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北松地域における最近の地すべり変動の地形特性 (予 報)

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(1)

防災科学技術総合研究報告 第22号・ 1970

551・243:551.4:551.3(522.2)

北松地域における最近の地すべり変動の地形特性

       (予  報)

国土地理院地図部地理課

Some Geomorphol◎gica1Properties of Recent Landslides

       in Kitamatsuura District,Kyushu,Japan

       (Preliminary Report)

       By

  Members of Geographical Section,Map Division,

Ge◎graphical Survey lnstitute◎f Japan,T◎ky◎

       Abstract

   The district surromding the Kitamatsuura basalt plateau underlaid by coal bearing Tertiary strata is known as one of the famous landslide regions in Japan.This paper presents morphometric and morphostructural analysis of recent s1ides by the use of aerial photo駆aphs.Methods adopted and some pre1iminary results are summ鮒ized as foHows.

   1)By the comparison of several sets of air−photos taken from1947to1968,there are found 13 1ands1ides with considerab1e change in land surface to have occurred in this period,and 2 former slides stm reserving barren scarps. During last20years in the district,more than gO places with some deformations of land surface have been recorded,but most of them are1acking in distinct movement and probab1y caused by creeping of detrita11ayers derived什om former landslides.

   2〉D1splacements of selected points and changes oHandforms are measured or esti−

mated by photogrammetric method,and the results combined with ava11able information give more distinct and characteristic pictures of individua11andslide,

   3)The type of slide according to Varnes c1assification and the morphostructm=al

co・ditio・fo・eachs1ideareco・side・edtobefair1yrelatedtoeachother,a・dseveral

subtypes by combination of these elements are given as fo11ows.

i)Block g1ide,in the incipient stage,on weak(Tertiary)1〕ed moderately dipping towa二rd va11ey−side and lying nearly beneath valley bottom.(Washiodake slide hom1951−sliding area is as long as whole length of flank slope,with sma11ter㎜inal tip of upheava1,and rates of movement are very slow.)

五)B1ock glide and debris s1ide,in the successive retreating stage,on weak(Tertiary)

bed slightly dipping toward va皿ey・side on flank bearing gentle surface formed by former landslldes (Hlrayama sllde from1963 and Tamkoch1s11de from1960  the former Is mostly composed of block glide and partly of debris slide,but t11e latter is切c2w閉o.

They狐e bearing terminal slip−down on仕ont slope,and rates of movement are modemte

tO S10W.)

iii)Block g1ide,in the successive retreating stage,on nearly horizontal weak bed on 佃ank bearing flat surface formed by former lands1ides,and accompanying debris slide and/or debris flow.(Ishikuradake slide in1952and1953on Tertiary bed,Yatoo slide in 1953and Kamiogochi slide in1942probab1y on the uppermost of Tertiπy bed,and Moto・

bure s11de m1957on sedlmentary bed between basalt lavas  debrls flows of the former two landslides mled va11ey bottoms and reacIled to or near the coast.Rates of movement

(2)

北松刎地すへりり発十機牛糾・丈ぴ予矢□に閉』j !コ石■サニ帆1到主)防災科学技術総㍍研介報告

篶22㌧1970

were probably rapid to extremeIy rapid。)

iv)Slump with bottom plane on reversely(toward mountain side)dipping weak(Tertiary)

bed on Hank,accompanying debris flow1(Otome slide in 1951and Ningyoishi slide in 1957_these debris flows killed inhabitants and mled val1ey bottoms,and rates of move−

ment were probably very rapid.)

v)Debris slide on gentle surface fomed by former landslides.(Nagatashiro・SW slide in 1951and Nagatashiro−NE slide in 1957_they were l〕earing terminal slip−down or debris flow on front slope,and rates of movement were probab1y rapid to slow.)

vi)Debris s1ide and/or debris ava1anche on moderate slope in缶ont of gent1e surface on flank formed by former lands1ides.(Shirai slide in1951and Tokumasa slide in1963_

㎜tes of movement加ere probab1y rapid to very rapid、)

1.まえカ∫き       6

2.最近の顕著な地すべり変動の地形解析… 7

2ユ ,1地すべり,,の発生状況……・    7 22 ■■地すべり の変動状況……・一    7 23 新111の空中写真の比較による顕薯な地

  すべり変動の検出………・一一・・…  7

24 写貞測最による地すべり変動状況の測   じ・…      g

2.5 顕拷な的すべり変動の地形解析一一13.

3.顕著な地寸べり変動の簡所別記載……・・14

3.1 石倉『NWの地すべり・…      14

32 」二小川内地すべり・・・・     …15 33 鷲j{l1地・ナベり・・・…      16

34 ∠一女(山い)地寸べり・・    …18 35 長出代S の地 すベパ・    …20

3,6 白井地すべり. .…I . 3.7  イ{ヂゴ士五、t山寸/くり…

3.8 雇比地ゴベり・…・一・・・…

3.9 元触地サベり_..

310長田代NEの土1けべり・・

3.11人形石山地すぺり一一 3ユ2樽川内地寸べり…

3,13徳正地一タベり一・・

3,14甲地すべり・・

3.15平山地すべり………一・

4・最近の顕著な地すべり変動の地形特性

 一 要約と今後■)問題一一

参考文献・資粋.・。..___

付図・付表_.........

図版・写真…_..、

・21

・・22

..24

..25

..25

.26

..27

.,29

.一29

..30

.31

35

・・巻木

1. まえがき

 「北松刷地すべりの発ぺ1機構と二戸知に関する研

究」のなかで,われわれは分担課題である「地形

牛手性」争明らかにするためにω北松全域の地すべ

り地形倉よび⑭試蜘地区に倉ける地すべり変動の 地形特性の2つの側向について併行して解析を進 めてきた.ωについての基礎的作業は「地ゴベり 地形分布凶」の作成で,これ重でに2組の了察凶

を試作し少なからぬ知見を得たが,地すべり地形    ,分類,表現法などな拾検討すべき問題が

多く,最終的には(B、の成果と現地調査に芳二ずく解

決調整が必要である.他方舳てついては共同轡測 試験地r鷲尾岳地すべり」を含めて変動の著しい 数地区を選び,写真測量による変動状況の把握を

試み,あわせて1夕一■係資辛㍉の収集,玖地戸察納戸ポ 行なってきた.

