中心とした理科教育支援に関する質問紙調査とその 一考察
著者 月僧 秀弥, 細江 悦雄, 西沢 徹, 中田 隆二, 三崎 光昭, 淺原 雅浩
雑誌名 福井大学教育実践研究
巻 40
ページ 37‑46
発行年 2016‑02‑12
URL http://hdl.handle.net/10098/9905
福 井 大 学 教 育 実 践 研 究2015,第40号,pp3746
実践論文
福 井県 にお け る コア ・サ イ エ ンス ・テ ィー チ ャー を 中心 と した 理 科 教 育 支 援 に関 す る質 問紙 調 査 とそ の 一・ 考 察
福 井 大 学 大 学 院 教 育 学 研 究 科 ・坂 井 市 立 三 国 中学 校
福井大学教育地域科学部 福井大学教育地域科学部 福井大学教育地域科学部 福井県教育庁義務教育課 福井大学教育地域科学部
月 僧 秀 弥
細 江 悦 雄 西 沢 徹
中 田 隆 二 三 崎 光 昭淺 原 雅 浩
福 井 県 で は平 成21年 度 か ら福 井 大 学 と福 井 県 教 育委 員 会 が協 力 して コア ・サ イ エ ン ス ・テ ィ ー チ ャ ー (以 ド,CSTと 略)養 成 拠 点構 築 事 業 に取 り組 み,福 井 県 内 で は28名 の 現 職 教 員 が 初 級 ・中級 ・上級CSTと して 活 動 して い る。 今 回,こ れ らの 現 職CSTの 他 に,現 在 プ ロ グ ラ ム を受 講 中 で あ るCST受 講 者 も加 え て, 現 職 教 員 合 計38名 の意 識 及 び 現 状 調 査 を行 った 。 更 に,そ の 同僚 教員 に対 して も意 識 調 査 を行 い,CSTを 中心 と した 理 科 教 育 支 援 の た めの 方 策 を検 討 し,CSTに 対 す る支 援 の方 向性 につ い て 考察 した。
キ ー ワ ー ド:理 科 教 育,コ ア ・サ イ エ ン ス ・テ ィ ー チ ャ ー,中 核 教 員,小 学 校,中 学 校,質 問 紙 調 査
1.研 究 の 背 景
1.1コ ア ・サ イ エ ン ス ・テ ィー チ ャー(CST)と は コ ア ・サ イ エ ン ス ・テ ィー チ ャ ー(CST)と は 「理 科 の 指 導 力 に優 れ た 小 ・中学 校 教 員 で あ り,自 ら教 育 実 践 を行 うと共 に,研 修 会 や 教 材 開発 で 中心 的 な役 割 を果 た す こ とを 期 待 され て い る教 員 」 と定 義 され て い るD。 勤 務 校 だ けで な く,そ れ ぞ れ の 属 す る地 域 にお け る研 修 の 講 師 な ど を勤 め る場 合 も あ り,地 域 の 理 科 教 育 の 質 を 向 上 させ る こ とが 期 待 され て い る。
「コア ・サ イ エ ン ス ・テ ィー チ ャ ー養 成 拠 点構 築 事 業 」 は,現 国 立 研 究 開発 法 人 科 学 技 術 振 興 機 構(以 ドJSTと 略)に よ って 平 成21年 度 か ら公 募 され た もの で あ り,総 合 科 学 技 術 会 議 に よ り決 定 され た 「革 新 的 技 術 戦 略 」 お
よびJST「 小 ・中学 校 理 科 教 育 に 関す る 調 査 」 の結 果 を 受 け実 施 され た 事 業 で あ る]障 。
平 成21年 度 に7都 県 が 採 択 され,そ れ ぞ れ 実 施 期 間4 年 間の 事 業 が 展 開 され た 。 そ の 後,平 成24年 度 ま で 公 募 が 行 わ れ,初 年 度 採 択 の7都 県 を含 めて,合 計16都 府 県 が 採 択 され,各 都 府 県 で 本 事 業 に取 り組 ん だ 。 平 成24年 度 に採 択 され た 埼 玉 県 と三 重 県 の 取 り組 み も平 成27年 度 が4年 目に あた り最 終 年 度 に な って い る。 この 埼 玉 県,
三重 県 を 最 後 に,JSTか ら採 択 され 支 援 を受 け た プ ロ グ ラ ム はす べ て 終 了す る こ と に な る 。 一 方,既 にJSTに よ る支 援 が 終 了 した14都 府 県 の 中 に は,実 施 大 学 や 都 府 県 教 委 が 独 自 に予 算 措 置 を行 い つ つ,現 在 も事 業 の 継 続 が な され て い る地 域 が5地 域 を越 え るい)。事 業 の 中で 養 成 され たCSTが 地 域 の 理 科 教 育 にお い て 中 心 的 な役 割 を果 た し,学 校,地 域 の 理 科 教 育 の 質 の 向上 に寄 与 して い る こ とが 各 都 府 県 の 事 業 報 告 書 か ら読 み 取 れ る4)'6)棚)。さ らに,CST事 業 を通 じて教 員 同士 の ネ ッ トワー ク が これ
ま で 以 上 に密 に な り,授 業 研 究 や 教 材 開発 に取 り組 む 姿 もみ られ る。 この よ うに支 援 終 了 後 も独 自 に事 業 を継 続 す る事 例 が 散 見 され,CSTが 学 校 や 地 域 で 積 極 的 に 理 科 教 育 に活 躍 す る姿 も確 認 で き る よ うに な った こ とか ら, 本 事 業 が 小 学 校 や 中学 校 の 理 科 教 育 の 充 実 に寄 与 し始 め て い る と考 え られ る。
1.2福 井 に お け るCST養 成 の 現 状
福 井 県 で は平 成21年 度 か ら福 井 大 学 と福 井 県 教 育 委 員 会 が 協 力 しCST養 成 拠 点構 築 事 業 に 取 り組 ん で い る。JST の 支 援 終 了 後 と な る平 成25年 度 以 降 も,福 井 大 学 と福 井 県 教 育委 員 会 の 問で 継 続 実 施 の 覚 書 を交 わ し,「福 井CST 養 成 ・支 援 事 業 」 と して 継 続 して い る加2)〜17)。
福 井 県 で 取 り組 ん で い るCST養 成 ・支 援 事 業 は,福 井 大 学 と福 井 県 教 育 委 員 会 が 中心 と な り,更 に福 井 県 教 育 研 究 所(所 謂,教 育 セ ン ター に相 当)や 福 井 県 立恐 竜 博 物 館,福 井 市 自然 史 博 物 館 等 県 内の 理 科 教 育 に 関わ る施 設 の 協 力 の も と推 進 され て い る。 ま た 県 内 を7ブ ロ ッ ク に分 け,ブ ロ ッ ク毎 に拠 点 校 を1校 設 けて お り,ブ ロ ッ ク で行 わ れ るCST活 動 の会 場 校 と した り,積 極 的 に 理 科 授 業 の 公 開 を行 った りす る場 な ど,地 域 の 理 科 教 育の 中 心 とな る 学 校 を指 定 して い る。 福 井 県 のCST養 成 プ ロ グ ラ ム で は,養 成 す るCSTの 区 分 を初 級(福 井 大 学 教 育 地 域 科 学 部 学 校 教 育 課 程3〜4年),中 級(福 井 大 学 大 学 院 教育 学研 究科在 籍),上 級(実 務 経験7年 以 上 の現職 小 ・
中学 校 教 員)と して い る。 理 科 教 育 や 理 科 内容 学,お よ び 学級 経 営 に関す る受講 内容 が 「基 礎 知識 ・知識 ・技能 ・ 指 導 力 ・総 合 力 」 の 観 点 に 区分 され て お り,プ ロ グ ラ ム 受 講 者 は県 内協 力 機 関等 が 開講 す る これ らの 観 点 別 の 講 座 の 中 か ら各 自で選 択 受 講 し,自 己啓 発 的 にCSTと な る
形 式 を 採 用 して い る 。
平 成26年 度 末 ま で に 初 級,中 級 合 計24・名 が 養 成 プ ロ グ ラ ム を 修 了 し,そ の う ちll名 が 福 井 県 教 員 と して 採 用 さ れCSTと な っ て い る 。 上 級 は17・名 がCSTに 認 定 さ れ た 。 平 成27年8月 現 在,初 級,中 級,E級 合 わ せ て32名 がCST 養 成 プ ロ グ ラ ム を 受 講 中 で あ る 。
