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ベルト式削正器

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Academic year: 2022

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(1)土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅵ‑284. 山陽新幹線における新たなレール削正方法の検討 西日本旅客鉄道株式会社. 正会員 ○村上. 真. 西日本旅客鉄道株式会社. 正会員. 小村 啓太. 西日本旅客鉄道株式会社. 正会員. 田畠 伸洋. 1.はじめに 現在,山陽新幹線では環境対策,レール延命や脱炭 層除去等を目的に,48 頭式レール削正車(以下,削正 車)によるレール削正を実施している.しかし,現行 の削正車は一部の設備が分岐器に支障する等の理由か ら,分岐器を含む一部区間は基本的には削正が出来ず, 床下騒音や軸箱振動加速度も大きい傾向にある.さら に,レール溶接部の定期的な削正により,一般区間は. 写真-1. ベルト式削正器. レール交換周期を累積通過トン数 6 億トンから 8 億ト. 表1 性能評価試験の設定角度および削正位置. ンへ延伸しているが,上記の区間では定期的な削正が 出来ていないことから,6 億トンに到達するまでにレー. 設定角度(°). 速度(m/h) 250 , 500 , 750 , 1000. ル交換を実施している.. 5. 0° 2° レール頭部削正位置 (イメージ) 5°. よって,本報告では上記の一部区間の課題解決を図 るため,簡易で効率的な新たなレール削正方法を提案. 2. 0. -2. レール頭頂面. -4. -6. -8. -2° -4° -6° -8° GC. し,山陽新幹線への適用の可否を検討することとした. 2.新たなレール削正方法の選定と課題. (2)導入に至るまでの課題. (1)新たなレール削正方法の選定. 新幹線の走行安定性を向上させるためには,新幹線. 本検討において,以下の理由により自走式波状摩耗. 車輪の場合はレール頭頂面曲率半径を 50N レールと同. 削正器(以下,ベルト式削正器)を新たなレール削正. 等の 300mm 以下とすることが望ましいとされている 1).. 方法として選定した.. また,第 1 章に示したようにレール交換周期を延伸す. ・山陽新幹線全線にわたり運用が可能であること. るためには,累積通過トン数 6000 万トン毎に頭頂面を. ・分岐器区間を含め削正できること. 0.06mm 以上削正する必要がある 2).よって,今回検討. ・作業効率及び施工品質が高いことなど. したベルト式削正器において,上記 2 つの条件を満足. ベルト式削正器は,写真-1 のように軽便トロと同等. する削正パターンの検討が必要となる.本検討におい. の大きさで,分岐器の一部の設備に支障することなく,. ては,一般的な 60kg レールを対象としてまずは取り組. かつ保守用車等で容易に運搬できるものである.削正. むこととした.. 機構は樹脂で加工したベルトをレール長手方向に高速. 3.削正パターンの検討. で回転させた状態で,レールに押付けることで削正が. (1)ベルト式削正器の性能評価試験. 可能である.ここで,押付け方法には「押付板」と「R. 削正パターンを検討するにあたり,削正量や削正範. ローラー」の 2 種類があり,「押付板」は押付け範囲が. 囲といった性能を把握するために試験削正を実施した.. 小さいため削正量が大きい一方で, 「R ローラー」は押. ①. 付け範囲が広いため,削正量が小さい特徴がある.. 試験削正を実施した設定角度および削正位置を表-1. また,ベルトはレール長手方向に対して,-8°(GC)~ 5°(FC)の角度が設定可能である.. 性能評価試験の内容. に示す.ベルト式削正器の押付圧は削正車と同等(15A) であるが,精緻な制御が難しく,削正量が削正速度に. キーワード:削正,自走式波状摩耗削正器,ベルト式,レール延命,レール頭頂面曲率半径,分岐器 連絡先:〒670-0914 兵庫県姫路市豆腐町字水田 316. 西日本旅客鉄道(株). ‑567‑. 姫路新幹線保線区. TEL079-282-5864.

(2) 土木学会第71回年次学術講演会(平成28年9月). Ⅵ‑284. 依存していることを踏まえ,削正速度を試験条件に加 えることとした.また,試験削正に用いたレールは 60kg レールとしており,各設定角度におけるレールの削正 量,削正範囲などを計測することとした(N=11). ②. 性能評価試験の結果 削正速度ごとの削正量と設定角度の関係を図-1 に示. す.この図より,削正速度が遅くなるにつれて削正量 が大きくなり,750m/h 以下の速度であれば目標削正量 である 0.06mm 以上を満足する結果となった.なお,ど. 図-1. 削正速度ごとの削正量と設定角度の関係. の削正速度においても削正範囲は同等であった.以上 の結果および作業効率等を考慮し,次節の検討には削. 表-2. 正速度 750m/h を採用することとした.. 削正回数. (2)削正パターンの検討 ①. 押付板. 削正パターン表および削正範囲 1. 設定角度(°). 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 10 11 12 -2.0 +1.0. -8.0 +1.0. Rローラー 設定角度(°). 削正パターンの検討内容. 9. 0 -8.0 -3.0 -2.0 +5.0 +2.0 -3.0 +1.5. レール中心. 前節の結果から,頭頂面の削正量 0.06mm 以上かつレ ール頭頂面曲率半径 300mm となるよう削正パターンを 削 正 回 数. 決定し,試験削正により確認した.ここで,削正車の 削正パターンは GC および FC から頭頂面に向けて順次 削正し,最後に頭頂面を削正するように決定されてい る.一方,ベルト式削正器は削正車よりも削正範囲が. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12. FC. 10. 20. 30 40 FC側から見た削正範囲(mm). 50. 60. GC. 広いため,削正車と同様に最後に頭頂面を削った場合 は偏平なレール断面となり,レール頭頂面曲率半径 300mm を確保することが困難であると考えられた.よ って,ベルト式削正器の削正パターンは,最初に頭頂 面を削正した後に GC および FC から頭頂面に向けて順 次削正することとした(表-2).なお,削正速度および 押付圧は 750m/h と 15A で一定としている. ②. 試験結果と考察 試験の結果,レール頭頂面の削正量が 0.13mm 以上と. なり,目標削正量 0.06mm 以上を満足する結果となった.. 図-2. 試験後のレール頭頂面曲率半径. さらに,図-2 より,試験後のレール頭頂面曲率半径は 300mm 程度で,50N レールに近いレール断面に形成す. ると考える.. ることができた.. 今後,山陽新幹線への導入に向けて,さらに以下の. しかし,今回提案した削正パターンは,削正回数が. 課題を検討していきたい.. 12 回となっており,山陽新幹線の導入に向けて,作業. ・効率的な削正パターンの検討. 時間等の制約やコストも配慮し,より少ない削正回数. ・本線試験による削正効果の再検討など. の削正パターンの検討が必要であると考えられる.. 4.今後の展望. 参考文献. 本検討でベルト式削正器による削正試験を実施した. 1)清水惇. 他:レール頭頂面の新しい形状を探る,鉄. 結果,レール頭頂面曲率半径が 300mm,頭頂面の削正. 道総研報告,Vol.71,No.12,pp.20-23,2014.12. 量 0.06mm を満足していることから,分岐器区間の一部. 2)高尾賢一. の設備に支障しないベルト式削正器が有効に活用でき. に関する研究,土木学会第 52 回年次講演会,1997.9.10. ‑568‑. 他:山陽新幹線におけるレール疲労寿命.

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