各種植物病原菌に対する微酸性電解水の抗菌効果
津野和宣 ・中村悌‑I)
宮崎大学農学部植物生産環境科学科
l)森永乳業榊食品基盤研 究所生物機能研 究部
(2011年12月22日 受理)
Anti‑bioticEffectofSlightlyAcidicEIectrolyzedWateronPlant Bacterial/FungalPathogen
KazunoriTsuNOandTeiichiNAM URA .)
DepartmentorAgrjculturalandEnvironmenta一ScienceS,FacLlltyofAgl.icutttlre,University ofMiyazakj l)Biolog)catFL‑nCtjonResearchDepartmen‑,FoodScienceandTechnologyInstitute,
MorinagaMilkTl‑dLLStlYCo.,Ltd.
Summary:Theantj‑bioticeffectofslightlyacidice)ectrolyzedwateronplantpatl10genWasdetemlined.Thespores of4kindsoffungal pathogenandL7kjndsofplantpathogenicbacteriawereappliedatdifferentconcentration.
Slightlyacjdicelec什oLyzedwatershowedstronggrowthinhibitioningemlinationoffungisporestested.Inad‑ dition,bythetreanTlentWithslig]ltlyacidicelectrolyzedwaterfor30see.,aHkindsofbacrel.iatestedwereinhibited togrow onthemediLlm.
Theanti‑bioticeffectobservedinthissttldywasconsideredtobecausedbybypochJorousacid(HC10)iT)the slightlyacidicelectrolyzedwater,whichhasbeenpointedoutintheinhibitionmechanism incaseofhumanpath0‑
genappliedwithslighr】yacidicelectrolyzedwater.
Becausetheanri‑bioticeqectofsHghtlyacidice暮ectrolyzedwaterwasnotpersistentandresidual,sliglltLyacidic electrolyzedwatermaynotbeeffectivetoconn'Olthediseaseafterseverelyoccllrred.slightlyacidice]ectrolyzed watermaybeuseRllil‑the伝eldtocontrolthepopulationofplantpathogenstll.rOtlndingtheplalltSOrtOPreventthe pathogeninvadingbefoT'ethediseaseoccuTTed.
Keywords:Jhti‑bioticEffect,SlightlyAcidjcElectroLyzedWater,plantPathogell,PlantDisease.
緒 言
植物病害防除のために使用 され る農薬は,環境 汚染や窮境 ホル モン問題,生産物‑の残留性,薬 剤耐性歯の誘起,生態系か く乱な ど種々の問題 の 要匪】となってお り,よ り安全で環境負荷の小 さい 植物病害防除法の開発は持続的農業生産の確 立の
ためにも大 きな社会的課題 となっている.
近年,希塩酸や低地度の塩の水溶液を電気分解 して得 られ る電解水が広 く抗菌作用 を有 し,食品 衛生管理, 口腔洗浄,医療器具や手指洗浄 な どに 利用 されてきている.この電解水の特徴 としては, 強い殺 歯効果に加 えて,急性毒性 (経 口毒性,皮 膚刺激性)や盃急性毒性 (外観 ,体重,血液,組 織)な どの評価試験によって高い安全性が認 め ら
THJ'T:才戸井:相野 和立
宮崎大学戊7:部捕物生産戯境科学科
〒889‑2192宮崎 苗字閲木花台西 卜1
・CorrcspondingautllOr:KEl訓nOriTSLJNO DepartmclllOrAgricuhuralandEnvirol1mentalScicnccs,
FacullyOrAgricuhurc,UniversityorMiyaz{lki
IllGakucnKibana・daiNishi,Miyazaki889‑2192,Japan
れ人 畜 に与 える影響 は少 ない と考 え られ てい る (清 水 1993;加藤 1999;中村 2001;振 田 2001;
鈴木 ら 2005b).電解水 の抗菌作用の主体 は次亜 塩 素酸 (有 効 塩 素 ) と考 え られ てお り (中村 2001;堀 田 2001),そのため耐性菌出現の可能性 が低 い と考 え られ てい る (機能水研 究振興財 団 2001;棚 田 2001).これ らの利点か ら,電解水は 医療分野 (患者 の処置 ・治療,各種 医療用器具の 洗浄)や歯科分野 (口腔洗浄 ・殺菌) を中心に利 用 され てきた.