1.3全 国 に お け るCSTに 関 す る調 査 の 現 状 と課 題 CST養 成 拠 点 構 築 事 業 は これ ま で 実施 都 府 県 ご と にそ の 活 動 をま と めた 業 務 成 果 報 告書 が 作 られ た り,シ ン ポ ジ ウ ム な どが 行 わ れ た り して そ の 成 果 が ま と め られ て い る1)〜28)。各 都 府 県 の 実施 主 体 で あ る大 学 や 教 育 委 員 会 が 取 りま と め,各 県 の 取 り組 み や 現 状,さ らに は現 職 教 員 CSTの 活 動 報 告 され て い る。 例 え ば,愛 知 県 の 平成24年 度 成 果 報 告 書 で は,愛 知 教 育 大 学 を 中心 と して 小 学 校 理 科 教 員 研 修 に 関す る 要 望 な どが調 査 報 告 され て い る7)。
こ こで は教 員 研 修 の 内容 に求 め る こ とが 教 職 経 験 年 数 に よ って 異 な る こ とや 経 験 年 数 が 少 ない 方 が 研 修 の 受 講 意 欲 が 高 い こ と等 が ま と め られ て い る。 ま た,三 重 県 の 平 成26年 度 の 成 果 報 告書 で は,小 学 校 に勤 務 す る教 師 の 理 科 に対 す る意 識 調 査 が,現 職CST教 員 に よ っ て行 わ れ て お り,理 科 授 業 を担 当す る経 験 を積 む こ とで 理 科 指 導 に 対 す る 自信 度 が 高 くな る こ と等 が 報 告 され て い る6)。大 阪 教 育大 学 科 学 教 育セ ン ター が 平成23年 度 に小 学 校 教員, 平成25年 度 に 中学 校 ・高等 学校 教員 に対 してそれ ぞ れ行 っ た 理 科 指 導 に 関す る教 員 の 意 識 調 査 で は,教 職 経 験 年 数 1〜10年 の 若 手 教 員 が 研 修 の 充 実 を必 要 と感 じて い る こ とや,研 修 を行 うた めの 時 間確 保 の 必 要 性 が 述 べ られ て い る29)〜31)。
福 井 県 にお い て も,CSTと そ の 養 成 に 関す る調 査 が 平 成22年 度 に福 井 大 学 に よ って 現 職 教 員 受 講 者 に対 して 行 わ れ,養 成 プ ロ グ ラ ムの 内容 につ い て 意 見 が ま と め られ た13)。E級CSTが 講 師 と な っ て 実 施 した ス キ ル ア ップ 教 室 の 際 には,受 講 者 と して参 加 した教 員 に対 してア ンケー トを 実施 し,CSTが 行 っ た 理 科 の教 員 研 修 に対 す る参 加 者 の 反 応 が 調 査 され て い る。 しか しこの よ うに成 果 報 告 書 で 紹 介 され て い る調 査 報 告で は,CST事 業 に お け るCST 活 動 の 評 価 と効 果 とい う面で は検 証 が 行 わ れ て い ない 。 一 方,小 学 校 理 科 に 関 して は,平 成20年 度,平 成22年 度 に そ れ ぞ れJSTに よ り 「小 学 校 理 科 教 育 実 態 調 査 」 が 行 わ れ て い る。 平 成20年 度 の 調 査 で は理 科 の 教 育環 境 や 研 修 状 況 の 調 査 が 行 わ れ,平 成22年 度 の 調 査 は理 科 支 援 員 等 配 置 事 業 につ い て そ の 施 策 な どの 効 果 を検 証 す るた
め に行 わ れ て い る2)'32)。
ま たCST養 成 拠 点 構 築 事 業 に 関 す る研 究 と して,神 奈 川 県 に お け る取 り組 み が ま とめ られ,CST事 業 に よ り神 奈 川 県 内の 理 科 教 員 の ネ ッ トワー クが 作 られ た こ とやCS T養 成 プ ロ グ ラ ム に参 加 した い とい う教 員 が 出 て き た こ
と な どそ の 成 果 報 告 が あ る̀3)。
以 上,我 々 が調 査 し うる範 囲 で はCST養 成 拠 点構 築 事
業 が本 格 的 に始 ま り小 学 校 や 中 学 校 でCSTが 活 動 を は じ めて 以 降,CSTに つ い て は意 識調 査 も行 わ れ,CST活 動 に 関す る報 告 は な され て い る。 しか し多 くの 成 果 報 告 書 で は,単 に 実 施 内容 を 羅 列 的 に 報 告 して い る だ けで,CST が 関わ った 事 に よ る効 果 につ い て 追 跡 調 査 や 検 証 が 行 わ れ て い ない 。 さ らに,CST活 動 の 分析 や,CSTと そ の 同僚 教 員 に 関す る意 識 調 査 及 び そ の 関係 に 関す る調 査 研 究 も 十 分 に は行 わ れ て い ない 。 そ の た めCST事 業 に お け るCST の 活 動 と効 果 を検 証 す る必 要 が あ る と考 え られ る。
2.研 究 の 目的
今 後 大 学 や 都 府 県 教 委 に よ り独 自 に組 ま れ て い る予 算 が な く な り,こ れ ま で 行 わ れ て きた 形 で のCST養 成 やCST 運 営 な どの 事 業 全 体 が 継 続 で き な く な る こ とが 考 え られ
る。 しか し,こ の 事 業 に よ り培 ったCSTの 養 成 とそ の 活 動 は 理科 教 育 の 充 実 に対 して成 果 を上 げ て い る こ とか ら, そ の よ うな状 況 下 にお い て も,何 らか の 打 開策 を見 い だ して 継 続 す る意 義 が あ るの で は ない か と考 え られ る。 そ の た めCST活 動 を把 握 し,CSTの 現 状 と課 題 を 明 らか にす る こ とで,CSTに 対 す る 支援 の 課 題 に つ い て 検 証 す る必 要 が あ る。
本 研 究 で は,福 井 県 にお け るCSTの 意 識 調 査 と活 動 の 現 状,更 にCSTの 同 僚 教員 とCST事 業 の 関わ りを質 問紙 に よ っ て調 査 を行 っ た。 福 井 県 はCST養 成 拠 点 構 築 事 業 に 最 初 に採 択 され た 県 で あ り,JSTに よ る支 援 が終 了 した 現 在 で も,福 井 大 学 と福 井 県 教 育 委 員 会 が 協力 して 事 業 を継 続 して い るた め十 分 な活 動 実 績 が あ る。 さ らに本 プ ロ グ ラ ム で は,7年 以 上 の教 職 経 験 が あ る 上 級CSTと, 大 学 ・大 学 院 を卒 業(ま た は修r)し て4年 以 内の 若 手 教 員 で あ る初 級 ま た は 中級CSTが 輩 出 され て お り,そ れ ぞ れ が 可 能 な範 囲 でCST活 動 を行 っ て い る た め,CSTに よ る多 様 な活 動 の 継 続 が 期 待 で き,本 調 査 を行 うた め に適 して い る 地 域 で あ る と考 え た。 ま た,CSTが 活 動 す る場 所 で 基 盤 と な るの は言 うまで も な くそ の 勤 務 校 で あ る。
地 域 の 理 科 教 育 にお け る 中心 的 な役 割 を果 た す こ とが で き る よ うに な るた め に は,円 滑 な学 級 経 営 に加 えて 勤 務 校 に1一分 な基 盤 を置 き,理 科 教 育 の 中心 と な る と こ ろか ら始 ま る と考 えて い る。 した が って,勤 務 校 にお け るCS Tの 活 動 状 況や,同 僚教 員 か ら見 たCSTの 在 り方,共 に勤 務 す る意 識 な ど につ い て も調 査 を行 う必 要 が あ る と考 え た 。 そ の た め,今 回 の 調 査 で は,CST教 員 だ け で な く, そ の 同僚 教 員 も含 めて 調 査 の 対 象 と して お り,質 問紙 調 査 が 有 効 で あ る と考 えた 。
本 調 査 に よ りCSTの 各 学 校 で の 活 動 の 現 状 と役 割 を把 握 す る こ とが で き,CST活 動 の 課 題 もみ えて くる の で は
ない か と考 えて い る。
そ こで,(1)CST事 業 の 学 校 現 場 に対 す る効 果,(2) CSTを 中心 と した 理 科 教 育 の 質 の 向上 に 対 す る効 果,更
