かで社会や環境に対して配慮し、積極的に行動していくことが 必要であるとの認識が高まっている

采の企業の社会的責任 とは異なる問題 を提起 し た新たな企業の社会的責任 が求め られ るよ うに なるのである。

3. 3

企業の社会的責任肯定論 に関する学説

つぎに、海外 にお ける企業の社会的責任 に関 す る学説 について検討す る。海外 における企業 の社会的責任 に関す る主要な学説 をま とめると 表4のよ うになる。経営学において、企業の社 会 的責任 が初 めて論 じられ たのは シェル ドン (Sheldon.0)[1924]であるといわれてい る11。 シェ ル ドンは、経営者 の社会的責任 は、企業に対す る責任 と従業員 に対す る責任 である と論 じ、そ れ らに対 して責任 を果たす ことが求 め られ ると 論 じてい る。 この よ うに、当初の企業の社会的 責任 は従業員や顧客な どに対す る責任 とい う今 日論 じられてい るよ うな企業の社会的責任論 よ りも狭い範囲において用い られてきた といえよ う。その後、企業は社会 に対 して様 々な影響 を 与 えてい ることか ら、社会に対 して責任 を負わ

(7)

なけれ ばな らない と認識 され ていったのである。 さなけれ ばな らない と考 え られ てきたのである。

そ して、企業 は本来 の 目的で あ る利 益 を上 げ る この よ うに、企 業 の社会 的責任 に関す る認識 とい う経 済的 な責任や 法令 を遵 守す る とい う法 は、議論 が活発 にな るにつれ て、様 々な学説 が 的な責任 のみ な らず 、社会 において責任 を果 た 展 開 され る よ うに な る。 た とえば 、 キ ャ ロル

4

海外 にお ける企業 の社会 的責任 に関す る学説

年 論者 著書 .論文タイ トルおよび出所 内容

1924年 シェル ドン 企 業制度研 究会訳[̀̀7加 inJJOSOPhyOFMa197Da5

]

ge『経 営 の 経営者 の社会的側 面 を検討す る場合 、大me17t"

(Sheldon.0) き く2つの部 門に分 け られ よ う○ す なわ ち、第一 は社会全体 と企業 にお ける統合 力、統率力 としての経営者 との関係 であ

フイロソフイ』雄松堂. 合 には、経営者 は、企業 を統治 してい る筆者) に対 して 自らが奉仕す る とい う責任 を担 っている○の対す る経営者 の関係 であるo 第一 の場ので企業全体の責任 を担 い、後者 においては、 自らが指揮 してい る人々 (り、第二は、産業 に従事す る人間的要素従業員‑

1960年 イールズ Co"meMelumbiaUnaDlbgOPModeiVersityPrmesBuss.lhess"企業の社会的責任 が生ず るのは、特 に企 (己ells.R) 業が (社会 の)生態系 において、経済的

お よび政治的に影響 を与 えるときであるo 経営者 がその よ うな責任 を負 うこ とに しりごみす ることはわか るが、 この責任 は 企業が社会 において もつ影響 力に不可避なものであるo

1963年 マ クガイア McLTBuGrslheew‑HissalDdSocl,Ⅰnc.1'ety" 企業 の社会的責任 とい う考 えは、経 済的 (McGuireJ) な責任や法的義務 のみな らず 、社会 に対 す る責任 までその範 囲を拡 げるものであると考え られ るo 1973年 デイ ヴイス TheCasefbrandAgainstBusiness(企業は)社会的責任 を負 うことが求められ、

(K.Davis) AssumptionofSocialResponsibilities企業は意思決定 において社会的価値観 との統一 を よ り活発 に行 わなけれ ばな らないo

"me Academy oF ManagemeDt JoLmaJ"Vol.16,No.2,Academy of Management,p.312‑322.

1979年 キャロル A Three‑dimensionalConceptua1 企業の社会的責任 の定義 は、社会の全 て (Carroll,A.B) Mod"AcaedloemyofCorMarpornataePegemerntReformancvieew

},的、法的、倫理的そ して 自由裁 量 とい うあ り、具体的に、経営活動 にお ける経済の範 囲に果 た さなけれ ばな らない義務 で

Vo1.4,No.4,p.497‑505. 分類であるといえよ う○

1986年 フ レデ リック TowardCSR3:WhyethicalanalysisCSR1‑企業の社会的責任 (Fredrick,W.C) isindispensableandunaVoidablein(CorporateSocialResponsibility)

corporateaffairs csR2‑企業の社会的即応性

"CautmlaMaDagemeDtHeTdew"

Vo1.28No.2,UniVersityofCalifbnia,

p.126‑141. ((csR3CoCorrpopo‑企業の社会rraatteSoeSocciiaalRelRe的cs道義tpoitudnsieve)ness) 1991年 キャロル ThePyramidofCorporateSocial 企業の社会的責任 は、経済的責任 、法的

