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と 投 資 基 準

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(1)

経済成長と投資基準

︱再投資率基準をめぐって︱

 経済の成長と投資基準との関係については︑従来伝統的な生産力説の立場にたって論ぜられてきた︒例えば︑A︒

E・カーンによって限界生産力説の立場から設定された基準は︑未開発地域は開発地域よりも︑低い資本労働比率を       ω必要とする産業及び技術を選択すべきであるとする︒またH・S・チエネリーも資本資源の効率的な配分は︑それぞ

れの用途において資本の社会的限界生産力を均等ならしめることによりて達成されるという命題を承認し︑このS︒       ②M︒P基準にもとづき発展計画を樹立すべきであることを提唱する︒カーンの説にしろ︑チエネリーの説にしろ︑そ

れらは従来の経済理論において述べられた資源一般の最適配分基準を経済発展問題に適用したものと考えることがで

きる︒元来生産資源の最適配分に関する限界生産力均等の原則はきわめて静学的︑均衡的︑しかも短期的な概念であ

り︑このような概念に基礎づけられた投資基準が︑きわめて動態的な経済成長という長期的問題にたいして果して適       ㈲切な実際的ルールたりうるかという批判がなされてきた︒エクスタインは次のごとく述べている︒ ﹁低開発国におけ

   経済成長と投資基準      三九

(2)

   研究年報       四〇  ︑

る投資計画の選択にたいするオーソドックスな効率基準の適合性は近時いろいろな根拠から批評されてきた︒均衡成

長の原理を支持する多くの文献は自由な市場経済の静態的な最適基準は経済成長を極大化することはできないし︑そ      ωれは外部経済の適当な開発を確保するためには大幅に修正されねばならぬと主張する︒﹂ またチエネリi自身も最近

の論文において﹁過去十年間︑古典派の資源配分の分析は動態的な条件の下では妥当しない︑という同じような批判

がなされてきた︒ロ二戸ンシユタインーーローダン︑ヌルクセ︑ルイス︑プレピイシユ︑ミユルダールといった論者か

低開発国では古典派の均衡および完全競争という想定は成立しないし︑また暗黙裡に静態的競争のモデルを用いて導

出された政策立言も妥当しない︑と指摘している︒しかしながら︑まだこれに代る分析理論は展開されていない︒そ      ・       切のため︑開発政策が部分的分析や間に合わせの原理によって導き出されるきらいがある︒﹂と述べている︒

 静学的な限界生産力分析が︑きわめて動態的長期的な後進経済成長の問題にたいして適切な投資基準を提供しうる      ⑥やという疑問の下にきわめてユニークな投資基準を提唱したのはかーレンソン・ライベンシュタインである︒ガーレ

ンソン・ライベンシュタイン基準の特色は経済発展の過程において投資によって誘発される発展的要因の変化のタイ

ム・パターン︑特に人口変化のタイム・パターンを最もよく参酌しつ︑展開されているということである︒恐ちく従       ω来のオーソドックスな基準にたいする批判を最も極端な点までおし進めたものと考えることができる︒ライベンシユ       ㈲タインは既に旧著において人口変数を成長模型の内生的変数として取扱い︑後進経済成長の基本的条件を明示した︒

ガーレンソン・ライベンシュタイン所説の核心は﹁資本の配分︑従って最終生産物の配分︑そして人口成長は独立的       ㈲要因ではない︒﹂ということである︒投資基準は産出量の流れ以外に企業精神や貯蓄や消費の慣習︑人口増加︑その他

(3)

経済成長に影響する基本的要因にどのような効果をあたえるかを考慮すべきであることを主張する︒彼等は経済成長

の測定尺度として一人あたり産出量︑或いは平均所得の成長をもってずる︒それ故に経済成長のための投資基準の設

定においても投資とそれによつで誘発される人口成長の動向を重視する︒この点からガーレンソン・ライベンシユタ       ⑳インの所説を新マルサス的だという批判がなされる︒

 この小論はガーレンソン・ライベンシュタイン基準を中心として︑経済成長︵特に後進経済の成長︶における投資︑

労働資本比率等の諸聞題の性格を解明することを目的とする︒

 社会的限界生産力基準︵以下S︒M・P基準とよぶ︶は短期的︑静学的な概念を基礎とす︒短期的且部分的分析で

はよく﹁他の条件が等しければ﹂という仮定が設けられる︒そこでこの仮定が妥当するかぎりでは︑S・M・P基準

も正しい︒ ﹁限界生産力基準が通常使用される文脈︑即ち︑静態的均衡状態の文脈では︑それは︵S・M・P基準︶

は正しい︒短期的にはそして特に他の条件等レければという仮定にうったえるならば︑この基準の適用は必ずしも国

         民生産物極大化以外の目的達成に導くとはかぎらない︒長期的には一連の投資配分の結果として多くのことがらが変

化する︒そこで限界生産力にもとつく配分政策自体は国民生産物の成長率の極大に導かないかもしれない︒またたと       αりえ国民生産物成長率の極大化を生じたとしても︑一人当りの産出量の成長率の極大化を結果しないかもしれぬ︒﹂この

ライベンシュタインの文句は平均所得算出分母たる人口変数が投資配分の如何によって異った影響を受けるというこ

   経洛成長と投資基準       .      四一

(4)

    研究年報      四二

とを含意しているのである︒ガーセンソン︒ライベンシュタインにとっては経済成長のゴールは或る期間にわたる︑

又は煮る将来時点における一人当りの産出量或いは平均所得の極大化である︒そして問題は︑長期的考察の下で︑他

の条件等しなければという仮定がおとされた場合である︒この場合﹁平均所得の極大化と国民生産物の極大化とは全

く同じものではない︒﹂これとやや異った立場から後述するセンによって同じような批判がなされた︒﹁社会的限界生

産力基準はもしわれわれが将来について全く興味を持たないならば︑全く正しい︒しかし︑もしわれわれが長期附観       ⑬点をとるならば︑その基準はもはや正当な根拠をもつものとはいえなくなる︒﹂ S︒M・P基準は投資方向の選択が