 今回の巾閉報告については, 止1初い三iピた糸 く一ぺ■㌔あ

るいはwを主とする内外をチ定していたか,}三た

の準備の段11皆で,現地報告会およひ川司.i寸.:㍑);汽

料としてけ,戦後に多発した顕拷=な地すへり㌻重リ

の実態についての記載が先イけぺ昏ことを強く■,・ll

じ,lB)を中しビLまと圭土〕ることに1」た、

 ±・・寸べり研究ド粁験の乏しい筆老らの÷!=什か

「北松刑地すべり」の解明と予舳て何らかの一 1ム

をもつとすれば,汽料収集その他に多大の川汁、、5…1

を頂いた長崎県,佐賀県,林野庁,国釧,,グ ノ1 学および総合研究閑係機関各位の御援助1一■二負うと

ころが大である.

一6

(3)

北松地域に拾ける最近の地すぺり変動の地形特性(予報)一国土地理院地図部地理課

 国土地理院地理課に歩けるこの研究作業の担当 者は下記のごとくであるが,その他の職員各位に も種々の援助を頂いた.今回の原稿作成は羽田野 が担当したが・用いた資料の一部は上西,野呂両 技官の収集したものであり,付図の作成およぴ清 描については岡部技官が担当言たは協力し,一部 は篠原安宏,渡辺征子両技官の援助を得た

 昭和41年度一武久義彦,上西時彦,柳瀬訓,

野呂勝義.

 昭和42年度一羽田野誠一,上西時彦,細井

将右.

 昭和43年度一羽田野誠一,岡部文武,野呂

勝義.

 最後に,絶えず暖かい励ましを頂いている防災セン ター第2研究部大石道夫室長との原稿の内容にっいて 有益な助言を頂いた同部の大八木規夫研究員ならびに

国土地理院地図部金窪敏知研究員に厚く拾礼申上げる。

 な拾,研究の自主性について充分に配慮され,適

切な指導を頂いた高崎正義前地理課長,西村輿二 地理課長,小林基夫前調査第1係長,斎藤祥調査

第1係長,拾よぴ昭和42,43年度に外注作業

を担当された東洋航空事業KKの各位にもこの機

会に謝意を表したい.

2.最近の顕著な地すベリ変動の地形解析  2.1 I地すベリIの発生状況

調査地域絆は現在約。。(累計面積約。。㎞・)

の「地すぺり防止指定区域」があり,それらは最

近20〜30年問に1地すぺりあるいは地すぺり

の徴侯0が認められた箇所を含むものが多い.入

手し得た各種の資料を照合すると,最近50〜70

年間に11地すぺり01緩慢な葡行運動 キレツI

友どの発生が記録されている地区は120以上に

及んでいる(図一1).1地すぺり1発生(または徴政の発見)

簑熾鮒簑㌫二㌶奪

しい集中が見られるが,原資料の基準の不統一も

あるので今後の吟味が必要である.なお,〜=れら

の地すぺりの発生経過の背景を知るために,これ

までに注目された誘醗伝連する。.。の要素の

年次別変化を図一3に示して倉く.

 2.2  地すベリ1の変動状況

 資料 文献によると各地区の変動状況は多様で あるが,①変動量の大小と②変動範囲(外郭)の 明瞭度の相関に着目し,さらに変位量の空間的分

㍗ζ鴛㌘二了㌫鳩簑詐差

を含む葡行を主とするもの」の2群に大別するこ

とが可能であろう(表 1).

表一1 変動の程度と様式による     □地すぺり1の区分

微弱な変動 顕著な変動

地表現象 キレソ発生(幅狭 崩落崖形成

く落差小さい) 凹地形成

地膨れ(軽徴なク 末端押出し ズレを伴うことあ

変動量

小(1〜2m以内)

変動範囲外郭 不明瞭 明瞭

(とくに側方・

末端部)

変位量の空問的 内部変位二全体と 内部変位<全体と

分布 しての変動 しての変動

地表の変動〉下層 地表の変動÷下層

の変動 の変動

斜面上半部の変動 斜面上半部の変動 注) >下半部の変動÷0 ÷下半部り変動》O 主な運動様式 ・reep(筍行) 91ide(スベリ)

 注) creepと81ideの区分はほ\Ter醐9hi

   (1950,p・203〜)甘〔よる。

 両者はともに広義の■地すペジに含まれるが,

狭義の 地すぺり一現象の主体を抽出 解析するた

めには,両考の区分が必要である.両考の区別は 資料調査,ききとり,現地観察によってもある程 度可能であるが,今回は変動前後の空中写真の比 較によって「顕著な変動〜すぺりを主とするもの」

を抽出し,解析を試みることにした.

 2.3 新旧の空中写真の比較による「顕薯な地 すペリ変動」の検出

注1) 今回とり扱った範圏は有田川〜小森川以西(伊万里 一西有田一早岐を結ぶ国鉄線の北西側)の北松浦半島部

(面別約680㎞2)である.

注2) 末尾の文赦資科に記載のあるものを集計した。

注3) 野田(1957,p.444)は「戦後特に犬被害

を与える地とりがあ効に多過ぎるようである」と述ぺている.

注4) 野田(1952.1957), 小貫(1952),

坂本(1953),西川(1967),長崎県林業コ;■サルタ ニ■ト(1968),その他.

注5) いわゆる表±層に対する下層,土壌学でいうSu b−

80i叱相当する.

一7

(4)

北松型地すべりの発生機構お・よぴ予知!(1僕けろ研究(第1報)防災科学技術総介研究報告 淳}22三」 1970

○肉は慨讐な地すペヅ ひ…・……一_④の肘(衰4,徴拡溌見糊)  ?

