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転動音に配慮したレール削正手法の研究

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Academic year: 2022

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転動音に配慮したレール削正手法の研究

東日本旅客鉄道株式会社  正会員 ○片岡 慶太 東日本旅客鉄道株式会社  正会員  小関 昌信

1.目的  

 レール削正車(砥石式)を用いた在来線におけるレール削正については、従来、波状摩耗やレール溶接部の 凹凸を除去するのが主な目的であったが、JR 東日本では「通トンレール交換基準の延伸」及び「シェリング の抑制」を目的としたレール削正も実施している。波状摩耗箇所や溶接部のレール削正では削正後に列車の転 動音が低減されることが多いのに対して、後者を目的としたレール削正では、削正前には転動音が大きくない 箇所を削正すると、削正後の転動音の変化が不快に感じられる場合がある。そこで、本研究ではレール寿命延 伸目的で実施するレール削正時に転動音の変化を抑制する目的で実施している追加削正について、その削正方 法の変更による効果を検証するとともに、主に海外で実施されているレールミリングについても騒音測定やレ ール表面の調査を行うこととした。 

 

2.転動音の変化について 

 砥石式のレール削正車による削正後の転動音の変化については、転動音の騒音測定及び周波数分析による結 果、800Hz 付近において卓越したピークをもつことが原因であると考えられている1),2)(図‑1)。また、削正後 のレール表面を観察すると、25mm ピッチで周期的な削正痕が見られ(図‑2)、レール表面の凹凸量を測定し、

パワースペクトル分析を行ったところ、25mm 付近に卓越したピークが見られた(図‑3)。800Hz の周波数は、

25mm の削正痕上を列車が 70km/h 程度で走行したことによると考えられる(800Hz×25mm=20m/s=72km/h)。こ のような転動音の変化を緩和するために、現在では 2〜4 パス程度の追加削正を行っている。本研究では、砥 石式の削正車の削正圧、砥石の粗さ、削正速度を変えることにより、転動音の原因となっているレール表面の 凹凸量がどのように変化するかを調べるとともに、レールミリングを施工した場合においても施工後のレール 表面状態の調査及び騒音測定を行った。 

3.削正圧・砥石の粗さ・削正速度と凹凸量の関係   砥石式の削正車の削正圧を最大砥石圧力の 80%(通常)

と 60%にして仕上げの削正を行ったときの、レール表面 凹凸量の例を図‑4 に示す。また、図‑5 に削正圧を変えた ときの表面凹凸量の標準偏差を示す。表面凹凸量の測定 は異なる 4 箇所(①〜④)において行い、図‑5 には、削

正圧を 45%にした場合も加えた。図より、削正圧を小さくしたほうが凹凸量も小さくなる、即ちレール表面が   キーワード レール削正,転動音,レールミリング,砥石 

 連絡先   〒331‑8513 埼玉県さいたま市北区日進町 2‑479 JR 東日本研究開発センター テクニカルセンター TEL 048‑651‑2389 

レール近傍騒音(T車のみ騒音)

40 50 60 70 80 90 100 110

50 100 200 400 800 1600 3150 6300 中心周波数 (Hz)

騒音レベル (dB(A))

削正前 削正後

AP

25mm フィールドコーナー側

ゲージコーナー側

図-1 騒音測定結果  図-2 レール表面の削正痕  図-3 凹凸量のパワースペクトル

図-4 レール削正後の表面凹凸量 

4-059 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

-117-

(2)

滑らかになる傾向があると言える。図‑6 に、粗さが異 なる砥石を用いて仕上げの削正を行ったときの表面凹 凸量の標準偏差を示す。砥石の粗さは 16#のほうが粗く、

削正圧については両方とも 45%にした。図より、砥石粗 さと凹凸量の間の明確な関係は見られなかった。図‑7 に、仕上げの削正をする際の走行速度を変えたとき

(5km/h, 7.5km/h, 10km/h)の表面凹凸量の標準偏差を 示す。削正圧については全て標準の 80%とした。図より、

削正速度が速くなるにつれて凹凸量が大きくなる、即ち レール表面が粗くなる傾向があると言える。 

 

4.レールミリングによるレール表面への影響   ミリングとは車輪のようにレール長手方向に回転し ながらカッターにより削正する方式である(図‑8)。図

‑9 に、ミリング前後のレール表面凹凸量の標準偏差を 示す。図より、ミリング後の表面凹凸量はミリング前の 表面凹凸量とあまり変わらず、図 5〜7 と比較すると、

砥石式の削正車による削正後よりもミリング後のほう が、標準偏差が小さい、即ちレール表面が滑らかである

ことがわかる。ただし、今回はミリング直後に仕上げ削正(オシレーティング:摺動式)が入っており、ミリ ングのみによる評価はできなかった。図‑10 に、ミリング前後に行った騒音測定結果を示す。図‑1 で見られた ような卓越したピークはミリング後には見られなかった。ミリング後の削正痕は、図‑11 のようにレール長手 方向と水平になるため、レール表面凹凸量を測定しパワースペクトル分析を行っても、図‑3 のような卓越し たピークは現れず、そのため、騒音測定結果にも卓越したピークが見られなかったと考えられる。 

5.まとめ 

 本研究では、レール削正後の転動音の変化を抑えるために、削正後のレー ル表面凹凸量を小さくすることを目的として、削正方法の検討を行った結果、

削正圧を小さくすることと削正速度を遅くすることが有効であることがわか った。また、騒音測定の結果、ミリングでは転動音の変化の大きな原因と考 えられる卓越したピークが発生しないということが実際に確認できた。 

 

参考文献 

  1)鵜飼,阿部:レール長寿命化のための効果的なレール削正手法の開発,JREA(2006.7) pp34‑36 

2)瀧川,阿部,小野寺:在来線レール削正における転動音変化の分析,第 61 回土木学会年次学術講演会,Ⅳ‑253,2006.9 

0.0 5.0 10.0 15.0

① ② ③ ④

SD (μm)

80%

60%

45%

0.0 5.0 10.0 15.0

① ② ③ ④

SD (μm)

16#

36#

図-5 削正圧と表面凹凸量の標準偏差の関係 

図-6 砥石の粗さと表面凹凸量の標準偏差の関係 

0.0 5.0 10.0 15.0

① ② ③ ④

SD (μm)

5km/h 7.5km/h 10km/h

図-7 削正速度と表面凹凸量の標準偏差の関係 

図-8 ミリング削正  図-9 表面凹凸量の標準偏差(ミリング前後) 

0.0 5.0 10.0 15.0

① ② ③ ④

SD (μm)

削正前 削正後

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

31.5 50 80 125 200 315 500 800 1250 2000 3150 5000

中心周波数 (Hz)

騒音レベル (dB (A))

削正前 削正前 (AP) 削正後 削正後 (AP)

図-10 騒音測定結果(ミリング前後) 

図-11 ミリングによる削正痕 

4-059 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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参照

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