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経膣採卵を用いたウシ体外胚生産系の高度化に関す る研究

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Academic year: 2022

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経膣採卵を用いたウシ体外胚生産系の高度化に関す る研究

著者 江頭 潤将

ファイル(説明) 博士論文全文

博士論文要旨(日本語) 博士論文要旨(English) 最終試験結果の要旨 論文審査の要旨 学位授与番号 17701甲連研第922号

URL http://hdl.handle.net/10232/00030608

(2)

(学位第3号様式) 

学  位  論  文  要  旨

氏  名 江頭  潤将

題  目

経腟採卵を用いたウシ体外胚生産系の高度化に関する研究

(Study on improvement of in vitro embryo production system using ovum pick-up)

体外生産胚の高品質化は胚移植による家畜改良の効率を高めるだけではなく、夏季におけ る受胎率低下の改善策としても期待できる。そこで、本研究では暑熱環境と非暑熱環境にお ける生体内卵母細胞の特徴ならびに異なる成熟方法による卵母細胞を用いた体外胚生産系 を検討することで高品質な体外生産胚を効率的に生産することを目的とした。

黒毛和種において暑熱期と冷涼期に経腟採卵(OPU)を実施し、卵丘細胞−卵母細胞複合 体(COCs)の品質に季節間で違いがみられるかについて検討を行った。OPU 時の直腸温お よび呼吸数は暑熱期において上昇したが、卵胞数やCOCsの形態学的グレードについては両 区間で違いはみられなかった。一方で、暑熱期において卵丘細胞のアポトーシス細胞数が増 加し、卵母細胞におけるミトコンドリア分布においても異常な分布を示すものが増加した。

以上の結果より、夏季に暑熱ストレスを受けた黒毛和種繁殖牛ではCOCsの品質が低下して いる可能性が示唆された。

次に、OPUにより採取した体内成熟卵を用いることで体外生産胚の生産性および品質の改 善が可能かどうかについて調査した。OPU前に過剰排卵処理を行った試験区では、無処理の 対照区と比べて有意に OPU 時の大および中卵胞の数が多く、小卵胞の数が少なくなった。

一方、採取された卵母細胞の総数および回収率に違いは認められなかった。MⅡ期における 表層顆粒の分布を比較したところ、対照区と比較して試験区において正常な分布を示す卵母 細胞の割合が有意に高かった。また、分割率および胚盤胞発生率に有意な差は認められなか ったが、第1卵割における正常卵割率および凍結可能胚率、移植可能胚に占める正常卵割由 来胚の割合は試験区の方が対照区よりも有意に高かった。加えて、正常卵割を経た胚の受胎 率は異常卵割を経た胚と比較して有意に高かった。以上の結果より、体内成熟卵を体外胚生 産に用いる本法は、効率的に高品質胚を生産できることが示された。

さらに、タイムラプスシネマトグラフィを用いて成熟方法の異なる卵母細胞の体外受精後 の発生動態を観察し、作製した胚を受胚牛に移植することで発生動態(卵割時間および卵割 様式)と受胎性との関係を精査した。体内および体外成熟に関わらず、受胎の成否における 卵割時間に差は認められなかった。一方で、体外受精に用いた精液を種雄牛ごとに分けて第 1卵割時間を比較した結果、第1卵割時間は種雄牛の影響を受けることが明らかとなった。

また、体内成熟卵由来の第1卵割が正常な胚では、異常な胚に比べて移植後の受胎率が高い 傾向が認められた。以上のことから、従来の移植胚の形態学的な評価に加えて第1卵割の正 常性を指標とする高品質胚の選抜法は簡便かつ客観的な方法であることが示唆された。

本研究の結果、生体内卵巣のCOCsに対する暑熱の影響が明らかとなり、体内成熟卵を用 いることで高品質胚を効率的に生産できることが示された。これらの知見は体外生産胚の生 産性および受胎率向上に寄与するものと考えられる。

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