発展のプロセスにおいて︑人口成長にどのような影響をあたえるかという問題め踏面について全く考慮を欠いている

点で先ず批判の標的をあたえるものであった︒﹁国民生産物の極大化は一人当りの産出量の極大化と同じものである

かもしれぬし︑また同じでないかもしれぬ︒そのことは部分的には投資政策によって人口要因がどのように取扱われ       個影響を受けるかに依存するのである︒﹂

 ガーレンソン︒ライベンシュタインは︑S︒M︒P基準から政策的指針として次の三つの派生的基準が導出される

という︒ ω 産出量/投資比率の極大化基準

 ② 労働/投資比率の極大化基準

㈲輸出/投資比率の極大化基準

 ここでは第三の派生的基準は一応オミットしよう︒カーンによれば資本のS︒M・Pは売上比率とは相関関係はな

(5)

い︒こ\で売上高比率とは勿論産出量/投資の比率を意味する︒しかし︑カーンの結論によれば資本が椙対的に稀少

で︑労働力がきわめて豊富な場合には一般的に資本−売上高比率を固守することは特にのぞましいのである︒このよ

うな事情では最小限を必要資本でもって最大限の過剰労働力を吸牧することがのぞましいのである︒そのことはS・

M・P基準に合致することなのである︒しかし︑長期的発展という見地からすれば︑売上比率基準がS︒M・P基準

の本来的な解釈と合致する可能性が少なくなる︒S︒M・P基準は本来的には短期的基準であり︑考察期間のきわめ

て初期間の産出量の大きさに関心を払っているが︑長き将来にわたる産出量の流れについては関心をもたない︒所得

の流れが毎期同一であれば︑資本一売上高基準は命数の長い資本よりも短い資本を有利と考えることができる︒しか

し所得の流出が期間ごとに増加するものであるならば︑資本i売上高基準を適用すれば︑S・M︒Pの低い用途に投

資を配分する結果となる︒この意味から嚢底逓減或いは牧穫不変の産業が高い資本売上高比率をもつからといって投

資配分をなすならば︑資本売上比率基準はS・M︒P基準に照しても誤った選択をなす結果となる︒長期的には牧穫

逓増産業こそ︑国民生産物の増大により大なる貢献をなしうるのである︒しかし︑S・M・P基準をこのように長き

将来にわたる所得の流れの増大を考慮に入れて解釈すると︑もはや︑S・M︒P基準の本来的な静態的性格を代表す

る﹁他の条件等しければ﹂という仮定において固定した変数の多くが︑投資の結果として変化する︒そこで発展過程

における動的要因の変化のタイム・パターンそのものが投資基準の設定において無視しえなくなる︒

 次にS・M・P基準による労働吸牧基準について︑ガーレンソン︒ライベンシュタインは次のごとく批判する︒経

済過程において労働が吸牧される程度は他の生産要素︑例えば資本の伸縮性と適合性に依存する︒そこで極大労働吸

   経済成長と投資基準      四三

(6)

   研 究 年報      四四

牧基準も必ずしも総産出量の増分を極大化するものとはかぎらない︒次のような例がその背反性を明らかにする︒い

ま同額の経費を必要する二つの投資機会AとBとがあるとしよう︒Aでは伸縮性はとぼしいがBよりも生生的な資本

財が使用され︑例えば一〇〇人の労働者を雇用した場合その生産力はBのそれの二倍だと仮定しよう︒しかし一〇〇

人の雇用吸牧が限度としよう︒Bにおいては一五〇人の雇用吸着は可能であるが︑その場合でも生産力はAよりも小

であるとするならば︑S・M・P基準ではAの投資機会が採用さるべきである︒高度に生産的な資本が必ずしも労働

供給の増加にたいし伸縮的︑適合的な資本であるとはかぎらない︒生産的な資本ほど特化され︑他の生産要素の変化

にたいして非伸縮的となる傾向が多いのである︒ここでも経済発展過程における変化のタイム・パターンを考える必

要がある︒投資の結果として雇杷用される労働が毎期同一であれば問題はない︒しかb︑もし労働吸牧のタイム・パタ

ーンが毎期変化するものであれば︑投資の初期において労働吸牧ルールとS・M・P基準が合致するとしても長期的

に合致するという保証はない︒それ故にもし労働/投資比率基準を文字通りに解釈すれば︑労働を排除するような投      三面はたとえ国民生産物に最大の恩典をなすものであっても決して採用すべきでないことになる︒未開発地域では主と

して労働は農業部門に集中している︒そこでは大量の失業が顕在的にも潜在的にも存在している︒資本は稀少でφる

からその限界生産力は高い︒故にS・M・P基準にしたがえば︑農業部門への投資がのぞましい︒しかし農業機械へ

の投資はさらに失業を増大せしめるという意味で︑労働/投資基準に反する︒労働の限界生産力はきわめて低いから

︑農業部門への投資は限界生産力をさらに低めるか或いは低位に維持せしめることとなる︒ガーレンソン・ライベン

シュタインが農業部門への投資に優位をあたえる基準に反対する有力な根拠は︑農業部門が都会の非農業部門に比し

(7)

て︑投資による人口成長効果が大であるという点である︒投資によって発展的要因を育成するクライミトが農業部門

では非農業部門に対比してとぼしい︒その上投資によって誘発される人口増加が再び平均所得を減退せしめ︑経済を

して低所得水準の均衡に復帰せしめるということが︑資本/労働比率極大化基準の理論的根拠なのである︒このこと      矧はまたライベンシュタインが主張するヨ冒凶ヨ=旨Φ龍︒含暮Φ段ωより導かれた結論でもある︒

 以上S・M・P基準から派生する諸基準が経済成長の黒めのルールとして不適当である理由は次のごとく要約しう

るQ ω これらの派生的基準が強調するのは︑資本の生産力であって労働の生産力ではない︒しかし高い生活水準を可

  能ならしめるものは高い労働生産力なのである︒経済成長の基準としては︑総国民生産物でなく︑一人当り産出

  量︑平均所得の極大化を考えるべきである︒

 ㈲ これらの派生的基準が強調するのは総産出量であって投資率ではない︒しかし︑資本蓄積率レたがって将来に

  おける経済の財及び用■役の生産能力を決定するものはまさしく投資愚なのである︒

 ㈲ 投資によって資本以外の発展要因がどのような変化を示すかが経済成長問題として重要である︒派生的基準は

  これらの変化を考慮しない︒最も重要な変化は人口成長である︒人口要因変化のタイム・パターンについて全く

  考慮を欠くS・瓢・P基準及び派生基準は後進的な経済の成長のためのルールとして不適当である︒このような

  見地からガーレンソン・・ライベンシュタインが展開した基準は︑所謂再投資率基準爵︒円9︒富ohおヨ<$什日魯什

  自含①ユ︒昌・であって︑彼等はζ9︒目αqぎ巴b①目O鋤b嘗︒譜言く$一日Φ昌↓ρ口︒自①三・と称した︒

   経済成長と投資基準      四五

(8)

