熊本大学学術リポジトリ
角形鋼管柱ラーメン構造部材の塑性変形応答
著者 井上, 一朗, 小川, 厚治, 多田, 元英, 柳原, 秀和
雑誌名 鋼構造年次論文報告集
巻 2
ページ 9‑16
発行年 1994‑11
その他の言語のタイ トル
Earthquake Response of Member Plastic
Deformation of Rigid Frame with RHS Col umn
URL http://hdl.handle.net/2298/9689
鋼榊造年次鎗文報告集 第2巻(1994年11月)
角形鋼管柱ラーメン構造部材の塑性変形応答
EarthquakeResponseofMemberPlasticDefbrmationofRigidFramewithRHSColumn
○井上_朗*,小jll厚治**,多田元英*,柳原秀和***
KazuolNOUE,KOjiOGAWA,MotohideTADAandHidekazuYANAGIHARA
AESmRACpCumulativeplasticdefbrmationratioofthesteelmembersobtained fTomfhenumericalearIjhquakeTesponseanalysisispresentedinthispaper、Therigid fTamewiChrectangularhollowsectioncolumnsandwithwideflangebeamsareana‐
lyzedtothreegToundmotions・Strengthoffi「ame,thenumberofstoTy,strengthratio ofmemberandwidCh-to-thiCknessratioareselectedastheanalyticalparameters、
Generally,thistypeoffmmeresultsinfheweakpaneltypeorweakbeamtypestruc‐
ture,sothabtheoverallcollapsemechanismisfbrmedtothestaticseismicload、No damageconcentrationisalsoobservedtothedynamicgToundmotions、
五句zDbTd3:ラーメン構造,角形鋼管,接合部パネル,累積塑性変形倍率
rigiW;Pame,recfmZg必ZcrsteeZfu6e’ん2瓦fpα'zeZ,czmz四ZQfiuepZasfZCde/brmafiO'zrctiO 1.序本論では,角形鋼管柱.H形断面梁で構成される長方形ラーメン構造の弾塑性地震応答解析 を行い,骨組を構成する柱・梁・接合部パネルの累積塑性変形応答に関する数値解析結果を示す.この ようなラーメン構造において,柱に比べると接合部パネルの方が一般に弱いことが指摘きれている'~
31したがって,柱・梁・接合部パネルの各部材に復元力特性を設定して静的および動的応答解析を 行っている.解析パラメータは骨組の強ざ・形状・層数,部材耐力比,部材の幅厚比などである.
2.解析骨組
2.1骨組形状と解析パラメータ
風1に示すA骨組とB骨組の2種類の平面骨組を解析モデルとする.柱は箱形断面,梁はH形断面と し,鋼材はSS400級とする.梁上の重量を4.8t/、(800kg/m2x6mを想定)の等分布として骨組重量 を算定する.骨組の解析パラメータは次のとおりである.
・骨組層数は5,10,15の3種類・構造特性係数PS値は0.25,0.30,0.40の3種類
・骨組の部材構成については次の3シリーズを想定
Oシリーズ:部材の断面性能を連続量とし,塑性設計)して必要最小断面を割り付けた骨組 Rシリーズ:保有水平耐力だけでなく,一次設計用地震荷重に対する層間変位角制限(〃200)も
満足するように実断面を割り付けた骨組
Dシリーズ:45゜方向入力を想定してOシリーズの梁の曲げ耐力を毎倍,パネルのせん断耐力を
1.2倍5)としたもの
Oシリーズの部材では,幅厚比を表.1に示す2種類の組合せとする.表.1において,CaselはFAランク,
大阪大学工学部建築工学科 熊本大学工学部建築学科 清水建設
砧印肥58l-TlTlT/Iノー”し
大阪府吹田市山田丘2-1)
熊本市黒髪2-39-1)
東京都港区芝浦4-15-33)
*
**
***
本論文の一部は日本建築学会大会学術講演梗概集,1994に発表.
-35-
JournalofConstructionalSteel
Vo1.2(Novemberl994)[ |’
Case2はFAとFBの境界値付近のランクに相 当する.
2.2部材の断面性能
設計用荷重に対する骨組の設計や応答解 析には部材の断面性能が必要である.特に 必要最小断面を連続量で与えるoシリーズ の骨組では,断面積・塑性断面係数などの 断面性能間の関係が部材寸法の決定に必要
となる.
