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医療系大学生等への薬物乱用防止教育プログラム開発に対する実践学的研究

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Academic year: 2021

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研究題目

医療系大学生等への

薬物乱用防止教育プログラム開発に対する実践学的研究

2018 年

兵庫教育大学院連合学校教育学研究科

先端課題実践開発研究専攻 先端課題実践開発連合講座

兵庫教育大学 氏名:上田 裕子

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博士論文の要旨

論文題目:

医療系大学生等への薬物乱用防止教育プログラム開発に対する実践学的研究

先端課題実践開発研究専攻 先端課題実践開発連合講座 兵庫教育大学 博士後期課程 上田裕子 【目的】 本研究は,看護学生を対象に薬物乱用防止教育を実施し,医療系大学生等に対する薬物乱用防 止教育プログラムの示唆を得て,今後の教育内容を検討することを目的とした. 【方法】 3 年課程看護師養成学校に入学した 1 年次生 81 名を対象に,ライフスキル教育を踏まえた薬物 乱用防止教育を実施し,教育前後と3 か月後の調査から教育効果を検証した.また,『薬物乱用防 止教育を受けて考えたこと』をテーマに,400 文字レポート内容を質的に分析し効果を検証した. 薬物乱用防止教育前後と3 か月後に,無記名自記式質問紙調査を実施した.質問項目は,①基 本属性,学生生活満足度など学生生活に関する項目,②乱用の危険性のある8 薬物の理解度,薬 物乱用に対する規範意識,薬物を誘われたら断る自信と行動化への自信の程度など薬物乱用に関 する項目で構成した.教育前後は,対応のあるデータとして分析した.7 月調査は,学生の匿名 性を確保するために新たに調査票を配布した.対応のないデータとして扱い,教育効果の継続性 を検証した.記述レポートは,テキストマイニングによる計量的質的分析を実施した. 2 年めの教育プログラムは,実際に薬物を誘われた経験の有無,自分に適した断り方の選択, 誘われたときの断り方トレーニング,他者による評価や意見交換できる教育実践を行った. 【結果】 教育直後では,乱用の危険性のある8 薬物の理解度は上昇するが,3 か月後には低下した.し かし,教育前の状態には戻らず,一定の教育効果の継続性を確認できた.薬物乱用は,「個人の自 由」と容認する姿勢をもつ学生や,断る自信があっても,行動に移せる程度が低いと回答した学 生が数名いた.レポートの内容分析から,薬物乱用者に対する回復支援策についても記述があり, 学生が自主的に調べていたことが判明した.講義形式のライフスキル教育は,学生の記憶にほと んど残らず効果的ではないと考え,翌年の課題となった. 次年度で,薬物を誘われたときの断り方を内容に含め3 パターンの断り方を提示した.「きっぱ り断る」と選択した学生は約70%に過ぎなかった.きっぱり断るという教育内容では,現在の大 学生等に適さず,複数の断り方を提示する必要性を示唆した. 【考察及び結論】 看護学生を含む医療系代大学生等に対する薬物乱用防止教育では,薬物の危険性や断り方など の一次予防と,薬物乱用者の治療や看護,再乱防止と社会復帰施設での回復支援など,さらに専 門的な二次・三次予防を教育内容に含める方向性を確認した.ライフスキルを駆使し,誘われて も断る行動に移せるトレーニング型薬物乱用防止教育プログラムの開発し,「きっぱり断る」以外 の断り方を学生自身が具体的に対応できる指針を示すことができた.

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【目次】 第1 章 緒論 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅰ 研究背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 Ⅱ 各国における薬物乱用防止教育の取組み ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3 Ⅲ わが国の薬物乱用防止教育の変遷・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5 Ⅳ わが国の薬物乱用の現状・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8 Ⅴ 薬物乱用に関わる青少年の危険行動とライフスキル・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 Ⅵ 研究目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 1 研究Ⅰの目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 2 研究Ⅱの目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12 3 研究Ⅲの目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 Ⅶ 研究デザイン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 1 研究の理論的枠組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14 2 本研究の枠組み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 Ⅷ 本研究の学術的特色と独創性及び予測される成果と期待・・・・・・・・・・・・・・・17 第2 章 研究Ⅰ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 『看護学生へのライフスキル教育を踏まえた薬物乱用防止教育の教育直後と3 か月後の 教育効果の検証』 Ⅰ 研究方法 1 研究期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 2 研究対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 3 薬物乱用防止教育の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 4 調査方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 5 分析方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 6 倫理的配慮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23 Ⅱ 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23 1 基本属性と生活状況について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23

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2 学校生活満足度とアルバイトの有無及び交遊費について・・・・・・・・・・・・・・・23 3 薬物乱用防止教育を受けた時期とライフスキルの認知について・・・・・・・・・・・・26 4 薬物乱用に対する考え方と飲酒・喫煙の薬物関連について・・・・・・・・・・・・・・27 5 8 薬物に対する危険性・有害性の理解について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29 Ⅲ 考察 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31 1 基本属性と生活状況からの薬物乱用防止教育の考察・・・・・・・・・・・・・・・・・31 2 薬物乱用防止教育の効果の継続性についての考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・32 3 学生の規範意識からの考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33 4 ライフスキルの指導からの考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34 Ⅳ 研究の限界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35 Ⅴ 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 第3 章 研究Ⅱ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 『ライフスキルを強化する薬物乱用防止教育後の効果評価 -テキストマイニングによる内容 分析を通して-』 Ⅰ 研究方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 1 研究期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 2 分析対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 3 薬物乱用防止教育の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 37 4 分析方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37 5 倫理的配慮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 Ⅱ 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・38 1 基本属性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38 2 形態素解析による高頻度出現単語の抽出・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39 3 形態素解析による共起ネットワーク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40 Ⅲ 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・40 1 パンフレットや DVD の教育資材からの学びの考察・・・・・・・・・・・・・・・・・43 2 薬物乱用の危険性と健康被害についての学びの考察・・・・・・・・・・・・・・・・・44 3 薬物乱用者への回復支援についての学びの考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・45 4 今後の教育プログラム内容と課題についての考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・46 Ⅳ 研究の限界・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・48

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Ⅴ 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・48 第 4 章 研究 Ⅲ 『薬物乱用防止教育プログラムの作成とその検証 -ライフスキルを駆使し断り方を考える薬 物乱用防止教育の実践と効果-』・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49 Ⅰ 研究方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 50 1 研究期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50 2 研究対象・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50 3 薬物乱用防止教育の構成・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・50 4 調査方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51 5 分析方法・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53 6 倫理的配慮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・53 Ⅳ 結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54 1 基本属性と生活状況について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 54 2 薬物乱用防止教育開始時期と薬物関連について・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 56 3 薬物乱用に対する考え方及び勧められたときの行動と自信の程度・・・・・・・・・・・57 4 薬物の有害性・危険性の理解度に関する教育前後の比較・・・・・・・・・・・・・・ 60 Ⅴ 考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 60 1 基本属性と生活状況に関する考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 2 薬物乱用防止教育の開始時期に関する考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 62 3 薬物乱用に対する考え方と勧められたときの行動と自信の程度に関する考察・・・・・ 63 4 薬物の有害性・危険性の理解度に関する考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 64 Ⅵ 今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・64 Ⅶ 本研究の課題・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・66 Ⅷ 結論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・67 第5 章 総括・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68 Ⅰ 研究Ⅰ及び研究Ⅱ,研究Ⅲからの総合考察・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68 Ⅱ 医療系大学生等を対象とした薬物乱用防止教育プログラムの試行的実践と今後の課題・・・ 70

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引用文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・74

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1 章 緒論

Ⅰ 研 究背 景 近 年 , 未 成年 者 及 び 20 歳未満の若年層を中心に薬物乱用事件が報道され注目を集め た . 薬 物 乱 用の 現 状 と 対 策 に よ る 報告 書 1)で は ,2013 年までは,未成年者及び 20 歳代 以下の若年層は年々減少傾向にあった.しかし,2014 年より大麻事犯の検挙者数が増加 しはじめ,2015 年は 20 歳未満の若年層による覚醒剤事犯検挙者数も増加している(表 1). 危険ドラッグも含め,未成年者及び若年層による薬物乱用の蔓延 は,深刻化していると考 えられる. 表 1 覚醒剤及び大麻事犯検挙者数の年別推移 (人) 【 覚 醒 剤 事 犯 】 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 検 挙 人 数 11,852 11,577 10,909 10,958 11,022 年 齢 別 50歳 以 上 1,893 2,079 2,206 2,486 2,324 40~49歳 3,473 3,533 3,430 3,697 3,779 30~39歳 4,115 3,884 3,619 3,301 3,383 20~29歳 2,188 1,933 1,530 1,382 1,417 20歳 未 満 183 148 124 92 119 うち中 学 生 4 3 1 2 1 うち高 校 生 25 22 15 11 14 大 学 生 21 18 22 11 18 【 大 麻 事 犯 】 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 検 挙 人 数 1,648 1,603 1,555 1,761 2,101 年 齢 別 50歳 以 上 67 71 67 88 104 40~49歳 185 207 218 257 263 30~39歳 510 544 574 678 700 20~29歳 805 715 637 658 890 20歳 未 満 81 66 59 80 144 うち中 学 生 1 0 0 3 3 うち高 校 生 14 18 10 18 24 大 学 生 23 23 23 27 31 厚 生 労 働 省 ・ 警 察 庁 ・ 海 上 保 安 庁 の 統 計 資 料 (内 閣 府 集 計 )

