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博 士 ( 医 学 ) 中 駄 邦 博 学 位 論 文 題 名 非 イ オ ン

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 中 駄 邦 博

学 位 論 文 題 名

非 イ オ ンI生低 浸 透 圧 造 影 剤 の 甲 状 腺 放射 性 ヨ ー ド 摂 取 率 に 及 ぼ す 影 響 ー ラ ッ ト 甲 状 腺 を 用 い て ー

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

    I  はじめに

    1970年代後半に開発された非イオン性低浸透圧造影剤(non ionic lo..i osmolar contrast medium:NILOCM)は従来用いられたイオン性高 浸透圧造影剤(ioniciigh osmolar contrast medium:IHOCM)に比べ化 学毒性が低く、使用時の副作用の滅少と耐用性の向上をもたらし、今 日 各種 のX線造 影検 査に 広く用 いられているが、この新しい造影剤の 甲状腺機能、特に甲状腺放射性ヨ―ド摂取牢に及ぼす影響にっいての 検討はこれまで非常に少ない。甲状腺放射性ヨード摂取率検査を予定 していた被験者に対して検査前にNt LOC;'1が投与ぎれてしまった場合を 想定して、Nl LOCtlによってどの程度放射性ヨード摂取宰の低下が生じ またそれがどれ位の期間続くのかを明らかにする事を目的としてNILO CMのーつであるiopamidolとIHOCMのーっであるiothalmateを用いて両 者のラット甲状腺の放身寸性ヨ―ド摂取率への影響の比較検討を試みた

    |1対象及び方法

  16〜20週令のWKA系雄ラットを用いて実験を行なった。予めラットを 以下のA)、B)、C)、D)の4群に分け、各々異なる給餌条件で予備飼育 し′こ。A群)通常食で飼育、B群)低ヨード食で1週間飼育、C群)低ヨー ド食で2週間飼 育、D群)低 ヨード食で8週間飼育。実験時に上記のA)

‑D)の各群は更に各々3つの亜群に分けられた。即ちa)iopamidol投与 群、b)iothalmat,e投与群、c)造影剤非投与群(対照群)で、造影剤投与 群にはiopamidolないしiothalmate 300mgl/kg.b.w.を、対照群には生 理食塩 水を 尾静 脈よ り投与 した。造影剤ないし生食投与の1、2、3、7 及び14日後にNa】31tlllKBq/Kg.b.w.を静脈内投与して24時間後に甲状 腺放射性ヨ―ド摂取率(thyroidal radioiodine uptake;TRIU:%dose/mg tissue)を求めた。また、造影剤投与1、7、14日後にA)〜D)群の対照群

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とA)、C)、D)3群の 造影剤投与 群の甲状腺 内ヨード含 有量(thyroidal iodine content;TIC:皿t:l/mg tissue)を誘導結合ブラズマ発光分析法 によ り測定した 。また、各 群のTRIUとTICの平均値を 用いて、a)TRIU とTIC、 及びb)各時 点での 造影剤投与 群のTRIUまたはTICの対照 群の 値に対する変化の剖、合、即ち△TRIUと△TICとの間の相関性にっいて 検討した。また、A)〜D)各群の対照群とiopamidol投与群の投与後1日 め及び7日めにおけるFT3、FT4値を測定した。

    III結  果

(1)各群中の対照群におけるTRIUとTIC

  対 照群 に おけ るTRIUはD)群 で最も高く 、次いでC)群 、B)群、A)群 の順で、低ヨード食で飼育された群で高値となった。D)群と他の3群、

及びC)群とA)群の 問で有意差 を認めた。TICはTRIUとは 逆にD)群が最 も低 下 し、 次 いでC)群 、B)群、A)群 の順となり 、低ヨ―ド 食の飼育 HH問 が長くなる 程より低値 となった。D)群と他の2群、及びA)群とC) 群との問ではTICに有意差を認めた。

(2)造影剤投与後の各群におけるTRIUとTICの変化

  造 影剤投与後 のTRIUの経時的 変化は、各群に共通の傾向として投与 後2ない し3日め まではiopamidol投与群もiothalmate投与 詳もTRIUは 対照群と比 べて著明に 抑制され、この時点では両群問の差は明らかで なかった。 その後TRIUは経時 的に回復し ていくが、iopamidol投与群 の方 がiothalmate投与 群 よりも 回復は速く 、投与後14日 めのTRIUは 全ての群でiopamido| 投与群の方がiothalmate投与群よりも有意に高 く、かつ、D)群 を除き対照 群と同じ水 準に回復し ていた。TICの変化 はTRIUとは対照的 で、各群と も造影剤投与後の共通の傾向として投与 後1日めに最も増加した後に経時的に滅少していっ′こ。A)群とC)群で はiopamido|投与群もiothalmate投与群もTICの変化はTRIUに比べ緩や かで、投与 後7日め には対照群 と同様の値まで低下していたが、D)群 にお い てはiothalmate投 与群は14日めまで一 貫して対照 群よりも有 意に 高 いTICを 示 し、 か つ、iopamidol投与群 との問にも 有意差を認 めた。他方 、iopamidol投与群 は14日めには 対照群と同 じ水準まで低 下してい′こ。