に は(3)今 後 の 支 援 の方 向性 を調 査 し,CSTの 意 識 調 査 と活 動 の 現 状,及 びCSTの 同 僚 教員 とCST事 業 の 関わ り
福 井 県 に お け る コ ア ・サ イ エ ン ス ・テ ィー チ ャ ー を 中心 と した 理 科 教 育 支 援 に 関 す る質 問 紙 調 査 と そ の 一 考 察
を調 査 した 。 さ らに 本 調 査 結 果 を 分 析 し,CSTを 中心 と した 理 科 授 業 支 援 の た めの 方 策 につ い て 検 討 し,支 援 の 方 向性 につ い て 考 察 した 。
3.研 究 の 方 法 3.1調 査 対 象
本 調 査 は 福 井 県 内 に 勤 務 す るCST養 成 拠 点 構 築 事 業 に 関 係 す る 現 職 教 員 と,そ れ ら1人 に つ き 同 僚 教 員2名 に 対 して 行 っ た 。CST内 訳 は,上 級CST14名,中 級CST3名, 初 級CST8名,受 講 者13名 の 合 計38名 で あ る(上 級CSTの
う ち3名 は 学 校 以 外 に 勤 務)。
調 査 は 平 成27年7月 中 旬 に 各 学 校 宛 て に 調 査 用 紙 を 郵 送 し,3週 間 程 度 の 期 間 で 回 収 す る こ と に よ っ て 行 っ た 。 現 職CST及 びE級CST養 成 プ ロ グ ラ ム 受 講 者(以 下 受 講 者
と 略)と 同 僚 教 員 に 対 して は 異 な る 質 問 紙 を 使 用 した 。 調 査 用 紙 の 返 答 率 は 上 級93%,中 級100%,初 級71%, 受 講 者62%で あ っ た 。 同 僚 教 員 に つ い て は,同 じ学 校 に
2名 のCSTが 在 籍 して い る 場 合 や 理 科 の 教 員 が 少 な い 学 校 も あ る た め,小 学 校22名(こ の 内15名 が 理 科 授 業 を 担 当 し,7名 は 理 科 授 業 を 担 当 し て い な い),中 学 校24名 か ら回 答 を 得 た 。
3.2調 査 内容
現 職 教 員CSTに 行 っ た 質 問 紙 の 内 容 を 図1に 示 した 。 CSTに な っ た 目的 と,こ れ ま で のCSTと して の 活 動,今 後 のCSTと して の 取 り組 み を比 較 す る構 成 で あ る。 ま た, 上 級,中 級,初 級,受 講 者 を 区別 して 調 べ る こ とで,教 職 経 験 の 差 に よ る意 識 の 差 も 明 らか に な る。 次 に,そ れ ぞ れ のCST・ 受 講 者 が これ ま で の活 動 や これ か らの 活 動 を考 えて,CSTと して活 動 す る た め に必 要 と感 じる 「CST と して の 必 要 な 力 や 支 援 」 に つ い て 質 問 し た。 最 後 に
「CSTが活 動 す るた めの 環 境 」 につ い て も質 問 した 。 現 職 教 員CSTの 同 僚 教 員 に 対 して行 っ た 質 問紙 の 内 容 を図2に 示 した 。 小 学 校 と 中学 校 の 両 方 の 教 員 に対 して 同 じ内容 の ア ンケ ー トを行 った 。 本 調 査 で は理 科 授 業 を 担 当す る こ とへ の 不 安,授 業 で 困 った こ とが あ った と き の 解 決 方 法,理 科 の 授 業 を安 心 して 担 当す るた め に必 要 な支 援 な ど を質 問 した 。 平 成20年 度 にJSTに よ っ て 行 わ れ た 調 査 で は2),小 学 校 で 理 科 を教 え て い る教 員 の5割 が 理 科 全 般 の 内容 の 指 導 が 「苦 手 」,「や や 苦 手 」 と回 答
して い る こ とが,既 に分 か って い る。 今 回 この 部 分 につ い て再 調 査 し,「 心 配 」 や 「不 安 」 な 内 容 につ い て も調 査 した 。 また 小 学 校 教 員 の 中 に は,理 科 授 業 を担 当 しな い 状 況 も あ る こ とか ら,こ の 場 合 の 担 当 しない 理 由や,
どの よ うな環 境 で あれ ば授 業 が 担 当 しや す い の か につ い て も合 わ せ て 調 査 した 。
福 井 県 で はCST事 業 に取 り組 み 始 め て7年 日 とな って お り,比 較 的CSTの 存 在 が 認 知 され る よ うに な って きて い る。 そ の た め,CSTが 講 師 と な る研 修 会 も数 多 く実 施 され る よ うに な っ て き た 。 しか し,今 後 もCSTが 地 域 の
Q1基 礎 調 査
性 別 ・教 職 経 験 年 数 ・保 有 して い る教 員 免 許 の 教 科 勤 務 校(勤 務 年 数)学 級 担 任,氏 名,持 ち 時 間 数 理 科 ・理 科 以 外 Q2理 科 の 授 業 の 担 当の 仕 方 。
Q3地 区 に お け る理 科 に 関 す る取 り組 み 。 Q4な ぜCSTに な ろ う と思 い ま した か。
a.自 分 の授 業 力 向Eの た め
b.教 材 開 発 ・教 材 研 究 に取 り紅 む た め
c.緒 に授 業改善や 教材研 究に取 り組む 先生 を探 した い と思 ったた め d.県 や 大 学 な どの機 関 と連 携 して授 業 を行 うた め
e.学 会 な どで の研 究 ・実 践 成 果 の 発表 ・情 報 収 集 f.地 区 の理 科 教 育 を推 進 す る た め
g.そ の他
Q5,1CST(又 はCST受 講 者)に な っ て 取 り組 ん だ 活 動 。 a.自 分 の 力 量 ア ッ プ(授 業 力,教 材 研 究 ・開 発) b.他 校 の先 生 と協力 して教 材 開 発や 授 業 改善 c.校 内 で の授 業 公 開 ・研 究 会
d.教 材 な どの研 究 会 e.所 属 校 内 で の研 修 会
「.近 隣小 中 学校 へ の相 談 ・助 言 ・支 援 活 動 g.近 隣小 中 学校 教 員 へ の電 話 ・メ ール 等 で の質 疑 応 答 h.次 世代CSTの 養 成 に 関 す る支 援(学 校 イ ン ター ンの 受 入 等) i.子 ども 向 け イベ ン トで の担 当 講獅
j.地 区 ・県研 究集 会,学 会 等 で の研 究 ・実践 成 果 の 発 表 k.近 隣小 中 学校 で の研 修 会 の 講 師
1.所 属 地 区外 で の研 修 会 の講 師
m.教 育セ ン タ ー等 で の研 修 会 の講 師(研 修 施 設) n.そ の他
Q5.2CST(又 はCST受 講 者)と して の 活 動 実 績 を具 体 的 に 。 Q6ユ 今 年 取 り組 も う と思 っ て い る活 動 。
a.白 分 の力 量 ア ッ プ(授 業 力,教 材 研 究 ・開発) b.他 校 の先 生 と協力 して の教 材 研 究 ・開 発や 授 業 改 善 c.校 内 で の授 業 公 開 ・研 究 会 の 開催
d.教 材 な どの研 究 会 の 開催 c.所 属 校 内 で の研 修 会 の 開催
「.近 隣小 中 学校 へ の相 談 ・助 言 ・支 援 活 動 g.近 隣小 中 学校 教 員 へ の電 話 ・メ ール 等 で の質 疑 応 答 h.次 世代CSTの 養 成 に 関 す る支 援
i.子 ども 向 け イベ ン トで の担 当講 師
j.地 区 ・県研 究集 会,学 会 等 で の研 究 ・実践 成 果 の 発 表 k.近 隣小 中 学校 で の研 修 会 の 講 師
1.所 属 地 区外 で の研 修 会 の講 師
m.教 育セ ン タ ー(研 修 施 設)等 で の研 修 会 の 講 師 n.そ の他
Q6.2CSTと して今 年 取 り組 み た い活 動 を 具体 的 に。
Q7,1CSTと して活 動 す る た め に 必 要 だ と感 じる こ と。
a.白 分 の力 量 ア ッ プ(授 業 力 向E) b.自 分 のノJ景ア ップ(教 材 研 究や 開 発) c.コ ミュ ニ ケ ー シ ョン カ
d.・ 緒 に 活動 す る先 生 の存 在
