九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
CG人物像の視線移動のための頭部と眼球の動きモデ ル
高木, 英行
九州芸術工科大学音響学科
竹田, 仰
長崎総合科学大学機械工学科
http://hdl.handle.net/2324/4481589
出版情報:pp.1-, 1997-03. 電子情報通信学会 バージョン:
権利関係:Copyright(C) IEICE
C G 人物像の視線移動のための頭部と眼球の動きモデル
Movement Models of Head and Eyes for Computer Graphics
竹 田 仰 高 木 英 行
Takashi TAKEDA ([email protected]) Hideyuki TAKAGI (takagi@kyushu‑id.ac.jp)
長崎総合科学大学機械工学科 九州芸術工科大学音響設計学科
Nagasaki Institute of Applied Science Kyushu Institute of Design Dept. of Mechanical Engineering Dept. of Acoustic Design
1 . はじめに
3 ‑ Dコンピュータグラフィ ックス (CG)では、鷲 いて振り向いたり、おもむろに顔を上げたり、冷ややか に見下げる、などの様々な状況に応じた頭部、眼球、そ
してその総合結果としての視線を移動させる必要がある。 本論文ではパラメ トリックにこれらの状況を実演できる 動きモデルを提案する。
2. 頭部移動の動特性計測
頭部に3軸振動ジャイロを固定した被験者に正面を静 視させ、次に水平角、仰角共に土60゜ の 平面上の指定し た20点を見るよう指示をし、この時の 3軸の動特性を計 測した[1]。この結果、質最の大きな頭部の始動時と制動 時に大きな正負の角加速度を移動させるため運動も時間 特性がシグモイド状になることが分かった。この特性は
山田の計測データにも共通して見られる。
さらに3軸間の動きと与えた視線移動先座標との相互 相関係数を調ぺると、方位角とピッチ角方向の移動特性 は各々与えられた水平角と仰角のみから決まり、ロール 角方向の移動は与えた視線移動先座標にはあまり依存し ないことも分かった[1]。
3. 移動モデル
この計測知見に基づき、次式で移動特性を表現する。
。 。
S ( S (1f
(t) =A ‑ D
t st stl+bexp{‑c(t‑I; ‑T2/2} 1 2
a
ら
stst3A
={ 1
+ b exp(cT2I
2)}D
a
1
+ b exp(‑cI;̲ /2) D=‑b exp(cT212) ‑exp(‑cT212)
ここで, tiは移動開始、移動先到達時刻、停止時刻である。
頭部の視線移動の方位角とビッチ角方向の動きを上式 で表すモデルを考える。視線移動がシグモイド状に動く
゜
で
門 \ i "
‑..311‑0 51$゜ I 2 3(o:c) 2 "")
(a) (¢, 0) = (‑30, ‑60) (b) (¢, 8) = (‑30, ‑30)
ことは、頭部の移動特性からの類推であって計測結果で はない。体の移動を考えないとすれば、眼球の移動特性 は視線移動と頭部移動の差としてで表すことができるの で、 C Gの人物顔の頭部と眼球の移動モデルは、これら の組み合わせとして表せる。
図lに実測データとモデルの当てはめ結果を示す。モ デルは実際の頭部移動をうまく表現できることが分かる。
この 4つの移動特性を組み合わせることで、いろいろ な表情が作成できる。たとえば、前方の2名と話をする ような C Gエージェントを作成する場合は、頭部のター ゲットを視線移動先ターゲット(共にモデル式中のa) より小さくして左右に振る。また、 机の上の書 類を見な がら顔を来客方向へ向けるような場合は、 視線の移動開 始時刻を頭部移動開始より遅らせ、しかし視線のたち上 げを頭部移動より急峻にすることで途中で眼球が頭部を 追い越して来客を捕らえるようにし、最後視線と頭部の ターゲットを同じにすることで来客を正面 に 見据 え る 表 現が可能になる。
4. 主 観 評価実験
従来モデルとして直線的に移動するモデルを考え、提 案モデルと一対比較し、符号検定を行った。被験者は学 部 生32名で、 C G顔像の視線移動先座標は、 (水平角, 仰角)= (40, 50), (55, ‑25), (‑35, ‑35), (‑40, 30)である。
符号検定の結果は、 (水平角,仰角) =(40,50)で は 危 険率1%で提案モデルが有意に人間らしい動きをしている
と判断されたが、他の視線移動では有意差はなかった。
現時点ではどのようにパラメータを調整すれば最も自然 な動きに見えるかは分かっていないことと、および2節 の相関係数の知見に基づく簡易型提案モデルで評価実験 をしたことも考慮すれば、提案モデルの今後の可能性を 示唆する結果と考えられる。
[1)竹田,高木「ノンバーバルインタフェースのための頭部と視 線の動きの推定」 HumanInterface, 11, pp.143‑148 (1996) [2)山田 「2次元平面上の視標を注視させたときの頭部運動と
眼球運動の協調関係の分析」信学論誌,175‑D‑11(5), pp.971‑981 (1992)
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゜ 2 3(o:c)
(c) (¢, O) = (‑30, 30) (d) (¢, 8) = (‑30, 60) 図l 視線移動に伴う頭部の計測データ (dot)と提案モデル (solid)による当てはめ。(¢0)==(水平角,仰角)。