この よ うな背景か ら,平成14年6月に厚生労働 省 か ら電解水は殺菌料 として食品添加物に指定 さ れ.食品加= (調理施設衛生管理,食材洗浄除菌) や食 品関連工場の衛生管理 な どといった幅広 い分 野 で も殺 薗や微 生物制御 目的 (加藤 1999;五十 部 1999;qJ村 2001;掘 EE12001)で使 用 され る
よ うになった.
以上の よ うに,電解水は実用的な抗菌資材 とし て非常に多 くの利点がある反動 い くつかの課題 も挙げ られている.第一に,有機物な どに触れ る ことで急速に次亜塩素酸イオンが消費 されていき, 殺菌効力が急速に低下するため (黄 ら 1997), 当 初の殺 菌効力を持続 ・維持することが困射Eである.
第二に,浸透作 がないために動植物な どの表面部 分での殺菌 には効果が認 め られても,内部の微生 物 については殺菌効果 が見 られない点である (鈴 木 ら 2005C;鈴木 ら 2005d).要す るに,電解水 は即時的な殺菌力は発揮できても,持続的な殺菌
^は期待できず,また,浸透性がないために電解 水 の触れた部分のみで しか殺菌力 を発揮す ること ができない (黄 ら 1997;鈴木 ら 2005C;鈴木 ら 2005d)とい うことも特徴 と言える. これ らの点 は,低 い環境負荷 と人畜への安全性 (非持続的な 抗菌効果,低残留性,低い人畜‑の毒性,低 い環 境負荷)を意職 した植物病原病害防除 を考 える上 で,極 めて有望な特徴 である.
電解水は, コ レラ菌や赤痢菌な どの ヒ ト病原菌 等に対 して強い抗菌作用を持つ ことが知 られてい るが (土井 1999,岡本 ら 2006),植物の病原菌 に対す る抗菌作 用 につ いては筆者 の総説 (津 野 2007)を除いて未報告であった.そ こで,本研究 は電解水 を農業生産分野,特に植物病害の抑制 に 利用す ることを 目的 と して,電解水 の植物病原菌 の分生胞子お よび植物病原細菌に対す る抗菌作用
(生育阻害効果) を詳細に検討 した.
材料および方法
1.植物病原菌類の分生胞子 に対する発芽 ・遊走 子放出抑制効果
微酸性電解水によるキュ ウリのべ と病菌, トマ トの菓かび病菌お よび灰色かび病菌それぞれの分 生胞子の発芽 ・遊走子放出に対す る抑制効果 を検 討 した.
(1)供試分生胞子
施設栽培 キュウソ葬 (品種 ̀夏ばや し', 自根) お よび トマ ト薬 (品種 ̀桃太郎 ファイ ト', 自根) において 自然発病 したべ と病,菓かび病お よび灰 色かび病それぞれの病斑か ら採取 したキュ ウリべ
と病菌pseLIdopero'wsporacLIbetlSis, トマ ト葉かび 病 菌Fu/vt'a/Ll/vaお よ び トマ ト灰 色 か び 病 菌 BotrytI‑sfLICke/iaJlaの分生胞子 を供試 した.
