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著者 相田 博, 高瀬 巌, 長谷川 敏樹

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(1)

Nーベンジルマレイミドのラジカル重合に及ぼす溶 媒の影響

著者 相田 博, 高瀬 巌, 長谷川 敏樹

雑誌名 福井大学工学部研究報告

巻 32

号 9

ページ 231‑238

発行年 1984‑09

URL http://hdl.handle.net/10098/4341

(2)

工 学 部 研 究 報 告 第32巻 第2号 昭和59年9月

N ー ベ ン ジ ル マ レ イ ミ ド の ラジカル重合に及ぼす溶媒の影響

相 田 博$ 高 瀬 巌場 長谷川敏桂(*

The Solven七Effects on七he Radical Polymeriza七ion of N Benzylmaleimide

Hiroshi  AIDA

, 

Iwao TAKASE  and  Toshiki HASEGAWA. 

( Received Aug.  13

, 

1984  ) 

The radical polymeriza七ion of N‑benzylmaleimide was 

。 向 ,

carried ou七in six solven七s a七 50七o 70‑C, using 2,2

azobisisobu七yroni七rile as  an initia七or. The ra七e of  polymeriza七ion in cyc工ohexanone,dioxane,2‑bu七anone, benzene  and e七hylace七a七e i s approxima七e工y propor七ional 七o七he firs七power of both七he ini七ia七or and七he monomer  concen七ra七ion. On七he0七her hand,七he ra七e of polymer‑

iza七ion in N,N‑dime七hyforrnamide(DMF) is propor七ional七O

七he square roo七 of七he ini七ia七or concen七ra七ion and the  firs七power of七he monomer  concen七ra七ion.

The intrinsic viscosi七ies of polymers  obtained from  e七hylace七a七e,benzene and DMF increase with increase in  七he monomer  concen七ra七ion and decrease wi七h increase in  七he ini tia七or concentra七ion.  On七he0七her hand,七he in七rinsic viscosi七ies of polymers  from  2‑bu七anone,cyclo‑

hexanone and dioxane increase  s工igh七工Y wi七h increase in  七he monomer  concen七ration and are almos七independen七 of 七he ini七ia七or concen七ra七ion. The mean values  of七he in

七rinsic viscosities  from 七he la七七er solven七s are  one  four七h七o one fif七h of七hose from七he former  solven七S

excep七DMF in七he case  of which七he values  are in七er‑

media七e. 1七 is like工y七ha七七he chain七ransfer reac七ion 七o so工ven七is predominan七in七he radi cal po工ymeriza七ion of N‑benzylma工eimide in七he elec七ron‑dona七ing solven七.

工業化学科 料 福 井 市 役 所

(3)

232 

N ‑置 換 マ レ イ ミ ド の ラ ジ カ ル 重 合 に つ い て は 多 く の 研 究 が 報 告 さ れ て い る が , 重 合 速 度 に 対 す るモノマー濃度次数及び開始剤濃度次数は研究者によって著しく異なっており!)2)3M)5)重 合 速 度 が 開

始 剤 濃 度 の 平 方 根 及 び モ ノ マ ー 濃 度 の ー 乗 に 比 例 す る 典 型 的 な ラyカル重合の例はきわめて少ない。

そ の 原 因 の 一 つ は 溶 媒 に 対 す る 生 長 鎖 ラ ジ カ ル の 連 鎖 移 動 反 応 に あ る も の と 考 え ら れ る 。 そ 乙 で 我 我はN ベンジルマレイミドについて6種 の 溶 媒 中 で ラ ジ カ ル 重 合 を 行 い , 重 合 速 度 及 び 極 限 粘 度

を測定して溶媒効果を明らかにしようとしたo

実 験 方 法 2 

Nーベンジルマレイミド (BzM)はMehtaらめの方法を用いて,無水マレイン酸とベンジルアミ 2回昇華して精製したo 融 点70'"'‑70.7 

o c  

(文献値6)70.........  72 

o c  

)。

ンとから合成し,

ジオキサン,酢酸エチ

N ジメチルホルムアミド(DMF),ベンゼン,

シクロヘキサノン, N, 

2 ブ タ ノ ン は 常 法 に 従 っ て 精 製 し た 。 そ の 他 の 試 薬 は 市 販 特 級 品 及 び 一 級 品 を そ の ま ま 使 用 したO