板厚tの正方形箱形断面の断面積A,塑 性断面係数zP,断面二次モーメントIは’
7tを幅厚比として次式で表きれる.
A=4(7z-1)#2 (1)
zP三二C`2-2ア`)/ (2)
I臺芸け``-3'`2)`‘ (3)
上式より,各断面性能間の関係が次式で表
きれる.LazPZ野=α,I血 (4)
cIzP,αJは〃の関数である.
[
12m 一一6m112m一一30m B骨組
■
図.1解析骨組の形状 表.1部材の幅厚比
Casel205025 Case2306025
H形断面では,フランジ幅厚比吋とウェプ幅厚比rnU,およびせいと幅の比γを用いて、各断面係数 間に(4)式と同じ関係が定義きれる。表.1に示すように,H形断面梁ではγ=2.5としている.
2.3骨組の設計
Oシリーズの柱,梁部材の断面算定は下記の諸条件に従う.
・地震荷重時と過荷重時(過荷重時荷重係数=1.65)の二つの荷重条件で塑性設計4)する.
・設計用地震層せん断力は,固有周期をT=0.03H(H:骨組の高き)としてセンター指針6)による.
・同一層の梁・内柱・外柱は各々同じ断面とする.
・設計時に接合部パネルは無視し,解析では直下の柱と同じ断面とする.
・層間変位角の制限値は考慮しない.
柱の断面算定では》軸力・曲げモーメント相関降伏条件を考慮する必要がある.この相関降伏条件と(4) 式から断面特性(AまたはZp)に関する高次代数方程式が得られ,これを解いて断面形状が決まる.
Rシリーズの骨組では,柱・梁ともにそれぞれ全層にわたって同じ断面せいとし,柱では3層にわた る同じ板厚の部材の使用を原則としている.
2.4解析骨組
表.2に解析骨組とその構造パラメータをまとめて示す.表.2において,固有周期は固有値解析による
一次の値である.Rシリーズの幅厚比については最大値を記載している.
0.,.R各シリーズの10層A骨組のパネル・柱耐力比(jZWMノ),および梁・柱曲げ耐力比(BlW cMh)をそれぞれ図.2に示す.柱の曲げ耐力CM>は鉛直荷重時の軸力による低減塑性モーメントである.
また,パネルの曲げ耐力jMPは次式で算定しているr
艸藝府鶚(5)
ここで,几はパネルの軸力比,VJはパネルの体積,oシは降伏点である.MJは上下各柱の両端に塑性
-36‐
」11」l」11 」L」111
■Ⅱ■■■■■■■■■■ ■■■■■■■■■|■■■■
柱幅厚比 梁幅厚比
フランジ ウェプ
梁せい
フランジ幅Casel 20 6 50 2.5
Case2 30 9 60 2.5
鋼構造年次論文報告集 第2巻(1994年11月)
ヒンジが形成きれたときにパネルに作用するモーメントである.
パネルの耐力を1.2倍したDシリーズを除けば,柱が片側だけに接続する最上層のパネル以外でパネ ル・柱耐力比は0.7前後であり,柱に比べてパネルが弱い骨組となっている.またDシリーズでも,パ ネル・内柱耐力比は1よりやや小きい.外梁と外柱の曲げ耐力比が下層部ほど小きくなっているの は,地震荷重による付加軸力を考慮して外柱の断面を決めているからである.実断面を割り付けたR シリーズは,パネル・梁ともに柱より弱い骨組となっている.なお,他の層数の骨組の部材耐力比も 図2の場合と同程度であり,、8値や部材断面の幅厚比は部材耐力比にほとんど影響しない.
表2解jt斤骨組一覧
梁幅厚比|固有周期(秒)
f1angelweblA骨組|:骨組
骨組名称規約の一例
AO10-3020
.+Ⅲ卸
D内イI目03【
l〔
Oシリーズ A骨組
ADO5-2520
-- ̄---- ̄
ADO5-2530
BDO5-2520
------- ̄
BDO5-2530
1AD10-2520
 ̄-------
AD10-2530
BD10-2520
-------
BD10-2530 AD15-2520
 ̄------
AD15-2530
BD15-2520
--- ̄
BD15-2530
ARO5BRO55三0.25≦184≦83≦584105L14 ARmBR1010=o、25≦250≦68≦515157173 AR15BR1515三025≦250≦79≦51.5235255
3.解析方法
解析は,パネルのせん断変形を考慮した塑性ヒンジ法による.解析条件は下記のとおりである.
