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雷放電の回数について
三 田 昇(九工大)
贄田 寛(宮大,工学部)
大重 力(九工大)
安藤喜代美(〃)
An Estimating of Lightning Flash Number Counted up by The Flash Counter.
Noboru MITA Hiroshi NIEDA Tsuyoshi OSHIGE Kiyomi ANDO
In Japan, the field measurements by the lightning flash co皿ter having been carried out at every summer season. We at first have made a estimation about a count number by this method. We also have examined charge separating action in lightning cloud,
and it has been concluded that the speed of the charge separation has been determined
mainly by up current velocity. At last, with respect to this study we have noted some opinion for lightning protection of open・air mining at lime・stone mine.1.最近における耐雷研究 IKLよりもう少し正確な各地方の襲雷頻度を知
究漂㌶叢灘撒↑竺灘;㌶;≧瓢㌘㌔
によって,雷撃電流の大きさ,その波形など長年 てこの計画にはCIGREのStudy Committee に亘って集めた実測デ_タは相当豊富になって, No・8:Lightning&Surgesが中心となって 地上設備の耐雷施設を充分に設計しうる程度にな Lightning Flash℃ounterのWorking Group
った。最近では雷の特定地域における落雷の頻度 が結成されて・これの取まとめに当っている。こ についての検討が進められる段階になってきた。 れには世界的に共通したアンテナ及びカゥンタで 従来から各地方の雷の発生状況は気象庁で長期に 雷の観測をするのが妥当である。この要求を満た 亘って観測しており,襲雷日数 (Isokeraunic す目的でここに新しい観測装置として登場して来 Level;IKL)という数字で公表している。 IKL たのが雷放電カウンタである。我国では電力研究 は雷鳴のあった日数を1年間にわたって加算した 所が中心となって各電力会社を始め東大,電試と 数字で,雷の強弱とか,落雷頻度,襲雷時間には 協力して39年から毎夏4か月にわたって実測が継 一切おかまいなしであるから,かなり杜撰な指針 続されており,既にその一部はCIGREの上記 である。 Working Groupに報告されている。
電力の需要が増大して電力系統が益々拡大して 本文ではカウンタの実測と関連して雷放電の回 くると,送配電線の雷災防止についても最も合理 数について検討し,併せて最近問題となっている 的な施設を設計することが望まれる。 これには 石灰石鉱山の雷災防止について簡単に考察した。
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2.雷雲の諸特性 ヵナ}コ零 田エ
i.電繊生の原動力 ハへへ・へ「
雷雲内で正負の電齢鯖する状況についての ε ぷ洗 機竺は今以って不明とする処が多し が旙雲の r い
電荷が蓄積される原動力は上昇気流に伴なって雲
内高く吹き上げられる微小水滴と,上昇気流にさ ) からって重力によって降下する大粒子(主として 冷
氷状の)との相互作用によるものと推定されてい ㌧ \こノ ⊃ る。即ち雷雲内で電荷が蓄積するのは雷雲内に発 いソ・レ 風
電ゾーンがあり,ここで上昇気流と重力とが原動 !! !! /!! / ! !/ ! / 〃〃 〃! 〃〃〃
力となって電荷の発生及び分駒ミ渋ることにな α鯖ゾーン
ii.旙に伴なう電荷量 ㊥㊥駕Φ㊥ ・㊥%
る。対地雷撃噸する馴量は主旙・個当帆そ \㊦㊥ジ
1ク・一ン程度と観察されている.実際口ま多重 駕
雷撃になることが多く,又引続いて放電路を通じ
て数百アンペア内外の電流が数+或いは数百ミリ ↑ふ
ぐへ ロち
秒の間持続する所謂持続放電となる場合もあるの ↓ で,1回の対地雷撃が発生すると,20〜35クーロ
⑬
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ン位の電荷が大地へ流れることが_般に認められ レ糎ゾー・桃 c酬嫡の雛
ている。雲間放電でも平均20クーロン程度の電荷 第1図 ■雲内の電荷分布仮想図
が消費されるものと推定されている。 測によると,上昇気流の速さは30〜50m/sで,
iii・雷雲の帯電時間と放電頻度 90m/s以上にも達することが認められている。
雷雲内では帯電の過程中に平均0・5〜1Aの垂 上昇する微小粒子がこの程度の速さであるとすれ 直電流がセル1個当り流れていることが一般に認 ば,秒速数米といわれる下降大粒子は殆んど浮遊 められている。この数字を用いると20〜35クーロ 状態にあると見倣される。このように考えれば正 ンを帯電するには20〜70秒の充電時間を要する計 負電荷の分離する速さは上昇気流によって定ま
算になる。これに対して雲間及び対地放電を併せ る。