c.市 町村教育委 員会や県 教育委員会 な どの機 関の連携 ・バ ックア ップ f.地1メ ・県研 究集 会,学 会 な どでの研究 ・実践成 果の 発 表 ・情 報収集 g.CSTの 研 修 会(公 開 セ ミナ ー や シ ンポ ジ ウム 等)
h.CST同 士 が 気 幡 に 連 絡 を取 りあ え るネ ッ トワー ク i.そ の他
Q7.2CSTと して 活 動 す る た め に 必 要 だ と感 じる こ と を具 体 的 に。 若 手の 理 科 の 先 生 を 育 て るた め に や るべ き享 。
図1現 職 教 員CST(ま た はCST受 講者)に 対 す る 質 問 紙 の 内 容
Q1基 礎 調 査
性 別,教 職 経 験 年 数,保 有 して い る教 員 免 許,勤 務 校(勤 務 年 数), 学 級 担 任,持 ち 時 間 数
Q2理 科 の 授 業 に つ い て 。
(1)理 科 の 授 業 を 持 っ て い ま す か 。
(2)理 科 の 授 業 を 持 っ て い て,心 配 な こ とや 不 安 な こ と。
a.実 験 ・観 察 の準 備 や 後 始 末 b.授 業 内容 の難 しさ c.実 験 や 観 察 の難 しさ
d.授 業 や 実 験 につ い て,事 前や うま くい か な い と き に相 談 す る 相 手 が い な い こ と
e.そ の他
Q3理 科 の 授 業 で 困 っ た とき ど う して るか 。 a.同 僚 の先 牛 に相 談 して い る b.自 分 のノJで調べ,解 決 して い る c.困 っ て も,そ の ま ま授 業 に 臨 ん で い る d.そ の他
Q4理 科 の 授 業 を 受 け 持 つ た め に は 必 要 な こ と。
a.常 に相 談 で き る 同僚
b.地 区 内 に相 談 で き る理 科 を得 意 とす る 先生 c.観 察 ・実 験 器 具 の貸 し出 し
d.実 験 講 習 会 や 研 修 会 e.そ の他
Q5理 科 の 授 業 に お い て,心 掛 け て い る こ と。
Q6な ぜ 理 科 の授 業 を持 た な か っ た の か。
a.実 験 ・観 察 の準 備 や 後 始 末 の大 変 さ b.授 業 内容 の難 しさ
c.実 験 や 観 察 の難 しさ d.授 業 の持 ち 時 間数 の 関係 e.そ の他
Q7こ れ ま で 理 科 の 授 業 を持 っ た こ とは あ りま す か 。 何 年 生 を 持 ちま した か 。 ま た そ の 際 に 困 っ た こ と。
Q8理 科 の 授 業 を 受 け 持 つ た め に 必 要 な 同 僚 か らの 支 援 a.常 に相 談 で き る 同僚 の存 在
b.地 区 内 に相 談 で き る理 科 を得 意 とす る 先生 の存 在 C.観 察 ・実 験 器 具 の準 備
d.特 に支 援 は 必要 な い e.そ の他
QgCSTに つ い て (1)CSTを 知 っ て い る か。
(2)勤 務 校 にCST(又 はCST受 講 を され て い る先 牛)が い るの を知 っ て い るか 。
(3)CSTに 理 科 の授 業 な ど に 関 して質 問 した こ とは あ る か。
(4)そ の 内 容 を 記 入 して くだ さい
Q10理 科 全 般 及 び各 分 野 ・単 元 にお け る指 導 力 向上 の た め に 必要 な 理 科 の研 修 会 の数 。
Q11そ れ ぞ れ の 学 校 で 生 徒 が 意 欲 的 に理 科 に 取 り組 む た め に 必 要 だ と思 うこ と。
図2現 職 教 員CST(ま た はCST受 講 者)の 同僚 の 教 員 に対 す る質 問 紙 の 内容
理 科 教 育 の 中 で 中 核 的 役 割 を 果 た す た め に は,そ の 認 知 度 そ の も の が 重 要 で あ る と考 え る 。 そ の た め,「CSTを 知 っ て い る か 」,「 同 僚 がCSTで あ る こ と を 知 っ て い る か 」,
「学 校 の 同 僚CSTに 理 科 の 質 問 した こ と が あ る か 」等,CST の 認 知 度 に つ い て も 調 査 した 。
4.CSTに 対 す る 調 査 結 果 の 分 析 4.1CSTに な っ た 理 由
CSTに な ろ う と 思 っ た 理 由 に 関 す る 調 査 結 果 を 表1に 示 した 。
表1Q4な ぜCSTに な ろ う と 思 っ た の か 回答者 初 級CST CST中級 上 級CST 上級 受講
合 計
CST(又 は 受 講 者)の 数 6 3 13 8 30
a.授 業 力 向 上 5 3 12 7 27
b.教 材 開 発 ・教 材 研 究 3 2 7 3 15
c.一 緒 に取 り組 む 教 員 1 0 3 3 7
d,大 学 な ど と連 携 1 0 0 0 1
e.情 報 発 信 ・情 報収 集 1 0 1 0 2
f地 区の理科教育 の推進 0 0 7 1 8
g.そ の 他 0 0 2 2 4
2V=30(複 数 回答)
学 部 生 ま た は大 学 院 生 の 時 にCST養 成 プ ロ グ ラ ム を受 講 した 初 級 ま た は 中級CST群 は,「 授 業 力 向上 」 と 「教 材 開発 ・教 材 研 究 」 を 理 由 に 挙 げ て い る。CSTを 目指 した 時 には,ま だ 実 際 の 学校 現 場 で授 業 を担 当 して い ない た め, 自身 の 技 術,技 能 の 向上 を 口的 と した 自 己研 錯 の 取 り組 み を挙 げて い る こ とが 分 か る。
実 務 経 験7年 以 上 の 上 級CSTや 受 講 者 群 の 場 合 に は,
「授 業 力 向上 」 と 「教 材 開 発 ・教 材 研 究 」 の項 目だ けで は な く,「 地 区 の理 科 教 育 の推 進 」 を 挙 げ た者 が約38%,
「一 緒 に取 り組 む 先 生 」 を 探 す とい う項 目を挙 げ た者 が 29%と 多 く な って い る。 学 校 で 授 業 や 生 徒 指 導 な ど に取 り組 む 一 方 で,自 分 の 理 科 授 業 だ けで は な く各 勤 務 校 や 各 地 区で の 理 科 教 育 の 充 実 に取 り組 み た い とい う意 欲 あ るい は義 務 感 が あ る と言 え る。 ま た これ らの 教 員 か ら得 られ た 回 答 の 中 で,「 そ の他 」 と して 記 述 され て い た 中 に は,「 勤 務 校 の 理 科 の 苦 手 な 教 員 の助 け とな る た め 」 や 「若 い 教 員 方 との ネ ッ トワー ク作 り」 とい う内容 が 書 か れ て い た 。 自分 自身 の 授 業 力 の 向上 や 自分 の 授 業 の た めの 教 材 開発,教 材 研 究 だ けで な く,勤 務 校 や 所 属 地 区 で の 理 科 教 育 の 中心 に な って い こ うとい う,よ り強 い 意 欲 を読 み 取 る こ とが で き る。
4.2CSTと して の 取 り組 み
CST(又 は 受 講 者)と し て の,こ れ ま で の 取 り組 み を 質 問 し た 結 果 を 表2に ま と め た 。 多 く のCSTが 「自 分 の 力 量 ア ッ プ 」 に 取 り組 ん で き た こ と が 分 か る 。 「授 業 公 開 ・授 業 研 究 会 」 「教 材 開 発 や 授 業 改 善 」 の よ う に 自 己 研 鑑 に 繋 が る 取 り組 み が 多 い 。
大 学 や 大 学 院 を 卒 業 ・修 了 し て 数 年 以 内 で あ る 初 級 ・ 中 級CST群 に と っ て のCSTの 取 り組 み は 「自 分 の 力 量 ア ッ プ 」 が 多 い 。 「教 材 研 究 や 授 業 改 善 」 に 取 り組 む 場 合 も あ る 。 一 方,教 員 に な っ て7年 以 上 の 上 級CST・ 受 講 者 群 の 取 り組 み で は,初 級 ・中 級 群 と 同 様 に 「自 分 の 力 量 ア ッ プ 」,「授 業 公 開 ・授 業 研 究 会 」,「教 材 開 発 や 授 業 改 善 」 が 高 い 割 合 で 挙 げ ら れ て い る と 同 時 に,「 研 究 ・実 践 成 果 の 発 表 」 が 増 え て い る 。 こ れ は,所 属 す る 小 学 校
