• 検索結果がありません。

ガン細胞の増殖を抑制するペプチドの評価

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "ガン細胞の増殖を抑制するペプチドの評価"

Copied!
3
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

ガン細胞の増殖を抑制するペプチドの評価

著者 大吉 崇文

雑誌名 財団ニュース

巻 13

ページ 14‑15

発行年 2012‑01‑10

出版者 浜松科学技術研究振興会

URL http://hdl.handle.net/10297/6413

(2)

14 はじめに

ガン細胞は正常細胞と異なり、無制限に増殖する細胞であり、ガンの病因となっている。よってガン 細胞の増殖を抑える分子の開発が求められている。ガン細胞では、正常細胞とは異なり染色体末端構造 であるテロメアを伸長させる酵素が活性化されているので、テロメア伸長がおきている。さらにガン遺 伝子が発現している。テロメア伸長やガン遺伝子の発現を抑えることができれば、ガン細胞の増殖抑制 効果が得られると考えられている。近年、テロメアやガン遺伝子の一部が形成するグアニン四重鎖核酸 に結合する分子は、ガン細胞の増殖を抑制

することが報告されている。申請者は既に グアニン四重鎖核酸に結合するタンパク質 を見出している。そこで、このタンパク質 を基に、ガン遺伝子やテロメアが形成する グアニン四重鎖に結合するペプチドを設計、

合成して、結合性を解析する。さらにペプ チドは食品として摂取できることから、ガ ンの抑制に効果のある食品の開発につなげ、

医薬品開発へ可能性も探るために、作成し たペプチドをガン細胞に投与して、ガン細 胞に対する増殖抑制効果を調べる。

結果と考察

1)RGGを基本骨格とする各種ペプチドの合成とグアニン四重鎖結合性

核酸結合性タンパク質中に保存されている核酸結合性配列の1つに、アルギニン-グリシン-グリシン繰 り返し(RGG)配列が知られている。我々はこれまでに、RGG配列を含むタンパク質がグアニン四重 鎖に特異的に結合することを見出しており、特に、RGG配列中のアルギニンと芳香族アミノ酸が重要で あることを示した。そこで、RGG配列を有するタンパク質のグアニン四重鎖結合性を元にペプチド

(RGGペプチド)を合成した。各種RGGペプチドは固相合成法により(RGG)6,(RGGF)3,(RGGF)6

(RGGW)4,(RGGW)6の計5種類のペプチドを固相合成法により合成し、高速液体クロマトグラフィー

(HPLC)と分子量測定機(TOF−MS)により確認した。例として(RGGF)6の各データを示す。まず HPLCにより主ピークが1本みられ、それを精製した。これらのペプチド分子とグアニン四重鎖との結合

ガン細胞の増殖を抑制するペプチドの評価

静岡大学理学部化学科 大吉 崇文 [email protected]

ガン細胞の増殖を抑えるペプチド 分子を開発する。更にペプチド分 子の細胞増殖抑制能を解析する。 

課 題 

抗ガン活性のある薬剤や食品の 開発。 

応 用 

〔科学技術試験研究助成〕

(3)

15

性をゲルシフトアッセイ法により解析した結果、(RGGF)6と(RGGW)6が結合性を示した。一方、

(RGG)6(RGGF)3(RGGW)4が結合性を示さなかったことから、グアニン四重鎖結合性にはRGGの繰 り返しの数と芳香族アミノ酸の存在が重要であることが明らかとなった。

2)各種RGGペプチドのガン細胞増殖抑制評価

上記の実験により合成したRGGペプチドがガン細胞の増殖抑 制能を有するか調べた。ガン細胞としてHeLa細胞を使用して、

培地にそれぞれのRGGペプチド50mMを加えて24時間培養した ときの細胞数を計測した。その結果、培地にRGGペプチドを加 えていないものに比べてグアニン四重鎖結合性を試験管内の実 験で示した(RGGF)6と(RGGW)6が存在する培地のガン細胞は 生育が阻害された。特に(RGGF)6はガン細胞に対して、約70%

の増殖抑制能を示した。一方、グアニン四重鎖結合性を示さな かった(RGG)6,(RGGF)3,(RGGW)4は大きな細胞増殖抑制能 は見られなかった。

今後の研究展開

これらの結果より、RGGを基本骨格とするペプチドはガン細 胞増殖抑制効果があることがわかった。しかし、正常細胞に対

する効果など今後さらに試験を重ねる必要がある。またガン細胞にも様々な細胞種の株があり、それぞ れの細胞種によって効果のあるペプチドも異なる可能性がある。今後、作成するペプチドの種類を増や し、様々なガン細胞種に対して効果を解析していく必要がある。今後、ガン細胞の増殖を抑制するペプ チドを含むサプリメントや飲料水の開発につなげていくために、作成するペプチドの種類を増やし、

様々なガン細胞種に対して効果を解析していき、データを蓄積していく必要がある。それらの結果によ り、より抗がん活性が高く安全なペプチドの開発を進めていきたい。

(RGG)n (RGGW)n (RGGF)n

細胞数比(ペプチド存在下/非存在下) 

ガン細胞増殖抑制能 

2.5 2 1.5 1 0.5 0

コントロールペプチド 

RGGペプチド  RGGFペプチド 

参照

関連したドキュメント

で高値であった。④誘導した免疫抑制性細胞の in vitro における機能。T 細胞増殖能の 抑制効果の評価のために、Mixed

(至適化した iPS 細胞由来心筋細胞による、細胞移植後の生着、増殖、治療 効果の評価)

上昇が見られ、内在性遺伝子発現においても CCAR2 により LXR に対するリガンド依存的転写 活性化能の抑制効果が示唆された。 乳癌細胞株の細胞増殖に関する

推測されている。近年、 c-Raf が Hsp90 のクライアントタンパク質となる可能性が示された。 しかしながら、 Hsp90

うか,また今回作製したりコンビナント蛋白が神経の発生と分化,増殖に与え

チャネルにより構成されている可能性も示唆される。 細胞分裂は、細胞周期進行を通して正常な細胞増殖を保つうえで非常に重要な過程である。細胞 周期進行には、一過性の

よび増殖誘導活性を有し、局所におけるマスト細胞の増加を導く重要な因子となっ

脈壁細胞の増生に伴いフイブリノイド壊死が起こるが、これは内皮細胞障害による血液透過