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2 特に,大麻事犯では,検挙人数の約6 割が未成年を含む若年層で占められ,若年層に高 い比率で推移してきた.それに加えて,ハーブやアロマ,ソルトなど多様な形態で販売し, 吸引した危 険 ド ラ ッ グ に よ る 健 康 被害 も 報 告 さ れ て い る . 薬 物 事 犯 の 背 景 と し て は , 危険ド ラッ グの 街 頭販売 店舗 一斉摘 発に より全 国で 入手困 難となったため,大麻に回帰していることや,危険ドラッグの入手には,イ ン タ ー ネ ッ ト や ス マ ー ト フォ ン 等 に よ る 購 入 経 路 の 発 達 が , 顔 の み え ない 匿 名 の 相 手 か ら の 購入 を 可 能 に し て い ると い っ た こ と が 挙 げ られ る . 2017 年には,ビットコイン(仮想通貨)による危険ドラッグの新たな地下販売ルートが 明 ら か に な った ば か り で あ る 2).18 歳の未成年者が主犯格であり,30 歳代,40 歳代の 成 人 男 性 に 対し て 密 売 に よ る 報 酬 を支 払 い ,3500 万円の売り上げをあげているという驚 き の 事 実 が あっ た . ビ ッ ト コ イ ン によ る 危 険 ド ラ ッ グ の 地下 販 売 ル ー ト が 摘 発 され た こ と は , こ れ まで と 異 な る 新 た な 密 売経 路 の 存 在 が 明 ら か とな っ た こ と を 意 味 す る. そ れ だ け で な く ,未 成 年 者 が 主 導 的 立 場と な り , 薬 物 乱 用 だ けで な く , 密 売 者 と し て犯 行 を 主 導 し た 事 実か ら , 現 代 の 学 生 を 取り 巻 く 社 会 環 境 は , ここ 数 年 で 激 変 し た と 考え る べ き で あ ろ う .ま た , ネ ッ ト ゲ ー ム 上で の や り と り 等 が 一 般化 し た こ と に よ り , 薬物 事 犯 取 引 は 現 金 取引 か ら ビ ッ ト コ イ ン のよ う な 仮 想 通 貨 取 引 ,ゲ ー ム 課 金 制 度 に よ る取 引 へ と 変 化 を も たら し て い る . 現 代 の 学生 に と っ て , 薬 物 乱 用へ の か か わ り が 既 に 身近 な 社 会 問 題 に な って い る と い う だ け で なく , 今 後 の 薬 物 密 売 取引 自 体 に 学 生 自 身 が 巻き 込 ま れ た り , 利 用さ れ た り し や す い 現 実が あ る と い う こ と も 考え て お か な く て は な らな い 時 代 が 到 来 し てい る と 考 え る . 学 生 の 社 会 環境 が 激 変 し て い る な かで , 自 身 が 危 険 回 避 行動 を 獲 得 す る た め に , こ れ ま で の よ う な「 ダ メ , ゼ ッ タ イ 」 とい っ た 標 語 に よ る 意 識に 訴 え る 教 育 か ら , 正し い 知 識 を 得 て そ れを 正 し い 行 動 へ と 移 せる 実 践 力 を 養 う 教 育 への 転 換 が 重 要 で あ る と考 え る . 高 等 学 校 卒 業後 の 教 育 機 関 に お け る学 生 に と っ て は ,自 ら の 行 動 を 自 分 自 身 で 判断 す る 機 会 が 増 すこ と か ら , 乱 用 の 危 険性 の あ る 薬 物 に 対 す る知 識 と 健 康 被 害 の 学 習は , よ り 不 可 欠 な もの と な る と 思 わ れ る が , こ れ ら の 学 習 は 学 生自 身 を 守 り , 自 分 自 身の 将 来 へ の 備 え に 繋が る も の で あ る と い える . さ ら に , 医 療 系 大学 生 等 に 対 し て は , 将来 の 医 療 従 事 者 と して 医 療 用 麻 薬 や 劇 薬 ,向 精 神 薬 を 取 り 扱 う 業務 に 従 事 す る 機 会 が 多く あ る た め , 正 し い知 識 を 持 ち , 正 し い 行動 へ と 移 せ る 薬 物 乱 用防 止 教 育 を 受 け , そ れら を 広 く 社 会 に 発 信す る よ う な 力 量 を た かめ る こ と が よ り 必 要 であ る と 考 え ら れ る . 医 療 従 事 者 は, 薬 物 乱 用 に よ り 健 康被 害 を 発 症 し た 者 に 対し て , 治 療 や 看 護 を 提供 す る 立 場 で も ある .ま た,直 接 乱 用 者 の回 復 支 援 施 設 で の サ ポー ト に 携 わ る 可 能 性 もあ る . し か し , 精神 看 護 学 分 野 で も , 精神 疾 患 に 対 す る 薬 物 依 存症 や 耐 性 へ の 治 療 や 看護 を 学 修 す る の みで あ る な ど , こ れ ま での 医 学 教 育 や 看 護 学 教育 で は , 覚 醒 剤 や 大 麻な ど の 違 法 薬 物 の 乱用 者 に 関 す る 教 育 は ,ほ と ん ど 実 施 さ れ て いな い 現 状 が あ る と 思 われ る . 違 法 薬 物 の 乱用 に よ る 身 体 的 ・ 精神 的 ・ 社 会 的 影 響 に 関 する 教 育 は , 未 だ 充 分で あ る

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3 と は 言 い 難 く, そ の た め 学 生 は , 卒業 後 に 就 職 し た 医 療 機 関 で , 薬 物 乱 用 に よ る健 康 被 害 を 生 じ て 救急 搬 送 さ れ た 患 者 を 通し て , 薬 物 乱 用 者 の 急性 症 状 や そ の 存 在 を 知る こ と が 多 い . 医 療 従 事 者 は, 治 療 や 看 護 だ け で なく , 薬 物 依 存 症 の 患 者へ の 退 院 後 の 生 活 支 援に お い て 試 行 錯 誤す る 課 題 が あ り , 医 療系 大 学 生 等 に 対 す る 教育 の 充 実 化 を 図 る こ とは 急 務 で あ る と 考 える . そ こ で 本 研 究 で は, 最 初 に 基 礎 的 資 料 とな る 予 備 的 研 究 と し て高 等 学 校 卒 業 後 の 教育 機 関 や 医 療 系 大 学 生等 を 対 象 と し た 薬 物 乱用 防 止 講 座 を 実 施 し ,そ の 教 育 効 果 を 検 証す る . そ し て , 課 題 を整 理 し て 薬 物 乱 用 防 止教 育 プ ロ グ ラ ム を 作 成し , そ の 実 施 と 検 証を 進 め る こ と に よ っ て, 今 後 の 医 学 や 看 護 学教 育 に お け る 薬 物 乱 用防 止 教 育 の 1 つ の 教育 モ デ ル を 提 示 す る こと を 研 究 の 中 心 課 題 とし た い . Ⅱ 各 国に おけ る薬物 乱用防 止教 育 の 取組み 青 少 年 や 若 年 層 の 薬 物 乱 用 問 題 は ,わ が 国 だ け の 問 題 で は な く 世 界 の 問 題 で あ る .薬物 問題は,各国の社会にとっての脅威であり,各国の現状 に応じた 対 策が講じら れている . 1 . ア メ リ カ 合 衆 国 アメリカにおける薬物乱用の実態は,減少傾向にあるものの世界と比較しても使用率が 依然として高い使用率である.文部科学省によると,アメリカは現在 12 歳以上の国民の 34.8%が薬物乱用の経験を持つという深刻な薬物問題を抱える国であり,特に青少年の薬 物乱用の割合は,マリファナ(大麻)の乱用を中心に依然として高いと報告している3) アメリカでは,薬物乱用防止教育は,州あるいは郡,市などの自治体の責任のもとで実 施されており,各州では幼稚園,小学校,中学校,高等学校,大学において,独自の薬物 乱用防止教育プログラムを学校教育のなかで義務づけている.意識や態度と対人関係,行 動,環境に関する領域を包括した教育プログラムが開発されている4) 全 州 で 統 一 し た 教 育 プ ロ グ ラ ム は な い が , 保 健 教 育 に お い て , 全 国 保 健 教 育 基 準 (National Health Education Standards,以下 NHES)のような発達段階に応じた健康課 題と学習目標を示している.特定の州や学区を対象とせず,全米を対象とし,各州や学区 による教育課題や健康課題を,NHES に準拠し,独自の学習目標を立案し教育内容を構成 していいる.

