九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
グアニン塩基の選択的蛍光試薬の開発と核酸関連生 体成分の分析化学的研究
大庭, 義史
九州大学薬学研究科薬学専攻
https://doi.org/10.11501/3134874
出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(薬学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
グアニン塩基の選択的蛍光試薬の開発と 核酸関連生体成分の分析化学的研究
薬品分析化学教室
(1998)
大庭 義史
グアニン塩基の選択的蛍光試薬の開発と 核酸関連生体成分の分析化学的研究
薬品分析化学教室
(1998)
大庭 義史
目次
緒論 l
第l章 グアニン関連化合物の高選択的高感度蛍光検出における
フェニルグリオキサール類縁試薬の適用 5
1 - 1 PGO類縁試薬のスクリーニング 5
1-2 基準操作 8
1-3 HPLC条件 8
1-4 クロマトグラム 8
1-5 蛍光誘導体化反応条件の検討 10
1 -6 他の化合物との反応 18
1-7 検量線及び検出限界 19
1-8 DMPG試薬によるプレカラム蛍光誘導体化HPLC 20
1-9 小括 23
第2章 ブレカラム蛍光誘導体化HPLCによる
ヒト尿中グアニンヌクレオチド定量への応用 24
2 - 1 基準操作 25
2-2 HPLC条件 25
2-3 クロマトグラム 26
2-4 前処理法の検討 29
2-5 検量線及び検出限界 34
2-6 尿中グアニンヌクレオチドの定量 34
2-7 小括 35
第3章 ラット脳組織中のサイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ
活性測定への応用 36
略語表
3 -1 基準操作
3-2 蛍光誘導体化条件の検討
3 -3 P D E ase活性測定条件の検討 3-4 小括
ヴt oo -ょ
QdqunJd444・
PGO:フェニルグリオキサール
MPG : 4'ーメトキシフェニルグリオキサール
DMPG : 3',4'ージメトキシフェニルグリオキサール
MDPG : 3',4'ーメチレンジオキシフェニルグリオキサール TMPG : 3',4',5'ートリメトキシフェニルグリオキサール
DMSO:ジメチルスルホキシド THF:テトラヒドロフラン DMF:ジメチルホルムアミド
PDEase : 3',4'ーサイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ IBMX : 3-イソフチルートメチルキサンチン
7MG : 7-Methylguanine 06M G : Q6-Methylguanine 8AG : 8 -Azagu anin e
MNU : N-Methyl- N-nitrosourea
第4章 ポストカラム蛍光誘導体化HPLCによる
変異原↑生修飾グアニン分析への応用 50
4 -1 ポストカラム蛍光誘導体化HPLCシステム 51
4-2 クロマトグラム 54
4-3 脱メチル化反応条件の検討 54
4-4 蛍光誘導体化条件の検討 57
4-5 検量線及び検出限界 57
4-6 メチル化DNAの調製(in vi tro) 61
4-7 メチル化DNAの調製(in vivo) 61
4-8 メチル化DNAの計測 61
4-9 小括 65
総括 67
謝辞 69
実験の部 70
参考文献 75
発表論文 80
111 11
緒論
生体内においてグアニン含有ヌクレオチド類は様々な 機能を有している。
例えば、グアニレートサイクラーゼ酵素を介してGTPから生成されるcGMP は、 細胞内メ ッセンジャーとして働き神経系における重要な情報伝達 物質と して注目されている1,2)0 cGMP依存性プロテインキナーゼ(G キナーゼ) も見出されて おり、 タンパク質 のリン 酸化 反応による調節機構が考えられて いる3)。 またGTPは、 神経末端のホ ルモン 感受性アデニレートサイクラー ゼ系の調節に重要な 役割を果たしている4)0 GTP 結合タンパク質はGTP又