刎  10  0

 空中躰o振影期閃←・・.→1郷④⑩8⑮④1

1880   1890   20 25  190030 凶

 〃〃〃碓・

〃20   1930・碓・ 1〃0  19切ノ5 20 〜5  196030 必 〃ク凶

40

莞圭︵姿見︶曲祈教

犀 4

舳碓

、地すぺり4の年次別発竹(発見)簡∫折数(暫定的集計値)

図一2

一 一

8 V.)

107 1

w さ

1

■、

㌧ ●

1ω0 1890   1900    1910.。甘十云崎}佐賀脊考責科2)による /920  o

 1930〜

1940 /鮒0

1%0 

19

3

界︑も︑  閑

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10nn 101ハ 19フn 10〜∩ 10〃n 1o n 9 η 19

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9 6

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︑.只い

1

 巾↓↓一佐賀

 }長崎    伊万里

耕責料・4)48)などによ^る

v 1

1940 1920 1930

1910

/900

}北松(佐世保)炭田

一・一一一⇒一長崎県十枚賀某

参考貴斜5ま川)63)などによる

6

・一

、・・ ・. 、へ/.へ・..!ノ

    〆} {〉一一一】

一●ψ

/8θ0 1∂90       1900 /9/0 /920        /930

3000

0   0   0   0   00  0  0  0  05  0  5  0  52   2   1   1

 年降水貴

0 0 0 00

54321

有風典震回欺

1970年

〃50 ノ960

/940

千トン

4000

0   0   00   0   00  0  03  2  1

当 羨

に関連する2・3の要素の隼次変化

図一3

8

(5)

︵べQ扉噛斗寒鼻ギQ閏弐=﹃縦︷・=﹃田仲︶

  図罵軽慢φ2︵で↑謂Q疑州鄭詞鼻キ

一−図

  一=讐・マ

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(6)

北松地域に拾ける最近の地すぺり変動の地形特性(予報)一国土地理院地図部地理課

 調査区域全体について入手可能在空中写真のう

ち最旧の写真(1947−48年撮影,米軍1/

4万)と最新の写真(1967−68隼,国土基

本図用1/2万)を用いて比較観察を行在った.

判読可能な地形変化のうち,①斜面歩よび隣接部 に位置し,②人為作用による土地改変を除いて,

芸㌶二解鴛㍍鶴簑

した結果,10数箇の事例が検出された.それら の箇所については中問期の空中写真を入手して各 時期の地形変化を追跡するとともに,資料 文献 による変動記録との照合に努め,一覧表(表一2)

を作成した・表g中で,最初の2例は昭和22年

以降の変動は■顕著,ではないが,裸地としての 新鮮な滑落崖が保存され,昭和2.2年から遡るこ

と程遠くない時期に発生したと判断されるもので あり,末尾の4例はいわゆるボタ山崩壊に相当す るもので,一応,別に扱うことにした.表一2は 北松地域に最近発生した(規模・変位量の)顕著 な地すぺりの全部を網羅していないにしても,大

部分を含むとみてよいであろう.

 2.4 写真測iによる地すベリ変動状況の測定  地すぺりの変動状況ないし移動量を把握する方

法としては(i)標柱による移動測量(地上測量),

(ii)伸縮計およぴ(m傾斜計による測定などが従来か

ら用いられて歩り,表一2に記した地すぺりのう ち約7地区につし(て何らかの測定が行なわれ,貴 重在記録が得られている.しかしながら,それら の測定は場所的・時期的にかなり限定されている ので・顕薯な地すぺり変動の全体的状況をそれら

の記録のみか.ら把握するのは一般に困難な場合が

少在くない.今回とりあげた地すぺりの大部分は 昭和22年以降に顕薯な動きを示したものである から・変動期間内券よびその前後に撮影された空 中写真(表一2)を用いて比較測定を行なうこと

により,その間の全体としての変動を量的に把え ることができる筈である.写真測量は戦後多方面

に利用されているが,地すぺり調査においては(i〕

地形図の作成が主で,lii)変動前後の空中写真から

図化した等高線(および断面図)の比較による地

形変化の把握の例も比較的少数であり,liio地表目標

鴛篭賦燃:2㌶鷺ニニニア葦

こで今回はこれらを併用し,精度や技術的問題点

についても検討を試みた.

 対象地区としてけ,地すぺり変動の規模が大き く,速度の小さいものを優先的にとりあげ,現在

までに表一2の③鷲尾岳,⑤長田代SW拾よび⑭

長田代NE l⑨元触,⑫樽川内および⑮平山の6

地すぺり地(4区域に統合)について表一2の末

尾と表一3に示すような作業が完了している.成

果の一部は別に報告(高崎ら1968)し,解析

作業はなお続行中であるが,現在重での知見を以

下に要約して括く.

  1)変動状況測定の作業工犠、習■』定精度の1

例を図一4,表一4に示しておく.

  2)空中写真測量による地すべり変動状況の 測定は,変動量が測量誤差以上であれぱ可能であ

るが,一般に変動が大きいほど効果的で,他の方

法に比ぺ有利な点が多くなる.

  3)撮影時期の異なる空中写真を用いて追跡 溜嘉1」定座標(平面位置拾よび高さ)の較差から 変動量を求める場合の精度は,①一般的な写真測 量の誤差と②各写真上での追跡点の確認・刺針の 際の誤差1誤認の2つの要索の制約を受けている.

①については地理院の国土基本図事業における空 中三角測量のタイポイント較差一平面位置.高 さとも撮影高度の1/2ρ00程度(写真縮尺い万

 撮影高度1,500mで0.6〜0.9m,1/2万・

弐…。で…士榊参考に在り得よう.②

注1) Sh肚pe(1937)の言う1811d81ide8nd

re lated pllellome118の意.

