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博 士 ( 薬 学 ) 松 嶋 知 広

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Academic year: 2021

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博 士 ( 薬 学 ) 松 嶋 知 広

学 , 位 論 文 題 名

海 洋 産 抗 腫 瘍 性 18 員 環 マ ク ロ リ ド ・ テ ダ ノ リ ド の 全 合 成 研 究

一 分子 力 場 計算 に 基づ い た合 成設計―

    亀     , ヤ

    学 位論 文 内容 の 要 旨

  本研究におぃて標的化合物としたテダノリドは、構造上、不規貝IJに配置され た計13個の 不斉中心 からなり 、  18員環ラ クトン上 に3置換オ レフィンならび に4つの 分 子 内ア ルドール 構造、また 、環外に は化学的 に不安定 な3置換エ ボ キシ基を 含む多官 能性蜘鎖 を有し、さらには、過去に多数の合成例のある陸上 由来の輿 型マクロ リドには みられない、ー級水酸基とのマクロラクトン構造を 持つなど の特徴を 有してお り、現代精密台成化学における方法諭を駆使しても 合成が困難な化合物である。

  特に内在 する4つの 分子内ア ルドール 構造は、X線結晶解 析結果から、 18員 環ラクト ン上にお いてほ、 そのa位水 素とロ位 水酸基が アンチベリ平面となら ない安定 なコンホ メーショ ンをとる ものの、 合成上、 18員環形成には最良法 となるマ クロラク トン化反 応において、対応するフレキシブルなセコ酸上ての 安定性の確保が難しいことが示唆された。

  以上の問 題を考慮 し、本研 究においては、アルドールカルボニル基を水酸基 とし た 化 学的 に 安定な誘 導体を設計 し、最重 要課題と なる18員環 ラクトン 構 築を、コ ンホメー ションを 効果的に嗣御したセコ酸誘導体を用いる効率的マク ロ ラ ク ト ン 化 反 応 に よ り 達 成 す る こ と を 主 眼 と し て 検 討 を 行 っ た 。   そ の 結 果 、 合 成 過 程 に お ぃ て 以 下 に 示 す 成 果 ゐ 1得 ら れ た 。   1)マクロ ラクトン 化反応に おいて効 率的な閉 環を行う ためには、生成する     ラク ト ン 環の安 定性なら びに対応す るセコ酸 における コンホメ ーション     嗣御 が 重 要で あ るこ と を 考慮 し 、 テダ ノリ ドのX糠結 晶解析結 果に基づ     いて 閉 環 に有利 なコンホ メーション を有する 分子設計 を行い、 上記の条     件 を 満 た す 誘 導 体 と し て 、 テダ ノ リド のC5位 お よ ぴC15位 をそ れ ぞ れ     S配 置の 水 酸 基と し 、さ ら に コン ホ メー シ ョ ンを 規 制 する 目 的で 、 C3     −C5位 、C13−CI5位 間 に2つ の ア 七 夕 一 ル 環 を 導 入 し た ラ ク ト ン 体     および対応するセコ酸誘導体を選定した。

  2)I) に 関 連して 、合成計 画段階で、 閉環容易 な誘導体 を合理的 に選定す     るこ と を 目的と し、ラク トン体とセ コ酸それ ぞれにつ いての分 子カ場計     算を 用 い る理論 的なコン ホメーショ ン解析を 活用する 新規方法 論を展開

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    した。

  3)セコ 酸誘 導体 の合 成に つい ては 、フ ラグメント合成により行い、シャー     ブレ ス不 斉エ ボキ シ化 反応 を中心 に、 鎖状 分子 上で 立体 を制 御し て不斉     中 心 を 確 実 に導 入 す る と 共 に 、 想 定 し た4つ の フ ラ グメ ント のう ち、2     組を 三置 換ビ ニル ヨー ド体 とアル デヒ ド体 のカ ッブ リン グ反 応を 共通の     方法 諭と して 縮合 し、 メチ ルケト ン体 とア ルデ ヒド 体を 誘導 後、 それら     の ア ル ド ー ル 反 応 を 鍵 行 程 と し て そ の 合 成 を 達 成 し た 。   4)合成 した セコ 酸誘 導体 から 鍵行 程で あるマクロラクトン化反応を検討し     た結 果、 活性 化法 とし て改 良山口 法を 用い るこ とに より 、マ クロ 環形成     にお いて は常 法で ある 高度 希釈法 によ らな い通 常の アシ ル化 条件 下で、

