• 検索結果がありません。

せん断降伏が先行するコンクリート充填長方形鋼管短柱の弾塑性性状に関する実験及び解析的研究 [ PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "せん断降伏が先行するコンクリート充填長方形鋼管短柱の弾塑性性状に関する実験及び解析的研究 [ PDF"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

59-1

せん断破壊が先行する

コンクリート充填長方形鋼管短柱の弾塑性性状に関する実験及び解析的研究

佐藤 駿介 1 .  序   通 常 の プ ロ ポ ー シ ョ ン の コ ン ク リ ー ト 充 填 鋼 管 (CFT)柱は,せん断耐力が大きいため曲げ破壊する ことが多い.このため,C FT 柱のせん断破壊に関す る研究はほとんど行われていないのが現状である. しかしながら,柱のせん断スパン長さ a と柱せい D の比 a/D(せん断スパン比)が小さい極短柱(a/D = 1.0 以下)では,曲げ耐力に達することなく破壊する 現象が,崎野らの研究1 )によって実験的に示されて いる.この実験研究の対象は,正方形断面の C FT 極 短柱である.長方形 CFT 柱に関しては,「コンクリー ト充填鋼管構造設計施工指針」2)(以下 CFT 指針)に おいて適用可能とされているが,その適用にあたっ ては明確な記述はなく,せん断破壊実験の研究は皆 無である.そこで本報では,定軸力のもとで繰返し せん断力を受ける長方形 C FT 短柱の耐力と復元力特 性を実験的に明らかにする.また,3 次元非線形有 限要素(F E M ) 解析を行い,解析結果,実験結果を 基に長方形 C FT 短柱の弾塑性性状および終局耐力評 価法につ いて考 察する. 2 .  実験計画 2 . 1  実験計画  実験変数は,軸力比 N/N0(N0:中心圧縮耐力)せ ん断スパン比 a/D(a:せん断スパン,D:柱せい)と し,4 体の試験体を作成した.この条件のもとで図 1 に示すような加力を行い,逆対称変形を与える実 験を行った.4 体の試験体の諸条件を表 1 に示す. 2 .2  試験体  試験体の形状・寸法とゲージ添付位置を図 2 に示 す.鋼管は□ -150 × 75 × 3.2 を使用した.試験体の 端には,軸力伝達するために厚さ 5 m m のエンドプ レー トを 溶 接し た . 2 .3  材料   充填コンクリートは 2 種類あり,4 週強度でそれ ぞれ 36MPa,40MPa になるように調合した.充填コン クリートの諸元を表 2 に示す.   鋼 管 の 力 学 的 性 質 を 表 3 に示す.長方形鋼管は STKR400 を使用した.表の値は鋼管より切り出した 試験片の 引張試 験から 求めた もので ある. 引張試験で得られた応力 - ひずみ関係を図 3 に示す. 図に示す ように ,明瞭な降 伏棚が 現れた . 図 2 試験体の形状・寸法 表 1 試験体一覧 表3 鋼管の力学的性質 表2 充填コンクリートの諸元 鋼材の種類 規格 降伏強度 (MPa) 降伏ひずみ (%) 引張強度 (MPa) 降伏比 □-150×75×3.2 STKR400 409 0.19 458 0.87 図 3 引張試験片の応力σ -ひずみε関係 図1 加力時の変形状況 0 100 200 300 400 500 0 1x104 2x104 3x104 4x104 5x104 6x104 σ (N / m m 2 ) ε(μ) 試験体 呼び強度(MPa) スランプ, スランプフロー (cm) 空気量 (%) 圧縮強度 (MPa) ヤング係数 (GPa) 最大圧縮 ひずみ (%) CR65-40-1 MR65-40-1 40 22.2 4.5 44.6 31.6 0.21 CR50-36-8 CR50-36-15 36 48.0 4.1 51.0 36.0 0.18 2 . 4  実験方法  図 4 に示す装置を用いて加力を行った.この方法 により柱に逆対称変形を与えることができる.軸力 は P C 鋼棒により導入し,せん断力は5 M N 試験機 を用いた.ひずみゲージは,試験体のフランジ部分 の上下端 4 箇所に 1 軸の塑性ゲージを,ウェブ部分 の中央に 3 軸の塑性ゲージを両側 2 箇所に貼付した. 載荷プログラムを図 6 に示す.縦軸 R は柱の鉛直方 向変位を柱の内法高さで除した部材角である.載荷 は変位制御で行い,変位振幅を部材角で± 0.01rad ず ゲージ貼付位置 試験体 PC用孔 22φ 1 90 175 打設孔 50 1 00 D h L CR65-40-1 0.01 MR65-40-1 0.01 CR50-36-8 0.08 CR50-36-15 0.15 幅厚比 B/t せん断スパン比 a/D 充填コンクリート 呼び強度(MPa) 軸力比 N/N0 150 150 1600 3.00 25.0 0.65 40 0.50 36 柱幅B (mm) 75 試験体 柱せいD (mm) 試験体高さh (mm) 全長L (mm) 板厚t (mm)