注2) 現地の4mは1/2万写真上では0.吻mにすぎない

が・滑落崖の発生拡大は崩落物質の分布範囲も含めて裸地化 による色調変化と過高感による地表落差の強調により,森林 下でない限り判読可能な場合が多い・

注3) 昭和42年7月9日豪雨による1斜面崩壊□の規模

(面税)は2ha以下なので,この中には含まれをい.肇者 は・地すぺり・と・斜面崩壊〜山くずれ1の区別を先験的に 強調する考え方には不賛成であり,当面は規模(深さ,面積,

土量)別の区分,取扱いに基ずいて運動様式言発生条件との

一9

関連を追求する立場奔とり分い

注4)側11内地すべりについては写真図化による地形図の比 較により変動量の算定が行なわれた例がある(渡部1966)

また今回の作業と同時期に大阪府亀ノ瀬地すぺりについて写 真測量による変動測定と解析が行なわれた(拘荻,1968,

建設省近畿地方建設局大和工事事務所,1964,臭西,1969)

注5) これらの資料の作成は主に東洋航空事業KK航測計 算課関根為次氏が担当した.

注6) 異なる写真.上で対応する同一地点であると推定され る測定点をこのように仮称して拾く.

注7) 尾崎幸男(1968)写真測量概説 森北出版

P.109,表一7・4による.

(7)

北松型地すべりの発生機構拾よぴ予知に関する研究(,第1報)防災科学技術偽合研究報告一一第22=号 1970

こi

(1〕

(2)

(3)

(4)

表一2 最近の1顕著な地すぺり0と関係資料、

地すぺり地

変動徴侯 顕著な変動 被   .害 地すべり防止区域 文 献 ・ 資 科

(所属布町) 発見時期 の発生時期

死者.家屋

指定年月 日,所管1

石倉岳N W

M.ω?

長崎県地ヒ対策本部(1952)

T.11? (?) S41.9.28林務

(松浦市)

小貫義男(1952)

今井    吉田 1958)

上 小 川 内

(S.16?) S.17 (?) (申請牛・林務)

長崎県地ヒ対策本部(1952)

(佐世保市) S.20 』・貫義男(1952)

小 義男(1952)小出 (1953)

鷲  尾  岳 }墓転

遠醜一(1953)平上誠喜(1959)門司鉄道管露局(1964)

⁝︶

S.25春 S.26〜 S.34.11.5建設 長商県尉踊発辰寅局建設部(1966螂)

(江迎町) 黒田・岡(1966)安頭武(1968a)

(1968

乙女(山代)

小出  1955武眉有 (1952)

(伊万里市) S.25.12.7 S.笏.2.16

3名 28戸

S.39.2.12㈲野庁) 柴崎・畠山(1956)小貫義男(1952)

庄口雄(196・3)

長田代S W

S.24.6 S.26.(8〜) ・二j・屋2棟 S.35.8.25建設 野田光雄(1957)小頁義男(1957)

(世知原町) 小出榑(1958)安藤武(1968b)

白 一    井 S.25.10 S.26.7.11 S.35.3.4建設

野口,小   1957

(松溝市) 〜16

小貫義男(1952)

石 、倉 .,岳 S.η.10.16

小出博(1953.1955)

(松浦市) S.28.6.26 2戸移転 水野高明(1957)武眉有恒(1952)

〜28

長崎海洋気象台(1965)

雇      尾 松崎炭鉱

長崎海洋気象台(1965)

1︶

S.17 S.28.6.26 住宅1棟(4戸) S.37.8.4林務 小出博(1953)

(松浦市) 野田光雄(1952)小貫義男(1952)

元     触

S.28 長崎県林業コン切■タント(1968)

) (佐世保市) S.32 (新松浦炭鉱) S.34.6.5林務 黒旺岡(1966)

安藤武(1968b

◎ 長1]]代N E S.31 S.31.9.19 6戸十半潰2戸1 (長田棚Wに同じ)

野田光雄(1957)

(世知原町) 梅雨期 非往家6棟

長崎海洋気象台(1965)

〈形石山(西1勅保) S.27.2 一

S.32.7.6 7名13({21)戸 (S.32.9.26県条例)

原口静雄(1963)

(伊万里市) S.32.3.6 S.36.3.4(林野庁)

野田光雄(1957)

長崎県農林部林務課(1963〜

樽  川  内

S.37.8.4     林務(S.38.6.12) 196.6.1965b)

(吉井町) S.34.2 S.35.〜 (2,0)戸 渡部景隆(1966)長崎海洋気象台(1966)

安藤武(1968a)

長崎県林業コンサルタント(1968)

3 _」幽) 徳     正

S.37.7 S.38.5.11 7戸 ? S.39.1.18建設

・(松浦市) S.38.4〜

 12戸{ 8戸

S.43.9.17建設 長崎県県北開発振呉局建設部

{毫崎県農林音嚇轟呆(1963〜19写6,

5 平     山

S.35.11 S・38・10〜

22戸

S.38.11.9林務

1965b,c)

(吉井町)

黒田,岡(1966)

婁騒昆蝪測(1。。。)一

公表貫料で入手し得たもののみを

偉. ・考

記した.

黒髪町(ボタ山)

S.30.4.16・

  〈安倍鉱業所)72名   12棟 長崎海洋気豪含(19165)

(佐世保市)

佐世保市役所(1956)、

2 向山(ボタ山)く伊万里市) S30,4.17頃

小冥義男(い68)

二里町(ボタ山) S.37.7.8

3

(伊万里市) 3h頃 小草調(↓968)一

14 蕎竜(ボタ山)

(江迎町) &37.7.8

孝04戸

小貫簑男.(1968)

(8)

北松地域に珍ける最近の地すぺり変動の地形特性1 予報) 国土地理院地図部地理課

1 空中写真の有無(○印入手済,△印未入手) 既 存 地 形

S.22       S.39    ■   S.42〜23S・33S・35S・37 〜40S・41S42 ^43S・43

縮尺.方法・隼次・計画機関

今回作成した地形図拾よび地点追跡法による変動測定

○ ○

○ ○ O

1/5,000写真図化S.39熊本営林局

O ○ ○ ○ ○ O O O

1/2.5万平板測量丁13陸地測量部 (1/5ΦOO写真地図,S.43地理院)