Jレ,

次l乙,所定量のBzM,溶媒, AIBNを硬質ガラスにとり,真空ラインに接続して凍結 融解サイ クルを 2...  3回繰り返して脱気し,封管したO これを所定の温度に保たれた恒温槽に入れて重合を 行 わ せ , 重 合 終 了 の の ち サ ン プ ル の 内 容 物 を メ タ ノ ー ル に 注 入 し て ポ リ マ ー を 沈 殿 さ せ , 口 過 , 乾 燥し,秤量して重合率を求めた。

ウベローデ粘度計を用いて 300Cで測定した。

0.15 

0 . 1 0 

ポリマーの極限粘度は DMFを溶媒とし,

(

SH V¥ H0 5) 各 種 溶 媒 中 に お け る 重 合 速

重 合 率 ( 重 合 し た モ ノ マ ー の 濃 度 実 験 結 果

3.  1  3. 

0̲05  ロO什ぬ1Hωkr

0 0

であらわす)と時間との関係はDMF

の場合を除いて原点を通る直線であ る。一例としてシクロヘキサノン溶 媒 の 場 合 を 図 1IL示す。乙の直線の

DMF 

勾配から重合速度を求めた。

2  3  Tirne  (hr) 

1~ Conversion‑tirne plo七s for  radical polyrneriza七ion of N‑bezyl‑

rnaleirnide  in  cyclohexanone a七 50~C.

Monorner  concen七ra七ion(rno

工/

drn3 ) :  ( 1)  1. 0 7  ( 2 ) 0 • 8 56  ( 3) 0 • 6 42  ̲ ~

(4)  0.428.  AIBN(rnol/drn3):  2.2x10; 

4  O  Fig. 

溶液では上に凸な曲線となり(図2),  その初期勾配から重合速度を求めた。

次 に 重 合 速 度 と モ ノ マ ー 濃 度 及 び 重合速度と開始剤濃度との対数プロ

乙れを表 1IL示す。

ットを行い,乙れから反応次数を求

めた。重合速度( Rp)は次のようにあらわされる。

シクロヘキサノン溶液 Rp k(AIBN)ω'3 (M) 1.∞ 

(4)

Rp= k (AIBN)O.85CM)l

∞ ・

Rp = k (A BN ) 0.84 (M ) 1.ω  Rp 

k C AI BN ) 0

83(M)l

∞ ・

Rp= k CAIBN)o.回(M).olll

Rp

k (AIBN) 0.00 (MJ 1.0

DMF中 で は 重 合 速 度 は 開 始 剤 濃 度 の 平 方 根 K比 例 し , 二 分 子 停 止 が 起 っ て い る が , 他 の 溶 媒 中 で は 開 始 剤濃度の0.8‑‑0.9乗に比例し,主と

して一分子停止が起っていると考え られる。同一重合条件(モノマー濃 度1.07mol/白日,開始剤濃度2.2x 

1Q‑3mo

/dm3,温度50'C)における

重合速度を比較すると,酢酸エチル,

ジオキサン,ベンゼン,シクロヘキ サノン中にくらべDMF及 び2ーブ タ ノ ン 中 の 重 合 速 度 は 前 者 中 の 約

3/10に減少しているo

次 に シ ク ロ ヘ キ サ ノ ン 溶 液 に つ い て重合速度の温度変化を測定した。

60'Cでは重合率と時間との関係は原 点を通る直線となるが, 70 'cでは上 に凸の曲線となるo これらの直輝の 勾 配 あ る い は 曲 線 の 初 期 勾 配 か ら 重 合 速 度 を 求 め た 。 こ れ を 表2~乙示す。