福 井 県 に お け る コ ア ・サ イ エ ン ス ・テ ィー チ ャ ー を 中心 と した 理 科 教 育 支 援 に 関 す る質 問 紙 調 査 と そ の 一 考 察
教 育 研 究 会 理 科 部 会 や 中学 校 教 育 研 究 会 理 科 部 会 の 業 務 と して 実 践 発 表 に 取 り組 む 事 が 増 えた り,CSTと して 自 主 的 に学 会 な どで の 研 究 発 表 を行 った りす る よ うに な っ て い る こ と を反 映 して い る。 近 隣 の 小 中学 校 に対 す る支 援 の 要 請 を受 けて の 活 動 や 研 修 会 の 講 師 を務 め る こ と も あ る よ うで,E級CSTが そ れ ぞ れ の 地 域 の 理 科 教 育 の 中 核 教 員 に な って い る こ とが 分 か る。
表3はCST(又 は 受 講 者)が 今 年 度 に 取 り組 も うと考 えて い る活動 を質 問 した結 果 で あ る。 表2と 同様 に初級 ・ 中級CST群 で は 自 己研 錯 に 関 わ る 内容 が 多 か っ た。 一 方, 上 級CST・ 受 講 者 群 で は,「 所 属 校 で の 研 修 会24%」,
「近 隣 小 中学 校 の 支 援24%」,「 次 世 代CSTの 養 成 に 関 す る支 援48%」 が 高 い 割 合 で あ り,地 域 の 理 科 教 育 の 中 核教 員 としての活 動 を 目標 と して持 っ てい る こ とが分 か る。
表2Q5CST(又 は 受 講 者)に な り取 り組 ん だ 活 動 回答者 初 級CST CST中級 上級CST 上級
受講 合 計
CST(又 は 受 講 者)の 数 6 3 13 8 30
a泊 分 の力 量 ア ッ プ 6 3 11 8 22
b教 材 開発や授業改善 1 2 6 1 12
c授 業公 開 ・授 業 研 究 会 1 1 12 2 17
d.教 材 な どの研 究会 0 0 5 0 6
e.所 属 校 内 で の 研 修 会 0 1 2 1 4
f近 隣小中学校の支援 0 0 4 2 6
g.近 隣 小 中学 校 教 員 か らの
質 疑 応 答 0 0 4 1 5
h.次 世代CSTの 養 成 に 関
す る 支援 0 0 4 3 7
i.子 ども 向 け イベ ント講 師 2 0 3 2 7
j.研究 ・実践 成 果 発 表 0 0 9 1 10
k,近 隣 小 中 学 校 で の 研 修
会 の講 師 0 0 4 0 4
1.所属 地 区外 で の 研 修 会 の
講 師 0 0 2 0 2
m教 育 セ ン タ ー 等 で の 研
修 会 の講 師 0 0 3 1 3
n.そ の 他 0 0 4 2 6
2V=30(複 数 回答)
表3Q6平 成27年 度 取 り組 も う と思 って い る活 動 回答者 初 級CST CST中級 上 級CST 上級
受講 合 計
CST(又 は受 講 者)の 数 6 3 13 8 30
a泊 分 の力 量 ア ップ 6 3 11 7 27
b教 材 開発や授 業改善 1 1 6 3 11
c.授 業 公 開 ・授 業研 究 会 1 0 8 4 13
d.教材 な どの研 究 会 2 0 5 2 9
e所 属校 内での研修会 1 0 3 2 6
f近 隣小 中学校の支援 0 0 5 0 5
g.近 隣小 中 学校 教 員 か らの
質 疑 応 答 0 0 3 0 3
h.次 世 代CSTの 養 成 に 関
す る 支 援 0 0 6 4 10
i.子供 向 け イベ ント講 師 0 0 3 4 7
j研 究 ・実 践 成 果 発 表 0 1 3 3 7
k.近 隣 小 中 学 校 で の 研 修
会 の 講 師 0 0 2 0 2
1.所属 地 区 外 で の 研 修 会 の
講 師 0 0 1 0 1
m教 育 セ ン タ ー 等 で の研
修 会 の 講 師 0 0 1 0 1
n.そ の 他 0 0 1 0 1
ノV‑30(複 数 回 答)
CSTと して 今 年 取 り組 み た い こ と と し て,表3に あ る 回 答 以 外 で は 次 の こ と が 挙 げ ら れ て い た 。 「ノ ー トや 授 業 の 作 り方 を 若 い 教 員 に 向 け て 発 信 す る 」,「他 の 職 業 の 方 と の 連 携 」,「デ ジ タ ル 教 科 書 の 作 成 」 等 で あ る 。 こ れ らの 内 容 か ら,具 体 的 な 目標 を 持 ち 活 動 に 取 り組 ん で い るCSTも い る こ と が 分 か る 。
4.3CSTと して 活 動 に 必 要 だ と 感 じ る こ と
CST(又 は 受 講 者)と し て 様 々 な 取 り組 み を 行 うた め に 必 要 な 事 だ と 感 じ る こ と を 質 問 した 結 果 を,表4に ま と め た 。
表4Q7CSTと して 活 動 に 必 要 だ と 感 じ る こ と
回答者 初 級
CST 中級 CST
上 級 CST
上級 受講
合 計
CST(又 は 受 講 者)の 数 6 3 13 8 30
a.授 業 力 向 上 5 2 11 7 25
b.教 材 研 究 や 開 発 4 1 10 7 22
c.コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン カ 3 1 9 5 19
d.一 緒 に 活 動 す る先 生 5 2 10 6 23
e.教 育 委 員会 と の連 携 ・バ
ック ア ップ 1 0 9 2 12
£ 研 究 ・実 践 成 果 の 発 表 ・
情 報 収 集 0 0 6 1 7
g.セ ミナ ー や シ ン ポ ジ ウ
ム 等 0 0 6 0 6
h.CST同 士 のネ ッ トワー
ク(SNS等) 2 0 7 3 12
1,そ の 他 0 0 1 1 2
2V=30(複 数 回答)
Q4,Q5,Q6の 内 容 と 同 様 に 「授 業 力 向 上83%」 や
「教 材 研 究 や 開 発73%」 な ど ,自 分 の 力 量 を ア ップ させ る 内 容 に つ い て は い ず れ も7割 以 上 の 教 員 が 挙 げ て い る。
こ の こ と か ら,多 く のCSTが 目 々 の 自 己 研 錯 の 必 要 性 を 感 じて い る こ と が 分 か る 。
次 点 は,「 一 緒 に 取 り組 む 先 生 の 存 在77%」 や 「CST と して の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン カ63%」 で あ る 。CST活 動 は 個 人 活 動 で は な く,同 じ 目的 を 持 っ た 教 員 同 ± が 協 力 し な が ら行 う活 動 で あ る べ き と 共 通 認 識 さ れ て い る 結 果 と 考 え られ る 。 そ の た め,「 セ ミ ナ ー や シ ン ポ ジ ウ ム 等 」 の よ う な 直 接 顔 を 合 わ せ て 議 論 す る 機 会(20%)だ け で
な く,SNS等 を 利 用 し た 目 常 的 に 情 報 交 換 で き る 「CST同
± の ネ ッ トワ ー ク 」 の 必 要 性 を 感 じて い る 教 員(40%) も 多 い 。
こ こ で も,教 職 経 験 年 数 に 差 が あ る 初 級 ・中 級CST群 と 上 級CST・ 受 講 者 群 の 問 で 結 果 に 違 い が 表 れ て い る 。 教 職 経 験 年 数 が 多 い 教 員 の 方 が 自 己 研 鑑 だ け で は な く, 教 員 同 ± の ネ ッ トワ ー ク の 必 要 性 を 感 じて い る こ と を 示
して い る 。
図3は,「CSTと して の 活 動 に 必 要 な こ と 」 や 「若 手 教 員 を 育 て る た め に や る べ き こ と 」 に つ い て の 質 問 の 項 目