(Carroll,A.B) Responsibility:TowardtheMoral 責任 、倫理的責任 、社会貢献的責任 の4 ManagementofOrganizational つの社会的責任 によって構成 されているo Stakeholders よび構成要素 は ピラ ミッ ド状 に段階的なものであるといえよ う○さらに、 これ ら4つ社会的責任 の種類お

社会的責任の基礎理論 73

(8)

1992年 フレデ リック、"BuslhessaDdSocJ'ety 企業の社会的責任 は、企業の行動により ポス ト、 デ イ 6et/即 tJ5edJ't1'OD)" 影響 を受ける人々や社会、環境 に対 して ヴ イス(Fredric

k,PosW.t,C,JK.DaamesE.vis)McGrew‑Hill,Ⅰnc. 責任を負 フことであるo

1998年 フレデ リック Mo"BviusngtlhessaoCSR4DdSocJ'ety "Vo1.37 csR1‑企業の社会的責任 (Fredrick,W.C) (CorporateSocialResponsibility)

csR2‑企業の社会的即応性 (CorporateSocialResponsiVeness)

(出所)筆者作成。

図4 企業の社会的責任(ピラミ ッ ド型)

(出所) Carroll,A.B[1991]p42.

(carroll,A.B)[1991]の よ うに、 企 業 の社 会 的 責 任 を経済的 ・法的 ・倫理的 ・社会貢献的な責任 の大き く4つ分類 し、図4の よ うに段階的に展 開 してい るのである。

しか し、 フ レデ リック(Fredrick,W.C)[1998]の よ うな、企業の社会的責任 の範 囲をCSR4‑辛 宙 ・科 学 ・信 条(cosmos Science Religion)に ま で拡げて論 じてい るよ うな現実的な企業の社会 的責任 として不可解 なもの もあ り、企業の社会 的責任 に関す る定義が乱立 してい るよ うに思 わ れ る。

さて、 日本 にお ける企業の社会的責任論 に関 す る学説 を検討す ると日本 における企業の社会 74 国際経営論集 No.37 2009

的責任論 に関す る主要な学説 は、表5のよ うに ま とめることができる。

表4と表5のよ うに、企業の社会的責任肯定 論の学説 は論者 によって一様 ではない ことがわ かる。企業の社会的責任肯定論の学説 を検討す ると、企業は社会の一部 として存在 し、営利性 のみな らず、社会性 をも配慮 し、社会性 を高度 に実現す るとい う使命 を有 していることが明 ら かであろ う。 しか し、様 々な定義が存在 してい るよ うな状況か ら、企業の社会的責任 に関す る 定義 を一概 に示す ことは難 しい ことが考 えられ

る。

(9)

5

日本 にお け る企 業 の社 会 的 責任 に関 す る学 説

年 論者 著書 .論 文タイトルおよび出所 内容

1949年 山城 章 「経営 の社 会的責任」 経 営 体 は 、 対 内的 にみ て 、社 会 的生 産 責任 の遂 行 の た めの機 能組 織 体 で あ り、 こ

『経 営評 論 』 第4巻 第 11号 ,経 営評

論社,8‑13頁 . 経 営者 責任 、 経 営権 と経 営者 権 は各 々‑離別 的 な ものであ る○経 営 の社 会性 とは 、以 上 の如 く経 営 自体何等社会体 ではないoの経 営機 能 の実行 に あたっ て 、経 営者 権の対 外 的 な利 害配 分 の支 配 関係 即 ち企 業関係 は包 括 して指稀 す る もの で あ るo 経営 は社 会 関係 で生活 はす るが 、 それ 自体と経 営者 責任 の 問題 が あ るo 経 営 責任 と 1959年 藻利 重隆 「経 営者 の社 会 的責任 とそ の企 業 経 営者 の社 会 的責任 にお い て われ われ は 的責任 お よび 自己責任 」『経 営 学 論 集 』 第31巻 ,日本 経 営 繁 栄 に対 す る貢 献 を意 味す る もの と解 しそれ は要 す るに これ を企 業 の 国民経 済 のどの よ うな内容 を把握す べ きで あろ うか○

学会,33‑42頁. 係 にお い て、 ま た他 方 で は顧 客 に対 す る一 方 で は広 く労働 力 の所 有者 に対 す る関関係 にお い て 、少 な く とも直接 的 には 、実現す る もの と解せ られ る○うるで あ ろ うo 企 業 は こ うした貢 献 を、

1972年 対木 隆英 「企 業 の社 会 的責任 ‑そ の生成 と 企 業 の社 会 的責任 は、基 本 的 には、企 業

内容 ‑」『成 践 大 学 経 済 学 部 論集 』 第3巻 が利 潤 動機 に導 かれ て極 大利 潤 ‑特 に短期 的極 大利 潤 一 を求 めて、 しば しば、企業 の 内部 環境 や 外 部環 境 また はそ の双 方に対 す る配 慮 を欠 い た 、 自己本位 の独 善 第1号,成棋 大学経 済学部学会,139‑

146頁. 的行 動 をす る こ とに対 す る企 業外 部 か ら省 の 中で生成 して きた もの と思 われ る○の批 判 とそれ に対応 す る経 営者 自身 の反

1974年 高 田馨 『経 営者 の社会 的責任

経 営者 の社 会 的 責任 の意 味 は、 経 営者 がそ の環境 主体 (性 を尊 重 す るた め になす べ き こ とを決 めね ば な らない とい うこ と、 そ して 、 そ のなす べ き こ とを しな けれ ば な らない というこ とで あ る○利 害 関係 者‑筆者) の主体 千倉 書房 .

