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5月の病害虫発生予想と防除のポイント

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Academic year: 2021

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鹿児島県経済連・肥料農薬課 鹿児島県病害虫防除所から発表された病害虫発生予報第10 号(1 月)を基に,防除のポイントを下 記に取りまとめましたので,防除指導の参考にしてください。

Ⅰ.野菜

発生量は平年比較,発生予想の下段(根拠)の(+)は多発要因,(-)は少発要因を示す 作物・病害虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト キュウリ べ と 病 褐 斑 病 うどんこ病 やや少 12 月の発生:少(-) 発生程度の高いほ場があ る(+) 発生ほ場率が急増してい る(+) 並 12 月の発生:並 発生ほ場率やや高い(+) 並 12 月の発生:並 発生程度の高いほ場があ る(+) (べ と 病) ①多発すると防除は困難になるので,初期防除を徹底する。 ②多湿条件で発生しやすいので,ハウス内の通風換気を十分に 行う。 ③肥料切れや草勢の衰えは発生を助長するので,適正な肥培管 理に努める。長期どりでは1月以降発生が多くなる傾向にあ る。 ④発病葉は早めに除去し,ハウス外に持ち出して処分する。 ⑤既発生圃場では,リドミル MZ,フェスティバル M,ランマン, ブリザードなどでローテーション防除し,未発生圃場ではダ コニール,ベフドーなどで予防を行う。 (褐 斑 病) ①多発すると防除は困難になるので,初期防除に努める。 ②多湿条件で発生しやすいので,ハウス内の通風換気を十分に 行う。 ③肥料切れや草勢の衰えは発生を助長するので,適正な肥培管 理に努める。茎葉が繁茂する生育中~後期に多発する傾向が ある。 ④発病葉は早めに除去し,ハウス外に持ち出して処分する。 ⑤アミスター,カンタス,ゲッター,セイビアー,フルピカ, ベルクートなどでローテーション防除する。 (うどんこ病) ①多発すると防除は困難になるので,初期防除に努める。 ②発病葉は早めに除去し,ハウス外に持ち出して処分する。 ②薬剤は下位葉や葉裏によくかかるよう散布する。 ③防除はアミスターオプティ,カスミンボルドー,ジーファイ ン,トリフミン,モレスタン,ラリーなど作用性の異なる薬剤 によりローテーション防除する (防除薬剤は「23 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.62~65参照)

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野菜(続き)

作物・病害虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト トマト 疫 病 並 12 月の発生:並 発生程度の高いほ場があ る(+) (疫 病) ①ハウスの通風,換気を十分に行い,過失にならないようにす る。 ②ハウスの谷部や北側など結露して水滴の落ちやすいところで 発生が多いので,早期発見に努め,初期防除を行う。 ③発病すると急激に進展することが多いので,罹病茎葉は速や かにハウス外へ持出し,薬剤を散布する。 ④他病害も含めてダコニール,ジマンダイセン等で予防し,発 生を認めたらカーゼート PZ,フェスティバル,ホライズン, リドミル MZ 等でローテーション防除する。 (防除薬剤は「22 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.118~122 参 照) ピーマン 斑 点 病 黒 枯 病 やや多 12 月の発生:多 発生ほ場率:高い(+) やや多 12 月の発生:多 発生ほ場率:高い(+) (斑点病) ①多発すると防除は困難になるので,初期防除に努める。 ②多湿条件で発生するので,ハウス内の通風換気を図る。 ③発病葉は持ち出して処分し,菌密度の低下を図る。 ④成り疲れなどによる草勢低下により発生しやすいので,適正 な肥培管理に努める。 ⑤防除はアミスターオプティ,カスミンボルドー,ダコニール, ドーシャス F,ラリーなど作用性の異なる薬剤によりローテ ーション防除する (黒枯病) ①多湿条件で発生しやすいので通風換気を行い,初期防除に努 める。特に前作で発生したほ場では注意する。 ②葉に斑点状の病斑を認めたら早めに除去し,ハウス外に持ち 出して処分する。 ③斑点病との区別は難しいが,葉に斑点状の病斑がみられたら, ダコニール,トップジンMや斑点病防除剤のラリー等で同時 防除を進める。 (防除薬剤は「23 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.155~157 参照) イチゴ うどんこ病 やや多 12 月の発生:多 発生ほ場率:高い(+) ①本病は初め新葉の裏面から発生することが多いので,早期発 見に努め,初期防除を徹底する。 ②発病葉は伝染源になるので摘葉して,施設外に持ち出して処 分する。 ③発病を認めたら,治療効果のある薬剤を7日おきに散布する。 ④薬剤防除はストロビー,ダイマジン,パンチョ TF,フルピ