各温度における重合速度は次のよう にあらわされるO

50'C  Rp= k (AIBN)o.93CM)l00

60'C  Rp= k (AIBNJ0.76 (MJ 100

70 'C  R = k A 1 BN ) 0.82 M J 080

反応次数は高温ほど小さくなるが,

温 度 に よ る 変 化 は 著 し く な い 。 重 合 速 度 の 温 度 変 化 よ り 活 性 化 エ ネ ル ギ ーを算出すると, 79 kJ /mo工とな

2‑ブタノン溶液 ベンゼ、ン溶液

ジオキサン溶液 酢 酸 エ チ ル 溶 液

DMF溶液

0 . 1 5 

0r

EO  ..1 

(/) 

~

0 . 0 5  

Tirne  (hr) 

Fig.  2.  Conversion四七irne plots  for 

radical polyrneriza七ion of N‑ benzylma工eirni de in DMF a七 50C.

Monomer  concentration(rnol/drn3): 

(1)  1.07  (2)  0.856  (3)  0.642  _~

(4)  0.428.  AIBN(mo

ユ/

drn3 ) : 2.之x10.‑

¥.

υ4ハ

u

h

00 ω

ω口 付

mH#H

0 . . 4   0 . 6   0 . 8   1 . 0  

Monorner  concen七ra七ion (rno

工/

drn

Fig.3.. 工n七rinsic viscosi七Y of polyrner  vs.  rnonomer  concen七ra七ion.

Solven七:(1) e七 hy~a~e 七 a七 e (2)  benzene  (3)  DMF‑(4)  2‑bu七anone (5)  cyclohexanone  (6)  dioxane. 

(5)

234 

Table  1.  Ra七es of polymeriza七ion of N‑benzylmaleimide  at  50 C 

Solven Monom ez r ABNdIIRae of poly‑ Monomer AIBN  Rae of poly‑

mo1/d  mo1/  eri zam3t. i on  mo1/ dm3 mol/dIt  m eri zdat. i on  mo工/dm3sx' 10 mol/ dm3s" 1 0. 

x10  10

Cyclohexanone  1.07  2.2  1.13  0.642  7.2  1.13  3  0.856 

0.95 

3.6  0.8 

0.642 

0.71  2.2  0.48 

0.428 

0.54 

0.72  0.20 

Dioxane  1.07 0.856  rr  1 .17 

7.2  1. 81 

0.95  3.6  1.05 

0.642  11  0.75 

2.2  0.75 

0.428 

0.50  0.72  0.28 

DMF  10.856 .07 

0.38 

7.2  0.38 

0.30 

3.6  0.30 

0.642  rr  0.23  2.2  0.23  0.428  0.15 

0.72  0.17 

2Butanone 1.07 0.856 

11  0.35 0.28 

7.2  0.61 

3.6  0.34 

0.642 

0.22 

2.2  0.22 

0.428  0.15  "  0.72  0.087 

Ehylacetate 1.07 0.856 

1.27 

7.2  2.31 

.11 

3.6  1.25 

O .62 42 

0.88 

2.2  0.88 

0.428  11  0.72 

0.72  0.34 

Benzene  1.07  11  1 .17  7.2  1.77  0.856 

0.92  3.6  1. 07 

0.642 

0.72  2.2  0.72 

0.428 

0.48 0.72  0.25 

Table 2.  Tempera七ure dependence  on七he ra七es of poly‑

merization  of N‑benzylmaleimide in  cyclohexanone. 

