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九州芸術工科大学大学院

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

IECフィッティングシステムの音楽聴取への応用

大崎, 美穂

九州芸術工科大学大学院

津村, 尚志

九州芸術工科大学音響設計学科

高木, 英行

九州芸術工科大学音響設計学科

島田, 真弓

九州芸術工科大学音響設計学科

http://hdl.handle.net/2324/4481605

出版情報:日本音響学会講演論文集, pp.363-364, 1999-03. 日本音響学会 バージョン:

権利関係:

(2)

1 ‑2‑20  IEC フィッ ティ ングシ ステ ムの音楽聴取への応用 *

◎大直奇美穂(!) 九州芸術工科大学

1.  はじめに

津 村 尚 志(2) (I)大学院

我 々 は 、 従 来 の 補 聴 器 フ ィ ッ テ ィ ン グ の 問 題 を 根 本 的 に 解 決 し 、 聴 槌 特 性 や 聴 伐 阻 害 補 信 に 関する新しい知見獲得を可能にするため、 !EC フィッティングシステムを提案した(I,2]。そして 音声聴取において、音質の主観評価実験と

vcv

音節の明瞭度試験を行い、 両者における提案シス テムの有効性を示した(31

提案システムは補償処理や対象音に依存せず、

様々な音環境下での調 整 が可能なため、本稿では 音楽聴取での有効性を検証する。また、提案シス テ ム は 事 前 測 定 を 必 要 と せ ず 、 最 終 的 な 聴 こ え のみで最適化パラメータを得られるので、得られ たパラメータ設定を解析して、従来法では困難で あった聴伐煎害補償の知見獲得の方法論を示す。

2. 実 験I:同じ対象音での音質評価 2.1  実験条件

音 楽 聴 取 時 のIECフィッティングシステムの 音質向上効果を、主観評価実験で調ぺる。

被験者は、 3バ タ ー ン の 模 擬 難 聴 処 理(4]を施 した他聴者3名、感音性難聴者3名である。補償 の対象音は、 CDから切り出した約4[s)の管弦 楽曲である。被 験 者はまず、管弦楽曲を用いて提 案 シ ス テ ム を 操作する。そして同じ管弦楽曲に ついて、 (P)提案システムによって処理された音 楽と (0)無 処 理 音 楽 の 対 を 聴 き 比 ぺ、 「聴きや すい、好みである」と思う方を強制選択する。各 対を15回 提示し、得られたデータを符号検定す

る。

‑ ︱

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2.2  結果と検討

被験者と対象音を全てまとめて、比較結果を表 1に示す。ただしこの表は、全粂件数 6のうち音 質がより良い(危険率1%)と評価された条件数を 示している。

ほとんどの条件で (P)が選択され、補聴器ユー ザの最終的な聴こえに基づく提案システムは、音

高 木 英 行(2) (2)音評設計学科

△ 島 田 真 弓(2)

楽でも有意に音質を向上できることが示された。

Table 1.  The results of subjective test I using a  same sound source. 

3. 

(P)提案システム処理vs.(0)無処理

(P) の~~;r~.v'I (0) の ~~~ が良い 1~l

¥L 

実験II:異なる対象音での音買評価 3.1 実験条件

ここでは、実験Iで得られたフィッティング特 性を他のジャンルの音楽に適用し、提案システム の有効性が汎用的であるかを調べる。そこで、管 弦楽曲で得られたバラメータ設定で他の音楽を補 償処理し、音質の評価実験を行う。

対象音は、 CDから切り出した約4

[ s ]

の3種 類 の 音 楽 ( サ ッ ク ス の ソ ロ 、 ラ テ ン 女声ポーカ ル、ロック男声ポーカル)である。その他の実験 条件は、第2.1節と同じである。

3.2  結果と検討

被験者と対象音を全てまとめて、比較結果を表 2に示す。ただしこの表は、全条件数18のうち音 質がより良い(危険率1%)と評価された粂件数を 示している。

多くの条件で(P)が選択され、 IECフィッティ ングシステムが様々な種類の音楽に汎用的に有効 であることが示された。ただし、音楽のジャンル ごとに聴こえの好みが異なることは十分考えられ るので、それぞれの音楽ごとに調整を行う方がよ り良い評価を得られる可能性がある。これについ ては、今後、さらに検討する予定である。

Tahlc 2. The results of subjective test II using dif‑ ferent sound sources. 

(P)提案システム処理、'S.(0)無処理 (P)

言 ; 良 ぃ I

(0)

悶 ; r a v , I 悶 ;

* Application of IEC fitting system t.o  music heai・ing. 