、柱.梁.接合部パネルの復元力モデルは図.3に示す秋山モデル7)による.ただし,このモデルでは軸 力の変動に伴う曲げ耐力の変動および柱の塑性伸縮は考慮できない.
.各部材の全塑性値は鉛直荷重載荷時の軸力に対して算定する.
、部材の軸方向変形・せん断変形は弾性変形だけを考慮する.
.幾何学的非線形を考慮する.
、鉄骨梁と床スラブとの合成効果は考慮しない.
-37-
--■ご宇亘2
骨組名
A骨組 B骨組 層数
、s値幅厚比 柱 flange 梁幅厚比
webA骨組 B骨組 固有周期(秒)
AOO5-2520 AOO5-2530 AOO5-3020 AOO5-3030 AOO5-4020 AOO5-4030
BOO5-2520 BOO5-2530 BOO5-3020 BOO5-3030 BOO5-4020 BOO5-4030
5 5 5 5 5 5
一一一5-5-0-0-0-0
2l2l3l8-4l4
Ol0l0l0-0l0一一一一一 20
30 20 30 20 30
6 9 6 9 6 9
50 60 50 60 50 60
2-3-7-9-6二94’3-2-1-0’9●●●●●●1-1-1-1’1’0
一一二一』 7l8l4-6l5-83-2l2l1-0l9●●●●●●1l1-1-1l1l0一一一一一
AO10-2520 AO10-2530 AO10-3020 AO10-3030 AO10-4020 AO10-4030
BO10-2520 BO10-2530 BO10-3020 BO10-3030 BO10-4020
--------■
BO10-4030 10 10
-2--10 10 10 10
0.25 0.25 0.30 0.30 0.40 0.40
20 30 20 30
、20 30
6 9 6 9 6 9
50 60 50 60 50 60
肥一団一門一団|盤一路1-1’1-1-1’1
』』』』』 4l2-4l3l6l79-8-7-6’4’3●●●●●●1-1’1-1-1-1一』』』』
AO15-2520 AO15-2530 AO15-3020 AO15-3030 AO15-4020 AO15-4030
BO15-2520 BO15-2530 BO15-3020 BO15-3030 BO15-4020
--■■■■,■■■--一一
BO15-4030 15 15 15
15
15 150.25 0.25 0.30
0.30
0.40 0.4020 30 20 30 20 30
●
■ 6
9 6
9
.6 9
50 60 50 60 50 60
Ol1l1l5l1-88-6-5’3-1-9●●●●●●2l2-2l2l2-1』一一一』 2-3-3-7’3-08-6-5-3-1-0●●●●●●2-2-2-2-2’2一二一一一
ADO5-2520 ADO5-2530
BDO5-2520 BDO5-2530
5 5
0.25 025
20 30
6 6
50 50
1.42 1.35
1.37 1.33 AD10-2520
AD10-2530
BD10-2520 BD10-2530
10 10
0.25 0.25
20 30
6 6
50 50
1.93 1.85
1.94 1.90 AD15-2520
AD15-2530
BD15-2520 BD15-2530
15.
15 0.25 0.25
20 30
6 6
50 50
2.80 2.67
2.82 2.76 A 105 BRO5 5 三0.25 <18.4 ≦8.3 ≦58.4 1.05
1.14
A no BR10 10 .Z0.25 ≦25.0 ≦6.8 ≦51.5 1.57 1.73 AR15 BR15 15 三0.25 ≦25.0 ≦7.9 ≦51.5 2.35 2.55JoumalofConstructionalSteel
Vo1.2(Novemberl994)層E【515三三句 層匝【Uごz三コ 罎回。
086.421 Ⅲ8642 086421
」庁.
