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鋼製ラーメン橋脚の弾塑性面内挙動に関する実験的研究

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Academic year: 2022

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(1)Ⅰ-B205. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 鋼製ラーメン橋脚の弾塑性面内挙動に関する実験的研究 京都大学工学部. 学生員 武居 正樹. 京都大学大学院 フェロー 渡邊 英一. 京都大学大学院. 正会員 杉浦 邦征. 京都大学大学院. 正会員. 永田 和寿. 阪神高速道路公団 正会員 水谷 治弘 1. はじめに 兵庫県南部地震以後,鋼製橋脚の耐震性に関する様々な研究が行われているが,ラーメン形式の橋脚を対 象とした研究は単柱形式にくらべ少ない.そこで本研究では,鋼製ラーメン橋脚の弾塑性面内挙動に関する 基礎的資料を収集することを目的とし,単調載荷実験,繰り返し載荷実験および対比のための汎用有限要素 解析コード ABAQUS を用いた解析を実施した. 2.載荷実験および解析の概要 (1)載荷実験 本研究では,対称形に近い一層の門型鋼製ラーメン橋脚として阪神高速道路・湾岸線・岸 P34 橋脚を取り 上げ,Fig.1 に示すような実橋脚の約 1/17 程度に縮尺し,作成した試験体および載荷形式により,単調載荷 および繰り返し載荷実験を行った.Fig.2 には実験の状況を示しておく.なお,鋼製橋脚の強度および変形 能に影響を及ぼす断面を構成する補剛板の幅厚比,縦方向補剛材の剛比は,実構造物のそれらの値に準じ Table 1 に示す値を用いた.また,供試体製作には,SS400 の 1.6mm(一般部)および 2.3mm(隅角部)の鋼板 を用いた.これらの使用鋼材の材料試験結果を Table 2 に示す.一方,載荷に関しては,柱部材直上の鉛直 載荷用の 2 台のアクチュエータは荷重制御とし,柱部材基部の軸力比σC /σY を,実橋脚の軸力比レベル相 当(降伏軸圧縮力の 4.15%)で試験中一定に保った.ここで,軸力比σC は実橋脚において上部構造死荷重反 力,および橋脚自重により生ずる軸圧縮応力を示し,σY は鋼材の降伏応力である.水平方向載荷は,ふた つの柱の頭上部に水平力を均等に載荷できるよう,またラーメンはり部材の変形を拘束しないよう柱頭部を ヒンジでリンクしたパンタグラフ構造を採用し,柱頭部の平均水平変位を対象に変位制御で行った.水平変 位計測は,基部の弾性変形を取り除くための基点を設け,高精度ひずみゲージ式変位計を用いて行った. (2)ABAQUS による弾塑性有限変位解析 鋼製ラーメン橋脚の部材断面を構成する薄肉要素の局部変形を考慮した詳細解析を行うため,鋼箱断面の 主板,縦方向補剛材,ダイアフラムのすべてにシェル要素を用いた.また,主メモリの制約上,Y 軸平面に 対して対称な変形モードを仮定することにより 1/2 モデルに対して行った.ここでは,ラーメン橋脚の基本 的な挙動を明らかにすることを目的としたため,残留応力ならびに初期変形は考慮しなかった.さらに,材 料の非弾性挙動には,von Mises の降伏関数,連合流れ則および等方硬化則を仮定して解析を行った. 3.結果および考察 Fig.3 には単調載荷実験から得られた水平荷重 H と水平変位δとの関係と,ABAQUS を用いて弾塑性有 限変位理論に基づき求めた値を比較して示している.このとき解析を行う上での留意点として,本解析モデ ルのいずれかの要素で降伏応力に達した時点(von Mises の相当応力が材料の降伏応力に達した時点)の水平 荷重と水平変位を降伏荷重 HY と降伏変位δY とし,水平荷重は 2 載荷点の水平力を総和したものであり,水 平変位は 2 載荷点の変位の平均値を用いた. 実験結果から,降伏点以降も水平力は上昇し,降伏荷重のおよそ 3 倍の水平荷重において最高耐荷力に達 した.その後,緩やかに水平力は減少していることがわかる.水平荷重-変位曲線の最高耐荷力点における変 形性能δ/δY は約 10 を示し,ラーメン橋脚が優れた変形性能を有することが明らかになった.一方解析結 キーワード 鋼製ラーメン橋脚,弾塑性面内挙動,単調載荷,繰り返し載荷 連絡先 606-8501 京都市左京区吉田本町 TEL:075-753-5079 Fax:075-753-5130.