(3)TRIUとTICの相関性

(3)

TRIUとTICにっ いては 負の、△TRIUと△TICにっいては正の相開が 得られ′こ。

(4)FT3及びFT4値の変化

  lopamidol投与後1日め及び7日めのFT3及びFT4値は各Btともに投 与前値と比べ有意な差はみられなかった。

    IV  考  察

  NILOCMのTRIUへの影響を厳密に検討した報告tまこォLまで極めて少 ない。今回得られ′こiopamiclo|投与群とiotllal mate投与群の結果を 比 べる と、iopamidol投与 群で はD)群のTRIU以外はTRIUもTICも14日 めまでには対照群と同様の値に回復していたのに対してiotITalma te 投与群ではA)群とc)群のTICを除くと14日めでもなお、対照ヨtとの闇 に 有意 差が認められ、二つの造影剤のTRIUとTICへの影響の程度と期 間に倣差がみられ′こ。即ち、iopamiclolはiotllalmateに比べTRIUに及 ば す影 響はよ り小 さく 、し かもよ り短 期間で軽減し、TRIUは投与後 約2週間でほぱ投与前値に回復する事が判明した。一方、iotl)alma te tま少なくとも投与2週間後においてもまだTRIUを抑制していたが、こ れ は過 去の報 告に 合う もの であっ た。 この両者のTRIUに及ぽす影響 の 差に っいて は、 イオ ン性 である か否 かという化学的性質の違いだ け でな く、両 者の 体内 動態 及び甲 状腺 内動態の差が大きな要因だと 考えられ′こ。即ち、iopamidolがiothalmateよりも尿中排泄牢が高く 甲 状腺 からの 消失 も速 やか である 事が 、TRIUへの影響を低くする点 で 有利 に作用していると考えられた。TRIUとTICとの関連性について は 、TRIUとTICにっい ては 負の 、△TRIUと△TICにっいては正の相関 が 認め られ′こ事から造影剤投与によるTICの増加がTRIUを抑制する 要 因 の ーっに なっ てい ると思 われ たが 、お そらくTIC以外 の因 子も 関 与し ているものと推測された。実際の臨床の場で甲状腺放ヨj性ヨ ー ド摂 取率検 査を 行な うと き、前 処置 としての低ヨード食の施行期 間は1〜2週間で、D)群のように長HH岡ヨ―ド制限を行なう事tまない の で、 甲状腺 放射 性ヨ ード 摂取率 検査 を行なうべき症例に対して先 にiopamidolが 投 与 され て し ま っ た 場 合、 投与1週 間以内 では まだ TRIUは 抑制さ れて 低値 となる が、 最低 でも2週 間以 上間隔 をあ けて 摂取率を測定すれば、検査結果への影響を極めて低くづ.る事が―uJ能

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となる のではないかと考えられた。この事は被験者の生命や予後に 直接関 与するものではないが、NILOCMのーつの利点と考えられた。

    V結  語

  今回のラット甲状腺を用い′こ検討より、iopamidolは甲状腺放射性 ヨ―ド摂取 率並びに甲 状腺内ヨー ド含有量を 変化させるが、その程 度はiothalmateに比べて 軽徽で影響 する期間も 短く、予め長期間低 ヨ―ド食を 与えられて いた場合を除いて、投与後2週間までには甲状 腺 放 射 性 ヨ ― ド 摂 取 率 は ほ ぱ 投 与 前 値 に 復 す る と 結 論さ れ た。

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(5)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

非イオン性低浸透圧造影剤の甲 状腺放射性ヨード摂取率に及ぼす影響     ――ラット甲状腺を用いて ――

    I研究目的

  非イオン性低浸透 圧造影剤(NILOCM)は、従来用いられたイオン性高浸透 圧造影剤(IHOCM)に 比べ化学毒性が低く、使用時の副作用の減少と耐用性 の向上をもたらし、 今日各種のX線造影検査に広 く用いられているが、こ の新しぃ造影剤の甲 状腺放射性ヨード摂取率(TRIU)に及ぼす影響について の検討は明確でない 。TRIU検査を予定していた被験者に対して検査前にNI LOCMが投与されてし まった場合を想定して、NILOCMによってどの程度TRIU の低下が生じ、また それがどれ位の期間続くのかを明らかにする事を目的 としてNILOCMのーつ であるiopamidolとIHOCMのーつであるiothalmateを用 い て 両 者 の ラ ッ ト の TRIUへ の 影 響 の 比 較 検 討 を 試 み た 。     n対象及び方法