Temp

Monomer  AIBNdI6 . Rate of poly‑ Monomer AIBNdEE  Ra te  of poly‑

erat.ure mol/ dm3  mo工/ merizaion mol/ dm3 mol/  merizaon

o c  

103 m~i/ dm3‑s ~ 1 0 103 mol/ dm事.S)( 105'  60  1.07  2.2  2.43  0.642  7.2  2.38 

0.856 

1. 48 

3.6  1.47 

T1  0.642 

1.08  2.2  1.08 

0.428 

0.77  0.72  0.42 

70  1.07  4.34  7.2  7.95 

0.856 

3.09 

3.6  3.94 

0.642 

2.65  11  2.2  2.65 

0.428  11  2.14  11  0.72  0.87 

り,テトラヒドロフラン中の文献値3)101 kJ / mO l )にくらべてやや小さい。

3.2  重 合 物 の 極 限 粘 度

重 合 物 の 極 限 粘 度 と モ ノ マ ー 濃 度 と の 関 係 を 図3P:', 極 限 粘 度 と 開 始 剤 と の 関 係 を 図4 K示す。

い づ れ の 溶 媒 で も 重 合 物 の 重 合 度 は モ ノ マ ー 濃 度 を 増 す と , 増 大 す る 。 こ れ に 対 し て 開 始 剤 濃 度 を 増 す と , 酢 酸 エ チ ル , ベ ン ゼ ン 及 びD M F系で得られたポリマーの重合度は減少する。しかし2ー ブ タ ノ ン , ジ オ キ サ ン 及 び シ ク ロ ヘ キ サ ノ ン 系 で 得 ら れ た ポ リ マ ー の 重 合 度 は 全 般 的 に 小 さ く , 開 始剤濃度を増しでも重合度はあまり減少しない。同一重合条件(モノマー濃度1.07mO/dm~ 開始 剤濃度2.2x 10mo工/dmヘ 温 度50'C)で得られたポリマーの極限粘度を比較すると,酢酸エチル,

ベンゼン及びD M F溶 媒 に く ら べ , ジ オ キ サ ン , シ ク ロ ヘ キ サ ノ ン 及 び2ーブタノン溶媒では,得 られたポリマーの極限粘度は前者の1;4...1/7位であって,重合度はきわめて低い。

次 に 重 合 物 の 極 限 粘 度 と 重 合 温 度 と の 関 係 を 図 5及 び 図 6~乙示す。重合温度を高めると,全般的

(6)

に重合度は減少するO

(

¥ )

以上の結果をまとめると,溶媒は4

0.60 

~5)

4テーーーー・6

0̲20 

h

ft hm oo m

O

m H H

h H

つのグループにわけられるO グループ (1)は重合速度及び重合度がともに大 きい系で,酢酸エチル及びベンゼンが これに属するO グループ (2)は重合速 度は大きいが,重合度が小さい系で,

ジオキサン及びシクロヘキサノンが属 する。グループ (3)は重合速度及び重 合度がともに小さい系で, 2ーブタノ

ンが属するo グループ (4)は重合速度

3

AIBN  concen七ra七ion (mol/d品x10 )  Fig.4.  In七rinsic viscosi七Y of polymer 

vs.  AIBN  concentra七ion.

Solvent:(1)  ethylace七a七e (2)  benzene (3) DMF  (4)之‑butanone 

(5)  cyclohexanone  (6)  dioxane. 

6  (6)  2 

は小さいが,重合度がやや大きい系で,

しかもグループ(4) を除いて一分子停止が起っているO

DMFが属する。

考 察 4 

Nーベンジルマレイミド (BzM)の

ttO 

0.20

r

DMF溶 液 に お け る ラ ジ カ ル 重 合 速 度 はモノマー濃度の一乗及び開始剤濃度

C)~

. u . ;  

~

0 . 1   0

ロω ・ .rf  0  +コの向 。

.rf ト→〉

の 平 方 根 に 比 例 し , ポ リ マ ー の 重 合 度 はそノマー濃度を増すと増加し,開始

..L. 

1.

Monomer concentra七ion (mol/ dm

Fig.5.  Tempera七ure dependence  of  in七rinsic viscosi七ies of polymers  polymerized in cyclohexanone  on monomer concentra七ion.

Polyme~iza 七 ~on ¥em

p :

e:;‑a七u主e: (1)‑50"C  (2

, )  

60~C ‑(3)  70PC. 

