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九州芸術工科大学大学院

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Academic year: 2022

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

ディジタル補聴器フィッティングヘの対話型ECの応 用

大崎, 美穂

九州芸術工科大学大学院

高木, 英行

九州芸術工科大学音響設計学科

http://hdl.handle.net/2324/4481599

出版情報:pp.193-194, 1998-06-03. 日本ファジィ学会 バージョン:

権利関係:

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14th Fuzzy Symposium (Gifu, June 3 

 

5, 1998)  WD3‑l 

ディジタル補聴器フィッティングヘの対話型 E C の応用

l Application of Interactive Evolutionary C<)mputation to Degital Hearing Aids F.itting 

大 崎 美 穂 * Miho Ohsaki 

高木英行**

Hideyuki Takagi  加 ・Il芸術工科大学 *大学院,**音響設計学科

Kyushu Institute of Design, *Graduate School, ••Dept. of Acoustic Design 

Abstract: vVe propose an auto‑fitting system for hearing aids with an interactive evolutionary computation  (EC). Conventionally, a doctor or an engineer measures some hearing characteristics of an hearing impaired  person independently and tunes the parameters of a hearing aid based on them. Therefore, there are many  problems in hearing aid fitting.  For example, it takes much time, the relation between some hearing charac‑ teristics is not clear, parameter setting does not reflect the preference of hearing aid users, the users can not  tune by themselves. Our proposed system, in which EC tunes the signal processing parameters to compensate  impaired hearing and human evaluate processed sounds, has possibility to resolve these verious problems.  We organized a proto‑type fitting system which includes a band gain control as a signal processing part and  have shown that EC can tunes parameters within practical generations. We are going to apply this system  to other popular signal processings of hearing compensation and evaluate them. 

1. はじめに

聴覚障害には様々な症状があり、単純に入力音声 を増幅するだけでは、かえって不快に聴こえること が多い。最近、入力音声に各種の信号処理を施すこと が可能なデイジタル補聴器が実用化されたが、個々に 異る聴 覚 障害者の聴覚特性を反映する方法が確立さ れていないことと、その聴覚特性に合わせた補聴器 の信号処理パラメータの最適調整(フィッティング)

が困難であることから、デイジタル補聴器の性能を 活かす事ができていないのが現状である。

箪者らは、 対話型ECを組み込んだ補聴器フィッ ティングシステムを提案し[3]、さらにこのシステム を用いることで、従来とは異なる新しい聴覚研究の アプローチができることを示すべく、研究を行なって いる[4]。これまでは主に、聴覚障害者が実用的に提 案システムを用いることができるように、インター フェイス改普による対話型EC操作者の負担低減の 研究を行なってきた[l,2, 4]。今論文では、実際に対 話型ECを組み込んだ補聴器フィッティングシステム

を構築し、その評価を行なう。

2. 補 聴 器 フ ィ ッ テ ィ グ シ ス テ ム の 提 案

提案したディジタル補聴器の自動フィッティング システムの構成を、回1に示す。このシステムでは、

ECが聴覚補償のための信号処理パラメータ調整を行 ない、 信号処理部で音声の処理が行なわれる。そし て処理された音声を人間が聴いて評価値を与える。

1実験協力いただいた本学の卒研生渚元千品さん(現東 工大院)、およぴ、 研究助成をいただいた日本科学協会に、 感謝いたします。

Original  signal 

EC part  Parameters 

Signal processing part  Filtered signal 

Interface part 

Human  operator 

Fitness  values 

図1: 提案した補聴器フィッティングシステム 従来の聴覚研究では、複数の聴覚特性を独立に測 定し、それらを総合するボトムアップ的なアプロー チがなされてきた。そのため、測定に時間がかかる、

聴覚特性間の相互関係が分からない、実験条件が非 常に制限される、などの問題があった。また補聴器の フィッティングでは、近似的に測定した聴覚特性を用 いて、専門家が補聴器使用者の意見を聞きながら試行 錯誤でパラメータ調整を行なっていた。したがって、

使用者の聴こえを直接反映しにくい、使用者が自分 でフィッティングできない、などの問題があった。し かし本提案システムを用いれば、補聴器使用者の聴 覚特性を事前に測定せずに、使用者自身が自分の聴こ

えに基づいてフィッティングすることが可能になる。 さらに、フィッティングによって得られたパラメー タ設定から聴覚特性を逆算する トップダウン的なア プローチによ り、従来の聴覚研究のアプローチでは 得られなかった知見を得ることが可能になる。従 来 のボトムアップ的なアプローチでは、得られたデー タを解析するために、結果に影響する要因を減らす 必要があった。そのため、制限された実験条件(例え ば、防音室内、信号はノイズか純音)で、検知の限界

‑ 1 9 3 ‑

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能 力 を 基 準 に し て 、 聴 覚 特 性 を 測 定 し て い た 。 し か し本システムでは、より自由な実験条件(例えば、実 際 の 使 用 環 楼 で 実 際 の 音 声 を 用 い る な ど ) で 、 聴 覚 障 害 者 の 聴 こ え や 背 景 雑 音 ・ 環 境 音 の 影 響 を す べ て 考 慮 し た 上 で の 、 パ ラ メ ー タ 設 定 が 可 能 で あ る 。 さ らに、従来のアプローチでは得ることが不可能であっ た 、 異 な る 環 境 下 で の 最 適 調 整 パ ラ メ ー タ の 違 い を 比 較 解 析 す る こ と で 、 従 来 に な い 新 し い 聴 覚 の 知 見 が得られる可能性がある。

このように本提案システムによって、従来の補聴 器フィッティングの問題が解決されるだけでなく、聴 覚 研 究 の 新 し い 知 見 が 得 ら れ る 可 能 性 が 広 が る と 考 えられる。

3. 