   研究年報       四大

 ﹁投資資源の最善の配分は資本の一人当り限界再投資率をそれぞれの各用途において均等ならしめる事によって達       ㎝成される︒かかる政策の結果は将来時点において一人当り生産能力を極大化することである︒﹂ 決定要因として七つ

の基本的要因をかかげる︒

ω労働者一人当りの粗生産力ω労働者一人当りの賃銀財消費量㈲資本の取り替え修理ω労働力の熟練︑健康

精力︑訓練︑従順性というような要因の向上によって生ずる産出量の増加㈲死亡率の減退⑥出生率の減退㈲再

投資の方向︒右の七つの要因から次のことが言える︒ 一人当り粗生産力より一人当り消費を差引けば一人当りの粗再

投資可能量をうる︒さらに一人当りの取り替及び修繕を差引くと一人当り純再投資可能量をうる︒さらにまた生産力

の増大は㈲の要因の改善向上によって可能である︒そこでもし労働力の増加率が資本蓄積率より大であれば一人当

り資本量は減少する︒労働力の増加率は主として人口の死亡率と出生率に依存する︒未開発地域では消費水準が上昇

すると︑死亡率の減退は出生率の減退より早くはじまり且急速である︒そこで産出量と消費との間のギヤツプが大で

あるほど人口増加率は小であり︑従って一人当り資本の減少傾向を弱める︒出生率減退の程度は投資の配分に依存す

る︒都市化工業化を刺戟する投資の配分は出生率減退に有利な環境を育成する︒

 再投資率基準は資本/労働比率︵資本集約度︶の極大化を実現するような投資配分が︑経済成長にとって或る環境

の下では最適配分だと考える︒このような主張は︑後進経済の多くは過剰労働をかかえているが故に労働集約的︵資

本節約的︶な産業に投資を配分すべきだという通説的な見解とするごとく対立する︒ガーレンソン・ライベンシユイ

ンは次のごとき封鎖経済モデルを想定する︒

(9)

 ω 国民所得は賃銀及び利潤として配分される︒       ︑

 ② 賃銀は貯蓄されず︑すべて消費に支出され︑利潤はすべて貯蓄され投資される︒       18 ㈲ 生産函数に労働者一人当り産出量は一人当り資本量の函数として示される︒

 次のような関係式が誘導される︒

  

@ 

@ 

@ 

@ @国薯−某H+︒﹂⑩≦M        ︵一︶

 こ\でEは総省用量Pは機械一台当りの産出量︑Cは機械一台の費用︵価格︶︑eは機械一台当りの労働者数︑W

は実質賃銀率︑tは期間を示す︒ω式のカッコの中の分数は結局のところ利潤率を示ず︒仮定により利潤はすべて貯

蓄され投資されるから︑これはまた再投資率或いは資本蓄積率を示すことになる︒この定式化は・ロビンソンがなさ       渦したものと殆んど同じである︒これはさらにセンによってハロッド・ドマール流の成長率にほんやくされる︒

       霊℃弔≦−︵口O︶︵7①㍗︶       ︵鱒︶

 資本係数aをで示すと︑

       む       国u﹂判      噂  ︵︒︒︶

 貯蓄率をSで示すと︑

      ℃1Φ妻       ω11       ︵心︶       ℃

   経済成長と投資基準      四七

(10)

  研究年報

そこで

同H

o陰

四八

9

      ⑳そこでrの極大化は再投資率の極大化であり︑成長率の極大化でなり︑また雇用増加率の極大化を意味する︒ω式で示

W 80 80 80 80

P

C

1︐

L

2

80@45

90@35

菊一紅〃尉一機機旧識自手

翫 4︒

される関係式は余剰人口が存在する場合は労働集約的な産業に投資を配分することが社会的にのぞまいとし通い俗う的な見解を排除するために使用されるのであるが︑この公式によれば一産業或いは社会の産出量のうち︑消費されないで再投資される部分が大であるほど︑資本蓄積のプロセスも急速である︒したがってそれとともに雇用機会の成長率も急速である︒逆にいって産出量のうち消費される部分が大であるほど︑資本と雇用の成長率はそれだけにぶくなる・次のごときデーターがあたえられる・⑳ インドの織物工業について生産規模別にみたcPWの値は第一表のごとく求められた︒初期の投資を一︑二〇〇ルピーと仮定すると②の規模の場合臥は4となる︒いまeを一としてω式から恥を求めてみると︑

  

@ 

@ @ぞ巻+縦3膳濫・・

第五期以後について各規模の雇用増加傾向を求めると第二表のごとくなる︒こ㌧ではeは一と断定されていること

(11)

④ 35 35 35 35 35

③ 13 13 13 13 13

  ②

  ①

15

@83

5官僚 二士乳臥

L

年 5 10 15 20

25

その総賃銀支払額が限界生産力が小で雇用量が大である場合よりも小であることが必要となる︒

が利潤率も高い産業であるという仮定が必要となる︒

 次にガーレンソン・ライベンシュタインは工業化過程の初期において資本集約的な技術を導入出来なかったことが

近代化にとって打勝ちがたい制度的障害物をつくることになるかもしれぬという︒そしてキューバーやメキシコの例

を引用し次のごとく附言した︒ ﹁此等の国々において新しく設けられた工場はその労働/資本比率の決定においては

かなりの自由をもっていた︒問題がせんえつ化したのは旧式の設備についてであった︒このことは発展計画の初めに

おいて適切な基準を採用しえないことが︑発展計画の終局的目標である高き労働者一人当りの産出量を達成せしめる

   経済成長と投資基準       四九 に注意しよう︒eが一であるとPが高いということは労働の生産力が高いことを意味し︑この場合︑近代的な規模のものほど労働の生産力が大となる︒換言すれば資本/労働比率が大であるほど労働の生産力が大であり︑したがって賃銀が同