(2) 微酸性電解水
微酸性電解水は,微酸性電解水製造装置 (ピュ アスターMp‑240,森永乳業株 式会社) を用 いて 生成 した.被検液 として,微酸性電解水 (有効塩 素濃度25ppm,pH3.8‑5.8),微酸性電解水 を滅 歯蒸 留水 で10倍 に希釈 した液 (有効塩素濃度2.5 ppm), 100倍 に希 釈 した液 (有 効塩 素濃 度0.25 ppm),お よび1000倍 に希釈 した液 (有効塩 素濃 度0.025pplll)を供試 した.微酸性 電解水 の有効 塩素濃度は,㈱東洋製作所製の残留塩素 ・水素イ オ ン濃度比色測定器OT法rn型で測定 した。 また, pHは東亜デ ィーケ‑ケ‑㈱ pHメー タflM ‑25型 で測定 した。対照 としては,滅菌蒸留水 に希塩酸 を添加 してpHを微酸性電解水 と同様 に調整 した 液 を供試 した.
(3) 分生胞子に対す る発芽 ・遊走子放出の抑制効 果
滅菌 シャー レ内にろ紙 を敷 き,滅菌蒸留水 をろ 紙に通弧滴下 して湿室を作製 した.このシャー レ 内によ うじを2本並べ.その上にス ライ ドガラス を置いた. このスライ ドガ ラス上に.次に述べる 分生胞子懸濁液 を一定量静正 し,経時的 (113 時開拓)に顕微鏡下で全胞子数お よび発芽胞子数
を計測 した.全胞子数お よび発芽胞子数は, 3反 復の試験 を2回行 い,各平均によって求 めた.
キュ ウリ菓あるいは トマ ト薬 の病斑部それぞれ か らキュ ウリべ と病菌, トマ ト柴かび病菌および
トマ ト灰色かび病 歯の分生胞子を滅 歯 白金 耳でか き散 り, 100FLlの微酸性電解水に懸濁 して分生胞 子懸濁液を作製 した.また. この胞子懸濁液中の 胞子濃度 を10倍に薄めた胞子懸濁液 を作製 した.
これ らの胞子懸濁液 をそれ ぞれ20f∠lず つ と り, 被横根 とした.被検波 を湿豊 中のス ライ ドガラス の上に静置 した.
2.植物病原菌類の分生胞子 に対す る殺菌効果 (1) 供試分生胞子
当研 究室保存 の トマ ト萎凋病菌, タマネ ギ灰 色 腐 敗 病 菌 , トマ ト灰 色か び病 菌 の胞 子 を供 試 した. トマ ト輩凋病菌Fusan'umoxyspo'・・乙Imf.sp.
lycope'・sEcE KF20‑1. タ マ ネ ギ 灰 色 腐 敗 病 菌 BoIJγ/['s a/lilSB21‑1お よび トマ ト灰 色か び病 菌 Bolry/['s cine/・・eaBT21‑1をpDA培地 (Potato dex‑
troseagar,Difco社 )を用いて25℃ で7‑10El問培 養 し,形成 された胞子 を採集 して滅菌水中に懸濁
してそれぞれの胞子懸濁液を作製 した.
徴酸性電解水 は,先に述べたもの と同様 の もの を用いた.
(2) 分生胞子に対す る殺菌効果
20℃ の微酸性 電解水 (有効塩 素濃度20ppm, pH6.2) 9.9mlと0.1mi の各胞子懸濁液 を速やかに 混和 して所定の時間 (30秒 間, 1分 間,2分 間, 5 分 間)静置 した後 に,0.lmlをとりPDA培地上 に
コンラージ棒で塗布 した.25℃で7日間インキュー べ‑ 卜後の生育 コロニ‑数 を計測 した.対照 とし て,微酸性竃解水の代わ りに滅菌蒸留水 を用いた.
また,微酸性電解水に含まれ る有効塩素濃度 と殺 菌効果 との関係 を評価す るために,有効塩素濃度 の異なる3種争覇の微酸性電解水 (10pprn,20ppm, 30ppm,それ ぞれpH6.2)を供試 した.対照 と し て,微酸性電解水の代わ りに滅菌蒸留水を用いた.