(2)

59-2 図6 載荷プログラム -6 -4 -2 0 2 4 6 0 2 4 6 8 10 R (× 10 -2ra d) サイクル数 MR065-40-1 図5 正負交番載荷方法 5MN試験機 ロードセル 加力梁 試験体 Iビーム 図4 加力装置 CR65-40-1 図 7 各試験体のせん断力Q −部材角 R 関係 CR50-36-15 -300 -200 -100 0 100 200 300 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 Q ( k N ) R (×10-2rad) -300 -200 -100 0 100 200 300 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 Q ( k N ) R (×10-2rad) -6 -4 -2 0 2 4 6 0 2 4 6 8 10 R( × 10 -2ra d) サイクル数 CR65-40-1 CR50-36-8 CR50-36-15 つ増加させた.なお,処女載荷の方向を 正側載荷, その反対 を負側 載加と呼 ぶこと にする. 3 .  実験結果  実験より得られたせん断力 Q −部材角 R 関係を図 2 に示す.図中の◆点は鋼管がせん断降伏した点を, ●点 は最 大耐 力を表している . 鋼管の降伏の判定には,以下の von M ises の降伏条 件式 を用 いた . 2 2 2 2 2 1 6 2 1 s x s y s x s y s xy e xy s xy E   (3.1) ここで, s x:鋼管の加力方向応力,s y:鋼管の軸方向応力 s xy:鋼管のせん断応力, e:相当応力 xy:鋼管のせん断ひずみ である.相当応力 eが鋼管の降伏応力に達した点で 鋼管のせん断降伏と判定した.s xs yおよびs xyは図 7 に示す試験体ウェブ部中央の 3 軸塑性ゲージから求 め た.  以下に代表的な 2 体(CR65-40-1,CR50-36-15)の試 験体の実験経過と最終破壊状況を示す.C R 65 -4 0- 1 は,R=2/100rad の正側 1 回目の載荷中にせん断降伏 し,R=3/100rad の 1 回目で最大耐力に達したのち,変 形 角 の 増 大 に つ れ て 耐 力 は 微 減 し 最 大 変 形 R = 4 / 100rad に至った.CR50-36-15 も,R=0.01rad. の正側 1 回 目の載荷中に鋼管がせん断降伏した後,R=0.01rad の 第 2 サイクルにおいて正側の最大耐力に達したの ち , 変 形 角 の 増 大 に つ れ て 耐 力 は 微 減 し 最 大 変 形 R=3/100 rad に至った。いずれの試験体も図 7 に示す フランジ部分の上下に貼付したひずみゲージの値が 降伏ひずみに達する前に,鋼管のせん断降伏が観測 された. 4 .  耐力評価 4 . 1 降伏耐力  本報において,長方形 C FT 柱の中央部がせん断降 伏した時点の水平力を降伏耐力 Qyとする. 表 4 に各試験体の Qyと,降伏時に鋼管が負担するせ ん断力sQyと充填コンクリートが負担するせん断力 cQyを示す.また,表4にはsQycQyそれぞれの Qyに 対する割合も載せている. sQyは以下の式で求めた.        (4.1) ここで, sAw:鋼管ウェブの断面積,s x y:鋼管のせん断応力, 鋼管のせん断応力は試験体ウェブ部中央の 3 軸ゲー ジから求めた.充填コンクリートが負担するせん断 力cQyは,試験体の降伏時の耐力 Qyから鋼管の負担 するせん断力 sQyを引くことで求められる. また,表 4 には充填コンクリートのせん断応力c も 載せてある.c は, c y c c