に お い て,自 由 記 述 で 書 か れ た も の を 表4で 挙 げ た 項 口 の 内 容 に 基 づ い て 分 類 し た も の で あ る 。 「同 僚 教 員 や 若 手 教 員 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン や ネ ッ トワ ー ク 」 に 関 す る 内 容 が 多 く,今 後 の 課 題 で あ る と 考 え られ る 。 「女 性
図3Q7.1CST活 動 に 必 要 だ と 感 じ る こ と,若 手 の 教 員 を 育 て る た め に や るべ き事 に つ い て 自 由 記 述 a,b「 授 業 力 向上 」 「教 材 研 究 や 開 発 」
・ま ず は 自分 の 授 業 力 ア ップ が 大 切
・ 「自分 しか で き な い 」 とい う専 門 分 野
・自分 の 力 量 を ア ップ し よ う とす る態 度 ・意 欲 c,d,h「 コ ミュ ニ ケー シ ョン カ」 「同 僚 」 「ネ ッ トワー ク」
・コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンが とれ る場
・若 手 とベ テ ラ ンの ネ ッ トワー クや 共 働 作 業
・ネ ッ トワー クを広 げなが ら仲 間 と ともに活動 して い くよ うなシ ステム
・Facebookト の コ ミュ ニテ ィ
・先 生 同 士の 繋 が り,コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン
・口常 的 に 発 信 し,情 椴 交 換 で き る コ ミ ュニ テ ィ
・ 緒 に仕 享 をす る中で,授 業 内容や 教材 を 聞き 自分 の もの にす る こと
・何 か 困 っ た とき に 気 軽 に 相 談 で き る場
・授 業 ヒ ン トの 紹 介 な ど を して 理 科 自体 に 先 生 方 が 興 味 を 持 つ こ と
・女 性 は,結 婚 ・出 産 ・子 育 て とな か な か 忙 し く,時 間 を 捻 出 す る こ とが 難 しい の で 一 緒 に 活 動 す る女 性 の 仲 間 が 必 慶
e「 教 育 委 員会 と の連 携 バ ッ ク ア ッ プ 」
・周 りの 先 生 方 の 理 解 ,活 動 で き る場 の 提 供
・悉 皆 研 修 で 教 科 の 先 生 で 研 修 す る仕 組 み f,g「 研 究 発 表 」 「セ ミナ ー や シ ンポ ジ ウ ム 」
・研 修 会 や 学 習 会 に 積 極 的 に 参 加 す る必 要
・CST合 同研 修 会 の よ うな情 報交 換 の場 i「 そ の他 」
・わ ず か な が らで も支 援 金 の 存 在
・小 教 研 ,中 教 研 との 連 携
・活 動 す る時 間 不 足 を ど う解 消 す るか
・事 務 局 や 推 進 員 の 組 織 作 り
・理 科 の 授 業 の シ ス テ ム 化
CSTが 少 な い 」 こ と を指 摘 して い るCSTも お り,現 在 上 級CSTに お い て女 性 が1名(6%),受 講 者 にお い て4名
(受 講 者 に 占め る割 合 が31%)で あ る こ と を考 え る と女 性CSTを 増 や す 必 要 が あ る こ と を感 じる 。 女 性 の割 合 が 少 ない こ との 原 因 は本 調 査 か らは不 明で あ るが,今 後 は 女 性 教 員 を 中心 と した 広 報 を行 っ た り,CST養 成 プ ロ グ ラ ム を受 講 しや す く した りす る取 り組 み が 必 要 か も しれ ない 。 また,福 井 県 小 学 校 教 育 研 究 会 理 科 部 会 や 福 井 県 中学 校 教 育 研 究 会 理 科 部 会,市 町 教 育 委 員 会 な ど既 存 の 組 織 との さ らな る連 携 の 必 要 性 を感 じて い る教 員 も少 な
く ない こ とが 分 か る。
5.CSTの 同僚 教 員 に 対す る調 査 5.1理 科 の授 業 を持 つ事 へ の不 安
CSTの 同 僚 教 員 に も質 問紙 調 査 を行 っ た 。 表5は 現 在 理 科 授 業 を担 当 して 小 中学 校 の 教 員 に対 して,理 科 の 授 業 を担 当す る こ とへ の不 安 を調 べ た結 果 で あ る。 小 学校, 中学 校 と も理 科 授 業 を持 つ こ とへ の 不 安 を持 つ 教 員 が 多 い(小 学 校86%,中 学 校67%)こ とが 分 か る。 平 成20年 度 の 小 学 校 教 員 に対 す るJSTの 調 査2)(学 級 担 任 と して 理 科 を教 え る こ とが 苦 手,や や 苦 手 を合 わせ 回答 で は50%)
と比 較 す る と,今 回 の 調 査 結 果 の 方 が 理 科 授 業 を担 当す る こ とへ の 不 安 を回 答 した 割 合 が 高 か った 。 質 問の 仕 方 が 「得 意/苦 手 」 で は な く 「不 安 」 とい う言 葉 を使 った
表5理 科 授 業 を持 つ 事 へ の 不 安
小学校 中学校
あ る 13 16
ない 2 8
小 学 校2Vニ15,中 学校N=24
表6理 科 授 業 を持 つ と き不 安 な 理 由
小学校 中学校
a.実 験 ・観 察 の 準 備 や 後 始 末 8 13
b授 業 内容 の 難 し さ 2 4
c.実験 や 観 察 の難 しさ 11 6
d.相 談 す る相 手 が い な い こ と 0 0
e.そ の 他 2 5
小 学 校2Vニ13,中 学校N=16(複 数 回答)
表7理 科 授 業 で 困 っ た と き の対 応
小学校 中学校
a.同 僚 の 先 生 に相 談 12 15
b.自 分 の 力 で 調 べ 解 決 7 10
c.そ の ま ま授 業 に 臨む 1 3
d.そ の 他 0 1
小 学校2V=13,中 学 校N=16(複 数 回 答)
表8理 科 の 授 業 を 受 け持 つ た め に必 要 な こ と
小学校 中学校
a.常 に相 談 で き る同 僚 教 員 13 22
b.地 区 内 に 理 科 を相 談 で き る先 生 の存
在 3 6
c.観 察 ・実験 器 具 の貸 し出 し 2 6
d.実 験 講 習 会 や 研 修 会 4 9
e.そ の 他 3 4
小 学 校N=15,中 学校N=24(複 数 回答)
こ と,こ の 調 査 で は 理 科 を得 意 とす る教 員 で あ るCSTが 調 査 対 象 で は ない こ と,小 学 校 教 員 の 場 合 に は理 科 を専 門 と しない 教 員 が 多 く理 科 授 業 に苦 手意 識 を持 って い る 割 合 が 大 きい こ と等 が 理 由 と して 考 え られ る。 小 学 校 教 員 の 回 答 者(ノVl5)の 中で 中高 の 理 科 免 許 を持 って い
る教 員 は3・名で あ った 。 中学 校 教 員 の 回 答 者(N24) は全 員 理 科 教 員 で あ る。 不 安 を持 つ 理 由 を質 問 した 結 果 を表6に ま と めた 。 そ の 結 果,小 学 校 で は 「実 験 や 観 察 に対 す る難 し さ」 や,「 実 験 や 観 察 の 準 備 や 後 始 末 に対 す る不 安 」 が 大 きい 。
中学 校 教 員 で も理 科 授 業 に対 す る不 安 を持 つ 教 員 の 数 が 多 い こ とが 分 か る。 中学 校 教 員 は全 員 が 理 科 免 許 を持 ち,理 科 を専 門 と して い る教 員 で あ る。 理 科 を専 門 とす る教 員 で も理 科 に対 して 不 安 を持 つ 理 由 と して は,「 実 験 ・観 察 の 準 備 や 後 始 末 の 大 変 さ」 に対 す る不 安 が 最 も 多 か った(81%)。 さ らに,「 実 験 や 観 察 の 難 しさ」 も不 安 に感 じて い る よ うで あ る。 これ は,平 成24年 度 中学 校 理 科 教 員 に対 す るJSTの 調 査 報 告 書3Dで も述 べ られ て い る よ うに(領 域 別 に苦 手/や や 苦 手 と答 えた 割 合,物 理 31%,化 学12%,生 物27%,地 学45%),理 科 を 専 門 と