3. 植物病原細菌に対する殺菌効果 (1) 供試植 物病原細菌
当研究室保存の寄生性 を異にす る各種植物病原 細 菌17種輝 C4grobacferl'LIm lLtmejbciensKU7411, En4JI‑m'a cal・0/al,Ora Sllbsp. carolavoJ・a N7106, XallJJIOmOJlaS CamPeSLI・Es pv. phaseolt'318‑2, .1'al1/homonas campeslJ・・is pv. campesLrL'i・肌 XaJl/homonas campes/rI.i PV・ g/ycl'nes S‑12, Xarl/homoJlaSCamPeSLn‑ipv.cifl・/I (Xanthomonas
oxo170POdispv.cl'trL) I‑1,Xal'/homonascampes/rt's pv.cLlCuJイbitaeK16,Xa/1/homoflaS CamPeSlrl‑spv.
vigm'co/0 268‑3, Xanthomo17aS CamPeStl・is pv・
vesEIcatria tomato‑muro,XanlJ70m01105 0lyZaePVl oJγZaeT7174,Xan/homo17aSOryZaePV.Orizico/0 2‑3,Pseudomo110S Syrlt7gOePV・Jabac['KU7103, PSeLLdomop7aSSyrl'llgaePV・/ac/1ryma11SNIAS1321, PseLLdomo110S Syrjngae pv. sfria/aciensp‑73, Pseudomonas syrl.ngae pv. g/ycinea KN135, PseLldomollaSSyT・/'ngaepv./Oma/0MAfF O310159, P5・eudomol'aSSyrl'ngaepv.plSI'MAFF 03‑01213)
を供 試 した . これ らに加 え て , 腐 生 性 細 菌 (psezldomonas JloIJ'・eSCenS) お よ び 大 腸 菌 (EscherichiacoIL'f‑rBIOl)の計19種類 の細菌 に対 す る殺菌効果 を評価 した.
微酸性竜解水 は,先 に述べた もの と同様の もの を用いた.
(2)細菌に対す る殺菌効果
細菌はPSA (ジャガイモ半合成寒天)培地で前 培養の後に. 10mlのPS液体培地 で24‑48時間,25‑
30℃ で液体振 と う培養機で振 と う培養 し,所定の 濃度 に滅 菌蒸 留水 で希釈 後 に0.21111を と り,1.8 mlの微 酸性電解水 を混和 し約30秒 間作用後 に直 ちに100倍以上に希釈 し,希釈平板法で常法に従 っ て細菌数 (Cfu)を計測 した.
微酸性電解水処理 に供 した細菌の浪度 (cRl/0.2 ml)は,概ね102一.Cfu, 10SJ'cttt, 107'Bcfuの3段 階
を設定 して行 った.対照 として徴酸性電解水 と同 じpHに塩酸 で調盤 した滅菌水 を用 い,供試細菌 数の計測を行 った.
結果および考察
1.植物病原菌類の分生胞子の発芽 ・遊走子放出 に対する抑制効果
微酸性電解水 中に懸濁 したキュウリべ と病菌, トマ ト菓かび病菌, トマ ト灰色かび病菌の分生胞 子それ ぞれ の発芽 ・遊 走子放 出数 お よび対照 を 100と した ときの各発芽 ・遊走子放 出率 を表 1に 示 した.この表 か ら明 らかなよ うに,対照 では供 試 したいずれの菌の分生胞子においても概 して半 数程度が発芽あるいは遊走子放 出を行 ったが,徳 酸性電解水 で処理 した ものでは各分生胞子の発芽 率あるいは遊走子放出率は対照のほぼ40%程度 あ
るいはそれ以下であった.