1975年 占部都 美 「企 業 の社 会 的責任 にたいす る経 企 業 の社 会 的責任 とは、 単純 な利 潤 原 則 営学的接近 」 献 す る よ うに経 営管 理 を遂行 してい く責任 を さ してい る○を超 克 して、企 業活 動 が社 会 の福祉 に貢

『経 営 学 論 集 』 第45巻 ,日本 経 営 学会,77‑83頁.

1976年 樫井克彦 『現代企業 の社会 的責任』 社 会 的責任 とは、対 環境 的 責任 で あ り、企 業 をめ ぐる さま ざま な主 体 に関 して そ 千倉書房 . 非 法律 的 な あ らゆ る期 待 に考慮 を払 うとの経済的 .非経済的 な、な らび に法律 的 .い う企 業 ない し経営者 の義務 で あ るo

1981年 向井武 文 「企 業 の社 会的責任 と営利原則 」 社 会 的 責任 の 中心 問題 は 「短 期性 」 を克 服 す る こ との で き る新 しい費用 的管 理 の

企 業 の指 導原 理 を具 体 的 に確 立す る こ との うちに求 め られ な けれ ば な らない○ そして それ は、企 業 の意 志決 定 が長 期 的営 利 主義 に よって指 導 され る こ とに よっては じめて可能 とな るであ ろ うO 藻利 重 隆先生古稀記 念論 文集 編 集

委員会編 『経営管理論 の基本 問題 』 千倉書房,161‑182頁 .

社会的責任の基礎理論 75

(10)

『同志社 商 学』 第43巻 第5号 ,同 とな って社会 に対す る影 響 を増 して くる

志社大学商学会,61‑73頁. 責任 を考慮 した節 度 あ る行動 が要請 されるo この要請 が企業 の社 会 的責任 論 で あと、単 に私利 追求 だ けで はな くて社 会 的り、企業の倫理論 とな る○

1994年 森本三男 白桃書房 .『企業社会責任 の経営学的研究

企業が 自己に対す る環境主体(筆者)己の責任 とし、 それ に よって、制度 としての 自己の存続 を万全 にす ること○の諸期待 に応 えるこ とを 自発 的 に 自利害関係者‑

1999年 樫井克彦 「コーポ レー ト.ガバ ナ ンスに関 企 業 の社 会 的責任 とは、企 業 がそ の正 当 す る一考察 ‑企業 の社 会 的責任 と 性 を発揮 して社 会 か ら受容 され るた めに

の関連 を中心 に‑」 社 会 に対 して負 う責任 で あ り、具体 的 には、企業 ない しそ の主体 と しての経 営者が企業の環境主体ない しステー クホルダーの期待 に応 えることである

『経 済科 学』 第46巻4号 ,名 古屋 大学大学院経済学研究科,29‑42頁

.

2003年 高巌 「企業 の社 会的責任 (CSR)と企 csRとは実 際 に何 を指す のか 、何 に対応

業の役割」 定義 は ほ とん ど不可能 で あ る と考 えていす ところは、 市場や地域 の人 々 との交流や 対話 を通 じて、又 は相 互作用 を通 じて何 をや るか を決 めてい くこ とで、 その具体 的 な実践 内容 が決 まって くるか らで あるo なぜ な らば、csRる ものだ か らで あ るo つ ま り、CSRとの関係 にお いてそ の 内容 が決 ま って くる○しな けれ ばな らないのか とい う具体 的 なは、社会 又 は市場の指 高巌 他共著 『企業の社会的責任‑

求 め られ る新 たな経営観』 日本規 格協会,9‑24頁.

2006年 谷本寛治 『csR一企業 と社会 を考 える‑』 企 業活動 のプ ロセ ス に社 会 的公 正性 や倫理性 、環境や 人権 ‑ の配慮 を組 み込 み、

NTT出版. テ ィを果た してい くこと○ステイ クホル ダー に対 しアカ ウンタ ビ リ

2006年 平 田光弘 「csR時代 と松下幸之助」 R国際的 に も国 内的 に も合 意形成 され たCSの定義 はまだないが、CSRが対象 とす る

もの は市場(誠 実 な企 業活動)、環境(地球

‑ の配慮)、人 間(人 間の尊 重)お よび社会 (い う後輪 とをつ な ぐ車軸 の働 きをす るのがCSとい う前輪 と社 会 .人 間 .環境 的側 面 と社会 との調和)Rであ るo したが って、両輪 はCSであ り、企業の経済的側面Rを 介 して長期 的 には企 業業績 に寄 与 し得 るものであるo

『論叢松下幸之助』第5号,PHP総 合研究所第‑研究本部,25‑53頁.