Q

A

       (4.2) ここで,   cA :充填コンクリートの断面積 とし,コンクリ ート断 面の平 均値と した. 軸力が大きくなるほどコンクリートの負担せん断力 が増加 する 傾向が 見ら れた.  4 . 2  最大耐力  C FT 指針2)をもとに算出した長方形 C FT 柱の耐力 は,鋼管柱の耐力と,無筋コンクリート柱の耐力を 足し合わせた一般 累加式で評価し ている.これは, 表4 降伏時の鋼管とコンクリートの負担せん断力 試験体 降伏耐力 せん断応力鋼管の コンクリートのせん断応力 せん断力鋼管の コンクリートのせん断力 CR65-40-1 221 217 3.4 188 33 0.85 0.15 1.17 MR65-40-1 211 213 2.8 184 28 0.87 0.13 1.15 CR50-36-8 241 217 5.3 188 53 0.78 0.22 1.17 CR50-36-15 251 197 8.1 170 81 0.68 0.32 1.06 ( ) s yQ kN c yQ kN( ) / s yQ Qy ( ) c MPa ( ) s xyMPa / c yQ Qy ( ) y Q kN s y s aQ Q/ sQy s Aw s xy

(3)

59-3 2 1 1 2 1 3 2 1 2 2 2 3 2 2 1 3 2 3 3 2 2 0 1 2 2 0 2 1 0 0 1 s x s x s y s y s xy s xy x xx xx d d E d xx x x x d x d xS x x x d 両材端において充填コンクリートと鋼管の間で相対 ずれが生 じない ことが 前提と なって いる.  試験体の最大せん断力 Qm a xをせん断力 Q −軸力 N の相関曲線上にプロットしたものを図 8 に示す.最 大せん断力 Qm a xは,正側と負側の絶対値の平均値と する.図 8 には,それぞれ C FT 指針を参照して計算 し た 終 局 せ ん 断 耐 力 お よ び 終 局 曲 げ 耐 力 時 の せ ん 断力,及び鋼管,コンクリートそれぞれの終局せん 断耐力を点線で示している.図中の●点は Qm a x ,点は Qy,□点と■点は, sQm a xcQm a xを示している. また,表 5 に各試験体の終局せん断耐力の計算値と 終 局 曲 げ 耐 力 時 の せ ん 断 力 の 計 算 値 , お よ び 実 験 最 大 せ ん 断 力 値 を 示 す . 今 回 実 験 を 行 っ た 試 験 体 の最大せん断力(最大耐力)はすべて曲げ耐力値に 達 し て お ら ず , 各 試 験 体 は せ ん 断 破 壊 に よ り 最 大 耐力 を 発 揮 し た と 考 え ら れ る.  表 6 に,最大耐力時のs xyと試験体の最大耐力時に 鋼管が負担するせん断力および充填コンクリートが 負担するせん断力を示す.表 4 ,表 6 より,降伏時 までは主に鋼管がせん断力を負担し,その後,最大 耐力時まではコンクリートの負担軸力が増していく ことが分かる.鋼管の応力の算定には,鋼管の板厚 方向応力を零とする平面応力場を仮定し,(3 . 1 ) 式で 表わされる von Mises の降伏条件式とそれに関連す る流れ則である Prandtl-Reuss の構成則を用いた.応 力算定に用いた式を( 4 . 3 ) 示す.         (4.3) 弾性域では式( 4 . 3 ) の右辺のカッコ内第 2 項は零と す る . ここで, s x,s y ,s xy:鋼管の応力 E:ヤング係数 ν:ポアソン比 s x ,s y ,s xy:鋼管のひずみ である.  なお,鋼管の応力−ひずみ関係は完全弾塑性型を 仮定して H = 0 とする.また,ヤング係数は材料試 験から得られた値とし,ポアソン比は 0 . 3 と仮定す る.鋼管の負担するせん断力sQm a xは, max sQ sτxy sAw   (4.4) で表わされ,充填コンクリートの負担するせん断力 cQma xは Qm axからsQm axを引くことで求められる.  図 9 は,鋼管のウェブの主応力 12の応力状態 を示したもので,圧縮側を正としている.図 9 の応 力算定では,(4.3)式のs x s y をそれぞれ 12とし, s x ,s yをそれぞれ鋼管の主ひずみ 12とし,s xy,s xy を零として計算している.図中の◇点は降伏時の応 力 , ○ 点 は 試 験 体 の 最 大 耐 力 時 の 応 力 を 示 し て い る.また,図中の点線は平面応力状態での降伏曲面 を表わしており,(3 . 1 ) 式で表わされる.  図 9 より,鋼管のウェブ面の主応力が,それぞれ 引張,圧縮の状態になっていることが分かる.降伏 時から最大耐力時までは,引張が支配的になるもの の最大耐力発揮以降は圧縮側に流れる.これは,最 大耐力発揮後,コンクリートの劣化により,鋼管の 軸力負担 が増え たため と考え られる . 5 . 3 次元非線形 F E M 解析 5 . 1  解析モデル  実験を行なった 4 体の試験体について 3 次元非線 形有限要素解析を行った.解析には汎用解析プログ ラム DIANA を用いた.図 10 に有限要素分割を示す。 解析対象の試験体は,対称性を考慮して全体の 1 / 2 をモデル化した。コンクリートには,8 節点立方体 要素を用い,材料モデルとして全ひずみひび割れモ デルを用いる。また,ひび割れによる圧縮劣化特性 やせん断剛性の低下を考慮した。鋼管には,4 節点 シェル要素を用い,材料モデルは Von M ises の降伏 条件を用いた塑性論モデルをとし,相当応力‐相当 ひずみ関係はバイリニア型で扱う。コンクリートと 鋼管では接点 を共有し,完全付着を仮 定した.  加力方法は、材軸端をそれぞれローラー支持とピ ン支持で固定し、対称面( Y Z 面) については X 軸方 向を拘束した上で、対称面に接する鋼管部分につい 表5 実験最大耐力と計算値 実験最大せん断力 終局せん断耐力 曲げ耐力時せん断力 Qmax (kN) Qs (kN) Qb (kN) CR65-40-1 233 216 324 1.08 0.72 MR65-40-1 241 216 323 1.12 0.75 CR50-36-8 261 250 449 1.05 0.58 CR50-36-15 261 254 462 1.03 0.57 試験体 Qmax/Qs Qmax/Qb 図 8 Q-N/N0関係 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 0 100 200 300 400 500 Q(kN) N /N 0 せん断耐力 曲げ耐力 鋼管のせん断耐力 コンクリートのせん断耐力 表6 最大耐力時の鋼管とコンクリートの負担せん断力 CR50-36-8 CR50-36-15 試験体 最大耐力 鋼管の せん断力 コンクリートの せん断力 CR65-40-1 227 191 36 0.84 0.16 MR65-40-1 248 197 52 0.79 0.21 CR50-36-8 248 182 67 0.73 0.27 CR50-36-15 263 170 93 0.65 0.35 m ax( ) sQ k N cQmax(kN) max/ max cQ Q max/ max sQ Q m ax( ) Q kN -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 σ2 / sσy σ1 / sσy 図9 鋼管ウェブの応力状態   CR50-36-15