表1 徴酸性電解水が胞子発芽 ・遊走子放出に及ぼす影響
処理 区 キュウリべと病所 トマト菓かび病訴 トマ ト灰色かび病菌 微酸化屯解水‖ 19.9 (3LI.8)n L6.8 (37.8) )9.LI(JIO.1) 対照 '') 57.1 (100) 44.5 (100) 48.LI(100)
l一散赦仕官tiA柑こ:有効塩瀬約度20ppnl.PH5,8
" 対照 :滅戯恭助水を0.IMHClでpH5.引こ凋境
ヨー数 値は処理10時間後の胞 子 発# ・遊 jii・子放 出軟 ,カッコ内は対照 をIOOと した ときの相対帖
一一トつ
‑ ト Q t
.A .
図1 A:徴酸性確満 水によるキュウリべと病菌分生胞子からの遊走子放出の抑制 (微酪作 電解水処徴 10時間後)と8 :キュウリペと病菌分生胞子からの遊起子放出 (対照)
・+ T‑、 .
娼 =コ顎 r
A ‑■も LI
図2 A :微酸憎三麗解水による トマ ト非かび病菌分生胞子の発芽抑制 (微酸化韻解水処理10 時間後)とB:トマ ト柴かび病菌分生胞子の発非 (対照)
Al㌻
・ + G
■■■r1‑ a
・ +C i p
A :微酸性髄解水による トマ ト灰色かび病幽分佐胞子の発芽抑制 (処理10時間後) と Bニトマ ト灰色かび病菌分生胞子の発非 (対照)
また,図1‑ 3に微 酸性電解水処理10時間後 に お け るキュ ウリべ と病菌, トマ ト薬 かび病菌お よ び トマ ト灰 色かび病菌 の分 生胞子 の発芽 ・遊走子 放 出阻謡 を示す顕微鏡 写真 を示 した.各分生胞子 は形態的な果常は呈 さず,発芽 ・遊走子放 出を停 止 していた. これ らの こ とか ら,微 酸性電解水 は
植物病原 (糸状)菌類 の分生胞子か らの発 芽ある いは遊走子放 出を強 く阻審す るもの と考 え られた.
微 酸性電解水 を段階希釈 して処理 した各分 生胞子 の発芽 ・遊 走子放 出の結果 を表2に示 した.いず れ の菌種 の分生胞子 においても,微 酸性電解水 の 希釈倍 率が高 くな るにつれ て発芽 あ るいは遊走子
表2 希釈 した微酸性電解水が胞子発芽 ・遊走子放出に及ぼす影野
姓F̲控区 キュ ウリペ と病帝 トマ ト菓 かび病 繭 トマ ト灰 色かび病菌 徴酸竹 f!1節水 ‖ 22.1(40.6)・t' 10.7 (22.∠l) 20.0 (36.0) 微酸他 'Lj'E僻水10倍希釈液 31.8 (58.5) 17.1(35.8) 32.1 (57.8) 徴酸.性屯節水100倍希釈亨佼 LH.5 (76.3) 29.0 (60.7) 38.2 (68.8) 徴酸性怒鵬水 1,000倍希釈液 51.0 (93.8) 42.0 (87.9) 18.3 (87.0) 対照n 5Ll.4 (loo) 47.8 (100) 55.5 (loo)
L'微値性'・屯解九 ・有効塩 kt浪度20125ppm,pH31715,7 n対娘 :滅菌燕留水を0.lM llCLでpI‑[3.7‑5.7に調解
ユ)数値は処理10IT榊1陰の胞 Ll発顔・遊ぶ(一放出敬,カッコ内は対照を)00とした ときの相対値
表3 分生胞子に対する微酸性電解水の殺菌効果
植 物病 Jh7幽頬 微酸性奄解水処理時間 (/J))
0 0.5 1 2 5
トマ ト歩調病幽 2.4XIOr' 0 0 0 0
タマネ ギ灰 色腐敗病描 2.7XIO与 o o o o
トマ ト灰 色かび柄 歯 5.5×IO. 2.8×LO‑ Ll.0×10= 2 0
')R中の敬flllfはPD^培地におけるcriI/nll
放出率が高まった.すなわち,微酸性電解水に含 まれ る有効塩素 (次亜塩素酸)の浪度 の低下 とと もに分生胞子の発芽あるいは遊走子放出率が高まっ た, 100倍希釈 した微酸性電解水 (次亜塩素酸濃 度0.2‑0.25ppm)で処理 した分 生胞 子 では, 希 釈 していない微酸性竃僻水 (次亜塩素酸濃度20‑
25ppm)で処理 した もの に比べ て2‑ 3倍程度 発 芽率 あ るいは遊走子放 出率が高 か った.1,000 倍希釈 した微酸性電解水 (次亜塩素酸濃度0.02‑
0.025ppm) で処 理 した分 生 胞子 で は , 対 照 の 9割程度の発芽あるいは遊走子放 出が認め られた.