はGDPと特異 的 に結合するタンパク質であり、 受容体との共役因子として シグナ ル伝達系に関与しているの。 また、 先天性核酸代謝異常症の多くはヌ クレオシド及びヌクレオチドレベルでの代謝異常であり、 例えば、 先天性プ リン 代謝異常症であるヒポキサンチングアニン ホスホリボシル転移酵素欠 損症の患者は、 赤血球中のグアニン ヌクレオチドの濃度レベルが変化してい るという報告がある6)。 アルキル化剤などの 発癌性物質、 変異原生物質など により生じるDNA損傷は突然変異や発癌 を引き起こすものと考えられてい る。 グアニン 塩基は他の核酸塩基 類と比べ非常 に反応性に富んでおり、 例え ばメチル化剤により生じるぴ'_Methylguanineは、 チミンとミスペアを形成し、 と れに基づくDNA複製の時のエラーはメチル化剤による発癌、 突然変異、 細胞死の原 因の1つと考えられている7)。
生体中の核酸関連物質 の濃度変化を知ることは、 核酸の正常代謝及び疾病 等における 異常代謝の研究上極めて重要である。 生体試料中における核酸 関 連物質は複雑な生体マトリックス中に存在しているため、 高分離能を有する 高速液体クロマトグラフィー (HPLC)がそれらの分析の有力な手段となっ ている。 即ち、 逆相分配又はイオ ン交換モードのHPLC により核酸塩基、
ヌクレオシ(チ)ド類を分離した後、 紫外部吸収( UV)検出、 電気化学検 出又は蛍光検出 により測定を行うものである。 UV検出法は、 核酸塩基部位 の260 nm付近のUV吸収を測定するもので、 誘導体 化操作を必要としない ため広く用いられてきたト13)。 しかし、 UV検出法は選択性及び検出感度
の点で劣るため、 生体中のUV吸収を示す数多く の多成分の妨害を 考慮する 必要がある。 電気化学検出法は、 高い印可電圧(+0.95V vs. Ag/ AgCl)に
おいて電気化学的酸化を受けるグアニン とそのヌクレオシ(チ)ドの検出に 用いられ、 10-12レベルでの検出が可能である14-17 )。 しかし、 生体試料 に応 用した場合、 共存 する酸化還元物質等による妨害、 またHPLC移動相 の組
成変化に高い応答性を示すためグラジェント溶離には不向きであり、 かつ実 試料では高い検出感度が得られ難い。
蛍光検出法は、 その高感度性及び高選択性により核酸関連物質の分析に活 用されている。 核酸関連物質のうちプリン、 ピリミジン塩基の幾つかは、 強 酸あるいは強塩基性条件下で蛍光(励起極大波長(Ex)260-290 nm、 発光極 大波長(Em)350-380 nm)を発することが知られている18,19)。 しかし、 それ
らの蛍光は弱く、 微量成分の分析には適さない。 そこで、 無(弱)蛍光性の 核酸関連物質の特定の官能基に、 蛍光性分子を導入する蛍光ラベル化試薬、
あるいはそれ自身は無蛍光性でありながら無(弱)蛍光性の生体成分と反応 し、 強く発蛍光させる蛍光誘導体化試薬が開発 されている。 ヌクレオシ(チ) ドの糖部と反応し蛍光誘導体化する試薬として3,5ージアミノ安息香酸とメ
ソ-1,2ービス(4ーメトキシフェニル)エチレンジアミンが報告されている。
前者は 2ーデオキシリボースと弱酸性条件下60t、30分間の反応でキナルジ ン(Ex410 nm、 Em 505 nm)を生成する20,21 )。 後者は、 酸性条件下過ヨ
ウ素酸酸化により糖部を開裂した後、140t、10分間の反応で蛍光誘導体を 生成 する(Ex330 nm、 Em460 nm) 22) 0 4-カルバモイルベンズアミジン は、 核酸塩基と糖部を塩酸加水分解した後、100t、 5分間の反応によりプ リンデオキシヌクレオシ(チ)ドと蛍光誘導体を生成する(Ex340 nm、 Em 450 nm) 23)。 また、 ヌクレオシ(チ)ドの 5'ー末端リン酸基にエチレンジア
ミンを結合させた後、 ダンシルクロリドでラベル化する方法(Ex340 nm、
Em 5 20 nm)がある24)0 (5ークロロカルボニル-2-オキサゾリル)-5,6ーメ チレンジオキシベンゾフランは、 5'一末端水酸基部位を直接蛍光修飾(Ex360 nm、 Em475 nm)する25)。 これらの方法は、 ヌクレオシ(チ)ドの糖部、
リン酸基部位又は水酸基部位に対する反応であるため、 特定のヌクレオシ (チ)ドに対 する選択性は劣る。
一方、 塩基部位と反応し蛍光性の誘導体を形成 させる試薬も幾つか見出さ れている。 グリオキサールハイドレートトリマーは、 アデニン塩基と酢酸酸 性条件下100t、3時間文は120t、25分間で反応し蛍光誘導体(Ex3 28 nm、