して い る 中学 校 の 教 員 で も,物 理,化 学,生 物,地 学 の 全 て の 分 野 に精 通 して い る教 員 は少 な く,自 分 の 専 門 と す る分 野 以 外 に は 不 安 が あ る た め と考 え られ る。 「そ の 他 」 に 関 す る記 述 内容 で は,「 安 全 面 に 対 す る不 安 」 や
「生徒 の 理解 に 対 す る 不 安 」 が 挙 げ られ て い た。
福 井 県 に お け る コ ア ・サ イ エ ン ス ・テ ィー チ ャ ー を 中心 と した 理 科 教 育 支 援 に 関 す る質 問 紙 調 査 と そ の 一 考 察
この よ うな不 安 を持 ち なが らも教 員 は授 業 を進 め な け れ ば な らない 。 表7は,授 業 の 準 備 や 実 験 な ど に 関 して 困 った と きの 対 応 につ い て の 調 査 結 果 で あ る。 教 員93%
が 同僚 の 教 員 に相 談 して 解 決 しよ うと して い る こ とが 分 か る。 中学 校 の 場 合,理 科 準 備 室 で 授 業 準 備 をす る場 合 も あ り,複 数 の 理 科 教 員 同± が 悩 み を相 談 しなが ら授 業 に取 り組 む 事 が で きて い る現 状 を表 して い る と考 え られ る。
表8は 理 科 授 業 を担 当す るた め に必 要 だ と感 じる こ と につ い て の 調 査 結 果 で あ る。 小 学 校87%,中 学 校92%の 教 員 が 「常 に相 談 で き る 同僚教 員 の存 在 」 を挙 げて い る。
相 談 す る とき には急 に相 談 した い と感 じる事 が多 い た め, す ぐ近 く に相 談 で き る教 員 が 存 在 して い る こ との 必 要 性 を感 じて い るの で あ ろ う。 また,中 学 校 理 科 担 当教 員 の 38%が 「実 験 講 習 会 や 研 修 会 」 を挙 げて い る。 学 習 指 導 要 領 や 教 科 書 が 変 わ る毎 に実 験 内容 や 学 習 内容 の 一 部 が 変 わ るた め,教 員 も学 び 続 け る必 要 が あ るた めで は ない だ ろ うか。 「そ の 他 」 に 関 す る記 述 と して 「予 備 実 験 に 時 間 が か か る」 こ とや,「 実 験 を行 う予 算 が ト分 確 保 さ れ て い ない 」 こ と等 も挙 げ られ て い る。
5.2小 学 校 に お け る理 科 授 業
小 学 校 にお け る理 科 授 業 の 担 当の 仕 方 を調 査 した 。 そ れ らに 関連 す る質 問の 回 答 結 果 を表9と 表10に 示 した 。 学 級 担 任 が 理 科 授 業 を担 当 しない 事 例 が,今 回 調 べ た 全 て の小 学校 で 認 め られ た 。 表9か ら,「 持 ち 時 間数 な ど の 関係 」 で 理 科 授 業 を担 当 しない 教 員 もい る こ とが 分 か る。 小 学 校 低 学 年 で は生 活 科 が 行 わ れ て い るた め,小 学 校 教 員 の 理 科 授 業 を担 当す る機 会 が 減 って い る。 表10か
ら,実 際 に理 科 授 業 を担 当 した こ とが ない 教 員 もい る。
持 ち 時間数 の調査 か ら考 え る と,学 級 担任 が担 当 しな か っ
表92015年 度 に理 科 授 業 を持 た な か った 理 由 小学校 a.実 験 ・観 察 の 準 備 や 後 始 末 の 大 変 さ 0
b.授 業 内 容 の 難 し さ 2
c.実 験 や 観 察 の 難 し さ 1
d.授 業 の 持 ち時 間 数 の 関 係 4
e.そ の 他 1
ノVニ7(複 数 回 答)
表10こ れ ま で に 理 科 の 授 業 を持 った こ とが あ るか 小学校
は い 4
い い え、 3
表11理 科 授 業 を 受 け 持 つ た め に 必 要 な 同僚 教 員 か らの 支 援
ノV=7
小学校 a.常 に 相 談 で き る同 僚 教 員 の 存 在 7 b.地 区 内 に相 談 で き る理 科 を得 意 とす る先
生 の存 在 2
c.観 察 ・実 験 器 具 の 準 備 6
d.特 に 支 援 は 必 要 な い 0
e.そ の 他 0
2Vニ7(複 数 回 答)
た 理 科 授 業 を他 の 学 級 担 任 が 担 当す る こ と も あ るが,教 頭 や 教 務 主 任 な ど,学 級 担 任 で は ない 教 員 が 担 当す る こ
と も多 い よ うで あ る。 そ うな る と理 科 の 授 業 を担 当す る こ とが で き る教 員 が 限 られ て く る こ とか ら,今 回 得 られ た 結 果 の よ うな現 状 に な って い る と考 え られ る。
表11は 小 学 校 教 員 が 理 科 授 業 を担 当す るた め に必 要 だ と感 じる 同僚 教 員 か らの 支 援 につ い て 質 問 した 結 果 で あ る。 こ こで は,「 常 に 相 談 で き る 同僚教 員 の存 在 」 「観 察, 実 験 器 具 の 準 備 」 を答 えて い る割 合 が 多 い 。 理 科 授 業 に お け る観 察 実 験 の 大 変 さ を感 じて い るた めだ と考 え られ
る。
学 校 や 地 域 の 理 科 教 育 の質 を 向 上 させ る とい うCSTに 期 待 され る活 動 と,こ の 調 査 結 果 を考 え合 わ せ る と,学 校 や 地 域 の 理 科 教 育 の 中核 とな りす ぐに相 談 で き るCST の よ うな教 員 の 必 要 性 が 分 か る。
5.3教 員 研修 の 必 要 性
理 科 にお け る指 導 力 向上 の た め に必 要 だ と感 じる教 員 研 修 の 回 数 を表12に 示 した 。 小 学 校 お よび 中学 校 教 員 と も に教 員 研 修 の 必 要 性 を感 じて い る こ とが わ か る。 小 学 校 教 員 で は1回 の 割 合 が50%と 最 も多 く な って い るが,
3回,4回 と答 え る教 員 も33%に な って い る。 中学 校 で は2回 と答 え る教 員 が33%で 最 も多 か った 。
表12Q10理 科 の 研 修 会 の 必 要 回 数(1年 間 当た り)
小 学 校(割 合) 中 学校(割 合)
無答 1 3
0回 1(5%) 1(4%)
1回 11(50%) 6(25%)
2回 2(9%) 8(33%)
3回 5(23%) 3(13%)
4回 以 上 2(10%) 3(13%)
小 学校N=22中 学 校N=24
理 由 と して,「 研 修 を受 け る こ とが で き る 時期 が 夏 期 休 業 中 な ど長 期 休 業 中だ けで あ る」 とい う記 述 も あ り,
口常 業 務 の 忙 しさか ら参 加 した くて も参 加 で き ない とい う現 状 が わ か る。 研 修 の 必 要 性 は分 か って い るが 少 ない 回 数 を答 えて い る とい う記 述 も あ った 。
現在,福 井 県教 育研 究所 で も毎年 理 科 の教 員研 修 を行 っ て い るが,参 加 で き る教 員 数 は限 られ て い る。 福 井 県 は 教 育 研 究 会 も県 全 体 を7ブ ロ ッ ク に分 け,ブ ロ ッ ク毎 に 教 員 が 小 学 校 教 育研 究 会 理 科 部 会 や 中学 校 教 育研 究 会 理 科 部 会 を組 織 して い る。 この ブ ロ ック毎 に も理 科 部 会 が 主 催 して 研 修 会 を行 って い る。 これ らの 研 修 会 に も多 く の 教 員 が 参 加 す るが,全 て の 教 員 が 参 加 で き るわ けで な く,全 て の学 習 内容 を網 羅 す る こ ともで き ない。 した が っ て,各 学 校 にお い て 理 科 教 育 の 充 実 を図 るた め に は,各 学 校 や 各 地 区 に気 軽 に質 問 で き るCSTの 存 在 が重 要 で あ
る こ とが 考 え られ る。
研 修 内容 に 関 して は,「 現 在 担 当 の 学 年 の ポイ ン ト」