(4)

59-4 0 50 100 150 200 250 300 350 0 0.5 1 1.5 2 2.5 3 3.5 Q ( kN ) R (×10-2rad) CR50-36-15 降伏時 最大耐力時 降伏時 最大耐力時 YZ 面(CR50-36-8) YZ 面(CR50-36-15) 図 11 Q-R 関係  実験値と解析値の比較 ては Y 軸回りと Z 軸回りを拘束している。これら の拘 束を 行 った 上 で初 め に軸 力 を載 荷 し、次に 軸 力を 載荷 し た状 態 で逆 対 称せ ん 断力 を 試験 体 に強 制変位 として 与える こと で発生 させて いる。 5 . 2  解析結果  図 11 に CR50-36-15 のせん断力 Q‐部材角 R 関係を 示す。図中の◇,○点は鋼管が降伏した点と最大耐 力を示している。初期剛性は概ね一致したが,最大 耐力 は解 析 値が 実 験値 を 上回 る 結果 と なっ た .図 12,図 13 に CR50-36-8,CR50-36-15 のそれぞれの場合の 鋼管 降伏 時 ,最大 耐力 時 のコ ン クリ ー トの 圧 縮主 応力コンターと鋼管のせん断応力コンターを示す。 図 1 2 から斜めに力が流れ,コンクリートに圧縮ス トラットの形状が見られる.また図 1 3 より,試験 体ウ ェブ 部 で応 力 が集 中 し,最大 耐力 時 には 全 体 に 応 力 が 分 布 し て い る こ と が 確 認 さ れ る . 表 8 ,表 9 に試験体の降伏時と最大耐力時の鋼管と コンクリートの負担せん断力を示す.表 1 0 に最大 耐力 時の 実 験値 と 解析 値 の耐 力 及び 負 担せ ん 断力 の比較を示す.また図 14 に CR50-36-8,CR50-36-15 の 鋼管とコンクリートの負担せん断力を示す.図 1 4 より 最大 耐 力は コ ンク リ ート に より 発 揮さ れ たと 考えられる.また,鋼管,コンクリートともに CFT 指針2 )をもとに算出した終局最大耐力を上回る結果 とな り,コン クリ ー トの 負 担せ ん 断力 は 実験 値 よ りも 多く な って い る.これ は完 全 付着 に より 解 析 を行 った た めと 考 えら れ ,最大 耐力 が 実験 値 を上 回ったの もこれ による ものと 考えら れる. 図12 コンクリートの圧縮主応力コンター 図14 鋼管とコンクリートの負担せん断力 図13 鋼管のせん断応力コンター 6 .  まとめ 1 )今回実験を行った長方形 C F T 短柱は,鋼管のせ ん断降伏が先行し,最大耐力が C F T 指針の曲げ 耐力 式に 達し てい ない こと から ,せん 断破 壊し たものと推 定される. 2 )今回実験を行った長方形 C F T 短柱は,降伏時ま では 主に 鋼管 がせ ん断 力を 負担 し,変形 の増 大 につ れて 充填 コン クリ ート の負 担す るせ ん断 力 が増 える こと で最 大耐 力を 発揮 し,その 後は 鋼 管が主にせん 断力を負担 することが 示された. 3)せん断破壊した試験体の最大耐力は,現行 CFT 指 針のせん 断耐力 式で安 全側に 評価で きる. 4 )解析値は最大耐力において実験値を上回ったが, 初期の挙 動は実 験に近い ものと なった. 謝 辞  本研究の一部は、九州大学・中原研究室と九州産 業大 学・内田 研究 室の 共同 研究 とし て実 施さ れ ました。ここに謝意 を表します 。 < 参 考 文 献 >

