第1学年○組国語科学習指導案 指導者 ○○ ○○ 1 単元名 「考えをまとめる」 題材名 「根拠を明確にして書こう 意見文」 2 指導観 ○ 近年の中学生の言語生活を見ると,スマートフォンやタブレットなどの電子機器によるメールやS NS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の普及などにより,気持ちや情報を文字言語で伝 える機会は増えてきている。しかし,それは話し言葉や短い会話文を用いた文章である場合が多く, 日常生活の中で自分の気持ちを相手に分かりやすく根拠を明確に文章で書き表す機会や場面は少ない ことが現状である。 本単元の学習内容は,伝えたい事実や事柄について,自分の考えや気持ちを根拠を明確にして書く ことであり,また,書いた文章を互いに読み合い,題材のとらえ方や材料の用い方,根拠の明確さな どについて意見を述べたり,自分の表現の参考にしたりすることである。そのなかで,生徒が論証の 重要性を認識し,その基本的な方法に慣れることもねらいとしている。論証とは,自らの主張につい て,それが正しいと見なされるべき根拠を示すことである。論証能力の育成は,説得力のある意見文 を書くために必須の条件であり,国語科で育てたい論理的思考力の根幹部分を形成するものである。 また,この学習は,判断と根拠の関係についての思考育成することにもなり,「書く」技術のみなら ず説明的文章の読解力の向上にもつながると考える。この学習をとおして,説得力のある根拠を考え, 根拠を明確に示して自分の意見を書くことは,生徒にとってこれから社会生活の課題に対して自分の 考えをもち,人に伝えるために文章にまとめる力を高めるうえで,大変意義があると考える。 ○ 本学級の生徒(男子○名 女子○名 計○名)は,4月時点での標準学力検査国語科(教研式NR T)において,全国平均をやや下回っている。しかし,領域別に見ると「書くこと」だけは,全国平 均を上回っている。また,「書くこと」に関してのアンケートの結果,「文章を書くことが好き」が ○%だった。そのため「書くことに抵抗感が少ない生徒が多いのでは」と考えていた。しかし,意見 文という文章に対しては「何かを書きたい気持ちはあるが書き方がわからない。」「書くテーマが浮 かばない。」などの抵抗を感じる生徒が全体の○%いた。以上のことから,文章を書くことに対して, 内容が浮かばない,言葉が浮かばない,書いているうちに文が整わなってくるという様子がうかがえ る。また,本学級の生徒は,人の意見を黙って素直に聞き入れるばかりで,それに対する反論や意見 を述べる事をしない傾向があり,自分の意見を表現することや人と意見を戦わせることを苦手として いる。このことから本単元では,まず,意見文を書けるようになるために基礎的なことから詳しく教 えることと,意見文の書き方を理解するためにモデルの意見文を示すことを手だてとし,できあがっ た作品に対しては他からの何らかのアドバイスや感想がもらえることで書くことに対する抵抗が薄く なり,意欲が高まるようにさせたい。 ○ 本題材の指導にあたっては,生徒にどのような文章が説得力があるかを考えさせ,意見文を書くな かで論証の重要性に気づかせたい。また,書いた文章を互いに読み合い,根拠の明確さや説得力など を確かめ合わせたい。そこでまず,【問い】の段階では,意見文を書くことに抵抗のある生徒が6割 を超えることから,できるだけ生徒の抵抗感を減らすために,意見を書く対象となる素材を,生徒の 興味のひきやすい挿絵等の視覚的なものを使い,意見文の題材となる問題を検討させ,立場を決めさ せて,根拠を吟味させる。次に,【探究/活用】の段階では,別の題材で,問題に対する意見文を書 き,読み合って感想を交換する。書くことが好きな生徒の多くは,書いた後に達成感を感じていると 考えられることから,できあがった作品の評価は生徒同士の相互評価を行わせる。最後に,【まとめ】 の段階では,学んだ手順に沿って,新聞の図版についての200字程度の意見文を書かせ,感想を交 換させる。ここでは,新聞記事をよく読ませ,写真とグラフの内容と特徴を検討させ,立場を決め, 根拠を考え,意見文を書くという流れを再度確認する。また,本題材のまとめとして,「説得力のあ る根拠を考え,根拠を明確に示して自分の意見を書いたか。」「書いた文章を互いに読み合い,根拠 の明確さや説得力などを確かめ合ったか」という観点に沿って学習を振り返らせる。 3 目標 ○ 根拠を明確にして意見文を書く学習に関心をもち,意欲的に書こうとしている。 (国語への関心・意欲・態度) ○ 話し合いの話題や方向をとらえて的確に話したり,相手の発言を注意して聞いたりして,自分の考 えをまとめることができる。 (話すこと・聞くこと) ○ 説得力のある根拠を考え,根拠を明確に示して意見を書いている。また,書いた文章を互いに読み 合い,根拠が明確さや説得力などを確かめ合っている。 (書くこと) ○ 挿絵や図表などとの関連を考えながら,目的や意図に応じ,様々な文章を読むことができている。 (読むこと) ○ 文章の構成を明確にするために,接続表現などに注意して,意見文を書いている。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項)
