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抗酸菌症

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Academic year: 2022

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■おもな研究内容

■共同研究・特許などアピールポイント

●本研究は水産総合研究センター増養殖研究所、

鹿児島県水産技術開発センターと共同で行ってい ます。

●開発技術は早期の特許出願を検討しています。

研究分野 魚類免疫学、魚病学

キーワード ミコバクテリア症、ノカルジア症、サブユニットワクチン、ブリ類、細胞内寄生病原体

抗酸菌症

水産学系・水産資源科学分野 助教 荒木 亨介

http://kuris.cc.kagoshima-u.ac.jp/307864.html

抗酸菌症はブリ属魚類に発症する細菌性の疾病です。ブリ・カンパチは日本の養殖生産量の約4分の 1を占めますが、抗酸菌症は近年もっとも被害額の大きい魚病です。発症が出荷間際に集中すること もダメージを拡大する要因です。現在は投薬しか治療法がなくワクチンの開発が強く望まれています。

私たちはこれまでの研究で、ブリ・カンパチの抗酸菌症に対する感染防御機構を解明してきました。

得られた知見をもとに、ブリ類の抗酸菌症に対するサブユニットワクチンの開発を目指しています。

研究の背景および目的

ブリ類養殖の大きな課題「抗酸菌症」を予防 する画期的ワクチンを公的機関と共に開発中。

商品化に向け、動物用医薬品メーカーとの共 同研究、臨床試験が可能な養殖場等との連携 を希望しています。お問合せ下さい。

コーディネーターから一言

水産物の需要が世界的に高まる中、食用としての水産資源を安定的に供給する養殖業の持続的発展 のために、ワクチン開発による魚病の予防は必要不可欠です。我が国の主要な養殖魚であるブリ類の 魚病総被害額50億円のうち、抗酸菌症による被害は12億円に及ぶと推計されます。

本研究はその被害を防ぐとともに、同様に大きな被害をもたらしている細胞内寄生病原体を原因と する疾病や違う魚種への展開も可能で、ウイルス症やエドワジエラ症等のワクチンへも応用できます。

期待される効果・応用分野

研究テーマ ●ブリ・カンパチ等の抗酸菌症に対するサブユニットワクチンの開発

抗酸菌は感染魚の細胞内に寄生して増殖します。従来の水産用不活化ワク チンが誘導する液性免疫の主体となる抗体は、細胞内へは作用しないため抗 酸菌に対しては効果がありません。

私たちは魚類の細胞内寄生細菌に対する感染防御には、液性免疫ではなく マクロファージや細胞障害性T細胞が活性中心となる、細胞性免疫が主要な 役割を果たすことを見出しました。

すでに抗酸菌の構成タンパク質の一部が、ワクチン抗原として有効である ことはDNAワクチン試験により証明されていますが、DNAワクチンは安全 性の問題から水産用医薬品として承認される見込みはありません。そのため DNAワクチンに代わる手法で、抗酸菌に対する細胞性免疫を誘導するサブ ユニットワクチンを開発すべく研究を進めています。

【これまでの研究成果】

免疫学的研究ツールがほとんど整備されていなかったブリ・カンパチに おいて、細胞性免疫誘導の指標となる遺伝子を単離すると共に、抗酸菌抗 原に対する細胞性免疫応答の評価技術を確立しました。これは、ブリ属魚 類における細胞性免疫応答を詳細に評価する唯一の技術です。

さらに私たちは従来の魚類ワクチンにはない方法で、抗原を細胞に届け る独創的な技術の開発に取り組んでいます。この技術を確立できると、安 全なワクチンを大量生産することが可能です。

養殖魚の魚病被害額(水産庁資料)

※赤い線がブリ類

抗酸菌症を発症したカンパチ 臓器に粟粒結節が形成されている。

液性免疫:免疫応答の際、Bリンパ球が産出する抗体で体液中の病原を排除するもの。

細胞性免疫:マクロファージやTリンパ球が産出する抗体が病原や感染細胞を破壊するもの。

サブユニットワクチン:抗原として有効なタンパク質のみを作製して作る。外来DNAが導入されないため、安全性が高い。

参照

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