NHES の目的は,健康リテラシー(Health Literacy)を育成させることである.健康リ テラシーとは「基本的な健康情報や健康サービスを知り,それを解釈・理解することがで きる能力であり,また健康状態を高めるように,そのようなサービスや情報を活用できる 能力」と定義されている 5)

最近では,保健教育の内容が CDC の青少年の危険行動の内容を基礎に作成されるよう になってきている4).そして,生徒や学生のセルフエスティームや,良好な人間関係の保

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4 持,ストレスマネジメントなど,ライフスキルを習得させることを目標に置いていること が特徴である. 2.イギリス 現在,世界で最も乱用されている薬物は大麻であるが,ヨーロッパ諸国でも,その現状 は変わらない.イギリスでも,青少年に最も乱用される薬物は大麻で,若年層を中心に薬 物乱用が拡大し,薬物乱用防止を目的とした総合的な取り組みを開始している. 薬物乱用防止教育の目的は,児童・生徒1 人ひとりが必要な知識,技術,能力(スキル) 及び態度を身につけ,自分自身の現在と将来を豊かにできるようにすることとしている4) そして,薬物教育の成果評価報告書等があり,評価機構も整備されている.

イギリスの保健教育に,PSHE(Personal, Social health education,人格,社会性,保 健教育)がある.教育課程編成時に,PSHE が生徒や児童が学ぶべき科目と推奨されてお り,学校独自の教育活動としても位置づけられている. 内容は,1)薬物とたばこ,アルコール,2)栄養と体育,3)個人財政,4)市民教育,5)安 全,6)精神保健,7)性と人間関係という 7 領域である 5).そして,PSHE では,4 つの目 標を掲げ,各目標に,薬物,たばこ,アルコールに関する項目が設けられている.教育活 動を実践した場合は,成果報告書を提出し評価を受ける 評価機能も整備されている. しかし,わが国の場合は,実施報告書を各都道府県に届け出るシステムはあるが,薬物 乱用防止教育活動の成果報告書を評価する機能は整備されていない. 3.フランス フランスでは,薬物乱用防止対策委員会を設置している.医師,看護師,学校,生活担 当(教師)をメンバーとして,学校における薬物乱用防止教育を実施している. これまでのフランスは,薬物乱用に関する関心は低く,暴力やい じめの問題が中心とな ってきた.しかし,近 年の社会状況の変化か ら,薬物乱用防止教育 及び性教育(エイズ予 防教育)に特化した教育活動の推進が図られてきたところである 7) 学校での薬物乱用防止教育も,薬物乱用以外に,喫煙,飲酒,暴力行為 などを含め青少 年における危険行動全般の予防と防止を目的としている.薬物乱用に関する授業は,保健 (健康教育),体育,生物,道徳などの教科と自由討議の時間に実施され,薬物乱用問題へ の時間配分は各学校の裁量となっている 4) わが国も,小学校から高等学校までは,学習指導要領にて保健・体育の授業に組み込ま れており8),カリキュラムの時間配分や指導担当においてフランスに類似していると思わ れる.しかし,高等学校卒業以降の大学生等を対象とし た薬物乱用防止教育は,各教育機 関の裁量に任されている.イギリスやフランスのような教育活動の実践及び成果報告書を 評価する機能を整備していくことは,これからのわが国の薬物乱用防止への課題であると 考える.

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4.世界各国における違法薬物の生涯経験率と我が国の生涯経験率の比較

嶋根の報告によると,欧州地域における青少年を対象とした実態調査である ESPA(the European School Survey Project on Alcohol and Other Drugs) のデータを基に,フラン ス(男子 39%,女子 40%),アメリカ(男子 39%,女子 35%),イギリス(男子 29%,女子 24%) であり,わが国の中学生の薬物乱用生涯経験率は 1.0%であり極めて奇跡的に低い国であ ると述べている7).生涯経験率とは,これまでに 1 回でも薬物を経験したことがある者の 率(%)を示している. 文部科学省では,わが国の15 歳以上 64 歳以下の生涯経験率(%)は,全薬物(有機溶剤 を除く)で 1.5%と報告している 8).各年齢層を拡大しても,諸外国に比べ薬物乱用者数は 非常に少ない.これは,わが国が立地的に島国であった ことも影 響 していると 思われる . 薬物汚染率が低い現状を今後も守り抜き,青少年や未成年及び若年層が薬物に汚染・蔓 延化しないよう啓発活動や継続的教育の実践を続けていくことが重要である.特に,医療 従事者は,薬物の乱用から依存までの過程のなかで,治療から回復,社会復帰までを支援 する専門職である.看護学生を含む医療系大学等の学生に対して,薬物乱用防止教育を継 続的に実施する意義があるといえる. 大学生等は,高等学校と異なり社会的に交友関係が拡大する発達段階にある.これまで の限られた友人関係だけでなく,バイト仲間や社会人,海外旅行先などで出会う人々もさ まざまである.安易に興味本位や遊び心で薬物を乱用しないように教育実践を積み重ねる ことは,患者や家族にも健康被害が及ぶリスクを軽減させることに繋がるといえる. 表 2 2000~2016 年度までの薬物乱用防止教室開催率の推移 (%) 出 典 : 文 部 科 学 省 ス ポ ー ツ ・ 青 年 局 学 校 健 康 教 育 課 の 資 料 を 元 に 作 成 Ⅲ わが国の薬物乱用防止教育の変遷 わ が 国 では,薬物乱用対策推進会議(議長:内閣府特命担当大臣)の下,薬物乱用対策推 進本部が設置され,関係府省庁が連携して薬物乱用防止に取り組んできた. 1989 年,中学校・高等学校の学習指導 要領「保健体育科」に薬物乱用防止に関する指 導 内 容 が 盛 り込 ま れ ,1998 年の学習指導要領改訂では,新たに小学校学習指導要領体育 科 保 健 領 域 に「 薬 物 乱 用 と 健 康 」 に関 す る 内 容 が 盛 り 込 まれ る と と も に , 中 学 校・ 高 等

2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年

小学校

16.8 19.5 21.3 22.5 27.1 29.6 32.0 34.5 37.5 54.0 62.3 62.6 65.9 67.1 72.3 76.2 77.3

中学校

53.5 53.8 52.1 53.4 55.5 57.1 58.3 55.7 58.4 72.8 79.1 81.6 82.7 82.8 88.3 88.9 91.0

高等学校

62.5 64.8 63.3 61.8 62.7 63.7 64.4 61.2 64.1 75.3 78.8 79.0 80.2 81.3 83.6 84.6 86.3

中等教育学校

66.7 50.0 36.3 52.9 41.2 22.2 40.7 25.8 44.4 52.4 63.0 66.7 70.8 77.6 75.5 78.0 76.9

全体

33.4 35.3 35.7 36.4 39.8 41.9 43.8 44.0 47.0 62.2 69.3 70.3 72.6 73.5 78.4 81.0 82.5