一であれば利潤率が大であり︑雇用の成長率も大となる︒表で見るごとく第五期

までは村落工業の方が雇用量が大であろう︒しかし︑利潤率が大であるほど長期

的には雇用の成長率は大となっている︒また︑賃銀率を80の代りに50として計算      1

した場合︑大規模では十年目では雇用は24となり︑小規模の場合は16となる︒そ      ヒこで賃銀水準が高いほど資本集中的機械の採用によって生ずる雇用は大となる︒

しかし︑この結果が成立するためには労働の限界生産力が大で且雇用は小で而も

       資本比率が高い産業       吻

(12)

   研究 年報      五〇      鋤ことをより困難ならしめることを暗示する︒﹂更にまた︑工業化は必然的に都市化を意味し︑労働者の都市への移動を

惹起する︒そこで住宅︑衛生施設水道等への投資を必要とする︒か㌧る社会的資本費用は恐らく巨額に達するであら

う︒S・M・P基準ではしばしばか㌧る費用は無視される︒そこで最初に最も高い労働生産力を達成レておくならば

労働移動を最小限にすることによって都市化費用を少なくすることができる︒かくて資本形成率を大きくすることが

できる︒ライベンシュタインはまたドマールの考え方に従って︑命数の短い資本財よりも長期の資本財への投資が経

済成長にとって有利だという譜長問題にとって重要なのは減価難費でなく・置窃用である・減価償饗自体は

直接遷る時点における資本財の生産力と関係はない︒経済成長にとって重要な変数となるのは粗投資より置換費用を

差引いたものである︒そこで︑資本財の命数が長いほど置換を必要としない期間も長くなり︑この期間中では一人当

り使用可能な産出量は命数の短い資本財よりも大となる︒従って又一人当り再投資がより大となる可能がある︒一人

当り産出量が大︑一人当り再投資が大であればそれだけ経済発展の初期における障害を克服しうる機会が大となる︒

 既述のごとくガーレンソン・ライベンシュタイン所説の核心は︑投資の配分︑したがって労働力の配分そして人口

成長及びその質の間に相関関係があり︑これらは独立的な要因ではないということである︒経済成長にともなう人口

成長は資本/労働比率を減退せしめることによって平均所得を低下せしめ︑このこと貯蓄の減少を通じて再投資率を

減退せしめる︒人口増加率が低いほど或いは人口増加率の減退がはじまるのが早いほど一人あたり再投資率を大なら

しめる︒﹁投資の配分は総産出量のみならず︑労働力の配分︑社会の都市地域の発展ハ社会的文化的諸条件︑結婚︑

家族数にたいする人々の態度したがって人口成長に影響をあたえる︒それ故に現在の産出量を極大化する配分も︑慈

(13)

極的な資本/労働比率︑或いは一人当り生産力を極大化する配分とは全く異ったものとなるかもしれない︒﹂鮒

 以上︑われわれはかーレンソン・ライベンシュタイン基準の要点を概説してきた︒それは伝統的な限界生産力基準

にたいする批判として出発した︒彼等の基準において常に強調されたものは投資配分1人口成長−経済成長の関連で

あった︒最後に再投資率基準について一言述べておこう︒ライベンシュタインは彼自身の近著において現在の成長は

将来における成長よりも選好されるとして︑再投資の流れの割引価値を求める︒そして割引率は初期の資本ストック

の増大が後期のそれよりも選好される程度に依存するという︒

 かくて再投資率基準によれば最適な投資配分は各用途における一般的再投資の流れの割引価値を限界点で均等なら

しめることによって達成される︒経済成長の目的が一人当り所得成長率を極大ならしめることであるかぎり︑この基       鋤  ・準の適用によって可能であり︑︑この基準に関するかぎり︑また限界分析の応用でもあった︒

 ガーレンソン・ライベンシュタイン基準︑それはユニークなものであるだけに︑その所説について幾多の批判があ

たえられた︒そこで本節においては諸家の批判を検討することによって再投資率基準の根本的性格をより鮮明ならし

めよう︒      ・    ︐      吻 再投資率基準に対する批判はまずハンス︑ナーイザーによってなされた︒ナィザーはライベンシュタインが雇用成長

と資本集約度との関係について示した数値表を検討し︑資本集約度の増大は資本深化の増大と結びついていることを

   経済成長と投資基準      五一

(14)

   研究年報      五二

指摘する︒そして資本集約度の増大が利潤について有利であるのは︑資本集約化の結果︑雇用量が少ないために総賃

銀支払額がより小となる場合だけであるという︒また︑ナイザーは失業による社会的費用は無視しえないという︒そ

うして極端な場合失業者も雇用者も消費は同一と仮定すれば︑どのような資本集約度が採用されようが︑総消費は同

一人掛るから︑資本集約度の上昇は産出量/資本比率を低下せしめることによって貯蓄率︑投資率を減少せしめるこ

とになるであろう︒そこで一般的に生産技術の選択が投資率にあたえる効果を決定するためには︑深化過程を選択す

ることから生ずる産出量の純損失と失業者の消費を雇用者の消費以下にせしめることから生ずる利益とを比較しなけ

ればならない︒選択の条件式として次の式をおく︑

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@  i叩−叩上︶︵一・︶v︵財け−鵡.︶      ︵H︶

 こ\でEは雇用量︑Kは資本ストック︑⁝は賃銀率︑cは失業者の消費を示す︒ガーレンソン・ライベンシュタイ

ン基準では︒は零とされている︒そこでナイザーは右の不等式から推論して資本集約化が資本深化をともなわないプ

ロセスであればω式の右辺は零或は負となり︑左辺は正であるから条件は常にみたされる︒しかし資本深化プロセ

スであると一般的な解答をあたええないという︒このナイザー批判にたいし︑ガーレンソン・ライベンシュタインは

失業の社会的費用を考慮にいれるべきだというナイザーの主張は承認する︒しかし人口密度の大なる後進地域の場合

資本集約度のいかんをとわず総消費は同一とするナイザーの仮定は考えられないとし︑失業が農業部門で偽装失業の

形で存在している場合︑労働者を都市部門の雇用に移転しても必ずしも此例的な消費財の量を都市地域に放出するわ

(15)