~■
 ̄|
0 1.02.001.02.00
(a)パネル・柱耐力比
1.02.0
(a)梁と柱の端部回転 ゾマネの復元力特性
層EI5I5三重51 層に三五五5三三回] 層匹。
086421 086421 086421ヨ鵲鐵侭0’一》』。I0I-0I0-I0I
2
ニヨOL
区ソ
0
1.02.001.02.00
,(b)梁・柱耐力比
1.02.0
(b)パネルの復元力特性
図3柱・梁・パネルの
□復元力モデル 図.210層A骨組の部材耐力比
MMCD/Z=20
1.5 膳
1.5 1.5
b/f=6-αノ、=50
=--------
,/2=30 1.0
1.0 Wr=9-JIノ、=6U 1.0
|己回O/0
0.5
0.5 0.5
〃Bア P
024681002468100246810
図.40シリーズ骨組の梁,柱の骨格曲線の一例
柱・梁部材の骨格曲線の耐力上昇率.二次勾配・劣化域の勾配は,幅厚比・軸力比・降伏歪度・降伏比 などによって決まる7).パネルのモーメントーせん断変形関係の二次勾配は一次勾配の2%である.Oシ リーズの骨組に用いたH形断面梁および角形鋼管柱の部材端モーメント-回転角関係の骨格曲線の一例 を図.4に示す.鉛直荷重による柱の軸力比は最下層で0.5弱であり,図.4には軸力比がOと0.5の場合を示
している.
4.解析骨組の静的荷重一変形関係
10層AR骨組の各層の層せん断カー層間変位角関係と解析終了までに発生した塑性化部位を図.5に示
す.塑性化の記号は図中に示す進展状況に対応して示きれている.図1の縦軸(層せん断力)は骨組の 全重量と振動特性係数の積(WiwR`)で無次元化きれており,第1層(最下層)の耐カレベルが、s値に 相当する.図2の部材耐力比から予測きれるように,多くのパネルが塑性化しており,これはB骨組に おいても同様である.図5に示すAR骨組ではパネル降伏によって剛性が大きく低下し,その後歪硬化-38‐
鋼構造年次論文報告集 第2巻(1994年11月)
でやや耐力が上昇した後,P△効果や部材端ヒンジの劣化勾配の影響で耐力低下や除荷が生じている.
AR骨組の耐力はDs値換算で0.3強程度であり,これはBR骨組でも同様である.0シリーズの骨組で は,やはりパネル降伏によって設計用Ds値よりやや低いレベルで塑性崩壊状態になる.
一次設計用地震荷重(CO=0.2)に対する層間変位角分布を図6に示す.耐力だけを対象に設計きれた oシリーズの骨組では,主として転倒モーメントに抵抗する外柱は下層部ほど大きな余力を有すること になる.設計用Ds値(0.25)に対して塑性設計きれたOシリーズの骨組の層間変位角は上層部ほど大き く,1/200を大きく上回っている.一方,一次設計用地震荷重に対して血00の層間変位角制限を満足す るように設計したRシリーズの骨組もL/200をやや超える変位角が生じている。この原因は,断面決定 の段階でパネルを無視し,また柱梁部材のせん断変形や軸方向変形を無視したためである.一次設計用 地震荷重に対する層間変位角制限を満足するためには,図.5と図.6の結果から判断すると,Ds値に換 算して0.3程度以上の耐力が必要であろう.
23 00
22000仙仙.凪
『層
一A015-2520
・・・・・・AO15-2530
層---A、15
‐`/whR‘E回
:幸二二三義
0.4 1 08642 108642
0.3
三二二 三二二ムープ
0.2
。) 。)
′
′
0
00.0050.010.O150
-BO10-2520
・・・・・・BO10-2530
層一BR100.0050.010.O15
-BO152520
・・・・・・BO15-2530
層一BR150.1
10層
H2(rad)
086421 086421
J.
0.020.04
0.0
、[。u」M只一、②
③塑性ヒンジ(状態①)
●塑性ヒンジ(状態②)
圏塑性化パネル
0 00.0050.010.01500.0050.010.015
)図.5層せん断カー層間変位角関係と塑性化部位図.6-次設計用地震荷重時の層間変位角分布
3.動的応答解析結果
動的解析の諸条件は次のとおりである.
・数値積分はNewmarkβ法による.時間刻みは基本固有周期の1/500以下とする.