評価実験

第1の 聴覚補償処理として、周波数ゲイン特性を 対 話 型ECで自動フィッティングするシステムを構築 し た 。 こ の 実 験 シ ス テ ム を 健 聴 者 に 操 作 さ せ 、 歪 ん だ 音 声 の 周 波 数 ゲ イ ン 特 性 を 変 え る こ と で 歪 を 聴 感 的に補正する実験を行った。このシステムでは、 G A が生成した6つの周波数帯域のゲイン特性に基づき、

入 力 音 声 が 補 正 処 理 さ れ 、 被 験 者 に 提 示 さ れ る 。 被 験 者 は 、 再 生 さ れ た 音 声 に 対 し て 5段 階 で 評 価 値 を 与え[2]2 0個体について、 20世 代 ま で 操 作 を 行 う。音声には、補聴器適合評価用CDから選んだ男 声を、ホルマント情報を損失するように振幅圧縮し て歪ませたものを用いた。

この操作の後、本システムで処理した歪補正音声 と 元 の 歪 音 声 の 周 波 数 振 幅 特 性 を 調 べ た 結 果 、 歪 の 物 理 的 な 回 復 が 見 ら れ た 。 さ ら に 操 作 者 を 被 験 者 に し て 、 歪 補 正 音 声 と 元 歪 音 声 を 対 に し た 主 観 評 価 実 験結果に対して符号検定を行なった。この結果、 2 つ の 音 声 の 間 に 有 意 な 差 が 見 ら れ 、 人 間 の 聴 感 に お

いても歪が軽減されていることが示された。この結 果は、操作者以外を被験者とした主観評価結果[5,6] 

と一致した。以上より、音声処理に対話型E Cを応用 できる可能性が示された。

次に、第2の聴覚補償処理として、ラウドネス補 償処理を対話型ECで自動フィッティングするシステ ムを構築した。こ の 処 理 は 補 償 処 理 上 大 き な 効 果 が 期待されており、実際のデイジタル補聴器でも用いら れているが、事前の精密な測定は時間がかかるため、

近似的なモデルが今まで利用されているに過ぎない。

本 提 案 の ア プ ロ ー チ は 、 事 前 の 測 定 を 必 要 と し な い 聴 こ え に 基づ く 最 適化 で あ る た め 、 そ の 効 果 が 期 待 される。また、基本的に、第 1の ゲ イ ン 調 整 の 実 験 と同じデイジタルフィルタの設計であり、システム構 成 上 の 困 難 さ は 調 整 す る パ ラ メ ー タ 数 の 違 い だ け で ある。現 在 、 こ の 第2の 実 験 シ ス テ ム の 収 束 特 性 の をシミュレーションを行っており、その結果に基づい

~

て、聴覚障害者を被験者とした最終実験を行う予定 である。

4 .   まとめ

従来の補聴器フィッティング、およぴ聴覚研究に おける問題を解決するため、対話型ECを組み込ん だデイジタル補聴器の自動フィッティングシステムを 提案した。今回は、聴覚補償のための信号処理に周 波数ゲイン調整を用いたプロトタイプシステムを構 築し、評価実験を行なった。その結果、音声処理に 対話型ECを応用できる可能性が示された。そこで 次に、ディジタル補聴器で実際に用いられているラ ウドネス補償処理を組み込んだシステムを構築した。 今後は、ラウドネス補償における本システムの有効 性を検証していきたい。さらに、本システムから得 られる信号処理のパラメータ設定から聴覚特性の知 見を得る方法を確立し、従来とは異なるトップダウ

ン的な聴覚研究のアプローチを提案したい。

References 

(l]印具毅雄,嵩木英行,大崎美穂, 対話型遺伝的アル ゴリズムのインターフェイス改善‑GAの高速化手法 の提案‑,"第13回ファジイシステムシンポジウム,

pp.859862, 宮山 (19976月).

(2) Ohsaki, M., Takagi, H. and Ohya, K., "An in~ut method usindiscrete fitness values for interactiv GA," J. oIntelligent and Fuzzy Systems (will ap pear in 1998) 

(3)高木英行,野木研, インタラクテイプEC:創造支援 から工学応用へ, ワークショップ「インタラクテイプ 進化的計算論」,pp.16,福岡(19983月)

(4)高木英行,大崎美穂, インタラクテイプEC操作者の 疲労低減手法,"ワークショップ「 インタラクテイプ進 化的計尊論」,pp.4752,福岡 (19983月). (5]渡辺辰巳高木英行, 対話型GAを用いた歪音声の音

質の改善,"第11回ファジィ・システム・シンポジウム pp.183186沖縄(19957月)

[6]  Watanabe, T. and Takagi ,̲H."Recovering System  of the Distorted s1eech usmg InteractivgenetiAl

frithms,"IEEE nt'Con. on Systems, Man arid  ybernetics (SMC'95), vol.Ipp.684‑689Vancou‑

verCanada (Oct., 1995

[連絡先】 〒815‑8540

福岡市南区塩原4丁目 91 九州芸術工科大学音響設計学科 嵩木英行

TEL&FAX: 092‑553‑4555  E‑mail takagi◎ kyushu‑id.ac.jp 

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