Em 382 nm)を生成する26)。 クロロアセトアルデヒド27-29)又はブロモアセ トアルデヒド30.31)は、アデニンヌクレオシ(チ)ド類、と弱陰性条件下100t、
10分間の反応で蛍光誘導体(Ex312 nm、 Em4 20 nm)を生成し、 プレカ ラム及びポストカラム蛍光誘導体化HPLCへ適用されている。
2
最近、 Kaiらはフェニルグリオキサール(PGO)がグアニン及びそのヌク レオシ(チ)ドと穏和な条件下、 選択的に反応し、 蛍光及び化学発光するこ とを見出した32.33)(Chart 1)。 しかし、 生体中のグアニン関連化合物の検 出のためには、 より高感度な試薬の開発が必要であった。
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Guanine-containing compounds
hγ 4
(500・520 nm)
Chart 1
R1 ßOH
�
HO... /"N戸、〆N
PH7 0 エ二
R 2 N
H人
N目川 白
370C.. 5・7min J --R
PGO analogues
I
-
.... ・・ ER
R1= H, R2=
一、 #
Z-OR'日
Expected fluorophore (Ex 365-400 nm,
Em500・520 nm)
pH7・12 DMF (02)
Possible pathway of the fluorescence and chemiluminescence reactions between PGO analogues and guanine-containing compounds
3
本研究は、 高感度な グアニン関連化合物に対する蛍光試薬の開発を目的と している 。 本 目的のために PGOのベンゼン核に電子供与性の官能基を導入 した PGO誘導体を合成し、 グアニン関連化合物に対する蛍光誘導体化試薬 としての有用性を調べた。 その結果見出された試薬により、 生体内のグアニ
ン関連化合物の定量及び関連 酵素活性測定への応用が可能となった。
第1章では、 PGOより強い蛍光強度を与えた3種の PGO誘導体、4'ーメ トキシフェニルグリオキサール(MPG)、 3',4'ージメトキシフェニルグリオ キサール(DMPG)、 3',4'ーメチレ ンジオキシフェニルグリオキサール
(MDPG)とグアニン関連化合物との至適 蛍光誘導体化反応条件の検討を逆 相分配HPLCを用いて行った。 合成した試薬のうち最も強い 蛍光を与えた
DMPGを用いて、 フレカラム蛍光誘導体化HPLCによるグアニン関連化合 物11種の蛍光誘導体の分離条件の検討を行った34,35)。
第2章では、 第1章で開発したDMPG試薬によるプレカラム 蛍光誘導体 化HPLCの応用として、 尿中の微量 グアニン関連化合物の定量的 計測を試
みた36)。
第 3章では、 細胞内情報伝達物質として注目されているcGMP の細胞内 の量的水準を調節しているcGMP の加水分解酵素、 サイクリックヌク レ オ
チド ホスホジエステラーゼの酵素活性測定法の開発と測定を行った。
第4章では、 発癌性物質、 変異原生物質等により DNAアダク トとして生 じるメチル グアニン類の高感度 検出のためのポストカラム 蛍光誘導体化 HPLCシ ステムを開発し、 実試料への応用を試みた37)。
4
第1章 グアニン関連化合物の高 選択的 高感度 蛍光 検出における フェニルグリオキサール類縁試薬の適用
PGO試薬は弱酸性一中性条件下、 グアニン関連化合物と選 択的に反応 し 蛍光を与え、 グアニン関連化合物のプレカラム及びポストカラム蛍光誘導体 化試薬として 適用可能であることが報告されている 38-40)。
本章では、 PGOの類縁化合物6種について、 GMP、 cGMP、 Guanine及 び Deoxyguanosine をモデル化合物に用い、 より高感度な試薬を見い出す スクリーニングを行った。 それら試薬のうち有用と考えられた3種の PGO 誘導体について、 それぞれ 至適 蛍光誘導体化条件の検討を逆相分配HPLC を用いて行った。 更に、 検討 した3種の蛍光試薬のうち最も 高い 感度が得ら れたDMPGを用いて、 グアニン関連化合物1 1 種(GTP、dGTP、GDP、dGDP、
