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実海域におけるエアリフトポンプ揚水特性実験 正員

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Academic year: 2022

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(1)Ⅱ-194. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). 実海域におけるエアリフトポンプ揚水特性実験 正員. 山本亮介*1. 正員. 田中伸和*1. 海洋科学技術センター. 鷲尾幸久*2. 正員. 大澤弘敬*2. 電力中央研究所. 古河電気工業株式会社. 石井健一*3. 矢木橋清智*3. 1.はじめに 近年,海洋深層水は低温・富栄養・清浄というその特性から,水産養殖,健康食品,医療,工業冷却水など,多 方面の分野で大きく注目され,その利用が検討されている.しかしながら,海洋深層水を安価かつ安定に揚水す る為の決定的な技術は確立されておらず,渦巻き式ポンプを用いて揚水が行われているのが現状である.今後ま すます増加する各方面からの需要に対応するために,早期の新しい海洋深層水揚水技術の確立が望まれている. 著者らは海洋深層水揚水技術として,その単純な機構,保守の容易さ,揚水時に深層水中の溶存酸素量を増加さ せることができる利点等から,エアリフトポンプに注目している.そして,その適用性を検討するため,過去に 室内規模のエアリフトポンプ揚水特性基礎実験および数値解析を行い,エアリフトポンプの揚水特性の把握を行 ってきた [1]‑[3].そして,ここでは実海域において新たに実施したエアリフトポンプ揚水特性実験結果につい て報告を行う. 2.実海域揚水実験 実海域揚水実験は三重県度会郡南勢町五ヶ所湾の湾口沖合約 1.5km, 水深約 40m の海域に設置されている海洋科学技術センター の沖合浮体式波力発電システム. マイティーホエール. 圧縮空気 (コンプレッサーより) 全幅せきへ. 上にて行. った.実験装置の概略図を図1に示す.エアリフト揚水管には日 海水面. 本各地の深層水揚水施設で導入実績のある鉄線鎧装ポリエチレン 管を用いた.揚水管の長さは 30m,内径は 150mm であり,管出口部. 8m. に硬質塩化ビニル管を設置して揚水した海水を受水槽へと導いた. 送気位置(上). そして,ビニル管の高さは可変構造とし,揚程を 2.95m から 4.95m 18m. の間で変化させ,その影響を調べた.送気には定格出力 7.5kW の エアコンプレッサを使用し,空気注入位置(水深 8m,18m,28m). 28m. と送気量を変化させて行った.また,揚水量は受水槽で気液分離 した後,電磁流量計及び全幅せきで測定を行った.さらに,揚水. 送気位置(中). 管の出口部にはボイド計を設置し,管内のボイド率を測定した. 3.数値解析 過去の研究[1]−[3]と同様,代表的な気液二相流解析モデルであ 送気位置(下). る二流体モデルを用いて1次元数値解析を行った.二流体モデル は気相と液相に対してそれぞれ質量,運動量,エネルギーの保存 式を立てて解析を行うモデルであるが,ここでは揚水管内部で温 度変化はないものとし,エネルギー保存式は用いなかった.そし て,数値解析は空気の注入位置,管径,送気量などの条件を揚水. 図1. 実験と同様の値にして計算を行った. キーワード:海洋深層水,エアリフトポンプ,気液二相流 *1 千葉県我孫子市我孫子 1646 *2 神奈川県横須賀市夏島町 2‑15 *3 千葉県市原市八幡海岸通 6. TEL 0471-82-1181 TEL 0468-66-3811 TEL 0436-42-1716. FAX 0471-84-7142 FAX 0468-66-5746 FAX 0436-42-9359. 実海域揚水実験装置概略図.