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6 学 校 に お い ては 内 容 の 充 実 が 図 ら れた 9). さ ら に , 文 部 科学 省 は 第 三 次 薬 物 乱 用防 止 五 カ 年 戦 略 の 策定 に 伴 い ,「 薬 物乱 用 防 止 教 室 」を 中 学 校 及 び 高等 学 校 に お い て は 少 なく と も 毎 年1 回以上開催するよう求めることになり,小学校においても地域の実情に合わせ て 実 施 す る こと が 望 ま し い と さ れ た 10) 薬 物 乱 用 防 止教 室 の 実 施 率 は 年 々 増加 し(表 2),その後 2013 年には,全国の中学校及 び 高 等 学 校 にお け る 薬 物 乱 用 防 止 教室 実 施 率 は 80%を超え 10)2016 年には中学校の実 施 率 は91.0%を示すに至っている 11) 一 方 ,2008 年には,第三次薬物乱用防止五か年戦略において,大学生での 薬物乱用の 蔓 延 化 を 踏 まえ , 一 次 予 防 の 対 象 を大 学 生 等 ま で 拡 大 し , 高 等 学 校 卒 業 後 の 薬 物乱 用 防 止 教 育 が 開 始さ れ る こ と に な っ た .大 学 生 等 に 対 す る 教 育は , 入 学 時 オ リ エ ン テー シ ョ ン 等 の 機 会 を捉 え て 薬 物 乱 用 防 止 を啓 発 す る こ と が 必 要 であ る と さ れ た 10) し か し ,様 々 な 学 部 や 学 科 で の カ リキ ュ ラ ム 編 成 や 実 施 担当 者 等 の 事 情 を 考 慮 する と , 年1 回の薬物乱用防止教育実施 であったとしても時間確保が難しい現状がみられる大学 等 の 現 状 も 散見 す る . ま た , 指 導 内容 や 教 育 方 法 に つ い ては , 大 学 側 の 裁 量 に 一任 さ れ て い る こ と も, ま た 教 育 課 題 で あ ると い え る . 薬 物 乱 用 防 止教 育 を 90 分の講義形式で実施する大学もあれば,ポスター掲示や 入学 時 ガ イ ダ ン スで パ ン フ レ ッ ト・リ ー フ レ ッ ト 配 布 の み と する 大 学 も あ る 13).つ ま り ,高 等 学 校 卒 業 以降 は , 実 際 に 薬 物 の 危険 性 ・ 有 害 性 に つ い て, 教 育 を 受 け る 機 会 をも た な い 大 学 生 等 も多 数 在 学 し て い る 現 状が あ る と い う こ と に なる . 先 述 し た よ うに ,大 学 生 等 の 学 生 を取 り 巻 く 社 会 環 境 を みる と ,ス マ ー ト フ ォ ン,SNS が 浸 透 し て いる 現 状 が あ り ,多 様 な 形 態 で 販 売 さ れ る 危 険 ドラ ッ グ の 出 現 な ど も みら れ , 情 報 収 集 も 拡散 も 容 易 に で き 環 境 は激 変 し , 薬 物 の 販 売 方法 も , 多 様 な ル ー ト が発 達 し た . 危 険 ド ラ ッ グや 覚 醒 剤 の 薬 物 も,こ れ ま で の 形 態 と 異 な る形 態(錠剤・リキッド・アロ マ・ソ ル ト・粉 末 な ど)で販売されている.小学校から高等学校までの教育機関で学んだ き た 内 容 だ けで は , 現 代 の 薬 物 の 変化 に 対 応 で き な い こ とも あ る の で は な い か と危 惧 さ れ る . 薬 物 に関 す る 危 機 感 を 常 に 高め ら れ る よ う な , 大 学生 等 の 現 状 に 合 致 し た薬 物 乱 用 防 止 教 育 プロ グ ラ ム の 開 発 と そ の実 践 が 必 要 で あ る と 考え る . こ こ で 重 要 なの は , 薬 物 乱 用 と は どの よ う な 範 囲 ま で を 含ん で い る 概 念 で あ る のか と い う こ と で ある . 和 田 に よ れ ば , 乱用 と は ル ー ル 違 反 の 行為 を 指 し , 薬 物 乱 用 「社 会 規 範 か ら 逸 脱 した 目 的 や 方 法 で , 薬 物 を 自 己 摂 取 す る こ と と述 べ て い る 14) 筆 者 の 考 え では , 未 成 年 者 の 飲 酒 や喫 煙 に つ い て は 法 律 に照 ら し て も 乱 用 に 該 当す る の は 当 然 で あろ う と 考 え る が , 成 人で あ っ て も 健 康 や 社 会生 活 に 支 障 を 及 ぼ す ほど の 過 度 の 飲 酒 や アル コ ー ル 依 存 症 の 状 態は , 薬 物 乱 用 の 範 疇 に該 当 す る と 考 え た い . 向 精 神 薬 や 鎮痛 薬 に お い て も , 医師 の 指 示 通 り 服 用 し な けれ ば 乱 用 で あ る が ,飲 酒 も 含 め て 乱 用 につ い て 充 分 な 認 識 が 得ら れ て い な い の が 実 情で あ る 15).こ れ ら の 教 育 に つ

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7 い て も , 取 り上 げ て い く こ と が 重 要で あ る と 考 え る . 2013 年に第四次楽物乱用防止五か年戦略が策定されても,その教育内容は各大学にお い て 様 々 で ある こ と に 変 化 は な く ,大 学 等 に お い て も 高 等学 校 ま で の 薬 物 乱 用 防止 教 育 を 繋 ぐ こ と がで き る 継 続 的 な 働 き かけ が 望 ま れ る . 大 学 に限 ら ず , 高 等 学 校 卒 業後 の 教 育 機 関 で は ,履 修 科 目 以 外 に 学 修 時間 を 割 く こ と が 困 難 なこ と が 多 い 現 状 が あ る. 時 間 の 確 保 が 難 しい こ と を 理 由 に , 大 学等 で の 薬 物 乱 用 防 止 教育 の 実 施 は 困 難 で あ ると い う 認 識 が あ り ,大 学 等 の ニ ー ズ と し て少 な い 回 数 で 大 多 数 の学 生 を 教 育 で き る こ とが 望 ま し い と い う 考え が あ る16).大 学 生 等 を 対 象 と し た 薬 物 乱 用防 止 教 育 プ ロ グ ラ ム は,4 年 制 大 学 で も年 1 回 90 分の講義時間確保され難しいことが推察されるという現状 17)を 考 え る と , 短 時間 で も 実 施 可 能 で あ り, か つ 効 果 的 な 薬 物 の危 険 を 扱 う 教 育 プ ロ グラ ム を 開 発 す る こ とは 急 務 で あ る と 考 え る. こ れ か ら の 医療 は , 医 療 機 関 入 院 への 短 縮 化 に 伴 い , 長期 入 院 は 難 し く 在 宅 医 療が 推 進 さ れ て い る.「 セ ル フ メ デ ィ ケ ー ショ ン 」と い っ て ,内 服 薬 や 外 用 薬 な ど ,在 宅 で の 自 己 管 理 能 力 の向 上 が 求 め ら れ て い る. そ れ は , こ れ ま で 医療 機 関 で の み 扱 っ て きた 内 服 薬 や 外 用 薬 が, 薬 局 で 市 販 さ れ る こと な っ た . 家 族 や 自 分自 身 で 説 明 書 を 読 み 服用 ・ 塗 布 す る こ と が必 要 と な る . そ れ は 何も 成 人 だ け で な く , 小学 生 か ら 高 等 学 校 , 大学 等 の 学 生 も 対 象 であ る . し か し , なか に は , 必 ず し も 指 示 通り 服 用 で き な い 人 も いる . 高 井 ら は , 救 急医 療 の 現 場 で , 自 殺企 図 や 故 意 の 自 傷 に よる 受 傷 し た 患 者 が 頻 雑に 搬 送 さ れ , そ の 多 くが 急 性 薬 物 中 毒 で あり , 特 に 向 精 神 薬 の 過量 服 薬 が 大 部 分 を 占 めて い る と 報 告 し て い る 17) 向 精 神 薬 の 過量 服 薬 に 特 異 的 な 心 理社 会 的 背 景 と し て,「 人 間 関 係の ト ラ ブ ル」や「 孤 独 と 孤 立 」 など が あ る と 明 ら か に して い る . 違 法 薬 物 だ けで な く , 処 方 薬 や 薬 局の 市 販 薬 も 薬 物 乱 用防 止 教 育 の 内 容 に 含 める 必 要 で あ る と い え る. 高 等 学 校 卒 業以 降 の 教 育 機 関 に は ,3 年課程看護師養成学校も含まれる .看護師国家 試 験 受 験 資 格を 3 年間で修業できるため,4 年制大学よりも過密な教育課程である. 薬 物 乱 用 防 止 教育 へ の 時 間 確 保 が , さら に 困 難 な 教 育 機 関 であ る と い え る . 近 年 ,4 年制大学を卒業した学生で,看護師免許取得を目的として看護師養成学校に 再 入 学 す る 社会 人 学 生 が 増 加 し ,4 人に 1 人の割合を占めている 18). 社 会 人 学 生に は , 薬 物 乱 用 防 止教 育 を 全 く 受 け て い ない 学 生 も お り , 看 護 系大 学 の 個 の 学 生 背 景 が多 様 化 し て き て き た. ま た , 医 療 系 大 学 の学 生 だ か ら と い っ て ,他 学 部 生 と 同 じ 未 成 年者 及 び 若 年 層 で あ るこ と に 変 わ り な く , 違法 薬 物 を よ く 理 解 し てい る わ け で は な い . 将来 の 職 業 範 囲 や 扱 う治 療 薬 の こ と を 考 え ても , 誘 わ れ や す い 年 代で も あ る 高 等 学 校 卒 業後 か ら 看 護 師 養 成 学校 の 学 生 や 医 療 系 大 学生 等 に も 薬 物 乱 用 防 止教 育 を 実 施 す る 意 義 があ る と 考 え る . 医 療 従 事 者 は,向 精 神 薬 や 鎮 痛 薬,医 療 用 麻 薬 な ど の 医 師の 処 方 薬 を 扱 う 職 務 があ り , 処 方 薬 や 一 般医 薬 品 , 向 精 神 薬 の 服用 方 法 も 含 め た 教 育 だけ で な く , 覚 醒 剤 や 大麻 , 危

