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ウシ子宮内膜における TRP チャネルの 発現と活性に関する研究

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2017 年 2 月 8 日

ウシ子宮内膜における TRP チャネルの

発現と活性に関する研究

生物資源科学専攻 家畜生産生物学講座 遺伝繁殖学 岩野弘暉

1.はじめに

ウシの発情周期は約 21 日で,その間,体温や血中ホルモン濃度,子宮内膜構造などに 様々な変化が起こる。これらの変化には様々な伝達機構の関与が考えられるが,その 一つとして,近年「センサー」「トランスデューサー」「足場」の機能を有する TRP チ ャネルの関与がヒトやマウスで報告されている。しかし,ウシの生殖に関わる知見は少 ない。そこで本研究では,卒論研究で ウシ子宮内膜 での発情周期変動を明らかにした TRPV4,A1 の発現に対する性ステロイドホルモンの影響を明らかにする ことに加え,子 宮内膜細胞における TRP チャネル機能解明に向けた活性検出法の確立を 目的とした。

2.方法

1)性ステロイドホルモンによる

TRPV4,A1

の発現制御 食肉処理場由来非妊娠ウシ子 宮から子宮間質細胞および上皮細胞を分離し,性ステロイドホルモンである 17β-エス トラジオール(E2)とプロゲステロン(P4)またはその両方(E2+P4)を添加し,6,12,24 お よび 48 時間培養を行った。その後,RNA 抽出,cDNA 作製後に q-PCR により

TRPV4,A1mRNA

の発現量を解析した。

2)Fluo-8 を用いたカルシウムイメージング 細胞膜上にあるタンパク質である TRP チャネルは,活性化後,細胞内に陽イオンを流入させることにより イオンチャネルと しての役割を発揮している。そこで,TRP チャネル活性を検出・評価するために Ca2+ ローブである Fluo-8 AM を用いたカルシウムイメージングを子宮上皮,間質細胞におい て行った。

3.結果と考察

1)子宮間質細胞において,性ステロイドホルモン添加による

TRPV4

発現への影響は見 られなかった。これに対して

TRPA1

は E2 区の 48 時間処理,および E2+P4 区の 24,48 時 間処理において,対照区と比べて有意に低下した。子宮上皮細胞では,

TRPV4

発現へ影 響は見られず,

TRPA1

の発現は確認できなかった。

2)子宮間質細胞において TRP チャネル活性剤であるメントール,カプサイシンの添加 により,Ca2+の取り込みが観察された。また,その取り込みは TRP チャネル阻害剤である ルテニウムレッドにより減少した。対して,子宮上皮細胞では細胞内に Flou-8 の導入 が困難であった。これは細胞特性による Fluo-8 の導入効率が異なることが考えられた。

4.まとめ

ウシ子宮間質細胞における性ステロイドホルモンによる TRP チャネルの発現制御が 示唆された。また,本研究により,カルシウムイメージングによる TRP チャネルの活性 評価系が確立できた。この手法により,ウシ子宮間質細胞においてそれぞれの TRP チャ ネル特異的な活性剤を用いることにより,機能的発現解析への活用が期待される。

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