角形ヒステリシス磁心の交流消磁法
(昭和48年5月15日 原稿受理)
電気工学教室毛 利 佳年雄
電気工学教室 藤 本 利 喜 雄
On Accurate AC Demagn・tizati・n in Rectangular Hysteresis Cores
by K二aneo]ylOORI Tokio FUJIMOTO
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tはじめに 灘す絞灘界H・・rこよって励齢れるので・
磁心内の磁束変化がH。、に比例すれば正確な消磁 高透磁率磁心とくに角形ヒステリシス環状磁心 が行なおれる。あるいは,H。,を減衰させる過程 の交流灘は一般に困難であって劇・信骸圧 に叔・て磁束振動の中 じ・位置力・消磁レペ・じから 器の偶数調波ひずみや倍周波形アナログ紀憶素子 ずれた場合でも,再び消磁レベルにもどる作用が のリセットエラーおよび多数個の磁心における磁 あれば,消磁は完全に行なわれる。そこで,はじ 気的詰量の短時間内測定の困難さ等の原因になっ めにφHメジャーループの原点近傍における交流 ている。これに対して、これまで有効な交流消磁 磁化の安定性についてのべる。
法は確立されていなかったが・著者の一人が線形 50%1WLF已磁心においては,消磁位置から正 イソダクタソスを磁心に並列接続する高精度の消 の磁界によって移動した平板状磁壁が,負の磁界 磁法を見出し,その概要を報告した 。 によって逆方向に移動する場合,第1図の磁壁移 本稿では,はじめに,これまで不明であった交 動モデルとそれに対応する第2図の準静的BH曲 流消磁のバラツキの機構を磁化モデルによって解 線の測定結果からわかるように,各磁束レベルに 析し・ついでこれらの解析結果から予想される よって磁束変化の七きい値磁界の大きさと磁束変
(D等価うず電流抵抗法と(ii)線形インダグタ 化の勾配が異なっている。いま,磁束の上昇曲線 ソス法による消磁法につき実験を行ない・線形イ を2次曲線で近似し,下降曲線を垂直線で近似す ソダ〃ソス法が嚥であることを示す・さら る.そこで,第掴蝉磁心回路においてsを
㌶㌶灘鷺藤繊鯵魏雀咽・とすると,あ竺卿竺対し
紆の酬劇セ,磁として、唖列の麟巻 て・餌司ナPルーフは原点力 ら飽臓東レベ
線をもつ二磁心回路による方法を示す。 ルφ・に向ってドリフトするが・このドリフトす るマィナーループの高さの最小値φ*を図示する 2・ 交流消磁機構 と第4図になる(詳細は文献(2)参照)。実線は
交流消幽程では,磁心は振幅が時1田とともに 雑70一内径63塙さ20一テープ厚゜・1mm
x RP S
φ
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第3図 単磁心回路
ノΦ♂1 回
1・← 0
・ . 10 20 50 100 200 500 1k
,1旙H・1. fp(H・)
:2 ・ 第4図R♪をパラメータとしたφ事一九曲線
5: 、 1 : R♪=10KΩ 倉 II : R♪=50Ω
一 悼i「 なる。
.・i・・ φHメジャーループからマイナールーフ へ移行 二1よ」.,する場合の磁化特性は不明であるが・いま訓ナ
第2図幽ペルから出発こたB熾 ;:;;㌫㌫隠㌫:の正鮒
の50%沌一臼磁心(東北金属製FA 3594)に α1φ一H。、−H、…塩>H、 (1)
対する計算結果である。すなわち・電源の内部抵
抗R,が小さいほど訓ナ→レープ}まドリフトし 屯φ=疏・一(一正r2) 塩くH・ (2)
やすい。交流消磁において,H。,を徐々に減衰さ 磁束変化の制動係数をβとおくと,第3図の せる場合は以上のマイナーループのドリフト現象 回路(Sは 開 )における磁束変化の動特性は が生じて,交流消磁のバラツキの原因の一つに 次式で表わされる。
噌+偽φ一興 (3) 醒一瑞+碗(疏一凡)呈≠(・・)
確趨φ一+(一昆)(4γとなるので醒〉ご罵ふに
ただし
ム婿㌢綱搬賑 φP判書(・一あ(・・)
ゆえに,時間幅Tにおける磁束上昇分φ聞と磁
束下降分φ{一】はそれぞれ次式となる。 となって正確な消磁ができる。
一方,」甘 εを十分減衰させて微小マイナールー φ…一ニ( α1 −一直71一εβ) (6)麗霊:麟瓢襟量1鵠
φ…一一ノ(・一あ (7)犠蕊1㌶撫において恥をパラ.