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8 険 ド ラ ッ グ の違 法 薬 物 に 関 す る 教 育も 必 要 で あ る . 看 護 職を は じ め 医 療 職 は , 職務 的 に 薬 物 に 対 す る知 識 の 充 実 と , 高 い 規範 意 識 が 求 め ら れ る とい え る . 看 護 師 養 成 学校 の 学 生 や 医 療 系 大 学生 等 は , 将 来 は 医 療 従事 者 と し て , が ん 性疼 痛 の ペ イ ン コ ン トロ ー ル で 医 療 用 麻 薬 を使 用 す る 患 者 や 家 族 への 服 薬 指 導 等 を 担 う こと も あ る . 内 服 や 貼付 剤 を 用 い な が ら , リハ ビ リ テ ー シ ョ ン を うけ る 患 者 も い る . 在 宅療 養 生 活 を 送 り な がら , 家 族 が , 服 薬 支 援や 貼 付 剤 の 貼 り 替 え を行 う こ と も あ る . そ のよ う な 患 者 や 家 族 を前 に , 医 療 系 麻 薬 に よる 耐 性 と 依 存 と , 乱 用の 危 険 性 の あ る 薬 物 依存 と 耐 性 と の 違 い,精 神 状 態 で の 影 響 に 関 する 知 識 も 重 要 で あ る とい え ,医 療 系 大 学 生 等 には , よ り 専 門 的 な薬 物 乱 用 防 止 教 育 の 実施 が 望 ま し い と 考 え る. 薬 物 乱 用 を した 若 者 た ち は , 学 校や 司 法 機 関 で 再 犯 予 防 指導 は 受 け て き た が , 治 療 は 専 門 医 療 機 関の 少 な さ も あ り 受 療 して い な い こ と が 多 か った . 水 谷 は , 医 療 機 関で 薬 物 の 解 毒 ・ 断 薬の 動 機 づ け , 家 族 へ の指 導 , 更 正 プ ロ グ ラ ムを 持 っ て い る 機 関 も ほと ん ど 存 在 し な い とい う 指 摘 し た19).こ の 指 摘 は ,こ れ ま で 医 学や 看 護 学 教 育 で ,薬 物 乱 用 防 止 教 育 が 充 分に 実 施 さ れ て こ な か った こ と を 示 唆 し て い た. し か し , 水 谷 の 指 摘か ら 現 在 に 至 る この 10 年間で,依存症拠点病院や依存症専門医療センター,各都道府県にお け る こ こ ろ の健 康 セ ン タ ー 等 が 整 備さ れ て き た 20).地 域 の ク リ ニ ッ ク で も ,治 療 が可 能 と な っ て い るこ と を 踏 ま え , 看 護 学生 を 含 む 医 療 系 大 学 生等 は , 医 療 の 最 先 端 にい る 医 療 従 事 者 と して , 増 加 す る 薬 物 乱 用の 社 会 資 源 へ の 知 識 も増 や し , 保 健 福 祉 セ ンタ ー と 連 携 ・ 協 働 し, 治 療 ・ 社 会 復 帰 支 援策 , そ し て 地 域 で 生 活で き る よ う に 見 守 っ てい く 社 会 的 シ ス テ ムの 整 備 も 必 要 で あ る と考 え る . Ⅳ わ が国 の薬 物乱用 の 現状 わ が 国 の 薬物 事 犯 で ,検 挙 者 数 が 最 も多 い の は 覚 醒 剤 事犯 で あ る .依 然 ,毎 年 10,000 人 を 超 え 続 け, 再 犯 予 防 の た め の 最重 要 課 題 で も あ る . 年齢 層 別 で は ,30 歳代,40 歳 代 が 最 も 多 く 2015 年(平成 27 年)は,7162 人である(表 1). 一 方 , 大 麻 事犯 の 検 挙 者 数 は ,2009 年に 3,087 名と過去最高を記録し 21), そ の う ち 20 歳代及び未成年者は 1,884 名を占め,大学生等及び未成年者の大麻の蔓延が社会問題 と な っ た . 大 麻 以 外 に 脱 法 ハ ー ブ や 合 法 ハ ー ブ(現,危険ドラッグ)などの新たな薬物が 出 現 し , 安 価で 店 舗 販 売 , 違 法 薬 物以 外 の た め 合 法 と う たわ れ た こ と も あ り , 学生 で も 手 に 入 れ や すか っ た こ と が 背 景 に ある と 考 え る . し か し ,危 険 ド ラ ッ グ は , 麻 薬成 分 も 含 む 化 学 合 成物 質 の 混 合 物 で あ る .違 法 薬 物 と 指 定 さ れ るま で , 脱 法 ハ ー ブ や 合法 ハ ー ブ と し て 若 者を 中 心 に 蔓 延 し た こ とに よ り , 大 麻 は 一 時 的に 減 少 傾 向 に 転 じ た . 危 険 ド ラ ッ グ乱 用 者 が , 交 通 事 故や 傷 害 事 件 を 発 生 さ せ 死傷 者 も 発 生 し , 悲 惨な 事 件 が 発 生 し た .そ こ で ,2013 年 12 月,厚生労働省は,乱用の危険性のある指定薬物 1,362 物 質 (個別指定 97 物質,カンナビノイド系包括指定 770 物質,カチノン系包括指定 495

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9 物 質)の包括指定の省令を公布した.これ らの物質と,これらの物質を含む製品の製造 , 輸 入, 販売等が原則禁止とし,検挙できるように法改正された 22).し か し ,危険 ド ラ ッ グ は , 化 学 物質 構 造 の 一 部 を 変 化 させ る と 包 括 指 定 外 と なり , 全 て の 危 険 ド ラ ッグ を 規 制 す る こ と が困 難 な 状 況 が 続 い た . 厚 生 労 働 省 は ,さ ら に 指 定 薬 物 数 を増 や し ,2015 年の指定薬物の総数は,2297 物質(個 別 指 定193 物質,カンナビノイド系包括指定 770 物質,カチノン系包括指定 1334 物質) に の ぼる 23) . 指 定 薬 物 数が 2 年間で約 1,000 物質も増加しており,もはや法規制の限 界 が 到 来 し てい る と い え る . 危 険 ド ラ ッ グは , 覚 醒 剤 に 比 べ 値 段も 安 く , ハ ー ブ や ア ロマ , バ ス ソ ル ト と 称 して 販 売 さ れ た . これ ま で の 覚 醒 剤 や 大 麻と 異 な り , 一 般 学 生 や若 年 層 に , 警 戒 心 や 危機 感 を 低 減 さ せ る ネー ミ ン グ の 活 用 や 低 価格 設 定 な ど 巧 妙 な 手 口で 誘 惑 し て お り , 検 挙者 の 約 8 割が初犯で 20 歳代の若年層であった. 危 険 ド ラ ッ グの 蔓 延 が 深 刻 化 し た こと を 背 景 に , 厚 生 労 働省 は 2014 年法規制を公布 し,一 斉 摘 発 を 行 う こ と に よ っ て 販 売店 舗 数 を 全 国 で 0 店舗を達成した.しかしその後, 購 入 経 路 が ,店 舗 か ら 宅 配 や イ ン ター ネ ッ ト 販 売 , 国 際 郵便 な ど へ 移 行 し , 法 規制 が 厳 し く な っ た 危険 ド ラ ッ グ か ら 大 麻 へ回 帰 す る 流 れ が 生 じ たり す る よ う に な っ た . こ の よ う な 流れ か ら ,大 麻 事 犯 の 検挙 者 数 ,一 時 は 減 少 傾向 が み ら れ た も の の ,2014 年 よ り 再 び 増加 に 転 じ ,2015 年には 2,000 人を超えるに至った(表 1).図 1 では,グラ フ 枠 外 に 各 年齢 層 を 示 し て お り , 年齢 層 別 で み る と , 最 も多 い 年 齢 層が 20 歳代,次い で30 歳代となっている.懸念されるのは,20 歳未満と,20 歳代及び 30 歳代が増加傾 向 で 推 移 し てい る こ と で あ る 25) 乱 用 の 危 険 性が あ る 薬 物 は , 精 神的 依 存 や 身 体 的 依 存 が 伴う 依 存 性 薬 物 で あ る. 依 存 性 薬 物 は , 中枢 神 経 に 作 用 し 快 感 をも た ら す た め に , 反 復使 用 に よ り 依 存 を 引 き起 こ す 物 質 と さ れ てい る 24). 菱 本 ら は,「 薬 物 依 存 」 と は , 薬 物 を繰 り 返 し 乱 用 し た 結 果, 脳 内 に 質 的 な 異常 が 生 じ , 薬 物 使 用 を自 己 で コ ン ト ロ ー ル でき ず に 止 め ら れ な く 状態 で あ る と 述 べ て い る24).薬 物 依 存 の 病 態は ,覚 醒 剤 や オ ピ オ イド な ど の 依 存 性 薬 物 は ,極 め て 強 い 快 情 動を 起 こ す こ と か ら , 強い 報 酬 効 果 を も つ . 報酬 効 果 に 関 与 す る 神 経伝 達 系 は , 単 一 だ けで な く 複 数 の 異 な る 神経 系 が 関 係 し て い る と考 え ら れ て い る . 近 年 の 医 療 技 術 の 進 化 に よ り , コ カ イ ン や メ タ ン フ ェ タ ミ ン な ど の 覚 醒 剤(中 枢刺 激 剤)や,カチノン系危険ドラッグはモノアミントランスポーター,モルヒネやヘロインは オ ピ オ イ ド 受容 体 ,大 麻 は カ ン ナ ビノ イ ド(CB)受容体を標的分子とすることが明らかと な っ て い る24) 大 麻 や あ へ ん の よ う な 植 物 由 来 の も の か ら , 覚 醒 剤 や MDMA,危険ドラッグなどの 化 学 合 成 物 質ま で あ り , そ の 作 用 も症 状 も 多 様 化 し て い る. 特 に 危 険 ド ラ ッ グ は, リ キ ッ ド や ア ロ マ, ハ ー ブ , 粉 末 な ど の様 々 な 形 態 で 販 売 さ れ, 値 段 も 覚 醒 剤 に 比 べる と 安 価 で あ る こ とか ら , 学 生 で も 容 易 に手 を 出 し や す い と 考 える . そ こ へ SNS 等の普及に