≡○1 O ○ ○ ○ O ○

1■2P00平板測量S4?〕長崎県1/1万平板測量(S・29編集)地質調査所 1/2,O00写真図化,S.35・S.41S.22→S.35→S.43

O l

○ ○ O

①に同じ1/1,000平板測量S・鴉?佐賀県

d1○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

1/2,000平板測量S.33長崎県

1/2,000写真図化,S.35S.22→S.35→S.41

O l○ム

○○

○ ○○ O

○○

○1

○ ○

1■2.5万平板測量血12陸地測量部

Ol○ ○ ○ O O ○ ○

1/2,000写真図化(S.37)長崎県

1/2,00①写真図化,S.35S.22→S.33→S.42

○ドOO○○○○○

⑤に同じ ⑤に同じ

O 1

O

①に同じ1/1ρ00平板測量S.(?)佐賀県

○○○1000000

1/2,OOO写真図化

S.35S.37

長崎県

1/2000靭ヒ,S.37,40,41,42S.37→S.40→S.41→S.42

○ ,  ム1010 0 b

1/2,5万平板測量丁.13陸地測量部 1/ω00写真図化,S.411 000写真地図,S.43地理院)

O O  l○ ○ O

1/i,000写真図化(S.40)長崎県

O ○ .O Ol○ ○ O ○ ○

1/2ΦOO写真図化(S・40)長崎県 ⑬に同じS.37→S.40→S.41→S.42

 米佐.長地地防セ東事地防セ 寧世崎理理多祥業理多平板測量では測量年次・写真図化では1   保 県 院 院一一災1j航K 路災1 写真撮影年次を記した.ただし( )脇ニム肋吻鵬㍍パは測図年次

1/5,000写真地図は国土基本図計画の一部として作成されたものでS.仙年中には北松全域完成予定

○1

O ○, t

1/1万写真図化(S.38編図)佐世保市 (1■5000写真地図,S.42,地理院)

10ト lO.ド・ (プ 1刀.5万}板測量(T13)陸地測量部(その他?)

O 1

O=

1/25方平板測量(T,13)陸地測量部(.その他?

O l

○ ○ O

1/王万平板測量S.33繍集地質調査所1・乞.5万平板測量丁13陸地測量部

一11一

(9)

北松型地すぺりの発生機構拾よぴ予知に関する研究(第1報)防災科学技術総合研究報告 第22号 1970

表一3 今回作成した地形図の一覧表

地形図または等高練図

使用空中写真

図 化 内 容

撮影年月日 図化範囲(面積)

縮 尺 等高線

地 物

1:2,000       鷲尾岳地区(昭和43年)lS.43,6.20

主曲激問隔

1/6千 2m,10m

主要なもの 変動区域と周辺約0.5km一

(昭和41年)一

S.41.11.28 1/1万

2 m

全誌

変動区域と周辺部一帯5.0k㎡

(昭和35年)■S.35.4.11      『

1/1.5万 2 ㎜ 全 部 変動区域と周辺約O.5km2

      ;(昭和22年)lS.22.3.4

1/4万 2固,10m

主要なもの        

1  

1:2,000  (昭和41年)=S.41.11.28 1/1万

2 m

      =長田代地区 (昭和35年) S.35.4.11       一       (昭和22年)」S.22.3.17 主要在もの 変動区域と周辺約1.6㎞2

1/1.5万 2 ㎜ 全 部 〃      

工/4万 2 m 主要なもの        

1:2・O00  (昭和42年)1S・42・7・28

1/1万

2㎜ 主要なもの 変動区域と周辺約O.7km2

      一元触地区 (昭和33年)lS.33.11.25

1/1.5万 2㎜ 全 部 〃      

(昭和22年)≡

S.22.3.17 1/4万

2 ㎜ 主要なもの 〃      

1:2,OOO (昭和42年):S.42.7.28

1/1万

4㎜ 全 部 変動区域と周辺約2.0㎞一 平山噸川内地区 (昭和41年) l S4111 281S。。.。。

1/1万 4m

全 部       

(昭和40年)

1/2万

4 m 主要なもの        

(昭和37隼)

S.37.8.21 1/2万

4 囮 主要なもの        

1:4,000

γ1止1.樽川内. (昭和41年)

S.41.11.28 1/2万

4 m 全 部 変動区域と周辺部一帯13.O k㎡

牧ノ地地区

表一4変動域外(不動区域)に拾ける追跡点座標較差の測定精度     (昭和42年度作業,平山・樽川内地すぺりの例)

点 数 平面位置

点 数

高   さ

甲等誤差 最大値 中等誤差 最大値

写典縮尺

備 考

S.42 46 0.21m

0.64㎜

46

0.34m 0.68㎜ 1/1万

S.41 60

0.32 0.68

61

0.22 0.64

S.40 23

0.70

1.31 22 0.47

0.99 1/2万

 S.42︵基準年︶写真の1次航三による座標値と︐各年写真の2次航三による座漂値の較差

S.37 23

0.60 0.96

21 0,73

1.40

S.42  〜41

25 0.33

0.53 同左 O.35

1.03

1/1万 〜1/1万

S.41  〜40

17 0.65 1.57

0.63

1.44

1/1万 〜1/2万

 各年写真の2次航三による座標喧問の較差

S.40  〜37

10

0.84

1.64

O.93

1.90

1/2万 〜1/2万

注) 変動域内の測定精度を推定するための資料として示した.変動域内追跡点では,刺針の際の誤差・誤認の影響が生じ  やすいので,精度は上表より劣るものと考えられる.

一12一

(10)

北松地域における最近の地すぺり変動の地形特性(予報) 国土地理院地図部地理課

1.計画・準備

2︑ 像定・.測11け一キニは 胤仙臭火の利川

3.

担跡[、、、つ於一,律㌧1

一一一 一 一

4.」牢11・ 角測最

5.