2007年 吉森賢 『企業統治 と企業倫理』 企 業 の責任 には三つ あ る○ これ らは基本的責任 とこれ を超 え る高次 の責任 に階層

放送大学教育振興会. 化 で き る○ 基本 的責任 の一つ は市場経済低 果 たす べ き法的責任 で あ り、 これ は法令遵 守 と称す る○ そ の次 が経 済的責任 で第三の最高次の責任 が倫理的責任 であるo下 にあ る企 業 で あれ ば企 業市民 として最あ り、 これ は利 益 の実現 で あ るo そ して

2007年 菊池敏夫 『現代企業論』 企業 の社会 的責任 とは、企 業 の環境 主体たるステイ クホル ダーに対す る責任 であって、 具体的 には企 業 の社 会 的責任 あ る意思決定 と行動 を内容 としているo したがっの規制 に適合 した意 思決 定や行動 を とるて、 それ は企 業 が各 ステイ クホル ダー のことを意味 してい る○目標 .要求お よびそれ につ いての制度 上 (出所)筆者作成。

76 国際経営論集 No.37 2009

(11)

3. 4

社会 的責任否 定論 に関す る学説 ない とす る企 業 の社会 的責任 否定論 も根 強 く存 在 してい る。 そ うした企 業 の社会 的責任否 定論 今 日の企 業経営 にいて、企 業 は社会 的存在 と は、表6の よ うにま とめ られ る。企 業 の社 会的 して社会 に対す る責任 を有 してい る と考 え られ 責任否 定論 は、経 済学者 であ るフ リー ドマ ンを てい るが 、そ うした企 業 の社会 的責任 は存在 し は じめ とす る研 究者 らによって論 じられてい る。

6

企業 の社会 的責任否 定論 に関す る学読

論 者 著書 .論文タイトルおよび出所 内容

1958年 レビッ TheDangersofSocial 福祉や社会 の ことは企業 の干渉すべ き こ

(T.L

e

V it t ) Responsibility い oとではない○企業の仕事 は金 を儲 けることであ り、快 い音楽 を奏 で ることではな

HarVard BusinessReView,Vo136

,

HaⅣardBusinessSchoolPress, p.41‑50.

1959年 ルイス EconomicbyAdmonition 我 々の合理 的な経済生活 の内部や背景 に (B.W.Lewis) は、 システ ムの許す最大限の利益 を得 る TheAmericanEconomicReview

,

働者 は高い賃金 を得 るためにとい う個人の社会的役割 が存在す る経済 目標o

Vo149,No.2,p.384‑398. 論理は利潤動機 を個人の社会的良心によっ者や実業者 はその最大利 益 を追求す る と意 にかな うことであ るだ けでな く、不可欠 な ものであるo もちろん、利潤追求の適 当な形式や方法 は、状況や慣習、法 なな経済運営の力 として要求す るこ とはなて個人 に感 じられた社会的責任 を中心的は許 され ないo 混乱の とき以外 は、決 しの追求 は、私た ちの生活様式 において、て鈍 らせ た り、不明瞭 に した りす ることきに経済 目標 に奉仕す るのであるo利潤に対 し奉仕す ることにな り、個 々の農業いoどによって制約 され るが、我 々の経済の 1959年 ロス トウ To Whom and forWhat Ends is社会 の進歩‑ の配慮 を行 うよ りも、株 主

(EugeneV. CorporateManagementResponsible?‑の義務 を果 たす こ とが経営者 の責任 で Rostow) あると再定義 しなけれ ばな らない○

EdwardS.Mason "TheCorporatio n ⅠnModern Society" HaⅣard U niversityPress,p.46‑71.

1960年 ハイエ ク TheCorporationin aDemocrat

i c

企業 はその資源 を最大利益 の確保 によっ (HaFryeiedrk)ichA. MeSoclviietnAnsy hen,GeorgeLelanda 大 の公益 を もた らす ので ある とい うこ とて長期利潤 を達成 させ るた めに向けることが唯一の 目標 であ り、それ によって最 Bacha"Managementand Corporaを信 じなけれ ば、 自由経済体制 は崩壊す

t11Grions17.eenwood985"aPressPublishers,p.99‑ るo

1961年 デール TheSocialandMoralResponsibilit社会的責任 の拡大 は、単にその議論 を助 (ErnestDale) iesofTheEXecutiVeintheLarge長 させ るだけでな く、 同時に経営者 の権

Corporation 力 を増大 させ るものであるo

社会的責任の基礎理論 77

(12)

1965年 フ リー ドマン CaChipictaagloUniism avendFrrsity.eedom 企業の役員や労働組合の リーダーは、株 (Milton 主や組合員の利益 に尽 くす以外 に 「社会