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10 20~29 歳 30~39 歳 20 歳未満 40~49 歳 50 歳以上 よ り , 個 人 が特 定 さ れ な い 方 法 で ,容 易 に 薬 物 を 手 に 入 れる こ と が 可 能 と な っ た . こ れ ら の 社 会 的 背景 の 変 化 が , 薬 物 乱 用が 蔓 延 化 す る 速 度 を 早く し て い る 一 因 で あ ると 考 え ら れ る . 低 価格 で 合 法 ハ ー ブ や 脱 法ハ ー ブ , ア ロ マ と 称 す る こ と や , ポ ッ プ で カラ フ ル な 外 観 の MDMA などは,ターゲットとなる対象の危機意識を下げ る効果があり,かつ 購 入 手 段 も 巧妙 化 し て き て い る . 宅配 や イ ン タ ー ネ ッ ト など の 通 信 販 売 で , 顔 が見 ら れ ず に 購 入 で きる こ と も ,大 学 生 等 の 若年 層 に 薬 物 が 蔓 延 化し た 理 由 の 1 つとして考えら れ る . 「 警 察 庁 刑 事 局 組 織 犯 罪 対 策 部 薬 物 銃 器 対 策 課( 2016)」よ り 作 成 図 1 人口 10 万人当たりの大麻事犯検挙人員の推移 合 法 ハ ー ブや 脱 法 ハ ー ブ は ,2014 年に「危険ドラッグ」と名称を統一し,その危険性・ 有 害 性 に 警 鐘を 鳴 ら さ れ て き た.し か し,大 麻 事 犯 の 検 挙 者数 の 増 加 傾 向 に あ る こと で , 薬 物 乱 用 防 止対 策 も 充 分 に 整 備 さ れて い る と は い え な い 現状 が み ら れ る . 乱 用 され る 薬 物 を み る と ,時 代 や 検 挙 数 に 応 じ て蔓 延 す る 薬 物 も 異 な る傾 向 を み せ る . そ の よう な 変 化 や 社 会 の ニー ズ に 応 え ら れ る 薬 物乱 用 防 止 教 育 プ ロ グ ラム が 開 発 さ れ る よ う ,プ ロ グ ラ ム 内 容 を 適時 , 改 訂 し て い か な くて は な ら な い . 中 学 校 学 習 指導 要 領 保 健 体 育 科 保 健分 野 解 説 の「 指 導す る 内 容 」に は,「 喫 煙 ,飲 酒 , 薬 物 乱 用 な どの 行 為 は , 好 奇 心 , なげ や り な 気 持 ち , 過 度の ス ト レ ス な ど の 心 理状 態 , 周 囲 の 人 々 の影 響 や 人 間 関 係 の 中 で生 じ る 断 り に く い 心 理, 宣 伝 ・ 広 告 や 入 手 のし 易 さ な ど の 社 会 環境 な ど に よ っ て 助 長 され る こ と , ま た , そ れら に 適 切 に 対 処 す る 必要 が あ る こ と を 理 解で き る よ う に す る 」 と記 さ れ て い る . そ し て, 高 等 学 校 に お い て も「 周 囲 の 人 々 か ら の誘 い , 断 り に く い 人 間関 係 , 薬 物 を 手 に 入 れや す い 環 境 な ど が あ るこ と に も 適 宜 触 れ るよ う に す る.」と 記 さ れ,繰 り 返 し 学 ぶ こ と で意 識 の 定 着 が 図 ら れ るよ う 構 造 化 さ れ て い る26) こ れ ら の 指 導で は , 子 ど も が 生 涯 を通 じ 薬 物 を 誘 わ れ て も断 る こ と が で き る よ うに 学 0.1 0.1 0.1 0.2 0.2 1.1 1.2 1.2 1.4 1.4 2.8 3.1 3.3 4.1 4.3 1.1 0.9 0.8 1.1 2 5.8 5.3 4.8 5.0 6.9 0 1 2 3 4 5 6 7 8 H23 H24 H25 H26 H27

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11 ぶ こ と が 重 要で あ る と さ れ て い る .社 会 に 蔓 延 す る 薬 物 を使 用 す る よ う に 誘 わ れて も , は っ き り と それ を 断 る こ と が で き るよ う , 薬 物 乱 用 防 止 教育 を 充 実 さ せ て い く こと が 望 ま れ る . こ れら の 教 育 は , 高 等 学 校段 階 修 了 に 至 る ま で も繰 り 返 し 実 施 す る こ とが 必 要 で あ り , さ らに は そ れ で 終 わ ら ず ,社 会 に お い て も 繰 り 返し 学 習 す る 機 会 を 持 つよ う に す る こ と が 大切 で あ る . こ れ ら の 位置 づ け の も と に , 高 等学 校 卒 業 後 の 大 学 等 の教 育 機 関 で も 何 ら かの 機 会 を 通 じ て 継 続 的に 働 き か け る こ と が 重要 で あ る と 考 え る . Ⅴ 薬 物乱 用に 関わる 青少年 の危 険行 動 とラ イフス キル 米 国 の 疾 病 管 理 ・ 予 防 セ ン タ ー(CDC)では,青少年の現在及び将来の健康に深く関わ る 行 動 を 「 危険 行 動 (Youth Risk Behavior)」という概念でまとめ,こうした行動が習 慣 化 す る 前 に健 康 教 育 を 行 う 重 要 性を 指 摘 し て い る 27).危 険 行 動 と は ,青 少 年 の 生命 や 健 康 を 損 な う行 動 の 総 称 を い う .CDC では,罹患と死亡の原因となり,より優先的に問 題 と す べ き 青少 年 の 危 険 行 動 と し て, ① 喫 煙 , ② 飲 酒 及 び薬 物 乱 用 , ③ 望 ま な い妊 娠 ・ HIV に関連する性感染症に関する性行動,④不健康な食生活,⑤運動不足,⑥故意また は 不 慮 の 事 故に 関 す る 行 動 を 挙 げ てい る . こ れ ら は , ヘ ルス リ ス ク 行 動 , ま た はリ ス ク 行 動 と 呼 ば れる . ま た , リ ス ク 行 動は 相 互 に 関 連 が 強 く ,思 春 期 に 発 生 し や す い特 徴 を 有 す る . こ のヘ ル ス リ ス ク 行 動 を 適切 な 対 処 方 法 で 回 避 する こ と は , 自 己 の 安 全確 保 や 健 康 保 持 に 繋 が る と 考 え ら れ る . 未成年者及 び若年層 の薬物事 犯 の 検挙者の 多くは, 興 味本位や遊び心で乱用しており,薬物乱用を予防する一次予防教育の強化と充実が重要で ある. 川 畑 ら は ,青 少 年 の 危 険 行 動 を 回 避す る 教 育 実 践 と し て, ラ イ フ ス キ ル を 育 む 教育 の 重 要 性 を 指 摘し て い る28).そ の 著 書 の な か で ,WHO によるライフスキルの定義は,「 ラ イ フ ス キ ル とは 心 理 社 会 的 能 力 の こと で ,日 常 生 活 で 生 じ る様 々 な 問 題 や 要 求 に 対し て , 建 設 的 で か つ効 果 的 に 対 処 す る た めに 必 要 な 能 力 」 だ と して い る 29)