1) 崎野健治,石橋久義: Experimental Studies on Concrete Filled Square Steel Tubular Short Columns Subjected to Cyclic Shearing Force and Constant Axial Force, 日本建築学会構造系論文報 告書,第 353 号,pp.81-91,1985.7

2 )   日 本 建 築 学 会 : コ ン ク リ ー ト 充 填 鋼 管 構 造 設 計 施 工 指 針 ,2008. 

3) TNO DIANA BV : DIANA User s Manual ・ Release 9.4.4-,2011 図10 有限要素分割 表8 降伏時の鋼管とコンクリートの負担せん断力 降伏時 最大耐力時 降伏時 最大耐力時 試験体 CR65-40-1 191 112 79 0.59 0.41 MR65-40-1 191 112 79 0.59 0.41 CR50-36-8 175 91 84 0.52 0.48 CR50-36-15 206 106 100 0.51 0.49 ( ) aQ kNy asQ kNy( ) acQ kNy( ) asQy/aQy acQy/aQy 表9 最大耐力時の鋼管とコンクリートの負担せん断力 試験体 CR65-40-1 289 197 93 0.68 0.32 MR65-40-1 289 197 92 0.68 0.32 CR50-36-8 298 195 103 0.65 0.35 CR50-36-15 297 191 106 0.64 0.36 max( )

aQ kN asQmax(kN) acQmax(kN)asQmax/Qmax acQmax/Qmax

0 50 100 150 200 250 300 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 Q ( kN ) R (×10-2rad) CR50-36-15 コンクリート 鋼管 Q 鋼管の負担せん断力Qs コンクリートの負担せん断力Qc 降伏点 最大耐力 試験体 CR65-40-1 1.27 1.03 2.57 MR65-40-1 1.16 1.00 1.79 CR50-36-8 1.20 1.08 1.54 CR50-36-15 1.13 1.12 1.14 max/ max

aQ Q asQmax/sQmaxacQmax/cQmax

表10 実験値と解析値の比較 0 50 100 150 200 250 300 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 1.2 1.4 1.6 Q ( kN ) R (×10-2rad) 鋼管の終局耐力 コンクリートの終局耐力 CFTの終局耐力 CR50-36-8 Y Z X

参照

関連したドキュメント

行列の標準形に関する研究は、既に多数発表されているが、行列の標準形と標準形への変 換行列の構成的算法に関しては、 Jordan

From test results using Limestone joints, we were recognized that the dynamic shear response characteristic are depend on rock discontinuities and loading shear stress waves

せん断帯の数値解析は、材料の非線形性だけでなく初期形状の非対称性や材料の非均質性

鋼板中央部における貫通き裂両側の先端を CFRP 板で補修 するケースを解析対象とし,対称性を考慮して全体の 1/8 を モデル化した.解析モデルの一例を図 -1

[r]

4 Ohta, H.: Analysis of deformations of soils based on the theory of plasticity and its application to settlement of embankments, Doctor Engineering Thesis, Kyoto

〜3.8%の溶液が涙液と等張であり,30%以上 では著しい高張のため,長時間接触していると

方法 理論的妥当性および先行研究の結果に基づいて,日常生活動作を構成する7動作領域より