Fridman) 競争 を行 って、企業の利潤 を増大 させ るて、詐欺や不正 を用いず開かれた 自由な会的責任 とは、ゲームのルール 内におい利益に尽 くす ことである○れ られ るよ うになってきたo この見解 は的責任」 をもつ とい う見解 が広 く受 け入ために資源 を用いて、経営活動 を行 うこの リーダーの 「るo この よ うな経済で、唯一の企業の社自由経済の性格 と本質 に誤解 を表 していとであるといえよ うO 同様 に、労働組合社会的責任」 は組合員の 2004年 ジ ョエル . "TheCorporation" 企業の役員、つま り他人の財産の管理人

ベ イカ ン としては、それ 自体の理念 のためにそ う

(JoelBakan) 酒井泰介訳 『ザ .コーポ レーシ ョン』早川書房,2004年. 筆者)行 うに過 ぎないo そ して、企業 自身の利害 とは、一般 に株主の富を最大化す るこそれ は企業 白身の利害追求の手段 としてした行動(しんばそ うした行動 を取 つた として も、とである○を取 る法的権限はないのである○ よ株 主に とって有益 でない行動‑

2006年 奥村宏 『株式会社に社会的責任はあるか』株式会社 はすべて利潤追求 を 目的に し、そのために努力 しているのだか ら、それ をわ ざわ ざ 「企業の社会的責任」 な どと い う必要はないo 「設 けるために努力 して います」 といえば良いだけのことであるo (出所)筆者作成。

企業の社会的責任否定論者 は、企業の社会 的 責任 に否定的である根拠 として以下の ことを挙 げてい る。企業の社会的責任 に否定的な理 由 と

して、 (1)企業 は株 主の ものであ り、株 主の利 益 を最大 にす ることが企業の社会的責任 であ る とい うこと、 (2)企業の社会的責任 は、経営者 の権力 を助長 させ るものであるとい うこと、 (3) 企業の資金 は株 主の ものであ り、それ を株 主 の 利益 のためではない ことに使用す ることはお か しい とい うこと、 (4)企業が社会的責任 を負 い、

それ を果たす こ とは企業 に政府 が介入す るお そ れ がある とい うこ と、 といった こ とを根拠 に企 業の社会的責任 を否定 してい るのである。つ ま り、企業 の社会的責任 は株 主の利益 を最 大限 に 確保す るこ とであ り、企業 は今 日論 じられ てい るよ うな責任 を負 う必要 はない とい うこ とで あ る。簡潔 にい うな らば、利益 を最大化 し、株 主 78 国際経営論集 No.37 2009

のために経営 を行 ってい くことが企業の社会的 責任 である とい うことが社会的責任否定論者 の 主張で ある12。

この よ うな主張は1950年代後半か ら1960年代 に盛 んに主張 され て きた。 また、近年では奥村 宏[2006]が、企 業 は 「企 業 の社会 的責任 」 を企 業批判 の動 きを抑 え込む材料 として利用 してい る と、企業 の社会的責任 に批判的な見解 を述べ てい る13。 しか し、現実的 な問題 と して、企業 が利益 を挙 げるためだ けに活動 し、株 主の利益 のためだけに責任 を負 うとい うこ とはできない とい えよ う。経営活動 のなかで発 生 してい る多 くの問題 について何 も責任 はない とい うのは、

無理 な主張である。 くわえて、公害問題や環境 問題 が発生 した原 因 として、その よ うな企業の 利益第一主義 とい う考 えが影響 していた ことは 事実である。

(13)

表7 日本 にお ける企業の社会的責任 に関する文書 と提言

策定年 機関 内容

1956年 経済同友会 大会決議 「経営者の社会的責任の 自覚 と実践」

1973年 経団連 総会決議 「福祉社会 を支える経済 とわれわれの責任」

1976年 経団連 『企業 と社会の新 しい関係 を求めて』

1989年 経団連 「企業倫理懇談会」設置 1991年 経団連 『経団連企業行動憲章』

(1996年改定、2002年 『企業行動憲章』‑改定.2004年改定) 1999年

(2000年改定) 麗津 大学経 済研 究セ ンター 『倫理法令順守マネジメン ト.システム規格(ECS2000)』 2000年 経済同友会 『二十一世紀宣言』

2000年

(2003年、 2007

年改定) 環境庁(現環境省) 『環境報告書ガイ ドライン』

2002年 内閣府 『消費者 に信頼 され る事業者 となるために‑ 自主行動基準の指 針 ‑』

2003年 環境庁(現環境省) 『社会的責任投資に関す る日米英3カ国比較調査報告書』

2003年 経済同友会 『市場の進化 と社会的責任経営』

2004年 経済産業省 『企業の社会的責任(CSR)に関する懇談会中間報告書』

2005年 環境省 『社会的責任(持続可能な環境 と経済)に関す る研究会報告書』

(出所)筆者作成0

4.