けでもない.そこで土地に残った者は以前には生存水準に近い中耳程度であったから︑この場合消費可能な量は増加

するであろう︒そこで失業者を土地に残すことによって︑生ずる消費費用は殆んど零に近いものとしてか\る費用を

無視することができる︒資本集約的な投資は新しい工業で実質賃銀を上昇せしめ︑そしてやがて非工業的人口で生活

水準を上昇せしめるその間のタイムラッグを長びかすに有利な状況をつくりだすと考えることができる︒このことは

ナイザーの︵≦一︒︶を増大せしめることによってω式の条件をみたすであろう︒ナイザーは命数の短い資本財と長い

資本財との間の有利性について次のごとく批判する︒この場合の問題は一定の資本をいかに投資すべきであるから︑

問わるべきは労働者一人当りの再投資額ではなく︑以前に投資された資本一単位当りの再投資額である︒命数の長い

資本財を選択することは資本の深化を意味するから︑投資資本一単位当りの粗産出量は他の条件ひとしいかぎり︑命

数の長い資本財の方が小である︒そこで最初の投資が命数の短い資本財である場合︑置換が十分でない期間︑ω式の

条件がみたされないと︑資本の粗蓄積はより急速となる︒ナイザーはいう︒ ﹁運営資本︵粗投資より置換費用を差引

いたもの︶のより急速な初期の成長という利益と︑初期の一時的な障害という不利益とを比較する基準を私は知らな

い︒﹂ガーレンソン︒ライベンシュタインは︑このナイザーの批判にたいし︑命数の長い投資は資本一単位あたりの産

出量が小︑それ故に資本一単位の再投資が小であるという主張は認める︒しかし命数の長い投資は︑初期では置換率

は低い︑後進経済の成長にとっては︑その︒フロセスの初期において最大の障害があると考えられる︒そこで資本スト

ックを初期の問に急速に増大せしめることが必要である︒このような見地からいえば一人当り資本蓄積率は重要であ

り︑恒常的な平均所得の成長のためには初期における急速な資本形成が特にのぞましい︒しかし︑ブリッツが指摘す

   経済成長と投資基準       五三

(16)

   研究年報       五四

るごとく︑資本財の命数が長期か短期かという点だけで︑どちらが経済成長に有利であるかを判定することはむつか

しい︒けだし資本財購入費用が長い命数の資本財ではより大であるよ・つな場合︑一方的に命数の長い資本投資が必ず      鮒しも有利だとは言いえないからである︒       ⑳ ガーレンソン︒ライベンシュタイン基準にたいして︑冒含嵐︒⑦ωは次のごとき批判を下している︒雇用法大化の

公式としてあげられた式の娼1①毒の部分については︑これは偽装された資本の限界効率であるという︒そして粗利      O潤はすべて投資されるという仮定の下づは︑限界効率基準に従って投資が配分されるならば生産能力が極大化される

ことに真実である︒たゾこの基準にしたがうことが何故に資本集約的な生産方法をとることになるのかという点で理

解が困難であり︑これは各個の場合に経験的に決定されるべき問題である︒またもしかーレンソン︒ライベンシュタ

インのごとく将来時点において︑一人当り産出量を極大ならしめる経済力の水準を達成すべきであるならば︑p一︒の

極大化によって可能であるという︒ガーレンソン・ライベンシュタインはこの 蜜︒①ω批判にたいし︑ ほ陵が資      O

本の限界効率を示すものだという点について反論しておらない︒ただ資本の限界効率は︑もっと一般的な投資基準を

あたえるものであって︑彼等の企図したものは︑或る仮定の下では資本集約的な設備に投資することによって︑雇用

を極大ならしめることを示したものにすぎないという︒また竃︒Φωは人口問題は産児制限のごとき予防的手段で解

決さるべきであるとし︑消費のきり下げ等によるべきではないとし︑生産の第一次的目的は少なくとも人口一人あた

りの消費水準を継続的に維持すべきだとし︑初期の投資より結果する生産能力の増大は︑一部分又は全部を︑消費財

の生産に使用すべきであり︑所得水準の上昇がある場合にのみ︑投資率を引上げることがのぞましいという︒

(17)

 経済成長問題の終極的目的が︑ひとびとの消費水準の維持又は極大化にあることは一致した意見である︒たゴ長期

的発展の見地よりして︑現在の消費水準を維持又は上昇せしめることが︑将来の経済成長と両立しない場合が問題と

なる︒永続的な低位の消費水準をとるか︑或は人口増加によりて次第に低下する消費をとるか︑或は又現在一時的な

困苦に耐えることによつで︑経済発展の成果がみのるにつれそ消費を上昇せしめる方を選択するかは︑関係国の任意

決定の問題であるが︑将来時点において一人当りの産出量の極大化を政策目的として選択するかぎり︑再投資率基準

によることがのぞましいというにすぎない︒尤も一人当り産出量の極大化が経済成長の唯一の目的だというのではな

くて︑それは考えるべき多数の目的の一つであって﹁ゴールは終極的には経済分析外より来る価値判断に依存する︒﹂

蜜ooωの批判も再投資率基準に致命的打撃をあたえる性質のものではなかった︒

 ガーレンソン・ライベンシュタイン基準によって︑資本集約的な技術の採用が一人当り産出量を増加しうるという      剛命題は︑次の二つの仮定を暗黙のうちに含んでいることをボーモールは指摘する︒即ち.失業者は結果において殆んど

消費しない︒或は失業はそれには相当する消費の減少を結果する︒そして労働の限界生産力は小或いはマイナスでさ

えある︒この点既述のナイザーによっても指摘されているところである︒Cが零又は殆んどそれに近いもっと仮定さ

れていることがナイザー批判の一つの根拠であった︒ボーモールもそれを明らかにする︒そこでもしか\る仮定があ

たえられるならば雇用量の減少は産出量に影響するところ少なく︑消費を減少せしめるから貯蓄したがって資本スト

ックの成長率を上昇せしめる︒いま資本にたいする牧穫不変を仮定して︑資本一単位当りの産出量をY︑雇用量をE

      ムし      うで示すと︑YはEの函数となる︒さらに資本ストック鼠で示すと総産出量は皿となる︒総消費量轟で示すと︑投

   経済成長と投資基準      − 五五

(18)