(2) Ⅱ-194. 土木学会第55回年次学術講演会(平成12年9月). の場合の実験および数値解析結果である.図よ り数値解析結果と測定値が比較的良く一致して いることがわかる.また,水深 16m の水槽で実 施した過去の研究[1]では,送気量の少ない条件. 揚水量 ( l/s ). に示す.それぞれ,揚程 2.95m,3.95m,4.95m. 40 35 30 25 20 15 10 5 0 0. 10. 20. 30. 40. 50. 40 35 30 25 20 15 10 5 0. 60. 0. 10. 20. 送気量 ( Nm3/h ) (a)揚程 2.95m. で解析値が実験値より大きい値を示す傾向があったが,本実験 結果ではその様な傾向はなかった.これは淡水中と海水中とで は,物性の違いから管内の気泡の形状・分布が異なっているこ とに起因するものであろう.エアリフトポンプは上昇気泡によ る駆動力で揚水を行うため,その性能は管内での気泡の流動様 式,形状・分布に大きく依存する.送気量の少ない条件では,. 揚水量 ( l/s ). 送気量と揚水量の関係について図 2(a)−(c). 揚水量 ( l/s ). 4.実験および数値解析結果. 30. 40. 50. 60. 送気量 ( Nm3/h ) (b)揚程 3.95m. 40 35 30 25 20 15 10 5 0. 送気水深 8m 解析値 △ 実験値 送気水深 18m 解析値 □ 実験値 送気水深 28m 解析値 ○ 実験値. 0. 10. 上昇する気泡の管断面半径方向の運動,いわゆるらせん状運. 20. 30. 40. 50. 60. 送気量 ( Nm3/h ) (c)揚程 4.95m 図 2 送気量と揚水量の関係. 動・ジグザグ運動が顕著になるため,揚水の駆動力が減少する. 0.24. しかし,数値解析では管断面単位体積内で気泡を平均的に取り扱い,管断面半. ない条件では実験値と解析値が異なってくると結論づけた.ところが,海水中 では淡水中と比較して個々の気泡径が極めて小さく,また,球形に近い.その. ボイド率. 径方向の運動は考慮していない.過去の研究では,以上の理由から送気量の少. 送気量 ( Nm3/h ). 0.22. 52.8. 0.20. 48.42. 0.18. 46.37. 0.16. 35.37. 0.14 0.12. ため,送気量の少ない条件でも,気泡の上昇経路はほぼ垂直に近いと推測され. 0.10. る.このように上昇する気泡の挙動が数値解析の条件に近づいたため,両結果. 0.08 0.00. 0.20. 0.40. 0.60. 0.80. 1.00. 管中央からの無次元距離. が比較的良く一致したものと考えられる.. 図 3 管断面半径方向ボイド率分布. 次に,揚水管出口部における断面半径方向平均ボイド率分布測定結果を図 3 0.30. に,また,管中央部平均ボイド率測定結果および数値解析によるボイド率を図. ある.図 3 より,この条件では管内で気泡は中央部に集まって上昇しており, 気泡分布はいわゆるコアピーク型の分布をとっていることがわかる.また,図 4 より,ボイド率の数値解析値はピーク値である管中央部での実測結果よりも やや小さく,測定した断面半径方向のボイド率の平均値よりは大きい値をとる 傾向があることが確認された.. 実測値(管断面平均) 計算値. ボイド率. 4 に示す.これらは,送気水深 28m,揚程 2.95m の条件での測定・解析結果で. 実測値(管中央部). 0.25 0.20 0.15 0.10 0.05 10. 20. 30. 40. 50. 送気量 ( Nm3/h ) 図4. 送気量とボイド率の関係. 5.おわりに 実海域におけるエアリフトポンプの揚水特性は,過去に淡水を用いて静水中で実施した室内実験結果とは,管内 の気泡の分布・形状の違いから,多少異なった傾向を示すのではないか予測していた.しかし,送気量の少ない 条件で違いがあるものの,大きくは異ならず,また,開発した数値解析コードで海水中でのエアリフトポンプの 揚水特性を把握できることを確認した.今後は数値解析により,フィールドの特性を考慮し,効率よく揚水を行 うことのできるエアリフトポンプ揚水システム提案し,実機の最適設計に資する予定である. 参考文献 [1] 山本・田中ほか(1998):圧縮空気を利用した深層水汲み上げ技術に関する研究,土木学会第 53 回年講概要 集第 2 部,pp.630‑631. [2] 山本・田中ほか(1999) :深層水揚水を目的としたエアリフトポンプの揚水特性に関する研究,土木学会第 54 回年講概要集第 2 部,pp.174‑175. [3] 山本・田中ほか(1999):エアリフトポンプによる深層水揚水模擬実験,第 3 回海洋深層水利用研究会全国集 会講演要旨集,pp.14‑15.. 60.

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