    効 率 的 に18員環 ラ ク ト ン体 のみ を87%の高 収率 で得 るこ とに 成功し た。

  5)実際 に合 成し たセ コ酸 メチ ルエ ステ ル体および18員環ラクトン体につい     てNMR実 験 に よ る コ ンホ メー ショ ン解 析を 行い 、合 成計 画上 での分 子力     場計算結果の信頼性を実証した。

  以 上の よう に本研究において、テダノリドのような複雑な構造を有する天然 物合成に際しても、合成計画段階で適切に分子力場計算を利用することにより、

鍵 行 程 で あ る マ ク口 ラ ク ト ン 化 反 応 の 効 率 化 が 可 能 と なる こと を示し た。

  さ らに 、従 来困難とされてきた複雑な鎖状分子であるセコ酸誘導体の分子力 場計 算に おい て、部分構造計算、ならびにそれに基づく初期入力座標の設定に 代表 され る効 率的な利用法を確立し、他の天然物合成においても有用な手段と なり得る方法諭を提示した。

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主査 副査 副査 副査

学位論文審査の要旨

教授 教授 教授 助教授

ー 橋 本 俊 一

米 光    宰( 岡山 理科 大学 ) 森    美 和 子

浜 田 辰 夫

学 位 論 文 題 名

海洋産抗腫瘍性 18 員環マク口リド・テダノリドの全合成研究

―分子力場計算に基づいた合成設計一

  1 )序論

   題 目 の標的 化合 物テ ダノリ ドは 13 個 の不 斉中心 を有 する だけ で な く 、 エ ポ キ シド 、 3 個 の ケ ト ン 、 18 員環 マオク ロラ クト ンを 含 むなど合成が極めて難しい化合物のーつである。特に、・1 級アルコ ー ル 上 での18 員環 マク ロラク トン 化は 他に 例がな いの で、 最大 の 解決 しな ければならない課題であった。マクロラクトンの前駆体の セコ 酸誘 導体の配座が計算で予測できれば置換基や保護基等により 配座 を制 御してラクトン化しやすいセコ酸を設計出来、合理的な合 成計画を立てることが可能になる。

  2 )研究成果とその評価

論文 提 出 者 は 上 記 の 点 を ふ まえ 、 天 然物 の配 座( X 一 線に よる ) を基に配座計算によりそれに近い配空を有するセコ酸をデザインし、

実際に そのセコ酸を合成し、予測どうり効率良くラクトン化される

ことを 確かめている。全合成研究における配座予測の有効性を立証

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できた 点は 評価に値する。また以上の成果を達成する過程で、以下 の成果を上げている。

  1 設計 された セコ 酸を 合成 するに あた って 、共通した方法論(ピ ニルヨ ウド 体とアルデヒドのカップリング反応)でニつの断片を合 成しそ れら のアルドール反応でセコ酸を合成し、一連の天然物合成 にー般的な方法を開発できた。

  2 セ コ 酸 の 計 算 配 座が 正 し い こ と を NMR に よ り 検証 し た 。 特 に NOE 測 定 に よ り 、 合 成 さ れ た セコ 酸 が 計 算 に 近い 立体 配座を 有し ていることが明らかになった。

   上記 の成 果は、今後の表題化合物の全合成に向けて大きく前進さ

せたと 同時 に、関連の天然物を全合成するための一般的方法論を提

供するもので、博士(薬学)を修得するに十分な成果と判断出来る。

参照

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