GMP、 dGMP、 cGMP、 Guanine、 Guanos in e、 Deoxyguanosine及び9- Ethylguanin e)の蛍光誘導体について、 逆相HPLCによる分離条件の検討 を行った。
1 -1 PGO 類縁試薬のスクリーニング
PGOのベンゼン核に電子供与性の官能基であるメト キシ、 ジメトキシ、
トリメトキシ及びメチレンジオキシ基を導入した PGO 類縁体 (4種 )を実 験の部に記した方法により合成した。 これらアリールグリオキサールとグリ
オキサール及びメチル グリオキサールを加えた計6種 (Fig. 1-1 )を用いて スクリーニングを行った。 スクリーニング反応は、 既報の PGOによるグア ニン関連化合物の蛍光誘導体化法 38)に従って行い、 生じる蛍光強度を比較し た。
スクリーニング操作: 50 nmol/mL (50μM) G MP、 cGMP、 Guan in e 又は Deoxyguanosine溶液0.2 mLに、50 m Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH 6.0 ) 0.2 mL、100 m M 試薬溶液 (ジメチルスルホキシ ド(DMSO)に溶解) 0.2 mL及び水0.2 mL を 加え37tで15分間加温した後、 蛍光を測定した。
5
Table
1-1
Excitation and emission maxima of the fluorescence produced by the reaction with alkoxyphenylglyoxals and PGO, and their relative f1uorescence intensities
(RFO
*OHC-CHO H
qu cCHO C H O
ら一
Glyoxal Phenylglyoxal
(PGO) Methylglyoxal
ゐ一 3 6-
Reagent (0.1 M)
Compound (0.05
凶1)
Excitation Emission maXlmum maXlmum
(nm) (nm)
RFI
4'ー島1ethoxyphenylglyoxal (MPG)
3' ,4' -Dimethoxyphenylglyoxal (DMPG)
DMPG
H3CO,
〆,-/Ç-CHO r 11 ö
H3CO- 可/
OCH3
3' ,4' ,5' -Trimethoxyphenylglyoxal (TMPG)
MDPG
ぐ ら-
GMP cGMP Guanine
Deoxyguanosine
GMP cGMP Guanine
Deoxy伊lanosine
397 397 395 398
398 398 395 400
510 508 505 510
108 80 123 42
512 508 505 510
108 49 125 43
MPG 3',4・-Methylenedioxyphenylglyoxal
(DMPG)
GMP cGMP Guanine
Deoxyguanosine
385 390 388 392
520 520 510 520
106 36 139 57 TMPG
Fig.l・1 Structure of glyoxal analogues
各試薬により得られた励起極大波長 、 発光極大波長及び相対蛍光強度を
Table 1-1に示す。 DMPG、 MDPG、 MPG及びTMPGはモデル化合物と反 応し発蛍光した。 その励起スペクトルは、 PGOの場合よりやや長波長側に
シフトしていた。 検討した試薬のうちDMPG、 MDPG及びMPGについては PGOよりも高い蛍光強度が得られたが、 TMPGはPGOと同程度の蛍光強度
しか得られなかった。 一方、 グリオキサール及びメチルグリオキサールでは 蛍光を生じなかった。 そこで 、 DMPG、 MDPG及びMPGの3種のPGO誘 導体を用い、 逆相HPLCにより至適蛍光誘導体化反応条件を求めた。
ρ-w - m F3
0 n a p前伊
pm圃勾
M1H闘ωGduGD
395 395 393 398
520 520 515 520
52 26 102 17 PGO
ρtw n F3 0 n a eu 'P -m w品
開別刷蹴
GduGD
365 365 360 365
47 35 100 51 515
515 505 515
事Tbe ßuorescence intensity obtained by tbe reaction of guanine with PGO was taken as 100.