た放電頻繁度は・大体10〜60秒といわれている。 簡単のために上昇速度を50m/sとすれば,20 筆者等が東京・横浜・前橋又は北九州などに於て 秒では発電ゾーンから1kmの高さに亘って正の 折にふれて雷鳴等の観測をして得た定性的な結果 電荷を分散する。70秒では3.5kmになる。残さ でも・成年期の雷鳴間隔は十数乃至数十秒の範囲 れた大粒子はそのまま存続すれば,それぞれ1及 に納まっている。 び3.5kmの円庸形の負の空間電荷を形成する。
iV.発電ゾーンの仮想 (第1図b)
以上のように雷雲の内部に発電ゾーンを仮想す V.雲間放電と対地放電
ると(第1図a),ここでLatham及びMason 対地放電は雲間のそれに比べると,放電回数は の見解によるSoft hailと過冷却水滴との接着 %程度であるといわれている。正負の電荷が接近 氷結及び分散効果による帯電作用が行なわれて, していることからみても,雲間放電が起り易いこ 上昇気流によって吹き上げられる分散微小粒子 とは当然である。1万m以上の高層空間に広く分 が正に・又この気流にさからって降下するSoft 散する正電荷ゾーンの気圧は低く,放電々圧も低 hailは負に帯電することになる。航空機による観 下するが,同時にストリーマ内の電流も低くなっ
49 て,ストリーマへの電荷の集積作用も悪くなるの 4.石灰石鉱山の雷害
であらうから,雲間放電の場合は対地放電のそれ 、
よりも中橘韻妙なくなると思われる.従っ 最近のピルラ㌘ぷを反映して・セメハ用
て鯛荷ゾーンの下部では雲間踊の発生する毎 石灰石の縣が融り・石灰石の採石鉱山は各地鷹灘竺¶高▲麓≧(箋底塁蕪驚㌫驚鱈下麗
くに蓄積した優盛な負電荷から対地放電が起ると 火線が長く地上に接続され・ときには数百メート 推察さる。この点は多重雷撃の第1回目の主放電 ルにも達することがある。このリード線が襲雷時 が常に最大の電流値を示すことからも明らかであ に誘導電圧を拾い・これがダィナマイトの盲爆す る原因となる。極く最近津久見地区の石灰石鉱山る。
筆者等は雲間放電の延長として,優盛な負電荷 の誤爆による人命損傷の実例もあり・石灰石鉱山 ゾーンから対地放電が開始することを仮定した。 の雷害防止の方策が俄かに問題となってきた・
尚これについては一般に雷雲の下部に局所的な 筆者等は三菱セメントKKの依頼を受けて平尾 Simpson型のP電荷ゾーンがあって,対地放電 台の同社東谷鉱山に赴いて現地を視察する機会を は負電荷ゾーンとこの正電荷ゾーンとの間で開始 得た。同鉱山では襲雷中はダイナマイトの口出線 するストリーマ放電から起るとする考え方が認め はリード線に接続しないで待期し・機を見て手早 られているので,更に改めて検討したい。 く接続してスイッチを入れる方法を採用してい る。この方法は以上に説明したように雷放電が或 3・雷放電のカウント数 程度規則正しく充放電を繰り返す場合には効果が 雷雲の幼年期を15分とし,成年期を30分とし あると思われる。併し平尾台地のように凡そ500 て,雷雲の直径を10km,またその進行方向に常 mの標高を有する鉱山では,必ずしも100%安全 に成年期を維持するように次々に新たなセルが発 ではないと思われる。襲雷中は待避して雷雲の過 生して,進行速度が15km/Hになると想定すれ ぎ去るのを待つのが望まれる。
ば,ここに雷放電カウンタの記録数を算出するこ
とがでさる。即ち雷放電カウンタの記録ゾ_ンを 5・雷害危険度表示器としてのカウンタ 半径20kmの円内とすれば,雷雲がこのゾーン 石灰石鉱山の例でも判るように,こうした場合 の中心部を横切るとき,カウンタが記録し得る期 に雷害危険度の表示器があれば便利である。現用 間は(第2図),120分となる。今雲間及び対地 の雷放電カウンタでは対地雲間の区別なくすべて 放電を併せて・放電間隔が10秒・20秒及び30秒の の放電を記録するので,われわれの必要な対地雷 繰り返しであるとすれば・毎分3回の放電が起 撃数より遙かに多い回数を記録することとなる り・カウンタの記録数は360回となる。 が,一般に強雷になる程雲間乃至は対地放電も盛 図2 になるのであるから,カウンタの記録の多い程雷 害危険度は増大する。従って雷放電カウンタを雷
竺向/へ\ぐ蒜欄竺度表示器として利用することが可能であ
ス ヘ
ヘ ノ
(直径1吐句\ ノ ように思われたからである。併しカウンタを上記
ノ ノ
\〜_一/ の目的で利用するとすればこのような考慮は必要 第2図 雷放電力ウンタによる記録範囲 としない。若し雷放電カンタを文字通りに雷放電 と雷雲との関係位置 の数を記録させる目的に用いるときには,襲雷時
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にカウンタのかたわらに立って,カウンの動作と LB・L・eb:J・Ge・Phy・Research・71・20
雷放電の状態を充分に観測してみる必要があるよ (1966)4711うに思われる。 T・Oshige:J. App. Phys.38−6(1967)2528.
終りに東京大学藤高及び鳳教授,電力研究所広 大重松尾・三田:電気学会誌86・12(昭41・12)
2143. 瀬部長その他の関係各位,九州電力の関係各位,
並びに九工大開発土木科保里助教授,電気科大学 三旺蟄凪安藤:九工大研究報告第17号 _ (昭42.3)19.
院学生白川氏・三菱セメント北九州事業所中井副 河村:電気学会誌84.9(昭39)1303.
長八木・岡本・松尾各氏に対して厚く感謝の意を 三田,大重,安藤:昭42.4学会九州支部大会予稿
表する次第である。 (昭42.11).電気工学ハンドブック(1967)487.
文 献
L.G. Smith:Recent Advances in
H.Israe1:ETZ 82−8(1961)225. Atmospheric Electricity(1958)
北川:オーム(31.7)835,(37.1)21. 三菱セメントKK:東谷鉱山資料(昭41)・
J.Latham, B.J.Mason:Proc. Roy. Soc. T・C・Gillmer, H・E・Nietsch:Clouds