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論文内容要旨

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Academic year: 2021

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論文内容要旨

論文題名 Myocardial SPECT Images in Incident Hemodialysis Patients without Ischemic Heart Disease

(透析導入期腎不全患者における心筋核医学検査による心機能評価)

掲載雑誌名 Therapeutic Apheresis and Dialysis

Vol.19, No.6, 575–581, 2015 内科系内科学(腎臓内科学分野)専攻 小山真理

【背景・目的】透析患者の全死亡率は腎機能正常者よりも高く心疾患との 関連が指摘されている。透析患者の心疾患は多様で心筋虚血や心筋症、不 整脈、弁膜症等が含まれるが、特徴的な病態に尿毒症性心筋症がある。脂 肪酸代謝心筋シンチグラフィー(BMIPP)は虚血性心疾患の検出に有用であ るが、他の病態への有用性は十分には検討されていない。今回我々は、虚 血性心疾患を有さない血液透析導入患者の BMIPP 所見の特徴を検討した。

【スタディ概要】単施設、横断的研究。2009 年 4 月〜2013 年 3 月に昭和 大学病院にて計画的に血液透析を導入した 42 例を対象にスクリーニング 検査および BMIPP を実施した。BMIPP 陽性症例には心筋虚血評価のため心 筋血流シンチグラフィー(MPI)を実施した。

【結果】BMIPP 陽性群は 22 例で、陰性群と比べ若年(p=0.002)、PTH 高値 (p=0.048)を示した。BMIPP 陽性群中 MPI 陽性が 12 例、陰性が 10 例で、

MPI 陰性症例をミスマッチ群と定義した。ミスマッチ群は MPI 陽性症例と 比べ、女性が多く(p=0.02)、血中クレアチニン値(p=0.049)、アルブミ ン値(p=0.026)、PTH 値(p=0.006)ALP 値(p=0.015)が有意に高かった。

また、PTH を 3 分位に分割すると高分位に多く分布した。心臓カテーテル 検査を施行したミスマッチ症例では冠動脈に有意狭窄はなく、心筋生検か ら心筋細胞の細胞質拡大、細胞配列不整、間質線維化などの心筋リモデリ ング所見が観察された。

【考察】BMIPP は心筋内のエネルギー産生能に関与し、生物学的利用能が

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保持されている虚血心筋に集積し、エネルギー産生能が消失した梗塞心筋 には集積しない。腎機能正常者と同様に透析患者の虚血性心疾患において も、BMIPP で検出される脂肪酸代謝障害が観察される。一方、尿毒症性心 筋症とは尿毒症環境下において心筋肥大、線維化、微小血管変性などの心 筋リモデリング所見や拡張障害を示す透析患者特有の心疾患で、その病態 には PTH の関与が示されている。PTH は直接的に心筋リモデリングを促進 する一方で、心毒性を有するアルドステロンの分泌促進を介して間接的に もリモデリングに関与する。本研究におけるミスマッチ群では PTH が有意 に高く、ミスマッチを呈する病態への PTH の関与が疑われた。冠動脈造影 および心筋生検を施行し得たミスマッチ症例では、左室駆出率が 25%と 著明に心機能は低下していたが、冠動脈に狭窄病変はなく、リモデリング 所見がみられたことから、尿毒症性心筋症と診断した。本研究は単施設、

少数の横断研究であり、透析導入患者の心筋虚血以外の病態とミスマッチ の関連の解明にはより大規模な検討が必要である。

【結語】透析導入症例において BMIPP は虚血以外の心病変を検出し、その 心病変には PTH が関与していることが示唆された。

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