6
7
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基準操作
試料溶液 50μLに 30 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0) 50μL、
100 mM試薬溶液(DMPG及びMPGに対しては 2:3、 MDPGに対しては 3:2;v /v の DMS O- 水混液) 50μL及び水50μLを加えて撹枠し、 37t:
で DMPG及びMPGでは5分間、 MDPGでは7 分間加温した。 反応後、 反 応液の20μLを逆相 HPLCに附した。 なお、 PGOについては、 スクリー ニン グ操作法に 基づいて 蛍光誘導体化反応を行った。
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HPLC条件
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1 - 3
分離カラムには、 シリカゲル表面にオクタデシ ル基を結合させた逆相分配 型カラムである TSK-gel ODS-120 T (粒径5μm、 150 x 4.6 mm i.d. 、 東
ソー)を用いた。 移動相には、 アセトニトリル、 テトラヒドロフラン(THF) 、 50 mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)及び水の組成比を、 各試薬から 生じる蛍光誘導体の分離に適した比で 用いた(DMPG : 6:5:25:64、 MDPG 及びPGO: 7:5:25:6 3、MPG: 5:5:25:65; v /v)。移動相 の流速は1.0 m L/min に設定した。 カラム温度は室温 (22+4'C)とした。 蛍光検出は、 Table 1- 1 によりDMPG及びMDPGでは励起波長400 nm及び発光波長510 nm、
MPGでは励起波長390 nm及び発光波長520 nm、 また、 PGOでは励起波 長365 nm及び発光波長515 nmに設定した。
1-4 クロマト グラム
DMPG、 MDPG、 MPG及びPGOと 4種のグアニン関連化合物の混液(各 10 nmol/m L)をそれぞれの至適 蛍光誘導体化条件に従って反応させ、 逆相
HPLCで分離、 検出して得られたクロマト グラムを F ig. 1-2 に示す。 各試 薬は4種のグアニン関連化合物に対して それぞれ単一の蛍光ピークを与え た。 また、 いずれの試薬においても蛍光ピークは GMP、 cGMP、 Guanine 、 Deoxyg uanosine のj頓に溶出し、 DMPG では18分、MDPGでは14分、MPG では20 分、 PGOでは1 3分以内にすべて分離、 溶出された。
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蛍光誘導体化反応条件の検討
(1) リン酸ナトリウム緩衝液のpH
反応液に加える30mMリン酸ナトリウム緩衝液のpH の影響について検 討した(Fig. 1 -3) 0 3種の試薬ともpH 6 .8-7.2 で4種のグアニン関連化 合物の蛍光誘導体のピーク面積は最大となった。 リン酸ナトリウム緩衝液の 他に30mMホウ酸ナトリウム緩衝液、 30mMクエン酸ナトリウム緩衝液及 び30mMトリス一塩酸緩衝液を用いた場合も中性付近で蛍光誘導体のピー ク面積は最大となったが、 それらのピーク面積はリン酸ナトリウム緩衝液を 用いた場合の50-70%程度であった。 従って、 本法では緩衝液としてpH7.0 のリン酸ナトリウム緩衝液(30mM)を用いた。
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( 2) リン酸ナトリウム緩衝液の濃度
反応液に加えるリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)の濃度の影響について 検討した(Fig. 1-4) 0 3種の試薬とも30mMより高い濃度では4種のグ
アニン関連化合物の蛍光誘導体のピーク面積は減少した。 1 0-30mMでは蛍 光誘導体のピーク面積はほぼ最大かつ一定であった。 緩衝液の代わりに水を 使用した場合、 3種の試薬ともGMP、 cGMP及びDeoxyguanosineにはほ とんど蛍光を与えず、 また、 Guanineに対しては30mM使用時の36-46 % 程度のピーク面積しか与えなかった。 本法では緩衝液の濃度低下による緩衝 能の減少を考慮し、 30mMのリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を用いた。
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(3) 反応温度及び反応時間
3種の試薬の蛍光誘導体化反応 における最適反応温度と反応時間を検討 した。 誘導体化反応 は、 氷水中及び室温下(22+4 'C)ではほとんど進行し なかった。 反応温度を37'Cにしたとき、 GMP、 cGMP 及び Guan ine の蛍光 ピーク面積はDMPG、 MPGでは5分間、 MDPGでは7分間の反応で最大と なった(Fig. 1-5)。 一方、 Deoxygu anosineでは、 いずれの試薬を用い た場合でも反応時間2 分以降蛍光ピークは徐々に低下した(Fig. 1-5)。 反 応温度を60'Cにしたとき、 3種の試薬は1分間の反応で37'Cで得られる最 大のピーク面積の70-90%のピーク面積を与えるが、 その後蛍光ピークは低 下した。 反応温度を100'Cにしたとき、 3種の試薬とも1分間の加熱により 反応液が黄色に着色し、 HPLCによる検出を行うことができなかった。
従って、 本法では再現性の良い結果を得るために、 MPG、 DMPGでは37'C で5分間、 MDPGでは37'Cで7分間の反応温度と反応時間に設定した。
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試薬の可溶化溶媒
PGO類縁試薬を溶かす溶媒としてジメチルホルムアミド( DMF)、
トニトリル、 メタノール、 DMSO 及びDMSO-水の混液について検討した (Table 1-2 ) 0 MDPGはDMSO-水(2 : 3 ; v /v)には溶解しなかった。
有機溶媒を単独で用いる場合はDMSO が最も良い結果を与えた。
そこで、 反応液中におけるDMSO濃度の影響について検討した(Fig.