研空年報五六

資銑は

      目け11閑け+戸一閑け11組︵国︶国↓16︵国︶       ︵トっ︶

      図︒士11︵H十囑︵国︶閑叶一O︵国︶      ︵G︒︶

 そこで雇用の増加によって次期の資本ストックが増加するためには右の式より

      国罠︑︵国︶VO︑︵国︶      ︵心︶

の条件が成立する場合にかぎることが理解される︒ωの不等式の左辺は労働の限界生産力︑右辺は労働の限界消費を

示す︒そこで︑雇用労働者の消費と失業労働者の消費との差が労働の限界生産力より大であるならば︑雇用の減少は

産出量よりもより多く消費を減少せしめるから貯蓄を増加せしめる結果となる︒若しかかる仮定が認められるかぎり

労働排除的な︑資本集約的な生産過程の採用は︑貯蓄率を高めるであろう︒しかしボーモールは失業の発生によって

総消費が大して減少しないような場合︑或は労働の限界生産力が十分に正であるような場合も現実的に考えうること

であるから︑このような場合︑資本設備の僅かの増加或いは全く増加なくとも︑労働雇用の増加によって︑国民生産

物を増加することができる︒そこでたとえ資本の供給が制限的であっても一国の労働力を完全に使用することがのぞ

ましいと考えることができる︒ボーモールは結論して曰く﹁典型的な生産過程の最適資本i労働集約度は通常一国の

資本ストックとその労働力の大きさとの比率にひとしいであろう︒﹂投資計画の目的期間を比較的現在時点近くにとる

か︑遠い将来期間をとるかによって︑採用さるべき基準自体が異るであろう︒この点を明らかにしたのが前掲センの

分析である︒センは時系列基準を提起する︒この基準によりS・M・P基準と再投資率基準との聞の性格的差異を明

(19)

らかにする︒いま︑資本集約度が相対的に高い技術をH︑相対的に低い技術をしとしよう︒H技術の導入によって生

ずる消費の繋列は曲論で母乳L技術の導入によ.て生ずる消費の時系裂聖経で示そ乞篁図ではH技

      は最初の間は︑生み出される消費はL技術の場合よりも小と仮定きれている︒そこで      ノ      H技術の方を採用することによって初期の間に生ずる相対的な消費損失分艶面積が︑

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

繩冾ノおいて・生ずる相対的な消費の超過分αン面積とが藪するよ葛半間を・       A      娼①ユ︒餌oh窓oo<①麸とよびTで示そう︒ 次に技術の選択において考慮される計画期

      間をUで示すと︑ 響く日の場合︑L技術の方が計画期間内に高い消費系列をあたえ

 消費  Aバ D    るから︑その技術の採用がのぞましく︑ ﹇﹁V日の場合は︑H技術の採用がのぞまし

      い︒ ﹇﹁一目の場合︑選択は無差別的となる︒計画期間が一の場合は︑現在産出量の

極大化が関心事であり︑売上高基準或いはS・厳・︑基準にしたがい︑計画期間が無限大の場合は︑再投資率基準に

したがい︑高い成長率に関心をもつ︒尤もセンの図説では消費の時間選好の問題が入っておらない︒厳密にいえば時

間割引率が導入されねばならない︒センはこのような時系列基準をさらに簡単な後進経済的モデルを想定して補説す

る︒ まず経済を二部門に区分し︑B部門を後進部門︑A部門を先進部門とし︑労働力は8よりAに供給される︒A部門

の産業をさらに投資財産業と消費財産業︵穀物i指数問題を回避するためにこれを合成財と考えよう︶に別つ︒次の

仮定をおく︒

    経済成長と投盗基準      五七 C﹂  B 時T 図 1 ︾

(20)

   研 究 年報      五八

 一︑生産要素は労働と資本とする︒  F

 二︑すべての技術は同一の懐妊期間のオクレをもち︑資本の耐用年数は永久的とする︒

 三︑実質賃銀率はすべての技術にとって同一且コンスタント︒賃銀は全額消費され︑利潤は全額再投資される︒

 四︑資本財は労働のみによって生産される︒

 次の記号を使用しよう︒

 W︑消費財︵穀物︶生産における実質賃銀率

 一W︑資本財生産における実質賃銀率

 q資本財部門1の雇用量

 玩︑消費財部門皿の雇用量

 C︑A部門の総穀物生産量

 翫︑A部門における消費財部門の総支払賃銀額

 瑞︑A部門における消費財部門の労働生産力

       の       オ・︑集集約鴎これはセンによると・−誰で示され㍉

 H技術採用の場合は︑各記号に・のしるしをつけよう︒ ≦一≦︑♂割11劃︑ と仮定しよう︒ここでは 鋤く鋤︑

勺︒︿勺︒︑である︒

 先ず最初B部門における穀物の余剰Sの存在がA部門の活動を可能ならしめる︒

(21)

資本集約度は潜

  

@r−鞭

−津植﹃−細

  

@℃・−即

そこでピー艶 ︵凱︶︵①︶

︵刈︶

であるから︑

  

@ 

@ 

@ 

@ @ ︒−囎      ︵・・︶

 同様にH技術についても︑

  

@ 

@ 

@ 

@ @ ︒・−幽︒遍      ︵㊤︶

 H技術とL技術の選択ぽ︑ α11目の場合

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

g岬噌       曾  ︵5

の条件に依存する︒センはこれを売上高比率基準と考える︒もし将来における産出量の極大成長率が問題である場合

には︑最初の投資額のみならず︑再投資が重要となる︒

 そこで¢とαの比較ではなく︑ ︵Oi≦︒︶と︵ハ︑1≦︒︑︶の比較が闘題となる︒

   経済成長と投資基準      五九

(22)