剤 濃 度 を 増 す と 減 少 す る 。 乙 れ ら の 挙

ムー

0 . 8  

」 0

. 4   O 

動 は 通 常 の ラ ジ カ ル 重 合 の 挙 動7)とー 致 し て い る 。 重 合 が 開 始 , 生 長 , 二 分 子停止(再結合)の三つの素反応から 成 っ て い る と す る と , 重 合 速 度 (Rp ) 及 び 数 平 均 重 合 度 ( <Pn>)は次式で 与えられる7)

T

EE

1 1

1 I' '

d一tk一k

f'

'l

it

p k 

一 一 J

B EE ‑

J'E

︑ ︑

k'P  (M) 

<Pn>=  ・一一一1

(kd 'k七 ) 2 工 ) 2

︑ ︑ ︐ ノ

qr u 

︐ ︐ ︑

ここにkd,kp, ktはそれぞれ開始剤の分解速度定数,生長反応速度定数,停止反応速度定数で (M)及 び (1)はモノマー濃度及び開始剤濃度をあらわす。

あり,

しかし重合速度は他の 溶媒にくらべて小さく,ポリマーの重合度も酢酸エチル系にくらべて半分程になっている。 AIBN の熱分解速度定数は溶媒の種類によって著しく変化しないといわれている8)ので,重合速度が小さい のはkp/kd2'の値が小さくなっているためと思われるO

(1)式及び(2)式はBzMのDMF中の重合挙動を定性的に説明している。

(7)

236 

い ま ポ リ マ ー ラ ジ カ ル が 溶 媒 に よ っ て 安 定 化 し , そ れ に よ っ て 活 性 化 エ ネ ル ギ ー が 高 く な る と し て ア レ ニ ウ ス 式 を 用 い て 重 合 速 度 の 変 化 を 計 算 す る と , 生 長 及 び停止を含めた全活性化エネルギーが1.8 kj/mo工ほど高くなると, kp/kt 2は半 減する。

とのことからマレイミドの生長ラジカ ル が 極 性 の 大 き い D M Fに よ っ て 安 定 化 する乙とは充分考えられる。

次に D M F以 外 の 溶 媒 で は 一 分 子 停 止 が 主 と し て起 っ ているo酢 酸 エ チ ル 及 び ベ ン ゼ ン 中 で は 重 合 速 度 及 び 重 合 度 が 大

b.O 

B  0 . 2 0  

kA

o c m a f

‑ P

O刊回口什白川干ロH

0 .1 0 1 8:ー‑oえ

o

(3 ) 

O b   j 

4 6 8  

Fig.6.  Temperature  dependence  of  in七rinsic viscosi七ies of  polymers  polymerized in cyclo‑

hexanone  6n ini七ia七or concen七‑

ration.  .P~lymeri~a七 ion 七 emp­

era七ure:(1) 500C (2)  60fl

( . ' 3 )  

70 DC. 

きく::;オキサン及びシクロヘキサノン中では重合速度は大きいが,重合度は小さい。

2ー ブ タ ノ ン 中 で は 重 合 速 度 も 重 合 度 も と も に 小 さ い 。 重 合 度 が 小 さ い 原 因 は ポ リ マ ー ラ ジ カ ル の 溶 媒 へ の 連 鎖 移 動 に よ る と 考 え ら れ る 。 重 合 度 も そ こ で 連 鎖 移 動 を 含 む 素 反 応 モ デ ル を 用 い て 重

合速度及び数平均重合度を算出し,実験結果と比較した。

開 始 A工BN kd  ?2fi 

R・+ M ) RM 

K守 、 ・

生 長 RM

‑.t'  RM n1

移 動

RMn+S~七r白

Pn+5

停 止 RM Kt  "Pn 

再 開 始 S + M 6  ~SM

乙乙 I乙kd, kl, kp, k七rs, k七及び k2はAIBNの 分 解 速 度 定 数 , 開 始 反 応 速 度 定 数 , 生 長 反 応 速 度 定 数 , 移 動 反 応 速 度 定 数 , 停 止 反 応 速 度 定 数 及 び 再 開 始 反 応 速 度 定 数 で あ る 。 Mnはポリマー