・減衰定数は1次を0.02とする剛性比例型である.
・入力地震動は次の3波である.
ElCentrol940NS(50kine),継続時間:20秒,Taftl952EW(50kine),継続時間:20秒,
Artificial-wls(ElCentroNSのVEスペクトルを平滑化した人工地震8)),継続時間:30秒
入力地震動の速度応答スペクトル(ノZ=0.02)と損傷に寄与する入力エネルギーの次式による速度換算値を図7に示す.
29(Ei+Ee-Ec)…
S;9= WT
(6)ここで,gは重力加速度’Biは運動エネルギー,Eeは全歪エネルギー,四℃は重力仕事,WTは全重量 である.(6)式による速度換算応答値は◇,□などの記号で図7中に示きれている.従来,指摘きれてい
-39‐
。
JoUrnalofConstructionalSteel
Vo1.2(Novemberl994)るように7),(6)式による入力エネルギーの速度換算値は速度応答スペクトルとほぼ一致する゛
3種類の入力地震動に対する各層の最大層間変位角(Hi)応答分布と各部材の累積塑性変形倍率(、)
応答分布を図.8(A骨組),図.,(B骨組)に示す.各図ともに,最上段がHi分布,続いてパネル゛
柱…梁の刀分布が並べられている.また,各図中には5,10,15層各骨組の応答値を,最下層の高さを
0,最上層の高ざを1として併記している.OシリーズとDシリーズについては部材幅厚比が大きいCase
2(表.1参照)の結果だけを示しているが,幅厚比が小きいCaselの骨組の応答値は,図・8,9の結果に 比べてやや小きい程度である.各部材ごとの71の最大値を表.3にまとめている.刀は正側と負側の累積塑性変形倍率の和である.柱と梁の、算定の基準値は両端に逆対称全塑性モー
メントが作用したときの部材端回転角であり,柱の全塑性モーメントは鉛直荷重時の軸力を用いて算定 している.なお,ここには示していないが,正側と負側の累積塑性変形倍率の応答値は概略等しい・
図.8,図,の応答解析結果の特徴的な事項を以下に列挙する.
1)最大層間変位角(Ei)応答分布は,図・6に示す静的荷重に対する分布と類似の形状である.実断面を 割り付けたRシリーズのBi応答値はA,B両骨組とも1/100をやや超える程度である.
2)Oシリーズ骨組部材の塑性変形は主にパネルに生じ ており,柱と梁の塑性化は軽微である.パネルのn 値は高々20程度である.
3)幅厚比が大きいOシリーズのCase2の梁は全塑性 モーメントに達した直後に劣化勾配域に入る(図.4参 照).しかし,幅厚比がZI、きいCaselの場合に比べ
てそのn値が特に大きくなることはない.
4)均等スパンのA骨組に比べると,B骨組の短スパン梁 である内梁のn値が大きい.この場合,B骨組の内梁・
のn値は高々13程度である.
5)45.方向の地震入力を想定して梁とパネルの耐力を 大きくしたDシリーズでもパネルの塑性変形が顕著 であり,柱の71値が極端に大きくなることはない.
6)どの骨組においても,柱の塑性変形は最下層柱脚と 上層部に限られる.柱のn値は,強梁骨組のDシ リーズでも高々10弱程度で,他の骨組では高々6程 度である.これは,主としてパネルあるいは梁が塑 性化して特定層に損傷が集中しないためである.こ の解析では柱・梁・パネルともに同じ降伏応力度を 用いている.柱の降伏点が梁に比べて高い場合に
は,柱の塑性変形はざらに減少するであろう.
