4 . エ
4. 卜 23
焼き入れによ りマルテ ンサイト 組織が得 られ、材質が改善さ れる。マルテン サイト は炭素 を過度に固容し た鉄で、 侵入型の固容体 である 。溶質原子 の密度は転位の周りの応 力場の 引っ 張り側 で平均値よ り高く、 圧縮側で低 くな り、 結果的 に転位の周りの応力が緩 和され て転位は安定 になり、 外力 をかけ ても動き にくく なる*≒ 焼き 入れによるロ ーラ及びレ ー ルの材質改善 効果 は大きい が、 実際には 機械加工 の面から制約を受け る。著者の実 績では ロ ーラBHN350 、レ ールBHN400 が最高であ る。焼き 入れの深さ は、少な くとも 、剪断応力が 最大となる深さ迄 は必要であ り、 大型 口− ラにあ っ ては質 量効果が問題 となる場合 が多い。
高周波焼き入れは可 能である が、 焼き 入れ深度に 見合っ た電 源容量の確 保が制限 条件の一 つになる。叉、焼き割れを防ぐ 為に均一 な結晶構造 であ る必 要があ る。焼き入 れ性の改 善 と 強さ とねばさの改善の為にMn 、Cr 、Mo 、Ni を添加するこ ともあ る。 オーステナイト 系 のステ ンレ ス鋼は焼き入れ処理はでき ない。加工 硬化によ る材質改 善は転位密 度の増加 によ る。加工によっ て転位の増殖が起こっ て転位 密度が増し。 転位 間の相互作用 によっ て 転位 が動き にくくなる為であ る。即ち、転 位の交差によっ てジョ グ*2ができ 、更 に進んで 二つ以上 のすべり面で転位のすべり運動が 起こる ようになると、転位 聞の反応によ り不動 転位おが形成さ れ、こ れに後から来る転位 が集積し たりもっ れ たりし て、 次第に転位は動 き にくくなり、転位 源もま た集積転位 からの逆応力 の為 に、 より大きな応力を与 えないと 活動し なくなる、など の為 であ る。加工 による強化 △a s と転位 密度Jv;ぢ と の聞には次の関
△a s=a μb √N‑
但 し 、 α : 金 属 に よ り 異 な る 常 数 で0.2 〜0.5 μ: 剪 断 剛 性 率
b : 原 子 間 の 距 離 ( 転 位 の 方 向 の )
‥・(20a)
係 があ ることが実験により確かめ られ てい る゛・。一方、塑性変形量5 pはN に比例する 爽。
従っ て、熱 処理と加工 硬化の 結果 は次の式 で表現できる。a sは初 期の降 伏点 (7
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一 一 一
4.1‑ 24
a SJ\n工゜a s 十A a s5 p =a △(T s^
‥ ・(20b)
‥(20c)
工硬化後の降伏点、a は比例定数である。良く焼きなまされた普通の金属の転位密度はy
=10^〜10"era/cm‑ であるが、これを加工するとw 〜lO^^cm/cni^ 程度迄増加すると言われ ているので、単純に計算すると、加工硬化により100 倍程度の強度の上昇が期待できる。
しかし、通常の水門扉の運転でこの様な強度迄加工硬化が進むとは考えられず、がりにそ れが実現したとしても、塑性変形量が許容範囲内に留まってくれるのかの疑問が残る。熱 処理により材質が大幅に改善された接触部ではコットレル効果ないし結晶微細化効果によ り加工による転移の移動が起こり難い筈であるが。この様な部分で転移密度の上昇がどの 程度迄進むのか明かでない。塑性領域の活用が何処迄可能であるかを見極める為には、こ れらに対する回答は不可欠であり、前項(4 )で述べた本研究による情報の収集は熱処理
4.卜 25
4 。1 . 3 塑 性 領 域 で の 変 形
ローラとレールの塑性領域での変形を実験的に把握する。熱処理による事前の材質改善 及び変形による加工硬化の影響に留意する。
4 。1.3.1 強 度 試 験
限られた費用と時間の中で塑性変形に関する多様な情報を入手する為に、強度試験は4 種類に分けて実施した。各試験には次の特徴がる。尚、表4.1 −4 に各試験(強度試験
工〜4 )に用いたローラ・レール及び負荷方法の比較を示し、添付資料4 . エー1 〜4 に 試験方法を詳細に示す。模型記号はこの中で定義した。
[ 強 度 試 験 工: 部 分 模 型 に よ る 静 的 試 験]
ア ム ス ラ ー 試 験 機 で 静 的 に 圧 縮 し た 時 の 変 形 を 把 握 す る 試 験 で あ る 。 ロ ー ラ は 、 少 藍兄 費 用 で 多 数 ケ ー ス の 実 験 が 可 能 で あ る 様 に 、 形 状 を 変 え た4 種 類 の 部 分 模 型 を 極 限 に 焼 き
ー ・ 一 一一 一 一一
入 れ し て 変 形 発 生 を 防 ぎ 、 レ ー ル 側 は 消 耗 品 と し て5 種 類 の 焼 き 入 れ を し た も の を 多 数 用 意 し た 。4 種 の 強 度 試 験 の 中 で 、 点 接 触 を 含 む も の は こ の 試 験 だ け で あ り 、 叉 、 焼 き 入 れ 硬 度 の 変 動 範 囲 が 一 番 大 き い 。
[ 強度試験2 : 小形模型による 動的試験]
2 円筒転がり接 触試験機でロ ーラ回転による繰 り返し 荷重を かけ て、 その変形と 内部の 硬度上昇の状況を把握する試験 であ る。試 験機は二つのロ ーラ が抑しつけ られ た状態で匝丿 転し ていて。駆動 側に供試 口− ラがセットされる。 被動 側のロ ーラは変 形を防止す る為 に 極限 迄焼き 入 れさ れている 。供試体は小径(70 φ) であ るが、[回転速度 が実物の 水門扉 に 比 較し て早いので、短時間 で多 数回の荷重 がかけ られる点 に特徴がある。 水門扉のロ ーラ 回転数(負 荷状態の)は10‑^〜10^ 程度 であ るのに対し5×10^回の負荷が行 われた。ロ ーラ形 状 は1 種類で線接触である 。4 種類の試験の巾 で、 材料結 品が而心立方 陪子てあ るロ ーラ
(SL'S304) を含むのはこの試験 だけ であ る。尚、比 較表( 表A . 1 一4 )の 中で示されて い る他の材料(S45C 、SCM3 、SNX21) は研究室的な焼き 入れ精度を確保する 為に用い たもの で、 総て体心立方格子材であり、 試験 結果に対する影響はB H N で代表 できる もの考えら4.1‑
26
れ る ,
j 卜
比較項 目 試 験の名称
寸 法
線接触L
/R
強度試験1 部分模型によ る静的 試験 0.054/0.563
=2x0.048
−j︱︱ 強 度試験2 小型 模型による 動的試験
0.01/0.035
=2x0.143
強度試験3 1 強度試験4 大型模型による
静 的 試 験 動 的 試 験 0.125/0.470
=2x0.133
□
| ラ mX 1
点 接 触R'
/R