ラシカルを ,Sは溶媒を, Pnは不活性ポリマーをあらわす。

( 1 ) 溶媒への連鎖移動が無視されるとき,定常状態では,

2 kd (工) = k七(Q,) (3) 

重合速度をRpとすると, Rp二一丁一一二 kl(R) (M) + kp d(M)  (M) (Q,)キ kp(M) (Q,)  (4) 

U t  

(3)及 び (4)より, 2kn 

Rp=kp つ7ム(工 )(M) 

K. (5) 

Kp (M) (Q, kp (M)  次 に 数 平 均 重 合 度 を <Pn>とすると, < Pn > =   ,,~...一一一一

kt(Q,)  k

(6)  乙乙に(Q,)はポリマーラジカルの全濃度をあらわすo

(8)

( 3 )及び(4 )式は酢酸エチル及びベンゼン中のBzMの重合挙動に対応していると考えられるが,

重 合 度 が 開 始 剤 濃 度 を 高 め る と 減 少 す る 実 験 結 果 を 説 明 す る 乙 と が で き な いo 乙の不一致の原因は 一分子停止のほかに二分子停止が混っているためと考えられる。

( 2 ) 溶 媒 へ の 連 鎖 移 動 が おζり,しかも溶媒ラジカルが活性であって重合を開始することが できるとき,定常状態では,

2kd (1 )=kt (QJ  ( 7 ) 

Rp kl(R)(M)+k2C8) CM)+kp(M) CQ,)宇kp(M)CQ.) 

2kri 

=kp つ了とと〔工)(M) 

t

Kp(M) CQ.)  kpCM)  くPn>=ド

kt(Q.)+ktrs(8) CQ.)  kt+ktrs(8)  ( 9 ) 

乙とに (8)は溶媒濃度をあらわす。

(8 )及び(9 )式はジオキサン及びシクロヘキサノン中の重合挙動をよく説明している。しかし,

乙 れ ら の 溶 媒 中 で は 得 ら れ た ポ リ マ ー の 重 合 度 が き わ め て 小 さ い の で , 溶 媒 ラ ジ カ ル は 重 合 の 停 止 にも働いているのではないかと推察される。

C 3 ) 溶媒への連鎖移動がお乙るが,溶媒ラジカルは不活性であるとき,定常状態では,

2kd C工〕ニktCQ. )+ktrs (8) CQ.) 

Rp klC R) C M) + k p ( M) C Q. ) =kpCM)CQ.)

︑ ︑ ︐ ノ nU  

EA

〆 ︐ ︑

2kri 

(1)(M)

P ‑kt + ktrs C 8 ) 

KpCM)CQ.)  kp(M) 

<Pn>

ktCQ.)+ktrsC8)  kt+ktr(8)

(11)及び(12)式 は2‑プタノン中の重合挙動をよくあらわしている。

本 実 験 で は 重 合 は 見 か け 上 均 ー に 進 行 し , ポ リ マ ー の 沈 殿 は 観 測 さ れ な い 。 こ の た め 生 長 ポ リ マ

︑ ︐ ノ ' ' ' A

咽 ・  

・ ・&

〆 ' 目 ︑

12) 

一鎖の活性末端が沈殿したポリマー中に埋め乙まれて見かけ上失活する乙とは考え難い。しかし,

重 合 系 か ら マ レ イ ミ ド ポ リ マ ー を 分 離 し 乾 燥 し た の ち 再 び 閉 じ 溶 媒 に 溶 か す と , ポ リ マ ー が 溶 解 し な い 場 合 を し ば し ば 経 験 す る 。 一 般 に マ レ イ ミ ド ポ リ マ ー は 普 通 の 有 機 溶 媒 に 難 溶 で あ る 。 こ の こ

とから重合が見かけ上均ーに進行しでもミクロ 的に微細な沈殿を形成する可能性が考えられる。

そ こ で マ レ イ ミ ド ポ リ マ ー の 溶 媒 に 対 す る 親 和 性を知るため, N ‑ベンジルマレイミドポリマ ーを重合に用いた溶媒にとかし, 300Cで極限粘 度 を 測 定 し た 。 結 果 を 表31<:示す。こ乙ζI試 料 ポリマーは, Nーベンジルマレイミドを 酸エ チルに溶かし, 500Cで4時間ラジカル重合させ

Table 3.  Solven七 effect on七he in七rinsic viscosity o( poly N‑

benzy~rnaleirnide a七30‑C. 