追跡.点座標測定

物・写高線

7︑

計算整理

6関化十1けべり葦1動地形

誓高一ユ。断面図 芋・

変動量図作成

9. マジンクコート鮒寸

注) 3、⊃工程が技術舳こはもっとも1虹要である。時問的余裕があれば  3の終了後1一片4と5を一括して行在うことも可能である

       (Aで危くBの手順)。

    図一4 写貞測量による地すべり        変動調査作業て二程

のプニはη真上に拾ける目標物の明瞭度,経隼変化

の有一津ないし程度に左右され1とくに前者は写真

の圭1と土地利用状況による制示 が老しい.

  4)今回の測定作業でば(少なくとも変動前

については)既存の空中写真の利用が前提であり,

①変動前の写夷の大部ク)・が米軍1/4万(昭和22

〜2㍉締影)で縮尺が小さい上に質が著しく劣 ること,∴2一変亀域主部は雑木林が卓越し,目標物

に乏しく,あるいは③変動後かなりの年代を経過

してお・り,家庫移転,道路 耕地の荒廃,改変が

若しいなどのため追跡点の選点が困難で,結果と

しては誤誌や誤差の大さい不良点も多数見出され,

      注2)

全休としての測止精度は決して良好とはいい期1い.

しかしながら近接した多数の追跡点測定値(較差)

の比較検討によ州)不良測定旧(主に選点の際の

誤認による)の除去とliij変動区域外(イ・動地域)

の各回洲定液の比紬による系統誤差(主に対地標

定粒よびノスマーク接地誤メ1二)の補正を行なうこ

とにょり,地すべり地各部分についてのほ㌧妥当な

(真実に近い)変妙 ;貞:を推定することはある程度

可能であり,悪条件下に拾ける最初の試みとして,

とくに地すぺり変動の全体像を推定するための手掛

注1)カメラが旧型であること,ネガフィルムまたは写真印繭 からの複製であることが主要な原因である.

注2)景近の写典のみを使用した昭和42年度作業分(表一4)

りとしては充分有効であったといえよう.

  5)地すぺり地では顕著な目標物に乏しい場

合のほか,地.ト変動測鼻の標柱や各種調査観測」地

点にぱ半永久的な対空標識を設置しておくことが

望ましい.驚尾岳地区では昭和43年6月に防災 センターによる空中写真撮影(1/6,O00およ び1/12,000)が行なわれた際,長崎県の協

力により変動測量用標柱,主要ボーリノグ地点に 対空標識が設筒されたのて,これを利用して写真 測定を行ない,表一5に示したような座標値が得

られている.県当局による地.ト三角測一…」とあわせ て,今後の変動測定の体制がより整備されたとい

えよう.

 変動の箸しい地すべり地(平], 樽川内なと/

の一一部ではボーリング地点の位直・高さが不明確

なため,すべり面や地質解析に困難を感ずる場合 が少なくない.貴重な資料を有効に利川するため にも,この点についての配室が必要と一敵オ)れろ.

 2.5 顕著な地すべり変動の地形解析

 地すべり変動の地形的宅性を把握表現するため にば単に地表形態のみでなく変勤範囲および変効 ベクトルの図示,変動状況に基ずく微地形ないし 変動層の細分などを平面図拾よび断面図、Lで行な

うことが必要であり,これらは地質拾よび力学的解 析のための基礎資料でもある.この地域の上ピすべ

りについてはすでに多くの調査結果が公表されて いるが,地すぺりの全体像については模式的表現 によるものが大部分で,上記の安素を総括的に図 示した例は意外に少ないようである.現段階では な拾準傭が不十分であるが,基礎作業としての重

要性を考慮し,以下の作業を試みた.

 A.地すぺり変動状況図(平面図)の作成   1)基図の縮尺はできれぱ1/2,O O O,在

けれぱこれに近いものを用いる.

  2)写真測量およぴ地上測量による変動ベク

トル(水平成分)を図示し,垂直成分を注記する.

  3)地すべり変動により生じた地形(滑落崖,

凹地,キレツ,崖,搬状起伏,小丘,押出し崩落部,

同堆積部,末端隆起,せき止めによる池など),対策 工事施設(排水隆道,排水ボーリソグ,集水井,流路 工,えん堤など)拾よび各種の調査観測地点(ボーリ

ソグ,変動記録計器,物理探査,各種資料採取など)

については3)に記した基準に比べても精度良好といえるが,米 軍1/4万写真を使用した昭和43年度作業分では位置確認 の困難に」二る不良点が多かった・

一13一

(11)

北松型地すべりの発生機構拾よぴ予知に関する研究(第1報)防災科学技術総合研究報告 第22号 1970

表一5鷲尾岳地区対空標識設置地点測定座標一覧表

点名畿驚 X Y H

地盤高)

HG

三角点 (350.99)

2983377

15690.27350.92

標定点1 地表より

0.20m

3178480

15848ユ9 239.76

2

O.25

3177586 1496827

187.60

3

O.30

3076455 1408283

221.55

4

O.27

3020362

15095.64280,04

基点A

0.30

B

O.30

1 1

C

O.00

3099297 1547383

58.91 58.91 測点イ 0.28 31053ユ8

1530320

47,79 47.51

026 31075.56

1524023

47.20 46.94

0.28

ノ、

ポーノ脇1 O.27

3109400 1512983

59.63 59,36

2

0.28 31038.78

1503571

61.02 60.74

3

0,15

3095689 1488425

81.63 81.48

5

O.20 31005.15 15323.47 64.85 64,65

6

0.25

310213g

15227.75 85.17 84.92

7

O.33 30942.281503138 99.99 99.66

8

0.38 30804.95

1494489

135.16 134.78

9

0.34 30763.67

1495973

146.09 145.75

10 5.OO

3066847 1519264

165.17 160.17

11 2.10

30439P1 1513141

195,50 193.40 12 O.30 30279,06

1516081

255.7g 255.49

13 O.25

3024738 1522708

254.93 254.68

14 〇一30 30233.82 15173.65261,75 261.45

15 O.30 30246.71 15128.11269.20 268.90 16 O.35 30211.40

1517239

273.67 273.32

ボーリ〃守

κ3 O.60

1

4

7.24 31014.041526396 65.38 58.14

5

O.35 31025.871477742 68.26 67.91

10 O.20

1

13 8.00

3057023

15198.08140.26 132.26 20 7.60

3054153

14986,8217392 166.32

21 O.25 30508.0 15276I15 142.67 142.42 23 O.30

30963401491491

5866 58.36

26 O.30

30472341505884

19207 191.77

27 O.30 30334.1 15082.84

23624 23594

28 027

29 025

30 020

30293441528013 21665 21645

31 020 3035606 1523517 20599  20579 32 015 3044523 1532394 13999  13984 作業方法:S.43.6.20撮影1/6,O00空中写真(防災セ     ンタ.,0355−0357)を昭和42年度タイポイ     ント成果を用いて標定し,対標設置点の座標を測     定算出した。ただしタイポイント成果はS.41.11.