国 内 外 の企 業 の社 会 的 責 任 に関 する動 向

4.1日本 にお ける企 業 の社会 的責任 に関 す る 動向

ここで、 日本 にお ける企業 の社会的責任 に関 す る動 向について検討す る と、表7の よ うに、

日本 において企業 の社会的責任論 が展 開 してき た ことが理解 で きる。 まず 、経済界では、1956 年 に経済 同友会の大会決議 「経営者 の社会的責 任 の 自覚 と実践」で、は じめて社会的責任 とい う言葉が登場 した。 そのなかで、経済 同友会 は 社会的責任 について 「個別企業の利益がそのま ま社会 の利益 と調和 した時代 は過 ぎ、経営者 が 進 んでその調節 に努力 しなけれ ば、国民経済の 繁栄は もちろん、企業の発展 を図 ることもで き な くな る」 と訴 えてい る14。 しか し、 この経 済 同友会 の決議 は企業 の社会的責任 問題 の提起 に とどまった。 なぜ な らば、 当時の経営者 の大多

数 は利益第一主義 を固持 してお り企業 の社会的 責任 について消極 的であったか らである15。

また、 日本経団連 (当時の) において も1973 年 の総会決議 で、企業の社会的責任 をは じめて

と りあげ、翌1974年 には 「企業 の社会性部会」

を設置 した。 そ して、 1976年 には 『企業 と社会 の新 しい関係 の確 立 を求 めて』 とい う提言 を公 表す るな ど企業の社会的責任 について取 り組 む

よ うになったのである。

その後、企業の社会的責任‑の関心 はい った ん薄 らぎ、1990年代 のバブル経済崩壊後 に、悪 質企業不祥事 の発生 を契機 に再び議論 がな され る よ うにな った。 そ の よ うな なか、経 団連 は 1991年 に 『経 団連企業行動憲章』 を制定 したの で ある16。 そ して、経済 同友会 は、『二十一世紀 宣言』 (2000年)や 第15回企 業 白書 『市場 の進 化 と社会的責任経営』 (2003年) な どを公表 し、

企業の社会的責任 に取 り組 んでい るのである。

社会的責任の基礎理論 79

(14)

表8 世界 における代表的な企業の社会的責任 に関する文書

策定年 策定機関 名称

1976年

(1999年改定) レオンサ リバン(L.Sullivan)サ リバン原則(グローバルサ リバン原則) 1976年

(2000年改定) 経済協力開発機構(OECD) oECD多国籍企業行動指針

1989年 セ リ‑ズ(CERES) セ リ‑ズ原則(旧バルディーズ原則) 1991年

(2004年改定) 米国連邦議会量刑委員会 連邦量刑ガイ ドライン 1994年 コ‑円卓会議 企業行動指針

1997年

(2001年改定) ⅠSnAⅠte(rSnoactiiaolAcnal)countability SA(SocialAccountability)8000 1998年 国際労働機関(ILO) ILO宣言

1999年 Accountability AA1000 2000年

(2004年改定) 国連(UnitedNations) グローバルコンパク ト 2001年 欧州連合 (EU) グ リーンペーパー 2000年

(2002年改定) GRⅠⅠniti(aGltivoeb)alReporting 持続可能性報告のガイ ドライン 2002年 欧州連合(EU) ホワイ トペーパー

(出所)筆者 作成0

4. 2

世界 にお ける企業 の社会 的責任 に関す る 動向

さて、次 に世界 にお ける企業の社会的責任 に 関す る動向について検討す ると、表8のよ うに、

世界において企業の社会的責任論が展開 してき た ことが理解 できる。世界的な企業の社会的責 任 に関す る議論 の高ま りによ り、各国や地域 の 経済団体、国際機 関、消費者 団体、NPO/NCO な どが提言や声明な どを策定 しは じめるよ うに なった。また、環境、人権、労働環境‑の配慮 を求める消費者運動 も高まってきた。

企業の社会的責任 に関す る文書や提言は、国 連やOECDといった国際機 関で も策定 されてい る。た とえば、国連が2000年に策定 した 『グロー バル コンパ ク ト』 は、 「グローバル コンパ ク ト の10原則」 として、人権 ・労働 ・環境 ・腐敗 防 止 に関す る10の原則 を策定 し、企業‑の遵守 を 80 国際経営論集 No.37 2009

要 請 して い る17。 ま た、 OECDの 策 定 した

『OECD多 国籍企業行動指針 (以下 「多 国籍企 業行動指針」 とい う)』 は、多国籍企業 に対 し て、OECD加盟 国政府 が共同 して望ま しい企業 行動の姿について勧告 している。 くわえて、 こ の多国籍企業行動指針 は、2007年6月 に行われ た 「G8ハイ リグンダム ・サ ミッ ト」において、

