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近畿北部の地震活動―水の起源と 地震予知−Seismic activity in Kinki district -Source of the water and prediction -

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Academic year: 2021

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近畿北部の地震活動―水の起源と予知−

Seismic activity in Kinki district -- water source and prediction --

○ 梅田康弘・伊藤 潔・松原 誠(防災科研) ○ Yasuhiro Umeda, Kiyoshi Ito, Makoto Matsubara High and low seismic activities in the north Kinki district have repeated in several years. Since March 2003, the number of micro-earthquakes decreased. We guess that the seismic activity was controlled by the week change of tectonic stress and the high pressure fluid produced from the upper mantle. Why is the fluid from the mantle? A plane which reflects the seismic waves was found in the 60km depth. The layer which has high velocity of P wave lies beneath this plane. We guess this layer is the source of fluid.

1.はじめに すでに報告されているように近畿北部、特に丹 波山地の微小地震活動が 2003 年 3 月頃から静穏化 している。ほぼ同じ頃から天ヶ瀬観測所をはじめ 近隣の地殻変動観測所でも歪み速度に変化が見ら れた。微小地震の静穏化と活発化は過去に何回も 繰り返しているが、静穏化のあと急な活動を始め たときに 1995 年兵庫県南部地震が発生したこと もあり、わずかな変化にも注目している。これま でに京都大学の観測結果の他、関係機関の研究者 によってもこの現象のクロスチェックが行なわれ た。静穏化と活発化の原因として地震発生層の下 部に存在する流体が、広域の弱いストレス変化に 敏感に応答することによるのではないかとの仮説 を立てている. しかし、その流体はどこから供給 されるのかが長い間疑問であった。 2.大大特の結果とトモグラフィー 大大特では都市の震災を軽減する目的でさまざ まなプロジェクトが実施されているが、地震動の 予測精度を高めるためには地下構造調査が必要で あることから、近畿においてもいくつかの測線が 設けられ、人工地震による地下構造探査が行われ た。その中でも最も長い 測線は紀伊半島の新宮か ら若狭湾の舞鶴に至る全長 220km の測線である。 2000 個余の地震計を配置し 13 の発破点からのシ グナルを重合した結果、深さ 80km までの反射面を 描き出すことに成功した。 一方、高感度地震観測網(hi-net)により自然地 震を使った速度構造(トモグラフィー)も深さ 100km 付近まで描き出せるようになった。トモグ ラフィーでは P 波、S 波の速度構造や Vp/Vs から ポアソン比などが求めることが出来るが、深くな ると空間分解能が落ちるという欠点がある。これ に対して反射法で検出される反射面は位置に関す る分解能は高い。これらの長所を生かしつつ、丹 波山地の微小地震活動の消長を左右していると推 定される流体の起源を探る。 3.丹波山地の下 60km の反射面の正体は 大大特の新宮―舞鶴測線では、紀伊半島沖から 大阪平野付近まで、北に約 25 度で傾き下がるフィ リピン海プレートが確認された。地震の深さ分布 から求められていた従来のプレートの上面に、海 洋地殻と推定される約 10km 厚の層が乗っている ことも判明した。低周波地震はこの層で起きてい ることもわかった。反射面から推定されるプレー トの先は大阪平野の直下 60km 付近で傾きが緩や かになり、反射面としてはいったん不明瞭になる。 しかし、さらに北の丹波山地の直下では深さ 60km 付近に、やや南に傾く弱い反射面が見出された。 一方、地震波トモグラフィーでもプレートに沿 った P 波の速い層が大阪平野の直下で傾斜を緩や かにし、丹波山地の直下まで続いている。トモグ ラフィーではややぼやけていたが、この P 波高速 度層の上面を反射法が捉えていると考えれば、丹 波山地の直下 60km 付近の P 波高速度層はプレート の一部を見ている可能性がある。この部分では地 震は起きていないため、力学的には繋がっていな いプレートの先端か、あるいは分離したプレート を見ているのかも知れない。この深さ 60km 付近の 反射面は、かつて行われた人工地震によってもか すかに見ることができ、近畿北部全体に広がって いるようである。現在行っている自然地震の稠密 観測から S 波速度構造がはっきりすれば、この部 分の実態がよりはっきりするだろう。

参照

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