研究年報−

従  c

d

2

E

Q

O

C

一翫

P

O

3

六〇

z19−夢パ媚−言.−ω︵幽鴫≦︶   ︵HH︶

そ−ρ一壽・一等−暮.・−ゆ尋紛ピ   ︵g

そこでH技術かL技術か︑その選択は︑

評即毛川伊噛匡       ︵HGQ︶

の条件に依存する︒センによればこれは再投資率基準である︒次の図がその理解を

助ける︒01の距離はS一︻wを示し︑これは瑞である︒玩はaに依存する︒ 資本集

      やゑ    りきよ約度は挙国のタンヂ午ンーで測ら奴・︐︿鴨く曵によ・て資本集約度

の増大が示される︒ また各技術の資本集約度の変化に応じて︑ 勺︒︿℃︒︑︿勺︒ミ

そこでA部門の総消費財の産出量が求められる︒

 O.陛℃︒賢︒ n︑11勺︒︑昌︒︑ Oミ℃曳ド〜

連続的な集約度の変化についての可能性が仮定されるならば︑各技術の資本集約度

に対応するAの互部門の雇用と産出量との関係を示すQ曲線が求めらる︒       いま実質賃銀率が第3図のW線の勾配であたえられるとしよう︒    ︑

類011窯ピ︒︑P点はZ一︵O一≦︒︶の極大を示す点である︒E点では極大産出量を示す︒そこで失業労働者の雇

(23)

B 93

C一W

α

Q

G

   諏

8一

4

︑C

経⁝済成長と投資基準 B8

0 A

5

術を採用することが有利である︒ ︵このことは既にヴイクセル︑J・ロビンソンによ 結果となる︒実質賃銀率が上昇すれば再投資率基準にしたがえば資本集約度の高い技 り︑T点では2110そこでS︒M・P基準を完全に適用すれば資本を縮少せしめる が上昇し第4図のW線の勾配で示されるとしよう︒極大産出量の点EではZ︿Oとな           される︒しかし︑再投資率基準にしたがうならばP点が選択される︒次に実質賃銀率 用によって他の生産に影響をあたえないとすれば︑S・M・P基準では︑E点が選択

っても明らかにされている︒︶

     c      c       ノ 第5図でW線で示される実質賃銀率からW線で示される実質賃銀率に上昇した場合︑

B技術よりA技術にきりかえた方が有利である︒蓋し窟伊︿︾頃﹀二︒であるからであ

る︒もっともこのことから低賃銀経済では必然的に資本集約度のより低い技術を選択

すべきだということにならない︒生産函数に不連続性がある場合︑たとえばA点で示

された技術と︒点で示され章草しか存在しないような場A・︑賃銀率轟線から瞭

で示されるものに下落したとしても︑A点で示される技術からC点で示される技術に

きりかえることは不利である︒ ρO・w︿>H︾こ︒であるからである︒

 次にセンはL技術は高い売上率をあたえるが︑投資可能の余剰率は低いと仮定して

消費財産出量の総和を求める︒

       六一

(24)

研究年報

粛㍗→ザ

六二

︵δ

ではあるが

       設㍉薯V癖剛固       ︵g

 B部門の穀物産出量を琉としコンスタンとする︒この部門より年々A部門に供出しうる余剰量をSとすると︑

第一期でL技術採用の場合の消費財産出量は︑

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@5−︿・+誰       ︵δ

第一期の瓦は

  

@ 

@ 

@: 21ρ−率−ω︵評巳      ︵5

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@>ダーρ霧鋤≦︶      ︵唇

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@﹀訂﹄零馳︶       ︵愚

 そこで第一期のA部門の穀物余剰によってつくられた資本ストックの増分より生じた第二期の殻物の増分は︑

  

@ 

@ 

@ 

@ 

Q×ωへ㍗峯   ・         ︵・︒︒︶

(25)

第二期の亀によりA部門の殻物はN

      り11妨物ρ       を鋤

そこで第二期⁝の消費財︵殻物︶の総産出量は︑

      511く︒+紹︒      ≦9Ω

第三期では︑

       Q︒罰

第蔽期では︑ マ了 陶︒染︶﹂  ﹂

照・・一照︒+七一マ+︵一+ゆβ肉    ⇔≦︶+︵一+㎏︶舗署︶︑︒﹂

ガーー囑︒+ゆ四ρ     ≦鋤

−+︵H+

  

@﹁ド+︵H+℃舗謹︶+︵一+

℃舗づ︑︶.︑−︑﹂

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

@︵一+℃舗縣︶⊥

      欄ロー1く︒+QD汐一−一勺︒1芝

そこで第n期までの総和を求めると︑

   経済成長と投資基準 薪睡︶︑︒﹂+⁝

六三

︵9(トっbチ︶

(トっ

黶j

(bっ

gっ︶

(トっ

ヨ︶

(26)

研究年報

㍗昌H蓼+晦ω評︵H+℃築イH 六四

℃︒1割

(卜⊃

・j

      昌H戸      昌H日

次にH技術を採用した場合の消費財産出量の総和を求めると︑

い折Hけデ㍗骸一+勺騎㎏7.

昌日戸づH目

℃︒︑一薫

(b。

ソ︶

⑳と⑳との差を求めて︑

O峠

       け

−鑑蛤︼

      づH一 ﹁倉+調誓︶⊥﹂−ω℃㍗輔

       け

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 

lワ+調曳︶昌−凸      ︵・・Φ︶

      づ口扇

そこでUげ>Oならしめるtの最少値はb①且o丁々$8<①身Tである︒計画愚案Uとの対比において︑肩︿口で

あればH技術の選択がのぞましく︑ ↓﹀口であればL技術の選択がのぞましい︒上式で︑ ¢一1け11一とおくと

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 浮P細︵贈︑−歯p︶         ︵・・¶︶

(27)

仮定によりて︑

      UH︿O       ︵鵠︶

 そこでL技術が選択される︒これは売上高比率或いはS・M・P基準である︒ ¢一什一18とすれば︑

      U8>O       ︵トっO︶

 そこでH技術が選択される︒これは再投資率基準である︒センは結論する︒此等二つの基準はもっと一般的なア︒フ

ローチの限界的なケースであると︒

 以上はセンの時系列基準によるS・M・P基準と再投資率基準の対比である︒再投資率基準の計画期間をセンのご

とく無限大に限定する必然性はない︒将来の確定時点における人一当り産出量の極大化が再投︐資率基準による発展計

画の目的とするところである︒またセンの分析はA部門の消費財部門のみの発展を取扱っており︑発展過程における

他部門との関係については完全に無視されている︒更に再投資率基準の説明においても︑此の基準の一面的な性格の

みに分れており︑所得水準の上昇︑人口変化︑貯蓄率の変化等の関係についてガーレンソン・ライベンシュタイン基

準のあたえた命題については何らふれるところがない︒       關 センは最近の論文において︑再び資本集約度の問題にふれておる︒センはこの論文でガーレンソン・ライベンシュ