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イチゴ うどんこ病 カ,モレスタン,カリグリーンなど作用性の異なる薬剤でロ ーテーション防除するが,薬剤感受性の低下がみられるとこ ろもあるので,散布後の効果を確認する。 (防除薬剤は「23 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.167~173 参照) 施設野菜共通 アザミウマ類 (キュウリ,ピー マン,トマト,イ チゴ) コナジラミ類 (キュウリ,メロ ン,トマト,ミニ トマト,ピーマ ン,イチゴ,施設 サヤインゲン) やや多 12 月の発生:やや多 キュウリ:並 ピーマン:並 イチゴ:多 イチゴで発生程度の高い ほ場あり(+) やや多 発生種:タバココナジラ ミ 12 月の発生:並 キュウリ,ピーマン:並 トマト,イチゴ,サヤイ ンゲン:やや多 (アザミウマ類) ①トマト黄化えそ病,キュウリ黄化えそ病の病原ウイルスを媒 介するので,生育初期からの防除が必要である。 ②入口等のハウス開口部から侵入することが多いので,青色粘 着トラップを設置し,早期発見・初期防除に努める。 ③花や新芽の中,葉裏など薬剤のかかりにくい場所に生息する ので,薬剤散布は丁寧におこなう。 ④天敵を放飼しているほ場では,天敵に影響のない薬剤を選択 する。 ⑤防除薬剤はアルバリン/スタークル,アドマイヤー,ベストガ ード,マラバッサ,アファーム,スピノエースなどをローテ ーション使用するが,ピーマンではミナミキイロアザミウマ に対して,薬剤感受性の低下がみられているので散布後の効 果確認に留意する。 (コナジラミ類) ①トマトの黄化葉巻病,ウリ類の退緑黄化病の病原ウイルスを 媒介し,またサヤインゲンの莢の白化症,トマトの着色異常 果の原因になるので,生育初期から防除の徹底が必要である。 ②ハウス内や周囲の雑草は生息・増殖場所になるので,除草す る。 ③ハウスの開口部には必ず防虫網を設置する(サイド 0.8mm 目 合い以下,谷部1mm 目合い以下)。 ④黄色粘着トラップを設置し,早期発見と初期防除に努める。 ⑤発病株は伝染現になるので,疑わしい株も含めて見つけしだ い除去し,ハウス外に持ち出して埋設処分あるいはビニール 袋に入れて処分する。 ⑥薬剤抵抗性の強いバイオタイプ Q がナス,ピーマン,トマト, ミニトマト,キュウリ,サヤインゲン等では発生している。 これにはアファーム,スタークル/アルバリン,ベストガード, サンマイト,コロマイト,スピノエース,モスピラン等の効 果が高いので,登録をみて使用する。 防除薬剤は「23 農薬使用の手引き(野菜編)」:P.66~69(キュウリ), P.90~93(メロン),P.118~122(トマト),P.133~136(ミ ニトマト),P.158~161(ピーマン), P.170~173(イチゴ)P.265(サヤイ ンゲン)参照

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野菜(続き)

作物・病害虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト エンドウ類 ハモグリバエ 類(ナモグリ バエが発生の 主体) アザミウマ類 (ハナアザミ ウマが発生の 主体) 並 12 月の発生:並 発生ほ場率:並 1月の気象予報 気温:並 降水量:並 やや多 12 月の発生:やや多(+) 発生ほ場率:やや高い (+) 1月の気象予報 気温:並 降水量:並 (ハモグリバエ類) ①多発してからの防除は困難なので,発生初期からの防除に努 める。 ②多発ほ場では5~7日おきに連続散布し,徹底した防除を行 う。 ③薬剤のはパダンSG水溶剤,ハチハチフロアブル,合成ピレ スロイドなどでローテーション防除する。 (アザミウマ類) ①ハナアザミウマは花の中に生息するので,薬剤散布は丁寧に 行う。 ②同一系統薬剤の連用を避け,作用性の異なる薬剤とのローテ ーション散布を行う。 (防除薬剤は「23 農薬使用の手引き(野菜編)」: P.248~249 (サヤエンドウ),p255(実エンドウ)参照

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病 害 虫 発 生 予 想 防 除 の ポ イ ン ト 黒斑病・褐 斑病 アザミウマ類 県本土(施設):やや多 奄美(露地):並 県本土 12 月の発生:やや多 発生ほ場率:高い 1月の気象予報 気温:並 奄美 12 月の発生:並 1月の気象予報 気温:並 降水量:並 県本土(施設): やや少 奄美(露地): やや多~多 県本土 12 月の発生:やや少, 発生ほ場率:やや低い(-) 1 月の気象予報 気温:並 奄 美 12 月の発生:多, 発生ほ場率:高い(+) 1月の気象予報 気温:並 降水量:並 (黒斑病・褐斑病) ①通風,採光と排水対策に努め,かん水は土が跳ね上がら ないようにする。 ②発病葉は伝染源となるので早めに摘み取り,適正に処分 する。 ③肥料切れや窒素過多は発病を助長する。 ④病原菌は被害部で越年するので,母株の予防散布を行う。 (アザミウマ類) ①キクえそ病(TSWV)とキク茎えそ病(CSNV)を媒介する ので,圃場への侵入防止と初期防除に努める。 ②母株や苗の導入に際しては,アザミウマ類の寄生やウイ ルスの感染に細心の注意を払う。 ③青色粘着シートを設置し,発生消長と発生種を把握して, 防除の目安にする。 ④種によって薬剤の効果が異なるので注意する。 ⑤施設では,開口部に目合い1mm 以下の防虫網を張って侵 入を防ぐ。 ⑥同一系統薬剤の連用を避け,作用性の異なる薬剤のロー テーション散布を行う。 (防除薬剤は「23 農薬使用の手引き(普通作物・花き編)」 P.117~121(キク)参照)

参照

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