以上の よ うに.微酸性電解水の植物病原 (糸状) 菌類の分生胞子 か らの発芽 あるいは遊走子放 出を 阻審す る作用は, 1)阻害過程にお ける分生胞子 の形憶 は維持 されていること, 2)分生胞子か ら の発芽 ・遊走子放 出に対す る阻害作用は微酸性電 解水の希釈 に伴 って減 じてい くことな どか ら,微 酸性電解水の抗菌機作は ヒ トの病原菌における抗 菌機作 (鈴木 ら2005a;鈴木 ら2005b)と同様 に 微酸性電解水 中の次亜塩素酸によるもの と考え ら れた.
2.植物病原菌類の分生胞子 に対する殺菌効果 微酸性電解水 による分生胞子の殺菌効果 を表3 に示 した.供試 した各植物病原菌類 の分生胞子濃 度 は, トマ ト輩凋病菌が2.4×106Cfu/tT)1. タマネ
ギ灰 色腐敗病菌 が2.7×10scfu/rnl, トマ ト灰色 か び病菌が5.5×LOIcfu/mlであった. トマ ト萎凋病 歯お よび タマネ ギ灰 色腐敗病 菌 の分 生胞子 は, 0.5分 間以上の微 酸性 電解水処理 に よって殺菌 さ れ た.一方, トマ ト灰色かび病 歯の分生胞子は, 0.5分 間の微酸性電解 水処理 に よって約9割 が殺 菌 され, 1分間の微酸性電解水処理 によってさら に約 9割が殺菌 された, 2分間以上の微酸性電解 水処理 によって供試 した全ての分生胞子が生育 し なかった. これ らのことか ら,徴酸性電解水は, 植物病原菌類の種類 によって若干の差はあるもの の極 めて短 い時間で分生胞子 を殺菌す ることが明 らか となった.
表4 (一部既発表)に異な る有効塩素 (次亜塩 素酸)濃度 の微酸性電解水で分生胞子を処理 した 結果を示 した.この とき供試 した各植物病原菌頬 の分 生 胞 子 濃 度 は, トマ ト婆 凋病 菌 が8×105
Cfu/Tnl, タマネ ギ灰色腐敗病菌が1.5×10■'Cfu/ml, トマ ト灰 色かび病菌が5.0×106cfLl/m)であ った.
微酸性電解水の殺菌効果は歯種 によって多少の変 動が見 られ るものの,いずれの供試 した薗種の分 生胞子 にお いて も次亜塩 素酸浪度20ppm以上 で
2分間処理す ることで殺菌効果 が認 め られた.
したがって,表4においても,表2の結果 と同 様 に微酸性電解水の抗菌作用は微酸性電解水 中に 含 まれ る有効塩素 (次近塩素酸)浪度 に依存 して
い るこ とが示 され ,短時間 で抗 歯効果 を発揮す る 理 由は次亜塩素酸 が胞子 と接触す る ことに よるも の と考 え られ た. これまで,植物病原菌以外の頁 菌類 に対す る電解水 の抗菌作用は報告 され てきた が (清水 お よび古 沢 1993;黄 ら 1997),本研 究 に よって植物病原 菌類 に対す る抗菌作用 について も示 す こ とが で き た . ま た , 微 酸 性 電 解 水 が 10'cAJml以上 とい う高過度の胞子密度の蘭 に対 し ても十分な殺 菌効果 を発揮することを明 らかに した ことか ら,微酸性 電解水 の殺菌作用 を農業生産現
場で実用的に利用できる可能性は高い と思われた.