や 「事 故 が 起 こ らない よ うにす る ポイ ン ト」,「植 物 の 育 て 方 の ポイ ン ト」 な ど具 体 的 な 内容 を求 めて い る よ うで
あ る 。
こ れ らの よ う な,一 般 の 教 員 が 求 め る ポ イ ン トを わ か りや す く 指 導 で き る 力 も 今 後 のCSTに 必 要 で あ る こ と が 考 え られ る 。
5.4CSTに 対 す る認 知 の 現 状
表13はCSTの 認知 度 で あ る。CST又 は受 講 者 の 同僚 教 員 に対 す る 今 回 の調 査 の 結 果,CSTと い う言 葉 を知 っ て い る と答 えた 割 合 が61%で あ り,比 較 的 そ の 認 知 度 は高 い よ うに感 じ る。 今 回 の 質 問紙 調 査 は全 てCST又 は 受 講 者 の 勤 務 校 の 同僚 教 員 に対 す る もの で あ る。 ま た,中 学 校 回 答 者 は 全 員 理 科 教 員 で あ る。 小 学 校CST在 籍 校 の い く つ か は地 域 の 拠 点 校 に指 定 され て い る。 そ の た め,今 回 の 調 査 対 象 は,福 井 県 内全 域 の 教 員 に対 して 行 った 場 合 よ りも,CSTに 対 す る認 知 度 は高 くな っ て い る と考 え ら れ る。
表14は 同 僚 教 員 がCSTで あ る こ と の 認 知 度 で あ る。 こ ち らは57%と 低 く な るが,受 講 者 が 受 講 中で あ る こ と を 同僚 教 員 に伝 えて い ない こ とが 考 え られ る。
表15に 挙 げ たCSTに 対 して 理 科 の質 問 を した 割 合 を見 る と,「 は い 」 と答 え た割 合 は小 中学 校 で35%で あ っ た。
身 近 なCSTの 存 在 は 知 っ て い るが 実 際 に 質 問 す る こ と は 3割 程 度 で あ っ た。 この 中 で,実 際 にCSTに 質 問 した 内 容 を記 述 して も らった 結 果 を見 る と,小 学 校 で は 「顕 微 鏡 の 効 果 的 な使 用 法 」,「実 験 器 具 につ い て 授 業 の 行 い 方 と良 い教材 」,「指 導案 の書 き方 や授 業 展 開,教 材 の選 定」,
「理 科 の 実 験 の進 め方 ,注 意 点」,「理科 の授業の系統性」,
「双 眼 実 体 顕 微 鏡 に つ い て 」 な どが挙 げ られ て い た。 一 方 中学 校 で は 「銅 の 酸 化 実 験 で 使 用 す る銅 の 前 処 理 につ い て 」,「授 業構 成 や 発 問 につ い て」,「実 験や 観 察 の 仕 方 」
な どで あ り,実 験 内容 や 実 験 ・観 察 装 置,教 材 に 関す る 内容 で あ った 。 こ こで 挙 げ られ た これ らの 内容 は,実 際 に理 科 授 業 に携 わ る多 くの 教 員 が 知 りた い と思 って い る 内容 に相 当す る と考 え られ る。 この よ うな 内容 につ い て, CSTが 更 に そ の 知 識 や 技 術 を 身 に付 け積 極 的 に情 報 を伝 え て い く こ とに よ っ て,CSTの 認 知 度 が 高 ま る こ と に も
表13CSTと い う 言 葉 を 知 っ て い る か
小学校 中学校 合 計(割 合)
はい 14 16 30(61%)
い い え 8 5 13(27%)
小 学 校Nニ22,中 学 校N=24(無 回 答3)
繋 が っ て い く と 考 え られ る 。
6.成 果 と課 題
今 回 の調 査 の 分 析 か らCSTの 必 要 性 を 再 認 識 す る こ と が で きた 。
小 学 校 で も 中学 校 で も理 科 の 学 習 内容 や 実 験 観 察 につ い て 不 安 な部 分 が あ る教 員 が 多 い 。 本 来 は教 員 研 修 な ど で 学 ぶ 必 要 が あ る 内容 も あ るが,現 職 教 員 は忙 しく学 ぶ た めの 時 間が1一分 に あ るわ けで は ない 。 そ の た め気 楽 に 質 問で き る教 員 が 勤 務 校 や 近 隣 校 にい て,悩 ん だ と きや 困 った と き に質 問 しなが ら解 決 し,教 員 が 学 び 続 け る こ とが で き る環 境 が 必 要 で あ る。 そ の た め,各 学 校 や 各 地 区 に 中核 と な る理 科 教 員 が 存 在 す る こ との 意 義 は非 常 に 大 き く,CSTは そ の 役 目を果 た す 存 在 とな る。 ま た,理 科 が得 意 なCSTに と っ て も,一 緒 に活 動 す る教 員 が い る
こ とで 初 めて 意 識 を高 め合 い 共 に学 び 続 け る こ とが で き る こ とが 今 回 の 調 査 か ら分 か った 。
福 井 県 内 に お け る 小 学 校 数 は194校,中 学 校 数 は74校 で あ る。CST,受 講 者 の 在 籍 校 は小 学 校15校,中 学 校18校 で,そ の 割 合 は小 学 校7.7%,中 学校24%で あ る。CSTの 認 知 度 を 高 め る た め に は小 学校 に 在 籍 す るCSTの 人 数 を 増 や す こ と と,中 学 校 に在 籍 す るCSTが 小 学 校 の 理 科 教 育 に積 極 的 に 関わ る こ とが 必 要 で あ る と考 え られ る。 そ こで,こ れ まで も小 学 校 の 理 科 教 育 に積 極 的 に 関わ って きた 中学 校 在 籍 者 のCST活 動 に つ い て,他 のCSTも 情 報 共 有 し,同 様 の 取 り組 み を広 めて い く こ と も有 効 で あ る と 考 え る。
既 にCSTと な っ た 教 員 が 更 に そ の活 動 を充 実 させ るた め に は,今 後,CSTの 認 知 度 を更 に 高 め て い く必 要 が あ る。 ま た,CST問 の 連 携 を 深 め,地 域 の 中核 教 員 と して 自信 を持 って 活 動 を続 け る こ とが で き る環 境 作 りを進 め る必 要 も あ る と考 え られ る。
今 回 の 調 査 結 果 を踏 ま えて,今 後 必 要 だ と考 え られ る こ と を以 下 に列 挙 す る。
・県 内 各 地 域 で行 わ れ る理 科 の 講 習 会 等 に お い てCSTを 積 極 的 に活 用 す る こ とを既 存 の組 織 に促 す。 その た め, 小 学 校 教 育 研 究 会 理 科 部 会 や 中学 校 教 育 研 究 会 理 科 部 会,教 育 委 員 会 等 の 既 存 の 各機 関 との連 携 を進 めCST が 地 域 の 理 科 教 育充 実 の た めの 中心 的 な役 割 を果 た す こ とが で き る環 境 作 りを進 め る。
表14勤 務 校 にCSTが い る こ と を 知 っ て い る か
小学校 中学校 合 計(割 合)
は い 15 13 28(57%)
い い え 7 8 15(33%)
小 学 校Nニ22,中 学 校N=24(無 回 答3)
表15CSTに 理 科 の 質 問 した こ とが あ るか
小学校 中学校 合 計(割 合)
はい 10 7 17(35%)
い い え 12 14 26(53%)
小 学 校Nニ22,中 学 校N=24(無 回 答3)
・CSTが そ の 力 量 を ア ッ プ さ せ る こ と が で き る た め の セ ミナ ー や 研 修 会 を 今 後 も 継 続 実 施 す る 。CSTの ネ ッ ト ワ ー ク を 更 に 充 実 させ る た め,直 接 話 の で き る 機 会 (セ ミ ナ ー や シ ン ポ ジ ウ ム)だ け で な く,SNS等 も 活 用 す る 。
・CSTが コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 高 め,同 僚 教 員 等 と の 積 極 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 図 る 。 積 極 的 に 授 業