1-6) 0 DMSO濃度25-50%は、 基準操作で用いる水の代わりにDMSO-水 の混液を用いて調整した。 3種の試薬とも反応液中のDMSO濃度が低いほ
ど蛍光誘導体の蛍光ピーク面積は最大となった。 しかし、 PGO類縁試薬は DMSO濃度が低すぎる場合試薬が溶解せず、 特にMDPG を用いた場合には
蛍光誘導体化反応 中に試薬が析出することがあった。
従って、本法では反応液中のDMSO濃度がDMPG、MPGでは10%、MDPG では15%になるように設定した。
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下ime (min) 11me (min) Time (min)
Fig.l・5 Effect of reactioo time at 37 oC 00 the f1uorescence development Curves : 1 = GMP ; 2 = cGMP ; 3 = Guanine ; 4 = Deoxyguanosine.
Table 1-2
Effect of organic solvent for dissolving the DMPG, MDPG and MPG reagents on the formation of the f1uorescent derivatives of guanine-containing compounds
Solvent
Reagent Compound DMSO: H20 D時ISO: H20 DMSO CH3CN DMF CH30H
(2 : 3) (3 : 2)
DMPG GMP 81 75 67 32 51 37
cGMP 36 33 27 19 23 17
Guanine 100* 93 77 68 73 50
Deoxyguanosine 42 36 31 32 29 28
MDPG GMP -** 83 71 26 55 23
cGMP 47 38 19 22 16
Guanine 91 67 51 63 36
Deoxyguanosine 39 27 21 30 21
MPG GMP 47 43 39 31 33 10
cGMP 25 23 17 17 18 6
Guanine 57 51 47 39 41 25
Deoxyguanosine 29 27 23 18 22 7
* The peak area was taken as 100.
** Not analyzed due to insolubility of the reagent.
20
(5) 試薬濃度の検討
本反応系では、 反応液中のDMSO濃度が低いほど蛍光ピーク面積は増加 するが、 試薬の可溶性は減少する。 一方、 試薬濃度を増やすことにより蛍光
ピーク面積の増加も期待できる。 Table1-3は、 Guanineを用いた時の誘導 体化における各試薬濃度(50-200 mM)及びDMSO濃度(5-25%)の影響 を調べたものである。 3種の試薬とも試薬濃度が100 mMの時に蛍光ピー クは最大となった。 他のモデル化合物もほぼ同じ傾向を示した。
従って、 本法では試薬濃度を100 mMに設定した。
Table 1-3
E貸ect of reagent and
DMSO
concentration on the formation of the fluorescent derivative of伊anineDMSO
concentration(%)
Concentration
(mM)
Reagent
25 20
15 10
5
。。今baQOOV
5766 5479
40QO勾'40
。02deO400yeo
71 100**
69 -*
50 1ω 150 200
D
MPG““日μ判
40QOQ0 40弓'40
71 91 50 76
100 150 200 MDPG
羽川門別組鴨川崎
3574 3555 34
57 33
57 33
50 100 150 200 MPG
* N ot analyzed due to iI凶olub出ty of the reagent.
料The peak area was taken as 100.