企業の社会的責任 に対す る対話‑の積極的参加 を呼びかけるとともに、多国籍企業行動指針の 原則 を遵守す るよ うに求めてい るな ど企業に対 して大 きな影響 を与 えてい る とい えよ う180 こ の よ うに、世界的にも企業の社会的責任 を要求 す る気運が高まっているのである。

また、EUでは、政策的課題 の1つ として企 業の社会的責任 を取 り上げ、議論が行われてい る19。 そ して、その よ うな こ とを背景 に2001年 に『GreenPaper』を発行 し、2002年には『Green paper』‑のパブ リックコメン トを受けて『white

(15)

Paper』 を発行 してい る。 くわ えて、 2002年 に 経営者 団体や労組 、 ビジネ スネ ッ トワー ク、N GOな ど18の団体が参加 し、 ヨー ロピア ン ・マ ルチ ・ステー クホル ダー ・フォー ラム

( E MS F

on CSR)が開催 され た。 そ して、 2004年 にそ の最終報告書 として 『csRマルチステイ クホル ダー ・フォー ラム最終報告書』が作成 され るな ど、EU内にお いて も企 業の社会的責任 に関す る活動が盛んに行われている。加 えて、企業の 社会的責任 に関す る内容 は、多 くのコーポ レー ト・ガバナンス原則の内部に取 り込まれてお り、

上述 した よ うな企業の社会的責任 に関す る文書 だけでな く、 コーポ レー ト・ガバナ ンス原則 に 関 しても検討 を行 う必要がある。

5. おわりに

本稿では、企業の社会的責任 をめぐる議論が、

歴史的にいかなる事象 を契機 として論 じられ る に至ったのかについて考察 してきた。 日本 にお いて企業の社会的責任 は、公害問題や企業不祥 事の発生を契機 として論 じられ るよ うになった。

そ して、その認識 はバブル経済が崩壊後 し、相 次 ぐ企業不祥事の発生や環境問題の深刻化か ら、

企業の社会貢献活動な どを含 めた新たな企業の 社会的責任概念‑ と変化 していった。 さらに、

今 日では、企業は営利活動 を行 うためだけに存 在 してい るとい う認識か ら、社会的責任 は企業 が当然 に果た さなければな らない行為である と い う認識‑ と変わってきたのである。

そ して、企業の社会的責任 は 自発的にその行 動が求め られ るものであ り、経営者や従業員 の 意識改革が重要であるといえる。特に、社会的 責任 をも考慮 した、経営者 による経営の実践が 強 く求め られてい る。企業の基本的な社会的責 任は、経済活動を行い、利益を確保す ることや、

法令 を遵守す るとい うことであると考えられ る。

仮に、これ らを軽視 して社会貢献活動などを行っ た として も焼 け石 に水であろ う。 このよ うな意 味で、企業の社会的責任 は少なか らず段階的に 考 えてい く必要があるといえよ う。

最後 に、 「企業の社会的責任 」 とい う言葉 に ついて考 えたい。私は、企業の社会的責任 とい う言葉 に違和感 を覚 えている。今 日の企業経営 において、既 に述べたよ うな社会に対す る責任 が あるな らば、 「企業の社会的責任 」 とい う言 葉 は適切 ではない とい えよ う。 なぜ な らば、

「的」 とい う言葉 は、 (1)その よ うな性質 をもっ た ものの意 を表す、 (2)その方面にかかわ る、

とい う意味を持つか らである。営利性 を協調 し てい る分 には、 「的」 とい う言葉 を用いて も良 いが、今 日のよ うな状況では 「的」ではすま さ れ ないよ うに思われ る。 また、逆説的に考 えて み る と、 「企業 の社会的責任」 とい うのであれ ば、 「企業の営利 的責任 」 とい うことになる。

しか し、企業の営利的責任 とはいわないはずで ある し、い うな らば 「企業の営利責任」 とい う はずである。

本稿 では、学説 に関す るま とめや歴史的展開 を中心 に考察 していったため、 「企業の社会的 責任」 とい う言葉 に統一 して論 を進 めてきた。

しか し、上記 の よ うな点か ら、 「企業の社会的 責任 」 ではな く 「企 業 の社会責任 」 あるいは

「企業社会責任」 とい う言葉が適切 である とい えよ う。

1平田光弘[2006a]26頁.

2平田光弘[2006a]26頁.

3詳 しくは平田光弘[2006a]を参照のこと。

4平田光弘[2003]115頁 .

5平田光弘[2003]115頁.

6平田光弘[2003]115頁.

7平田光弘[2003]115頁.

8この点について、平田光弘は、 「そのよ うに、

企業における社会的責任の実践は、初めは受動的 であったが、次第に能動的にな り、やがて企業市 民、企業倫理、社会的業績等の概念をも取 り組み ながら、実践上および概念上の充実が図 られてい る」 と述べている。

9小 島大徳[2007a]85頁.

10平 田光弘は、 日本において企業の社会的責任が 説かれ るきっかけは、 Bowen[1953]であるとして いる。

11飲 冨延久編 著[2007]7頁.