    28撮影1/1万空中写真(防災センター北松地区,

    C5.3515−3517)と鷲尾岳三角点(市ノ瀬)拾よ

    ぴ新しく設置した標定点κ1〜κ4・水準点6点

    を用いて算出したものである.

を写真判読,測定,参考資料などにより記入する。

  4)写真判読と上記の資料により変動範囲外 郭線を推定し,さらにB.の断面図を参考に滑動 区域主部と崩落部,押出し堆積区域の3区域に大別する.

 B.地すべり縦断面図の作成

  1)変動状況図の上で代表的縦断線を選定,

記入する.

  2)水平(横)と垂直(縦)の縮尺をそれぞ

れ1/2,000,1/1,000とし, 資料があ

れば各時期の縦断面図を描く(力学的解析のため には縦横同縮尺が望ましいが,今回は主に地質解

析の便宜を考慮して縮尺を決めた).

  3)断面線付近の変動ベクトル,地質資料な

どを投影,記入する.

  4)今回あるいは以前の滑動層の下限(多

くの場合は主すべり面に相当)の推定,地形拾よ び滑動,堆積層の細分結果などを記入する.

 C・地すべり変動特性の計測と分類

  1)地すべり変動の規模,形態など量的要素

の計測と変動型の分類を行ない,表示する.

 これらの作業結果の主要部分は図版I〜w拾よ び表一9,表一11,表一12に示してある.

 3.顕著な地すべり変動の箇所別記載

る.1 石倉岳NWの地すベリ(図版I・写真2

,3参照)

 国鉄松浦線今福駅の南方1km余,1/5万

「唐津」図葉の南縁付近に位置する.NNW〜

N W向き比高約90mの褐色の地肌を見せる滑落崖 は東方にならぶ後述の(3.7)石倉岳地すべり とともに松浦線や国道204号線からも間近かに見

ることが諦る・小貫(1957・・83)は

「門元地」の「東北部には先年北側に向って辻り 落ちた急崖が見られるが,今後尚発展の可能性が

ある. 当時の地すべりによる崩壊土は500〜

1,O00mも西北方に流失したようである」と記 している.このほか,小出(1955・p・122)

は昭和27.28年の石倉岳地すべりについての 記述の中で,「この付近には明治40年に大地

辻りを拾こしたところもある」と記し,また今井

ら(1958,p.77)は「石倉岳」地域で大

正11年』8月の地すべり活動を記しているが,上 記の滑落崖を形成した地すべりがこれらのいずれ

注1) 1/5万「伊万里」図葉で石倉岳△313mの西方

700mにある溜池.

(12)

北松地域に拾ける最近の地十ぺり変動の地形特性(予報)一国土地理院地図部地理課

に該当するかは明らかでない.1/5万地形図の■

旧版を見ると,明治33年に第1回測図,大正12

〜13年に第2回測図(この地域ではほとんど全 面改訂)が行なわれており,両老を比較すると,

単に地貌表現の差のみでなく,この間に(地すべ り変動による)地形変化があったことは疑いない ようである.変動後約50年を経過して拾り,ま た現地踏査を行なっていないので不明の点が多い が,写真判読により変動範囲の最大外郭線を推定

図示した.縦断形は階状を呈して拾り,210〜

205mと135m土,断面線の西側では175

〜160mに小平坦面が認められる.滑落崖南西 力で行カわれたボーリング結果(松浦治山事業所,

昨利43年度)や北側山腹に散在する廃鉱位置と 階状地形との対応を考慮すると,すべり面は階状

を呈し,上部のすべり面は玄武岩層間の堆積層,

下部のすぺり面は第三系中にあると推定され,

後述の元触(3・9)の場合と類似点が多い.

小平坦面の

でf﹁﹇・︺

平坦面の すべり面の 地すべ

推定起源 推定高度

り層準

210−205m 上音けべり

面上の滑動 層の堆積面

175−160m

薄い岩屑層     ,

170m± …玄武岩

を伴う地す

(上吝けべ1 層問に

べり削剥面1

り面) 一;

挾在す

るシル

i

ト層一

角礫凝

灰岩

135m土

130m±

福井層

(下部すべ

上部

り面)

 地すべりの前縁は第三系の山脚問の谷を流下す

る土石流地形に移行し,その末端ば30〜10m

(滑落崖⊥端からの距離は約850〜1,100m)

付近で傾斜を急滅し谷底平地に接 している.

 3.2 上小川内地すべり (図版]I 1,写真 1参照)

蔵岳(△456m)〜妙観寺峠N E(△367m)

問の玄武岩台地開析山稜,前方は相ノ浦川支流小

川内川(谷底高度100m±)の谷で1中腹(高 度210〜260m)に老しい平坦面があり,も

っとも著しい地すぺり変動は平坦面から背後斜面 基部にかけて生じている.昭和22年の空中写真 によるとほx水平に前方に滑動したブロックと背 後斜面基部に生じた滑落崖の間は小地溝を呈し,

滑動ブロック前方の平坦面上の岩屑層の一音トは下

部急斜面を葡行滑落し,数条のうちの少なくとも

一筋は佐世保一世知原を結ぶ県道 まで押出してい

ることが半1jる.