-ω回一明。巴何回凶hM22H守山ωEZSOHm一一色一言。ωHN一色一言。"で由主』ロハ》
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OOF
(6) 蛍光の安定性
DMPG並びにM PG と 4種のグアニン関連化合物との最終反応液を氷水中 で放置し、 蛍光誘導体の安定性を調べたと ころ、 反応直後と比べて、 放置後 5分で 100-95%、 10分で 9 0-85%、 180分後で70-40%と なり蛍光ピーク 面積はそれぞれ 減少した。 なお、 MDPGの最終反応液を氷水中に放置した 場合、 MDPGが析出するため検討を行わなかった。
DMPG、 MDPG、 MPGの最終反応液を同様に室温(22+4'C)で放置した 場合、 4種のグアニン関連化合物の蛍光ピーク面積は、 反応直後と比べて放 置後 10分で 9 0-30%、 180分 後で40-0%の蛍光強度を示し急速に減少した。
特にDeoxyguanosine から得られ る蛍光誘導体 は不安定であった。
従って、 本法では蛍光誘導体 化反応後、 直ちにHPLCで分 析すること に した。
1 - 6 他の化合物との反応
グアニン含有ヌクレオシ(チ)ド以外の核酸関連化合物及び他の化合物の 各100 nmol/mL溶液について、 基準操作に従って同様に反応を行った。 ァ デニン、 シトシン、 チミン、 ウラシル、 アデノシン、 シチジン、 チミジン、
ウリジン、 A TP、 dATP、 cAMP、 2'-デオキシアデニリル(3'→5')チミジ ン、 2'ーデオキシアデニリル(3'→5')デオキシシチジン、 チミジリル(3'→
5')チミジリル(3'→5')-2・ーデオキシシチジンなどの核酸塩基 類及びヌクレ オシ(チ)ドに対して、 検討した 3種の蛍光試薬は全く蛍光を生じなかった。
また、 プリン化合物類(尿酸、 ヒポキサンチン及びキサンチン)、 アミノ酸 及びアミン類(グリシン、 アラニン、 バリン、 ロイシン、 イソロイシン、 プ ロリン、 ヒドロキシフロリン、 セリン、 スレオニン、 トリプトファン、 シス テイン、 シスチン、 メチオニン、 フェニルアラニン、 アスパラギン酸、 グル タミン、 グルタミン酸、 アルギニン、 ヒスチジン、 リジン、 ヒスタミン、 オ ルニチン、 スペルミン、 スペルミジン、 トリプタミン、 ドパミン、 ノルエビ ネフリン及びエビネフリン)、 糖類(アラビノース、 ガラクトース、 キシロ ース、 グルコース、 マンノース、 フコース、 ガラクトサミン、 N-アセチル
ガラクトサミン)、 ビタミン類(ニコチンアミド、 ニコチン酸、 アスコルビ ン酸)更にクエン酸、 ピルビン酸、 サクシニル酸、 コレステロール及びコレ スタノールについても 蛍光を与えなかった。 アミノ酸のうちトリプトファン
18
は、 PGOと 強酸性条件下、 蛍光誘導体を生成する41)が、 検討した反応条件 では全く蛍光を与えなかった。 また、 PGOなどのαーケトアルデヒド化合物 は、 タンパク質のアルギニン残基の修飾試薬と して利用され ている42)が、 検 討した反応条件ではアルギニンに対し全く蛍光を与えなかった。
従って、 DMPG、 MDPG 及びMPG もまた、 PGOと 同じくグアニン関連 化合物を高選択的に蛍光誘導体 に導くことができるものと解った。
1 - 7 検量線及び検出限界
基準操作に従ってDMPG、 MDPG 及びMPG と 4種のグアニン関連化合物 との蛍光誘導体の検量線(0-500 pmol/HPLC注入量)を作成したと ころ、
いずれの蛍光反応においても それぞれ原点を通る直線性を示した。 検量線の 相関係数はγ=0.995-0.998であった。 なお、 定量にはピーク面積を使用し た。
検討した4種のグアニン関連化合物の蛍光ピークは、 PGOによる反応と 比較してDMPGでは 3.6-4.5倍、 MDPGでは 3.2-3.9倍、 MPGでは 2.6-
3.3倍のピーク面積を示した。 それらの検出限界(S/N=3)は、 DMPGでは 0. 2-0.5、 MDPGでは 0.2-0.6、 M PGでは 0.5-1.1 pmol/HPLC注入量であ った。
19
DMPG 試薬によるプレカラム 蛍光誘導体化HPLC
ω明何回向島ω-z。富田司(ミbぷザ)ZU何回ハ》
3 :
1
25 11
1 - 8
検討 した 蛍光試薬のうち、 DMPGと MDPG は同程度 の感度を与えたが、