振振幅を1日 五とおくと o占 ロコ
φr・一蹴一H1( _α1+αLτ1_ε 9) (8)讐・
一タにとり,Lを接続しない場合と接続した場合
(6)(7)式において,α1≠α2,H1≠私のとき
の交流消磁の実験結果である。実験では.εpは60 1φ[+》1≠1φ〔一 1となって・正F庄な消磁が不可能と旺。の交流電圧を恥た。使用磁蹴5。%Ni.
なる・ F。ボビソコア(外径_、α4,内径9_高さ5_
以上のように・彫特性蹴では・継変化は テープ厚。.。、皿鳳凍北金殿N。.21Nα4)
一般に非対称であって,その中心位置が消磁レペ ルから離れ易いので消磁結果がパラツキを示すご 血8
心に負荷Zを接続して高精度の消磁を行なう方
法をのべる・ :1 =2 7脚一
と…㌫鴎㌫獄㌶㌘顯∨エ\
がそれぞれα、+αL,α2+αLに置き換った式で Hm・BHc RP・10轟 COR町4 表わされる。ここにαL=沖/L「 である。(6)ての 第5図(a)
式に対応する磁束変化分をφ把φ㌃}とおき・励
0 ・. E=3L95°ψ書 .
α1十αL 匝2
−04
〆
・ v
N ・ .
φ㌃一誓譜(・一ご竿)(9): ,._悟
01 となる。 ° ロロベ ここでLを十分小さくし、αL+偽=αL+偽=覗
αLとすると,1φLl−1φ1となるためにはH 五は Hm・6Hc RP・10。n CORE.2 たとえば(6).(8)式より 第5図(b)
L=oo
L=20mH
1.O
o6 05 04
むユ
醜。
一ロ ーa4 一口6
−06
−1.
き1秒である。消磁試行後の磁束レベルφ・の測
㌔ 鴎。驚巖し竺議灘纂:
られた。一図の(a)〜(e)から,工の効果でεは いずれも減少するが,とくに、Rpが大きいほど減
α〜 ε=1、48。 .
「
一〇.1 −
°2 gm.,Hc,,。1。。血,。,,.4 第ぼ5曙Ni−F・ポ已ンコア
第5図(・) C・RElN・2iN・・4
1 0且 o
ロユ
%.・
−q2
一〇.
一口6
−o且
■1,
02
0.1
E=57.94●,。 φ5(」しf) 501
93,9 0.1ユ5
500 94.3 0.120
1・ 瑠L昂 塁,
/ ドず鑑驚=漂:箕璽1
・ ・ . この場合(6)(7)式に対応する磁束変化分を φ1+},φ1 ,とおき励振振幅を」甘㍗とおくと E=1.15・占
:三一 φP=疏(1−eβ)(12)
Hm=8Hc Rp=1Kn C°RE弓 φ1−一H・ LH・(・一,一:≧「)・(、3)
.第5図(の 暁 ぬ
ただし,β*一β十1牢/Rノ、である。
ロ4 ここでR,を十分小さくとり,β*〉α、T,α昂と ヒエユムロヨワ
田 すると一φ、1ゴφ1とするためにはたとえば(6)
ロコ α、 (12) 式より
%so L=°° α1 〈
二;W/. 」 一伴云私)(・≡ろ(・4)
自
o L=20mH
引 となって,ILの場合と同様に高精度の消磁が期待
屯2 gm.、,、,,.1。,轟・。・・一・ できる=方微小対ナーループで}ま(15)式 第5図(e) 一は成立せず・微小のR・のため第4図のRpが等 価的に減少したことになり,マイナーループはド であって・その磁気特性は第1表の通りである。 リフトし易くなる。ゆえにR、の場合εはある値 消磁試行回数は各々35回・消磁時間は・1回につ 以下に減少させることは困難になる。
一 であるから,正丘 >j脱,葛となる。
ゆえに
02 ε=0.43. ■
田 ・ φ1+,==1φ1−)1==王「E Tゾβ* (15)
口 α2 ロ鬼。