4 計画(5時間) 関:国語への関心・意欲・態度 話:話すこと・聞くこと 書:書くこと 読:読むこと 伝:伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項 次 時 学習活動・内容 手だて 評価規準 一 問 い 1 ( 本 時 ) 1 問題の検討をする。 ・「老いたライオンとキツネ」 の話の内容 ・挿絵の表現内容 2 それぞれの挿絵の長所・短 所などの根拠を考える。 ・文章の検討 ○ 問題(意見文の題材)に応 じて,最初に検討すべき事柄 があることを伝える。 ○ それぞれの挿絵について, 共通点と相違点に着目させ る。 ○ なぜもっとも説得力のあ る文章と考えるのか理由を 考えさせる。 書:説得力のある意見文を,具 体的な根拠や必要な要素に 気付き書いている。(発言チ ェック・ワークシート分析) 二 探 究 / 活 用 2 3 前回と違う例で意見文を 書く。 ・自分の立場の主張 ・判断した根拠 4 意見文を互いに読み合い, 観点にしたがい,意見や感想 を交換する。 ・根拠の明確さ ・根拠の説得力への指摘 ○ 前時に学んだ長所や短所 などの根拠を意見文に取り 入れて書かせる。 ○ 意見文の例を書き方の参 考にさせ,理解の他付けとす る。 ○ 観点を踏まえて,意見を交 換できるようにする。 ○ 感想については,良いと思 うところを探して発言する ように促す。 読:資料との関連を考えなが ら,目的や意図に応じ,文章 を 読 む こ と が で き て い る 。 (様相チェック) 話:話し合いの方向をとらえて て的確に話したり,相手の発 言を注意して聞いたりして, 自分の考えをまとめること ができる。(発言チェック・ ワークシート分析) 書:書いた文章を互いに読み合 い,根拠が明確さや説得力な どを確かめ合っている。(様 相チェック) 三 ま と め 2 5 学んだ手順に沿って,新聞 の図版について200字程 度の意見文を書く。 ・問題の検討 ・立場による根拠 6 意見文を読み合い,意見や 感想を交流する。 ・根拠の明確さ ・根拠の説得力への指摘 7 学習をふりかえる。 ・自己評価 ○ 新聞記事をよく読ませ,写 真とグラフの内容と特徴に ついて検討させる。 ○ 分かりやすい文章構成を 考えて書くようにさせる。 ○ 観点を踏まえて,意見を交 換できるようにする。 ○ 感想については良いと思 うところを探して発言する ように促す。 ○ 観点に沿って自己評価を させる。 関:根拠を明確にして意見文を 書く学習に関心をもち,意欲 的に書こうとしている。(様 相チェック) 伝:文章の構成を明確にするた めに,接続表現などに注意し て,意見文を書いている。 書:書いた文章を互いに読み合 い,根拠の明確さや説得力な どを確かめ合っている。(様 相チェック・ワークシート分 析) 5 本時 平成28年9月30日(金)第5校時 第一次の1 場所1年○組教室にて (1)本時の指導観 本時では,根拠を明確にした意見文を書くために,問題を吟味して,説得力のある根拠を考えること をねらいとしている。そのためにまず,【問い】の段階では,「イソップ物語」の「年老いたライオンと キツネ」を読み,A を推薦する意見文を書かせる。そして本時のめあてをつかませる。次に,【探究/活 用】の段階では,「意見文に説得力をもたせる」にはという視点で,A・B の挿絵を検討させる。検討し た内容を小グループで交流させ,グループから出た意見を,全体で確認することで,説得力のある意見 文に必要な要素を確認させる。その後,再度A を推薦する意見文を書かせることで,「説得力のある意見 文を書くには具体的な根拠を示す必要があり,比較などの要素が入るとより説得力が増す」ということ に気付かせる。最後に【まとめ】の段階では,再度書いた意見文を発表し確認することで,説得力が増 したことを実感させる。
(2)本時の主眼 ○ 「説得力のある意見文にするには」という問題を検討し,グループで確認することで,説得力の ある意見文に必要な要素(根拠や比較など)を考えることができる。 (3)準備 ①ワークシート ②A・B 挿絵 ③ホワイトボード (4)過程 段 階 学習活動・内容 準 備 手だて 評価の観点 形態 配時 (分) 問 い 1「イソップ物語」の文章と A・B の挿絵を確認し,A の挿絵を推薦す る意見文を書く。 ・共通点や相違点 ① ② ○ A の挿絵の良さを考え させるために,それぞれの 挿絵の共通点や相違点を 確認させる。 一 斉 8 探 究 / 活 用 2 意見文に説得力をもたせるた めに必要な要素を出し合う。 (1)自分の意見を書く。 (2)小グループで交流する。 ・意見文に必要な要素 3 小グループで互いの意見を検 討する。 (1)グループの意見をまとめる。 (2)グループの意見をホワイトボ ードに記入する。 ・意見文に必要な要素 4 「説得力のある意見文にするに は」という視点でグループから出 た意見を全体交流する。 ・具体的な根拠 ・根拠の数 ・引用 ・A・B の比較 ・分の構成 ・メリット・デメリット 5 再度 A を推薦する意見文を書 く。 ・必要な要素を含んだ意見文 ③ ○ 意見をより深めさせる ために,個人で記入した 後,小グループで交流す る。 ○全体で必要な要素を確認 させるために,ホワイトボ ードにグループの意見を 書かせる。 ○説得力のある意見文に必 要な要素を確認できるよ うに,各グループから出さ れた共通の意見を要素別 に取り出し,確認する。 ○ 確認したことを実感さ せるために,再度,意見文 を書かせる。 書:説得力のある意 見文を,具体的な 根 拠 や 必 要 な 要 素に気付き,書い ている。(発言チ ェック・ワークシ ート分析) A:具体的な根拠や 必 要 と 考 え る 要 素 を 含 ん だ 意 見 文を書いている。 B:根拠をもって意 見 文 を 書 い て い る。 C:意見文を書いて いるが,根拠が曖 昧である。 個 小 集 団 一 斉 個 8 10 10 6 ま と め 6 意見文を発表する。 ○ まとめにつなげさせる ために,意見文を発表させ る。 一 斉 8 めあて 説得力のある意見文とはどのような文章か考えてみよう。 まとめ 説得力のある意見文とは,具体的な根拠を示す必要があり,比較,引用など を入れるとより説得力が増す。