 この地すべりについては小貫(1957,p.97

−99)が「地辻り (図示1.2地点)及び陥没

(図示3地点)個所」に注目し(図一5参照)

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佐世保市街の北方6㎞,菰田貯水池留方約500 m付近のS S E向きの山腹に位置する.背後は五

注) 1/2.5万地形図「佐世保北郡(大正13年修正測図)」

に拾いて上」洲内北方山腹に記されている頽岩はこの地すぺりよ り西方の(断面図W−W I線上に位置する)より古い地すぺり の.滑落崖を表わすものである.言た現在の1/5万「佐世保」

  図一5 佐世保市皆瀬町上小川内免地す       べり陥没概況図(小質義男19

      57,p.98,図一21による)

およぴその原図であるA巫S−map (剛和22年撮影1/

4万写真の図化により作成)に図示され一.いる」う…け(宕)記 号も旧版を見習ったため実際の位置を外れ,誤って西側の古

い滑落崖の位置に記されている.

一15一

(13)

北松型地すべりの発生機構およぴ予知に関する研究(第1報)防災科学技術総合研究報告 第22号 1970

r地ヒり面は昭和17年,20年に発生している が,最近においては図示1地点は本年(昭和27 年)7月191」午後5時頃すべり落ちたものであ

る.辻り面を見るに,第三紀世二知原層砂岩の上 に洪積砂礫層,更にその⊥に玄武岩が重なり,こ

の三考が70〜8びの急斜面の主二り面を以っ

て洛ちているもので洪積砂礫層の位置からは湧水 が見られる.」……「図示3地、点では東北一西南 方向に地溝を呈する陥没が見られ,地溝の北崖は

30〜40mの高さであるが,南崖は5−15m

の高さで崖のすぺり落ちた面は60。以.トの急斜

面である.地溝の底の巾は40〜60m位で,東 北一酉南方向の延長は300mに及ぶ」と記し,

さらに原因については「世知原層と柚木層の境界 に賦存する松浦三尺層はこの付近では県道上に坑 口があり」,「戦争中,乱堀甚だしく払堀のま重 充損も行はれないところが多く,坑内で天盤汎0

尺位も落盤し,雨の多い時は出水及び落盤が特に 多かった様である.この付近の陥没箇所は恰もこ の乱堀地域のようで,恐らくこの鉱害による陥没 と見倣される」「この陥没に伴って西南方の傾斜 音1に」「押出しているようで,図示1地点及びそ

の姉の地盤の異状はこの影響をうけて㍗鮒 と見倣される.即ちこれはG型の地辻りで,鉱 害に伴うものである」との見解がのべられている.

 この地区についても筆者らはまだ現地踏査を行 なっていないので,写真判読と図上作業に基ずく

予察的知見を以下に記す.

  1)地すぺり地巾央(M)拾よび東西に約

300m離れた変動区域外の地形縦断面(E,W)

釦よび地すぺり前の推定断面ば図版皿・1のごとく

である.

  2)3本の地形縦断面には老しい山腹平垣〜

緩斜面Fの存在拾よび背後斜面上半部Uに比べて 下半部Sがより急傾斜であることが共途して認め られ,重たSの規模とFの規模は密接な相関を示 し,Eの平面形は半月状を呈することから判断す ると,S歩よびFの凹形断面は山腹緩斜面の直下 に介在するほ∫水平に近い特定層準での地すぺり

(に伴う滑落崖の後退)の繰り返しによって形成 された地形であることは確実であり,また緩斜面

       マ マ

注1)小貫(1952,P.77〜)は「G型a,深度によ

る陥没に伴って山腹の傾斜側に押出し移動する(例.…上小 川内免)b.採炭により地層の傾斜側に陥没,亀裂を生じ,

このため地層がその傾斜方向に移動する(例,江迎町猪調志 戸氏免)」と記している.

上の徴起伏の程度は主に①岩盤(1次)地すべり によるブロック滑動一②砕屑化一③岩屑(2次)

すべり・雨食などによる削象1」除去の過程に拾ける 時期の差(Mは滑動直後,Wは削剥前期,Eは削 剥後期)の反映である公算が大きい.

  3)Eの山腹緩斜面の著しい平坦度,Mのブ

ロック前縁平坦部との連続性などを考慮するとM

:二㌶鴛二㌫黙㍗m=㌃二

り約80m.ト方にあたり,前記の小貫の記載その 他から判断すると玄武岩基底の八ノ久保砂礫層

(岩橋,1,961a)ないしは第三系上限付近に相 当するようである.

  4)地すべり変勤■前の状態を想定すると,地 すべり発生箇所はEおよびWに比べて①山腹等高 線の突角部に位腎し,②背移斜面に拾ける滑落崖 の後退拡大がよりおくれていたことが注目され,

地震や地下採堀の影響をより受けやすい地形条件 を保持してし(たとみることができよう.

  5)発生機構の飾明のためには,すべり面構 成層自身の陥没(小貫の断面図,図一5)の有無

を確認することが氏1段階として必碧であろう.

 3.3 鷲尾岳地すべり(図版皿,写真4〜7参

照)

 この地すべり地については今回の総合研究のは じ言る以前から北松地域の中でもつとも詳細な調 査が行なわれており,岩盤地すべりとして巻そら

く最初にすべり面が確認された地すべりでもある.

資料 文献も多く,防災センターによる詳しい報 告も予定されているので,地形地質の概要は省略

し,主に写真測定と判読による矢[1見を記す.

 変動状況について

  1)昭和22,35,43年撮影空中写真の

比較測定および判読により推定される変動範囲は 図示のごとくで面積は約2.5ha,その外郭は現       注3)

地踏査により確認されたクラックに一致する部分

が多い.

  2)写真測定資料によると昭和22〜43年

の水平変位量は,山腹上部で13m±(4地点),

山麓部で10m士(4地点),方向はほ\N向きと

     注4)

推定される.

注2)この付近の未公表地質図(縮尺1/2.5万,地質調査 所長浜春雄博士の調査原因)による.同所応用地質部安藤武 室長の御好意に感謝する.

注3)昭和42年度の研究連絡会で配布された農業土木試験 場大一平成人造構部長の調査資料による・

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