  予めラットを以下の4群に分けた上で、各々異なる給餌条件で予備飼育 した。A群)通常食で飼育、B群)低ヨ―ド食で1週間飼育、C群)低ヨード食 で2週間飼育、D群)低ヨード食で8週間飼育。実験時に上記の A‑‑‑Dの各群は 更に各々3つの亜群に分けられた。即ち、a) iopamidol投与群、b)iothalm ate投与群、c)造影剤非投与群(対照群)で、造影剤投与群にはiopamidol いしiothalmateを、対照群には生理食塩 水を尾静脈より投与した。造影 剤な いし 生 食投与の123、7及び14日 後にNa131Iを静脈内投与して24 時間後にTRIUを求めた。また造影 剤投与1、7、14日後にA〜Dの群の対照群 AC、D3群の造影剤投与群の甲 状腺内ヨード含有量(TIC)を誘導結合ア ラズマ発光分析法により測定した。

    m  

1)各群中の対照群におけるTRIUとTIC

  対照群におけるTRIUはD群で最も高く、次いでC群、B群、A群の順で、低 ヨ―ド食で飼育され た群で高値となった。TICTRIUとは逆にD群で最も低 下し、次いでC群、B群、A群の順となり、低ヨー ド食下での飼育期間が長

従一 三 正研 達 舘間 邊 古本 田 授授 授 教教 教 査査 査 主副 副

(6)

くなる程より低値となった。

   2) 造 影 剤 投 与 後 の 各 群 に お け るTRIU TICの 変 化   造影剤投与 後のTRIUは、投与2ないし3日めまでは、iopamidol投与群も iothalmate投与群もTRIUは対照群と比ぺ て著名に抑制され、この時点では 両群間の差は明らかでなかった。その後TRIUは経時的に回復していくが、

iopamidol投与群の方がiothalmate投与群 よりも回復は早く、投与後14

´めのTRIUは全ての群でiopamidol投与群の方がiothalmate投与群よりも有 意に高かった 。TICの変化はTRIUと対称的 で、各群ともに造影剤投与後の 共通の傾向と して投与後1日めに最も増加 した後に経時的に減少していっ た。iopamidol投与群1ま14日めにはTICは対照群と同じ水準にまで達した。

    W考  

  NILOCMのTRIUへの影 響を厳密に検討した報告はこれまで極めて少ない。

今回得られたiopamidol投与群とiothalmate投与群 の結果を比較すると、

iopamidol投与群でITRIUもTICも14日めまでには 対照群と同様の値に回 復していたのに対してiothalmate投与群では、対照群との間に有意差が認 めちれ、二つの造影剤 のTRIUとTICへの影響の程度 と期間には差がみられ た。即ち、iopamidolはiothalmateに比ペTRIUに及ぼす影響はより小さく、

しかもより短期間で軽 減し、TRIUは投与後約2週間 でほば投与前値に回復 する事が判明した。一 方、iothalmateは少なくとも投与2週間後において もまだTRIUを抑制して いたが、これは過去の報告に一致するものであった

。この両者のTRIUに及 ぼす影響の差については、イオン性であるか否かと いう化学的性質の違い だけでなく、両者の体内動態及び甲状腺内動態の差 が大きな要因だと考え られた。即ち、iopamidoliothalmateよりも尿中 排泄率が高く甲状腺か らの消失も速やかである事が、TRIUへの影響を低く する点で有利に作用し ていると考えられた。TRIU検査を行なうぺき症例に 対して先にiopaniidolが投与されてしまった場合、最低でも2週間以上間隔 をあけてTRIUを測定す れば、検査結果への影響を極めて低くする事が可能 となるのではないかと 考えられた。

    V結  

  今回のラット甲状腺を用いた検討より、ioparuidolは甲状腺放射性ヨ―

ド摂取率並びに甲状腺内ヨード含有量を変化させるが、その程度はiotha‑

Imateに比ぺて軽徴で影 響する期間も短く、投与後2週間までには甲状腺放 射 性 ヨ ー ド 摂 取 率1ま ほ ば 投 与 前 値 に 復 す る と 結 諭 さ れ た 。

参照

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