川 畑 ら に よ る Japan Know Your Body 研究会(以下,JKYB)は,セルフエスティーム と ラ イ フ ス キル は 密 接 に 関 係 が あ ると し , セ ル フ エ ス テ ィー ム が ラ イ フ ス キ ル 形成 の 基 盤 と し て い る一 方 で , ラ イ フ ス キ ルに よ る 問 題 解 決 が セ ルフ エ ス テ ィ ー ム 形 成 に繋 が り 双 方 向 の 関 係性 が あ る と し て い る .筆 者 は , ラ イ フ ス キ ルを 形 成 す る 教 育 プ ロ グラ ム の 研 究 開 発 を 進め , 小 学 校 か ら 中 学 校に お い て 教 育 実 践 を 積み 重 ね て き た . そ の 研究 成 果 か ら , セ ル フエ ス テ ィ ー ム を 高 め る教 育 が 行 動 変 容 を 促 すた め に は 有 効 で あ る と結 論 づ け た . そ し てま た , 問 題 解 決 , 意 思決 定 , 効 果 的 な コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン を 図 る こと で , セ ル フ エ ス ティ ー ム を 形 成 す る 教 育と な り 双 方 向 の 関 係 性を 満 た し て い る 30) 川 畑 は , 青 少 年 が 獲 得 す べ き ラ イ フ ス キ ル を ,「 セ ル フ エ ス テ ィ ー ム を 維 持 し 高 め る 能 力 , 意 思 決定 ス キ ル , す な わ ち 問題 状 況 に お い て , い くつ か の 選 択 肢 の 中 か ら最 善 と 思 わ れ る も のを 選 択 す る 能 力,退 陣 関 係 ス キ ル と し て 自 分 の気 持 ち や 考 え を 上 手 に伝 え ,

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12 相 手 の 気 持 ちや 考 え を 理 解 す る 能 力な ど 」で あ る と し て い る 30).こ れ ら の ス キ ルは ,看 護 実 践 能 力 とし て 必 要 と さ れ る ス キル で も あ る . ラ イ フ スキ ル は , 危 険 回 避 行 動だ け で な く , 看 護 師と し て の 看 護 実 践 能 力の 向 上 に も 役 立 つ と 考え る . 一 方 , ラ イフ ス キ ル の 形 成 は , セル フ エ ス テ ィ ー ム に も 影響 を 及 ぼ す こ と か ら, こ こ ろ の 健 康 を 高め る こ と に 重 要 な 役 割を 果 た し , こ こ ろ の 健康 増 進 は , 自 分 や 他 者を 大 切 に す る と 指 摘さ れ て い る 30).セ ル フ エ ス テ ィ ー ム の 向 上 及び ,ラ イ フ ス キ ル 形 成 を 関 連 づ け て 実 施 する こ と に よ り,青 少 年 の 危 険 行 動 を 防 止 す る こと が で き ,そ れ が さ ら には , 薬 物 乱 用 防 止に も 繋 が る と 考 え ら れる . し か し 現 状 で は ,思 春 期 の 生 徒 を 対 象 とし た セ ル フ エ ス テ ィー ム 形 成 を 中 心 と す る参 加 型 学 習 プ ロ グ ラ ムは 開 発 さ れ て い る も のの , 高 等 学 校 卒 業 以降 の 学 生 を 対 象 と し たラ イ フ ス キ ル 教 育 プ ログ ラ ム は 未 だ 開 発 さ れて い な い . そ こ で ,大 学 生 等 が ラ イ フ ス キル を 駆 使 し 適 切 な 対 処方 法 で , 危 険 回 避 行 動を 獲 得 す る こ と で,セ ル フ エ ス テ ィ ー ム も 高め る 薬 物 乱 用 防 止 教 育の 実 践 の 推 進 が 重 要 であ る . 大 学 生 等 の 若年 層 に よ る 危 険 ド ラ ッグ や 大 麻 の 乱 用 の 蔓 延化 は , 深 刻 な 現 状 で ある と 考 え る . こ れま で の よ う な 薬 物 の 危険 性 を 伝 え る 脅 し 型 の教 育 で は な く , 薬 物 を誘 わ れ た と き に 自 ら危 険 回 避 行 動 が で き るよ う に , ラ イ フ ス キ ルに 関 す る 教 育 を 加 え てい く 必 要 が あ る . そし て , 断 り に く い と 思わ れ る 相 手 か ら 薬 物 を誘 わ れ て も , 学 生 が 適切 な 対 処 方 法 で 断 る必 要 性 や 重 要 性 を 認 識で き る よ う な 教 育 が 重要 で あ る と い え る . 学 生 の 危 険 回避 行 動 の 達 成 は , 学生 の 健 康 保 持 ・ 増 進 及び 学 安 全 確 保 , 家 族 や地 域 住 民 の 安 全 性 の向 上 に 寄 与 す る も の であ る .ま た ,2008 年の第三次薬物乱用防止五か年戦 略 策 定 以 降 ,地 域 ボ ラ ン テ ィ ア 等 との 関 係 職 種 と の 連 携 と協 働 に よ る 薬 物 乱 用 を許 さ な い 社 会 環 境 づく り が 進 め ら れ て り が, 医 療 系 大 学 生 等 へ の薬 物 乱 用 防 止 教 育 の 実践 の 積 み 重 ね は , 本策 定 に も 寄 与 す る も ので あ る と 考 え ら れ る . 学 生 に , 薬物 乱 用 に 関 す る 正 し い 知識 を 提 供 す る だ け で なく , 正 し い 知 識 と 判 断の も と ,正 しい 行 動 に 移 せ る よ う に,「 わ か る( 知 識 理 解)」と,「 断 る こ と が で き る( 行 動 )」 を 結 び つ け るラ イ フ ス キ ル 教 育 を 踏ま え た 薬 物 乱 用 防 止 教育 を 実 施 す る 必 要 が ある と 考 え る . Ⅵ 研 究目 的 1.研究Ⅰの目的 3 年課程看護師養成学校の看護学生を対象に,ライフスキル教育を踏まえた薬物乱用 防 止 教 育 を 実践 し , 教 育 前 後 と3 か月後に調査を行い,その教育効果を検証する. 2.研究Ⅱの目的 研究Ⅰの調 査 と 並 行 し , 薬 物 乱 用 防 止 教 育 を 受 け て 何 を 学 び 得 た の か レ ポ ー ト の 記 述 内 容 を 質 的 に分 析 し , 教 育 効 果 を 検証 が す る 必 要 が あ る .そ れ は , 筆 者 の 教 育 実践 の 効

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13 果 を 質 問 紙 で量 的 に 分 析 す る こ と がで き て も , 効 果 の 内 容ま で の 結 果 を 得 る こ とは 難 し い . 薬 物 乱 用防 止 教 育 を 受 け て , 学生 が 文 章 で 表 記 し た 内容 か ら 教 育 効 果 を 検 証し , 学 生 の 意 識 に 残る ,記 憶 に 残 る 教 育 実 践へ と 改 善 す る 目 的 で,質 的 に 分 析 す る こ と と した . そ こ で ,実施後に提出されたレポート(400 文字)をテキストマイニングによる内容分析 から教育効果を検証する. 研 究 Ⅰ , Ⅱか ら 教 育 実 践 の 方 向 性 を見 い だ し , 看 護 学 生を 含 む 医 療 系 大 学 生 を 対象 と す る 薬 物 乱 用防 止 教 育 プ ロ グ ラ ム 案を 検 討 し , 今 後 の 展 望を 考 察 す る こ と に あ る. 3.研究Ⅲの目的 研 究 Ⅰ の 課 題で ラ イ フ ス キ ル の 認 知度 が 低 い こ と か ら ,ラ イ フ ス キ ル を 駆 使 し て, 断 り 方 を ト レ ーニ ン グ す る ア ク テ ィ ブ型 教 育 プ ロ グ ラ ム に 改訂 し , 学 生 が 考 え た 断り 方 を 学 生 同 士 の ペア ト レ ー ニ ン グ で 練 習し 教 育 実 践 後 の 効 果 を検 証 す る こ と を 目 的 とし た . Ⅶ 研 究デ ザイ ン わ が 国 の 健康 教 育 の 多 く が ,『 知 識 中 心 型 』も し く は『 脅 し 型 』で あ り ,行 動 変 容 ま で に 至 ら な い 健康 教 育 で あ っ た . 知 識だ け で は 行 動 に 結 び つか な い こ と が 多 く , 青少 年 に 限 ら ず,人 の 行 動 に は 多 く の 要 因 が関 係 し ,知 識 は そ の 要因 の 1 つでしかないからとい う32).教 育 内 容 に か か わ ら ず ,知 識 の 教 授 だ け で な く ,望 ま し い 態 度 や 行 動 へ と行 動 変 容 ま で 導 く 教育 実 践 を 継 続 的 な 取 り組 み を 積 み 重 ね て い くこ と が 重 要 で あ る . 学 生 の 身 近 に潜 ん で い る 薬 物 に 対 して 危 機 感 を も ち ,薬 物 乱 用 防 止 へ の 規 範 意 識を 高 め て お く こ とは ,職 務 上 で 医 療 系 麻 薬を 取 り 扱 う と き に 重 要な 意 識 で あ る と 認 識 でき る . 適 切 な 行 動 を実 際 に 移 す こ と が で きる よ う に , 薬 物 の 乱 用は , 周 囲 の 人 々 も 悲 しま せ る 結 果 を 招 き ,自 分1 人の問題ではないことを理解できるように伝える.また,友人や家 族 に 悩 み や 不安 を 相 談 で き る 相 手 がい な い 場 合 は , 相 談 機関 を 紹 介 す る . 講 義 終 了 後 か ら1 週間を期限にして,『薬物乱用防止教育を受けて考えたこと』をレ ポ ー ト に ま とめ 振 り 返 り を 行 う . 4 月調査から 3 か月が経過した 7 月に再調査を実施する目的は,4 月の薬物乱用防止 教 育 の 内 容 を忘 れ て い る 程 度 を 明 確に す る こ と で あ る . それ 以 外 に , 学 生 生 活 が不 規 則 な 生 活 に な って い な い か な ど の 生 活上 の 乱 れ の 有 無 と , 夏季 休 暇 前 の 注 意 喚 起 も目 的 と し て い る . 医 療 系 大 学 や 3 年課程看護師養成学校は,卒業時に国家試験受験資格を得られ ,国家 試 験 に 合 格 する と 国 家 資 格 が 交 付 され る . 教 育 カ リ キ ュ ラム も 過 密 で あ る こ と が多 く , 薬 物 乱 用 防 止教 育 に 時 間 を 確 保 す るこ と は , 物 理 的 に 無 理な 場 合 が あ る . そ の ため , コ ン ト ロ ー ル 群を 設 け る こ と が 難 し い状 況 下 に あ る . 後 日 ,コ ン ト ロ ー ル 群 に 教 育を 実 施 す る こ と も,物 理 的 に 無 理 で あ る.そ の た め ,前 後 比 較 デ ザイ ン に よ る 教 育 評 価 を行 う .