(2) Ⅰ-B205. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 果において,水平力が最高耐荷力の 95%程度に低下した時,圧縮応力状態にある柱基部だけでなく,はり部 材の隅角部近傍のフランジ部 2 ヵ所においても局部座屈による面外変形が顕著となっていることが明らかに なった(Fig.4 に示すワイヤー図参照).このことは,不静定次数が高いラーメン式橋脚の場合,単柱式橋脚と は異なり,1 ヵ所の局部座屈が構造全体の崩壊を決定せず,不静定次数以上の部位に明確な局部座屈が生じ るまで,構造的安定性を保持することができ,極めて粘り強い構造であることが理解できる. Fig.5 には繰り返し実験結果と ABAQUS 解析値を比較して示しているが,単調載荷時と同様な現象が観測 されている.繰り返し載荷においては,単調載荷時の挙動と同様に,降伏水平力 HY のおよそ 3 倍の水平荷 重において最高耐荷力点に達し,最高耐荷力点のおける変形性能δ/δY は約 8 を示し,ラーメン橋脚は優れ た耐震性能を有することが明らかとなった. 4.結論 ラーメン面内方向単調載荷実験の結果,鋼製ラーメン橋脚は,単柱式鋼製橋脚と比較して極めて優れた変 形性能,および耐荷力を有し耐震性能に優れていることが明らかになった.また弾塑性有限変位解析と実験 結果とを比較した場合,降伏点以降の挙動に若干の差異が見られるが,崩壊に至る経緯については,解析結 果は実験を定性的に良く近似していることが明らかになった. 水平力載荷治具. 軸力. 軸力. 114 179. 25. 95. 1387. 120. 水平力. 179 1104. Fig.1. 供試体および載荷方法(単位 mm). Table1. Fig.2 実験状況. 補剛箱断面 の座屈パラメータ. Table2. 鋼薄板の材料特性. 柱基部. はり中 央部. 0.438. 0.7371. 板厚 (mm). 板 パネルの幅厚比 0.363 パ ラメータR f. 0.481. 1.6. 205. 0.33. 194. 308.6. 60.8. 2.46. 2.3. 204. 0.33. 174. 320.7. 66.0. 板パネルの幅 厚比 パラメータR r. *. 補剛材剛比γ/γ. 1.47. 弾性係数 ポア 降伏応力 引張強度 破断伸び ソン比 (MPa) (MPa) (%) (GPa). 3. 3 実験値 解析値. 2.5. 2. 2. 1. 1.5. 0. 1. ‑1. :H max =75.8KN, δ max =26.3mm. 0.5. ‑2. :H max =70.8KN, δ max =28.3mm :H Y =28.1KN, δ Y =2.57mm 5. Fig.3. 10. 15. δ/δ Y. 20. 単調載荷実 験結果. 25. :H max =72.7KN, δ max =20.7mm :H max =78.2KN, δ max =6.98mm. 0 0. 実験値 解析値. ‑3. 30. ‑15. Fig.4 はり部の局部座屈性状 Fig 4 はり部の局部座屈性状(解析結果). ‑10. Fig.5. ‑5. 0. δ/δ Y. 5. 繰り返し載荷実験結果. 10. 15.

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