By Miho Ohsaki, TakhiTsumurn, Hideyuki Takagi, and Mayumi Shimada (Kyushu Institute of Design) 

日本音響学会講演論文集

‑ 3 6 3 ‑

1999年 3

(3)

4.  IECフィッティングシステムによる 聴党障害補償の知見獲得

従来の聴伐特性・聴伐防害補償研究は、制限し た条件下で知覚.感撹レペルの聴党特性を個別測 定し、それらを総合していくポトムアヅプ的なア プローチが主流であった(図1参照)。

一方、 IECフィッティングシステムは、末梢 から中枢までの総合特性であるユーザ本人の最終 的な聴こえのみで、バラメータ最適化を行う。そ こで、提案システムから得られるパラメータ設定 を解析することで、聴撹特性・聴党陪害補償に関 する新しい知見を獲得できる可能性が高い。ここ では、このようなトップダウン的研究アプローチ 実現への具体的な方法を検討する (図1参照)。

実 験IIと同様の方法論を用いれば、 (1)音 楽 を楽しむ、雑踏の中にいる、オフィスで仕事をす る、など様々な状況下でのパラメータの違い解析 による、補聴器設定に関する知見、 (2)音声と音 楽のバラメータ設定の違い解析による、音声と音 楽 で の 知 伐 や 認 知 メ カ ニ ズ ム の 違 い に 関 す る 知 見、 (3)背景雑音の有無におけるバラメータ設定 の違い解析による、ターゲット音聴取へのノイズ の影野に関する知見、等の獲得が可能と考えられ る。

さらに、バラメータ骰定(ラウドネス空問(31) から様々な特徴屈を抽出し、従来法で得られた聴 役特性の測度と比較する方法で、知見を獲得する ことも可能と考えられる。例えば、ラウドネス空 問から抽出したラウドネス関数と従来のラウドネ ス関数との違いから、生活音と非生活音の聴取時 のラウドネス特性の違いに関する知見を得る、な

どが挙げられる。

上述した解析的な研究アプローチは、我々が提 案するIECフィッティングシステムによって初 めて可能になるものであり、従来にはまったくな いアプローチである。

現在は、提案手法と従来法でのラウドネス関数 の違い、音声聴取、および音楽聴取でのバラメー タ設定の対象音依存性、音声と音楽のバラメータ 設定の違い、の3つに関する知見獲得のための実 験を行っている。一部の実験は終了しており、音 声聴取時とノイズ聴取時のラウドネスはかなり異 なり、ノイズで得られたラウドネス関数に基づく 補償では使用者の不快感を伴う場合がある、補償 特性のパラメータは音声の種類や背保ノイズに依

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Fig.  1.  Conventional bo~tom-up approach and  proposed top‑down approach. 

存しない、などの知見が得られた[2]。

5.  まとめ

我 々 が 提 案 し た 、 ラ ウ ド ネ ス 空 間 構 成 法13,2]  を組み込んだIECフィッティングシステムを、

従来あまり研究がなされていない聴従熙害者の音 楽聴取に応用し、音質の評価実験を行った。その 結果、提案システム処理音は無処理音よりも有意

に音質が高く、その有効性が示された。

さらに本稿では、 IECフィッティングシステ ムに基づく解析的な研究アプローチを提案し、具 体化への方法を検討した。今後、我々はこのアプ ローチによって聴槌防害補償に関する知見を獲得 するとともに、その方法論を聴箕関連研究だけで なく、人間の認知や感性を扱う知識・惑性情報処 理研究に広く展開していく予定である 121。

なお本研究には、実吉奨学会、日本科学協会、

福 岡 大 学 医 学 部 白 石 君 男 先 生 、 に 御 協 力 い た だ いた。

参考文献

111高木英行,大綺美穂,「聴伐障害者の聴こえに基づ く聴伐補償の自動最適化」平11年春季音講論 121大崎美穂 「進化的計釘手法を用いた聴鈷障害補

償に関する研究」 平10年12月九州芸工大博論 13]大崎美穂,津村尚志,高木英行:島田真弓: 「IEC

フィッティングシステムの音声聴取に対する評 価」 平11年春季音講論

14]  P. Duchnowski and P. M. Zurek, "Villchur re‑ visited:  Another look at automatic gain control  simulation of recruiting heRring loss." vol.98,  110.6, pp.3170‑3181, 1995. 

日本音響学会講演論文集

‑ 3 6 4 ‑

1999年 3月

参照

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