Solven Inrinsic viscosiy dl/g 

Dioxane  0.78  Dc MyFclohexanon e   0.70  0.65  Ehylaceae 0.52  Benzene  6.52  2‑Buanone 0.40 

(9)

238 

たものであるO 表3よ り ジ オ キ カ ン , シ ク ロ ヘ キ サ ノ ン 及 びDMFは 酢 酸 エ チ ル , ベ ン ゼ ン 及 び2 ブ タ ノ ン よ り も 艮 溶 媒 で あ る 。 し た が っ て 酢 酸 エ チ ル , ベ ン ゼ ン 及 び2 ‑ブタノン中ではポリマ ー 鎖 の 生 長 と と も に 溶 解 性 が 低 下 し て ミ ク ロ 的 な ポ リ マ ー 鎖 の 凝 集 体 が 生 じ , 活 性 末 端 が 埋 め 乙 ま れ て 一 分 子 停 止 す る 可 能 性 が あ る 。 乙 れ に 対 し て , ジ オ キ サ ン 及 び シ ク ロ ヘ キ サ ノ ン 中 で は 連 鎖 移 動 に よ っ て 生 じ た 溶 媒 ラ ジ カ ル が 生 長 ラ ジ カ ル と 結 合 し て 見 か け 上 一 分 子 停 止 を 引 き お 乙 し て い る

乙とが考えられるO

DMFは酢酸エチルやベンゼンにくらベポリマーに対する親和性が大きいので, ミクロ的な凝集 体の生成よりも二分子停止が優先しているものと思われる。

以上の如く, Nー ベ ン ジ ル マ レ イ ミ ド の ラ ジ カ ル 重 合 に 対 す る 溶 媒 の 作 用 は 複 雑 で あ る が , 電 子 供 与 性 の ケ ト ン 及 び エ ー テ ル 系 の 溶 媒 で は 溶 媒 へ の 連 鎖 移 動 が 顕 著 に お こ り , 重 合 度 の 低 下 を 引 き お乙すと結論される。

参 考 文 献

1)  Y.  Nakayama, G.  Smes,J.  POユym. Sei.,  A‑1, 5, 1619 (1967) 

2) 山 田 正 盛 , 高 瀬 巌,石川陽一,蒔田宗治,福井大工報, 17, 6 1 

c 1  

969)  山 田 正 盛 , 高 瀬 巌,塚野達郎,上田善規,高分子化学, 26, 401 (1969)  山 田 正 盛 , 高 瀬 巌,三島敏夫,高分子化学, 26 , 393 (1969) 

3)大 石 勉 , 木 村 規 , 高 分 子 論 文 集 , 33, 685 (1976) 

4)  C.H.Bamford, J.F.Bingham, H.B工ock,Trans. Farad. Soc. , 66, 2612 (1970)  5)  N. B.Mehta, A. P. Phi

ユ ユ

ips,F. Fu ‑Lu ,i R. E. BrOcks, J. Org. Chem., 25, 1062 

(1960 ) 

6)  Chem.Abs七rac七, 57, 7082 i (1962) 

7)  P.J.FlOry ・・Principles  of POlymer chemistry"  Cornell Univ.Press,  114 

, 

133 (953) 

8)大津隆行 高分子合成の化学"化学同人, 68 (1968) 

Table  1 .   Ra 七 es of polymeriza 七 ion of N‑benzylmaleimide  at  50 C  o 
Table  3 .   Solven 七 effect on 七 he in 七 rinsic viscosity o( poly N‑

参照

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