2
蟄鼬蕊琴罰Ui雲鯛
1
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3
。
2
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2
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1
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T(se c)
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1
会:言:=含蓄=I雲三可 菫三;;し竺蕊i
BR■四回
5層10層15層
LJ-L_ ̄
入力エネルギーの速度換算値 図.7入力地震動の速度応答スペクトルと 表.3名部材の最大累積塑性変形倍率
-40‐
夕
Oシリーズ A骨組 B骨組
Dシリ  ̄ズ A骨組 B骨組
Rシリーズ A骨組 B骨組
柱
最上層柱頭 中間層
最下層柱脚
1.4 1.2 3.6
7.9 3.2 6.4
1.8 3.1 6.8
5.6 4.8 8.6
0 0.1 5.5
0 0 4.4
梁
5.5 102 1.3 1.2 5.6 13.3 パネル 17.4 20.1 112 19.9 126 3.0鋼構造年次論文報告集 第2巻(1994年11月)
……-5層骨組一一一一一10層骨組-15層骨組
高さ 高さ
高さ 高さ 高き
1 1 ユ
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高さ 高さ 高ざ 高さ 高さ
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高さ 高き
高さ 高き 高さ
ユ
1 1
10200
01
10200 m200 102001020
高さ
高さ 高さ 高さ 高さ
1
ユ 1 1102001020010200102001020
「z己=百両]区己=百面]「x己=z面1「】両而]回
0
図8A骨組の最大層間変位角(R`)応答分布とパネル・柱・梁の累積塑性変形倍率(71)応答分布
4.まとめ
本論では、角形鋼管柱.H形断面梁ラーメン構造の幾何学的非線形を考慮した弾塑性地震応答解析を 行い,柱・梁・パネル各構成部材の累積塑性変形倍率の応答値について検討・考察した.角形鋼管柱.
H形断面梁ラーメン構造においては,特にパネルを補強しない限り通常は弱パネル構造あるいは弱梁構 造になる.したがって,柱の塑性変形は最下層柱脚と上層部に限られ,大地震に対しては主としてパネ ルあるいは梁が塑性化して特定層に損傷が集中することはない9~11).柱の累積塑性変形倍率(正側と負 側の矛ロ)は最上層柱頭および最下層柱脚で大きな応答値を示すが,高々6前後であり,強梁構造の場合
でも高々10弱程度であった.
謝辞応答解析に用薑いた人工地震動は,東京工業大学和田章研究室から御提供いただいたものであ る.付記して感謝の意を表する.
参考文献
1)田渕基嗣,金谷弘,他:中低層鉄骨造骨組における設計の実状一柱,梁,接合部パネルのii寸力比一,日本建築学 会近畿支部研究報告集第33号・構造系,pp、221224,1”3.6.
2)柳原識ロ,井上-朗,多田元英,桑原進:角形鋼管柱・H形鋼梁ラーメン構造の弾性層間変形成分とパネル.柱
-41‐
ヨRi(rad 曰
lRf(r雫
1 詞三二]二ii]
1
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降伏比,日本建築学会大会学術講演梗概集C構造Ⅱ,pPl559-1560,1993.9.
3)伊藤茂樹,岡本晴仁,加村久哉:箱形断面とH形断面梁からなる鉄骨ラーメン構造におけるパネル部の変形比 率,日本建築学会大会学術講演梗概集C構造Ⅱ,卯.1561-1562,1993.9.
4)中村恒善:建築骨組の最適設計,丸善,1980.
5)海原広幸,山成實,小川厚治,黒羽啓明:任意方向からの曲げ、せん断力を受ける角形鋼管の弾塑性挙動に関 する考察(実験および解析結果の比較),日本建築学会大会学術講演梗概集C構造mpp、1407弓1408,1911.9.
6)日本建築センター:構造計算指針・同解説,1991年版.
7)秋山宏:建築物の耐震極限設計第2版,東京大学出版会,1987.
8)YihuaHuang,AkiraWada,HirOkiKawaiandMamoruIwata:StudyofDamagemerantStructure(Part4)
ResponseAnaIysisofBendingShearPoleModel,日本建築学会大会学術講演梗概集C構造Ⅱpp、1513,1993.9.
,)河野昭雄,牧野稔:中低層鋼骨組の耐震性に与える柱一はり接合部のせん断補強の効果について,日本建築学会 論文報告集,第334号,ppl8-27,1983.12.
10)長谷川隆,山内泰之:地震時に柱梁接合部パネルが他に先行して降伏する骨組の耐震性能に関する解析的研究,
日本建築学会大会学術講演梗概集C構造Ⅱ,pPll45-1146,1991.9.
11)秋山将光,松尾彰,中村雄二,椋代仁朗,高松隆夫:弱パネル型中低層鋼構造骨組の地震応答解析,日本建築 学会大会学術講演梗概集C構造Ⅱ,pp、1565-1566,1993.9.
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