3. 植物病原細菌 に対す る殺菌効果
微 酸性 電解 水 で低 い濃 度 (102lcfu/0.2mI) の 細菌を30秒 間処理 した結果 ,供試 した細菌はいず れ も生育 しなか った (表5). さらに10‑100倍淡 皮 (105‑6C良l/0.2ml)とい う比較 的 高濃度 の細 菌 を微 酸性電解水 で処理 した結果,一部の細菌にお いて若干の生育 が認 め られ た ものの,多 くの細菌 では生育 が見 られ なか った (表6:一 部既発表 ).
表4 異なる有効塩素浪度の微酸性電解水による分根胞子に対する殺菌効果
植物病原‑lTj煩 微 酸性 塩 節水 の 微 酸性 電 解水処理 時間 (分 )
イT効塩 素 浪度 0.5 L 2 5
10ppm
トマ ト萎凋病 僻 20ppm 30ppITl
10ppm
トマ ト灰 色かび揃Iui・ 20ppm 30ppm
LOppm タマネギ灰 色腐敗病歯 20ppm
30ppm
+
十 十
+
十 十 十 +
+ +
+ +
十 :コロニ ー 牡 丹あ り, ‑ :コロ ニ ー/F‑宵な し
表5 微酸性紙解水の解物病原細菌に対する生育阻害 (1)
細 歯 処畔細 歯数 (cFu) 生市細 歯数 (cfh) ,4gJ・DbL7C/el・i""fIIme/acI'C,JS
E7‑I"‑acl"10ICtJOl・a・Subsp・chl・DlaVOrO Xl"1rhomoJIEISCa"IPCSIt・I'spv・PJ7EISeO/t' XElJtrho/〃oItE)SCLl/lJPeSIl'ispv・caJILPeSrl‑is XaJtrj701T10"{ISCamPeSIrispv・g/ycines
XaJtrJIOmOJ7aJ).L・a/IIPCS/J・t'.1・PV.CitJ・I. 'Ya/trhomoJtaYCa〝lPeS/rt'spv.ctIL・tLl・ibiIae XaJIIhomoJTaSCaJltPeSIl.ispv.vlg/JlCOIa JYaJlrJlOmOJlaSCa/llPeSIrispv.vesicaIl.ia XElJlrJ7(uT70JlaSOly̲,aePV.0JyZae A'aITrJIO1110JIO.llDIY̲‑aePV.07jzicD/a PseLIdol110110.,.tyl・lJ7gaePV.lObaei Pse一′do〃IOJtlXi・Syr・JlgaePV.IacJ"‑vma17S Pselldo〃1DJlafSyrI'IlgOePV.SIl・ioJac・1‑e"S PseLrEJoHlu/taSLr,I"・iJlgOePV.g/yciJlea PseJ,dolltOJlaSSyJ・lngOePV.IOlllaIO PseLldo/〝O/10SSyl・lllgOePV.PISi PseJIdo"tOJIE7SjloLI/・eSCeJIS E.yche/.IChiaco/i
6.96×10' 0 7.90×10T o 7.60×103 0 7.30×10】 0 7.00×101
1.10×101 9.00×103 1.28×101 5.63×lot LL.15×101 7.55×10さ 1.30×101 1.23×10■
4.00X10‑' L.70X10=
L.30X)0‑
Jl.23×loょ 5.70X10: 3.日 XIO3 微 轍仙'犯節水は,祈効Jk糸添皮25ppnl,PH5.0‑5.2