社会的責任の基礎理論 81

(16)

12社会的責任否 定論 に関す る詳細 な研 究は、高 田 馨[1974]な どで行 われ てい る。

13さらに、奥村宏[2006]では、 「企業 の社会的責任 を問題 にす るのであれ ば、なによ りも株 式会社 と は何 か とい うことを問題 に しなけれ ばな らない。

そ して、社会的責任 を問題 にす るのであれ ば、責 任 の主体 は誰 か とい うこ とをはっき りさせ なけれ ばな らない 」 と し、今 日の株 式会社制度 につ い て疑問を投 げかけてい る。

14経済同友会[2003]92頁.

15平 田光弘[2006a]29頁.

16経 団連企業行動憲章 は、1996年 に改定、2002年 に 『企業行動憲章』名称 を変更 し改定、2004年 に 再改定がな され てい る。

1710の原則 とは、以下の通 りである。

人権

原則1 企業 はその影響 の及ぶ範 囲内で国 際的に宣言 され てい る人権 の擁護 を支持 し、尊重す る。

原則2 人権侵 害に加担 しない。

労働

原則 3 組合結成 の 自由 と団体交渉 の権利 を実効 あるものにす る。

原則4 あ らゆる形態 の強制 労働 を排 除す る。

原則 5 児童労働 を実効的に廃止す る。

原則 6 雇用 と職 業 に関す る差別 を撤廃 す る。

環境

原則7 環境 問題 の予防的なアプ ローチ を 支持す る。

原則8 環境 に関 して一層 の責任 を担 うた めのイニシアチブを とる。

原則9 環境 にや さしい技術 の開発 と普及 を促進す る。

腐敗防止

原則10 強要 と賄賂 を含 む あ らゆる形態 の 腐敗 を防止す るために取 り組む。

18http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/summit/heilige ndammO7/pdfs/g8̲S̲ss.pdf

19谷本寛治編著[2004]13頁.

参考文献

邦語文献

占部都美[1975] 「企 業 の社会 的責任 にたいす る 経 営学的接近」『経 営学論集』第45巻,日本経 営学会,77‑83頁.

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岩波書店.

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謝辞

本稿 は神 奈川 大学大学院 の舟 山宣宏君 の全 面的 な協力 を得 て、作成 され た もので あ る。 ここに記

して感 謝す る。

社会的責任の基礎理論 83

表 1 第 2 次大戦後 か ら 2000 年代初頭 にお ける企業不祥事の内容 と特徴 年代 主な企 業不祥 事 の 内容 発 生 した企 業不祥 事 の特徴 ( 1 ) 1 960 年代 産業公害、環境破壊、欠陥 .有害商品、 企業行動の過程で、事後的または副次的 誇大広告、不当表示な ど たものが多かつたo に発生 して、結果的に反社会的行為になっ ( 2) 1 973 年 の石 油 投機 、買い 占め、売 り惜 しみ、便乗値上 最初か ら反社会的行為であることを知 り 危機後 げ、株価操作、脱税、背
表 2 企業倫理 の課題事項一 関係領域 と価値理念‑ 関係領 域 価 値 理 念 課 題 事 項 Q) 競争関係 公正 カルテル、入札談合、取引先制限、差別対価、差別取扱、不当廉売、知 的財産侵害、企業秘密侵害、贈収賄、不当割戻、な ど ②消費者関係 誠実 有害商品、欠陥商品、虚偽 .誇大広告、悪徳商法、個人情報漏洩、など ③投資家関係 公平 内部者取引、利益供与、利益保障、損失補填、作為的市場形成、相場操 縦、粉飾決算、な ど ( 彰従業員関係 尊厳 労働災害、職業病、メンタル‑ルス障害、過労死、雇用差
図 2 企業の社会的責任 と企業の社会的即応性 問題が発生してから行動す るといった受動的な対応 企業の社会的責任 問題が発生する前に未然に防止 企業の社会的即応性 ( 出所)筆者作成。 表 3 企業の社会的責任活動の体系 具体 的な施策 の範 囲 例示 企業の社会的責任活動 狭義の社会貢献活動 環境保全活動、国内経済成長、企業価値向上活動、 企業の福利厚生充実など 広義の社会貢献活動 メセナ、フィランソロピー、海外の貢献活動、技術 ( 出所)小島大徳 [ 2 007a] 86 頁
図 3 日本 における企業の社会的責任 に関する議論 の内容 と特徴 1 9 5 0 年代 1 9 6 0 年代 1 9 7 0 年代 1 9 8 0 年代 1 9 9 0 年代 2 0 0 0 年代 初頭 ( 出所)筆者作成。 内容 企業の社会的責任が論じられ始める 日本において企業の社会的責任が論じられ始める公害問題などをきっかけに社会的責任の重要性が認識されるようになる学界や実業界において企業の社会的責任が活発に議論されるようになる経済が安定し、社会的責任に対する関心が薄らぐバブル経済の崩壊により、企
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参照

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