タインの再投資率基準に言及しているから︑右の説明を補足する意味で︑以下センの分析を考察しよう︒センのさき

の論文では消費財部門における技術選択の問題が取扱われたが︑この論文では投資財部門における技術選択の問題が

考察される︒経済を先進部門と後進部門との二部門に分別し︑後進部門における余剰労働力は何らの社会的費用を生

   経済成長と投資基準      六五

(28)

   配研  究  年  報       ⊥ハ山ハ

ぜしめることなくして先進部門に移転しうると仮定される︒A部門では三つの産業部門が存在する︒消費財︵払物︶

産業部門C︑C部門用の機械製造部門1︑及び1部門用の機械製造部門J︑まず﹂部門で1部門用の機械は労働のみ

で生産しうると仮定する︒1部門における資本集約度の選択が問題である︒労働の生産力及び資本集約度は︑

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ N−℃ご 康−⁝ 掌−σ   ︑

としC部門の資本集約度は︑既に与えられており︑1部門における技術選択によって影響を受けないと考える︒J部

門及−部門での生産期間は一年と仮定する︒t期における1部門の平心用量は資本集約度より

      ぜ け

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ ャ−︵いi+い〒・+⁝−+い一じ中−−㌣黒い冒  ︵ω︒︶

      ×μ

同様にC部門の雇用量については︑

       目   H け占       い9匹︵b窪−昌+日暮−一十⁝⁝+い富︶一H一 ﹄ い窟         ︵oQH︶       9ρ      自︒      図匹O

 右の式では隔は零であるから含まれておらない︒二式から

  

@ 

@ 

@ 

@ @ξ−﹁い一τ毒﹂τ+ωい﹂r+⁝−+︵けlN︶い一山卸

  

@ 

@ 

@ 

       N剛同@ @ −部叶酬︑︒×ピ〒 μ       ︵ω・・︶

(29)

B部門の年産出量をYとしてコンスタント︑全経済の総消費財産出量をYで示すと︑t期では︑

      が一い︒け℃︒+刈      ︵︒︒︒︒︶

後進部門における殻物の年余剰を言︑先進部門における総余剰をSとすると︑

       ωけーーいg︵勺︒ーミ︶+ω      ︵︒︒心︶

この余剰に依って1部門とJ部門の労働雇用が維持されるから

       ωけ11︵﹃け+P暮︶≦      ︵Q︒軌︶

計画期間における総消費は

        ネ   ︾H ﹄ 嶋け       ︑       ︵Qo①︶      け一戸

Aを極大ならしめるbを選択することが問題となる︒連続性を仮定して︑その条件は

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ 栫│ρ   羅︑︿O      ︵巽︶

琉を一定とすればbの上昇はaを抵落せしめる︒そこでbとaとの問に函数関係が存在するから1部門では︑

      鋤11︑︵び︶      ︵ωQ︒︶        しかし瑞が変化すると考えれば瑞はbが一定であればaの上昇によって︑或はaが一定であればbの上昇によって

増大しうる︒そこで恥とa︑b三者の関係が知られるならば︑問題は解ける︒消費財部門︑投資財部門における技術

   経濱成長と投資基準       六七

(30)

   研究年報      ︑        六入

選択の問題を同時的に考えて見よう︒機械製造にはタイムラッグは存在しないと仮定しよう︒消費財部門で労働者一

人を追加雇用するためには投資財部門ではa人の労働者が雇用されねばならぬとし︑投資財部門で労働者一人を追加

雇用するためにはその部門でb人の労働者が雇用されねばならぬと仮定しよう︒ ︵センの分析では以下玩と覇の区別

はない玩一本で考えられている︒︶そこで

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ オ−蛉︒旱嚇σ      ︵Qo⑩︶

投資財部門の雇用量はまた︑

      ゴー皮℃﹁≦︶      ︵お︶       ≦

琉は労働の生産力︑Wは実質賃銀率を示す︒技術不変として︑右の式から︑

      α潔   q﹇一      一隆r−Lド﹂ーー﹂に一﹁       ︵自︶      U︒ ! ピ一 −旧著︒1≦︶+9︒毛

 右の式はまた消費財生産の成長率を示す︒

 技術選択の問題はa︑b︑琉のいろいろな組合せの選択の問題である︒めがあたえられるならばaの上昇は瑞を上

昇せしめる︒同様にaがあたえられるならば︑bの上昇は耽を上昇せしめる︒上からa︑b︑琉及びωの成長率9の

四つの未知数と︑生産函数

(31)

︾︒

㌦、

i♪ε︵§

極大条件

◎σ曵  1103一

(心

pQ︶

  

@ 

@ 

@ 

@ 

@ u−︒       ︵毒

の三つの式に鯛式を加えた合計四つの方程式から体系の解は求められる︒ び110とした特別な場合︑働式は

  

@ 

@ 

@ 

@ @ σ・−陶馴固       ︵心一︑︶

センは饗ギレンソン・ライベンシュタインが雇用成長率極大条件式として示した陶酬.白箱当するという︒

 次にセンは二財の生産と消費の場合を考察している︒二財をズ︑Yとして︑労働者は一定比率で消費するとする︒

いま脇と脇の一定量が初年度後進部門から先進部門へ余剰として移転されるとし︵一回限り︶各労働者の消費量 x ﹁y

をで示すと︑初年度で投資財部門の雇用量は

      い一︒一柊11怪      ︵δ      麟     囚

 この雇用量で先進部門で更に消費財X︑Y生産のための機械がつくられる︒機械は労働のみでっくられると仮定す

       る︒問題は雇用配分の問題である︒玩︑玩︑瑞︑恥の記号を使用して

   経済成長と投資基準      六九

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