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14 量 的 な 側 面 だけ で 検 証 せ ず , 質 的 な側 面 か ら も 検 証 を 試 みる . そ し て ,3 か月後の再調 査 に て , 教 育効 果 の 継 続 性 を 検 証 する . 1.研究の理論的枠組み 学 習 指 導 要 領 の 改 訂 や 第 四 次 薬 物 乱 用 防 止 5 か年戦略が策定され,小学校 や 中 学校 , 高 等 学 校 ま では ,年 1 回の薬物乱用防止教室の開催が義務づけ られている.大学等にお け る 薬 物 乱 用防 止 教 育 は ,年 1 回よりさらに少なく,修業年数期間で 1 回の場合もある の が 現 状 で ある . 高 等 学 校 卒業 後 の 学 生 は , そ れ ぞれ の 夢 や 目 的 を も っ て進 路 先 を 決 定 し 現 在 の教 育 機 関 に 所 属 し てい る と 思 わ れ る.学 生 は,単 位 や 技 能 を 修 得 する た め に 授 業 を 受 け なが ら , 同 時 に 高 等 学校 ま で と は 異 な っ て ,よ り 個 々 の 価 値 観 を もと に し た 生 活 習 慣 を 持っ て 学 生 生 活 を 送 るよ う に な る . さ ら に ,学 生 が 社 会 生 活 を 送 る活 動 範 囲 も ア ル バ イ トや ボ ラ ン テ ィ ア , サー ク ル 活 動 な ど 拡 大 して い く . 学 生 が 日 々 健康 を 維 持 し , 危 険 を 回避 し な が ら 健 康 な 日々 を 過 ご す こ と が で きる よ う , 高 等 教 育 機 関も ま た 学 生 支 援 を 充 実さ せ る 必 要 が あ る .学 生 自 身 が 持 っ て い る価 値 観 を 問 い 直 し , 健康 に 生 活 す る こ と の 必要 性 を 学 生 が 自 ら 見い だ す こ と が で き る よう な , ま た 学 生 生 活 に行 動 変 容 を も た ら す こと が で き る よ う な 意識 向 上 や 動 機 づ け を 与え ら れ る よ う な 健 康 教育 が 現 在 求 め ら れ て いる . 学 生 に 対 す る健 康 教 育 に お け る 健 康行 動 理 論 や モ デ ル に は,ヘ ル ス ビ リ ー フ モ デル(健 康 信 念 モ デ ル)や自己効力感モデル,プリシード・プロシードモデルなどがある.これら の う ち ,Green, L.W ら32)の プ リ シ ー ド・プ ロ シ ー ド モ デル は(図 2),健康教育やヘルス プ ロ モ ー シ ョン の 計 画 の た め の モ デル で あ る 33).同 モ デ ル で は ,行 動 形 成 に か かわ る 要 因 を,「 前 提 因 子(動機づけに関わる要因)」,「強化因子(動機を行動に結びつける要因)」, 「 実 現 因 子(行動の持続にかかわる要因)」の 3 つのグループに分けて考えることが有効 で あ る と し てい る .ま た ,プ リ シ ー ド と プ ロ シ ー ド の 2 部分から構成され,プリシード で は 健 康 の ニー ズ ,実 態 や 関 連 要 因,方 策 等 の「 診 断」を 行 い ,プ ロ シ ー ド で は「 実 施 」 及 び プ リ シ ード の 各 段 階 に 応 じ た 「評 価 」 を 行 う . 日 本 学 校 保 健会 で は , プ リ シ ー ド モデ ル を , 喫 煙 , 飲 酒, 薬 物 乱 用 防 止 教 育 に 適用 し て い る(図 3).そこでは,健康行動を選択しようする動機づけを高めることに関わりの深 い 要 因 を あ げて お り , 本 人 の 知 識 ,態 度 , 信 念 , 価 値 観 など を 「 先 行 要 因 」 と した . ま た , 友 人 か らそ れ ら を 勧 め ら れ た 時の 対 処 や , セ ル フ エ ステ ィ ー ム の 育 成 , 意 思決 定 な ど の ラ イ フ スキ ル を「 促 進 要 因」,友 人・家 族・教 師 の 行動 や 態 度 を「 強 化 要 因」と し て い る 34).プ リ シ ー ド モ デ ル は ,そ れ ら の 各 要 因 に 対 す る 方略 を も っ て ,喫 煙,飲 酒 ,薬 物 乱 用 の 回 避し , 健 康 課 題 の 解 決 と予 防 を 達 成 す る た め の枠 組 み を 示 す も の で ある . 本 研 究 に お い ても ,「 医 療 系 学 生 へ の 薬物 乱 用 防 止 教 育 プ ロ グラ ム 作 成 」に 際 して ,プ リ シ ー ド モ デ ル を理 論 的 基 盤 と し て 採 用す る こ と と し た .

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15 precede 第 1 段階 社 会 診 断 QOL 第 9 段階 結 果 評 価 proceed 第 2 段階 疫 学 診 断 健 康 第 3 段階 行 動 ・ 環 境 診断 行 動 と ラ イ フ ス タ イ ル 環 境 第 8 段階 影 響 評 価 第 4 段階 教 育 ・ 組 織 診断 前 提 要 因 強化要因 実現要因 第 7 段階 プ ロ セ ス 評 価 第 5 段階 行 政 ・ 政 策 診断 健 康 教 育 政 策 ・ 法 規 ・ 組 織 第 6 段階 実 行 動 機 づ け に か か わ る 因 子 ( 先 行 因 子 ) 動 機 を 行 動 へ と 結 び つ け る 因 子 ( 促 進 因 子 ) 行 動 の 持 続 に か か わ る 因 子 ( 強 化 因 子 ) 図3 プリシードモデルの喫煙・飲酒・薬物乱用防止教育への適用 日 本 学 校 保 健 会 編 (1997) 図 2 プリシード・プロシードモデルの概念図 (Green, L.W. and Kreuter, M.W. (1980) より作 成 )

● 知 識 ● 態 度 ● 信 念 ● 価 値 観 ● 友 人 か ら 薬 物 の 勧 め に な ど に 対 す る 具 体 的 対 処 ス キ ル ● セ ル フ エ ス テ ィ ー ム 維 持,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン ,意 思 決 定 , ス ト レ ス マ ネ ジ メ ン ト ス キ ル な ど の ラ イ フ ス キ ル ● 広 告 の テ ク ニ ッ ク の 分 析 ス キ ル ● 友 人 の 行 動 や 態 度 ● 家 族 の 行 動 や 態 度 ● 教 師 の 行 動 や 態 度 健 康 教 育 喫 煙 ・ 飲 酒 薬 物 を 避 け る 健 康 問 題 の 防 止 ・ 解 決

参照

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