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−0.2
一的 α2 口1
%、
ε=11,9°f. Rp
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1
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−02
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●
第7図二磁心回路
s2
称にパラツキを示し,φ汁φ2の残留磁束がほぼ Hm=8H亡 Rp=100口 CORE−2 零}こなっている。
第6図R.による消磁 以上の機構を解析すると,51が 閉 の場合
第6図ぽを撒湖合の消磁の実櫟 ;讐欄+碗φバー唖(・6)
璽巖;こ膿㌶㌶慧㌫;趨囎輌__由(、7,
心,実験方法等は第5図の場合と同一である。
砿二磁心回路の齢 ただし・力園・五嗣はφいφ・の㈱性蹄
母磁心の瀧試行後の測定では,磁心は.・ルス わす関数である・つぎに亀澗 でゴφ1μ=
磁界によって内部状態力剛こ破鍵れる._方 ゴφ・μであり・初酬カミ等い 場合
種々の応用において,磁心の消磁状態が非破壊的 φ1=晦 (18)
に測定(確認)されることが要求される。ここで となる。
は第7図に示すように,逆直列の短絡回路 をもつ二磁心回路を構成し,両磁心が同一 6
の磁束レベルにおちつくよう制御する㌔ 田 =ε3言認 ゆえに本方法によれば,・つの蹴の磁束 li
レベルを破壊的に測定して他の磁心の磁束 舞5。 一 _L.。。
レベルを非酬的に読み取ることとができ ::
る。 一田 ロム
㌫欝麗状蕊㌶當ぷr ・・一_,
(。)峡継果がえられる。す励端回 璽 …。・悟蒜型
の試行において・両蹴ともほぼ賑の磁 引Hm.、Hζ,P。1、n 中
㌢驚昔こ綴とすると,第 第8図⑳(b)短絡回路の効果
8図(b)がえられ・両磁心ともほ呈同一の o、 .
(磁心No.2, No.4でそれぞれε=0・19 一息1
%,漂:接続しても短綱が醐碧iトー一
合(SI 閉 ,畠 開 )は,第8図(C) Hm・8Hc RP=1K^ 5・=°PEN のように消磁結果は消磁レベルに関して対 第8図(ε)短絡回路がない場合
LEARNING MATRIX 第9図は,以上の消磁方式を応用した倍周波i形 アナログ記憶網のリセット方式の原理図であっ
ep㌔
て,1回のリセット操作ですべての素子が高精度 Y1 でリセットされる。
4 お わ り に
Yユ 以上,50%Ni−Feボビンコアで交流消磁法を 検討した結果,線形インダクタソスによる方法が
iiii Bi 有効であり,二磁岨路では短絡回路を設けるこ
とでほぼ完全に消磁できることがわかった。本方 耐 Ym 法はきわめて簡単な回路構成であり,多方面での 「 応用が期待されよう。なお,小振幅の交流磁界で 消磁する方法は,現在検討中である。
xlx・唱 x・ 最後に,御指導いただし、た九州大学原田耕介教
第9図アナログ記憶網のリセット方式 授に厚く感謝の意を表するともに,御鞭鑓をいた ゆえに,図(a)(b)では(ユ8)式によって, だく本学今崎正秀教授に深く惑謝する。
両磁心とも同一の磁束レベルにおちつく。一方図 参考文献
(c)では.(16)(工7)式によりφ1,φ2が逆比例す
る聴砺・轍瀧レベルに関して対称な位 ;;裂璽詔:;:;;:謡:1:1:13鵠3)
置におちつくと考えられる。 3)毛利:応用磁気学術講演会ユ2pA4(ユ972)