試薬の可溶性の面でDMPGがより有用 であると思われた。 そこ でDMPGを 用いて、 グアニン関連化合物11種の蛍光誘導体の逆相 HPLCに よる基礎的 分離条件の検討を行った。
20
6 7 3
8 6
4 5 2
ωωccaωω」ωocooωω」Oコ一比 (1) HPLC条件
カラムに TSK-gelODS-120T (粒径5μm、 150X4.6 mmi.d.、 東ソー) を使用した。 溶離液 にはアセトニトリル、 THF、 50 mM リン酸ナトリウム
緩衝液(pH6.0 )及び水の容量比が50:3:25 :22(v/v)及び0:3: 25 : 72 (v /v) の2種類を用い 、 アセトニトリルの直線及び段階グラジェント溶離(0-4分 間は2-2%、 4-20 分間は6-7%、 20-32分間は20-25%) で行った。 更に 、 32分後にアセトニトリル濃度が4 7.5%になる よ うにしてカラムを10分間
洗浄した。 流速は1.0 mL/ minに設定した。 カラム温度 は室温( 22+4OC) で行った。 蛍光検出は励起波長400nm及び発光波長510nm で行った。 連 続して試料を注入する場合には、 あらかじめ初期移動相を少なくとも10分 間は流す必要があった。
9 10 7
16
Time (min)
Fig.l・7 Chromatogram of a standard mixture of guanine and its nucleos(t)ides obtained with stepwise and gradient elution
(25
pmol each per injection volume) Peaks : I=GTP ; 2=dGTP ; 3=GDP ; 4=dGDP ;5=GMP ; 6=dGMP ; 7=cGMP ; 8=Guanine ; 9=Guanosine ; 10=Deoxyguanosine ;
11=9・Ethylguanine.
32 8 24
。 (2) クロマトグラム
基準操作に従って、 DMPGと11種のグアニン関連化合物の溶液を 蛍光反 応させ処理したクロマトグラムを Fig. 1-7 に示す。 グアニン関連化合物11 種の蛍光誘導体は32分以内にすべて溶出され 、 各グアニン関連化合物に対
しそれぞれ単一の蛍光ピークが得られた。 グアニン関連化合物11種の蛍光 誘導体すべてをベースライン分離することができずdGTPと GDP のピーク が近接していた。
HPLCの移動相に添加する有機溶媒として、 アセトニトリル、 メタノール 及び THFを単独又は混 合 してグラジェント溶離を行った。 アセトニトリル、
メタノール のみを使用した場合 、 蛍光ピークはブロードになった。 これは THFを添加することにより抑えられた。 移動相にメタノールと THFの混液 を用いても11種のグアニン関連化合物の蛍光誘導体の分離は可能であった
が、 アセトニトリルとTHF の混液を用いる場合と比べて30-40 kg/ cm2ほ どカラム圧が上昇した。
従って、 HPLCの移動相に用いる有機溶媒には、 アセトニトリルと THF の混液 を用いることにした。
移動相に添加するリン酸ナトリウム緩衝液のpHは、 グアニン関連化合物 の蛍光誘導体の保持時間及びピークの検出に影響を与えた。 緩衝液のpHを 6.0より高くした場合、 DMPG由来と思われる試薬ブランクピークが増大し、
またベースラインの上昇もみられた。 pHが高くなるに従って G TP、 dGT P、
G DP、 dGDP、 GMP、 dGMP に相当する各ピークの溶出は速まったが、 他 のグアニン関連化合物の蛍光誘導体の保持時間はほとんど変化しなかった。
また、 得られる蛍光誘導体のピーク面積はpHが高くなるほど減少した。 一 方、 pHを6.0より低くした場合は、 GDP、 dGDP、 GM P とdGMP の蛍光
誘導体のピークが重なり分離できなかった。 そこで、 移動相に加えるリン酸 ナトリウム緩衝液のpHを6.0に設定した。
pH 6.0において、 移動相中のリン酸ナトリウム緩衝液の濃度の検討を行 ったところ、 濃度 を高くした場合、 全体的にグアニン関連化合物の蛍光誘導 体の溶出は速くなった。 しかし、 濃度が高すぎるとリン酸塩の析出する恐れ があった。 従って、 移動相中の緩衝液の濃度が12. 5mMになるようにリン 酸ナトリウム緩衝液(pH6.0)を添加した。
(3) 検量線、 検出限界及び繰り返し精度
基準操作に従ってDMPGと11種のグアニン関連化合物の検量線を作成し たところ、 いずれも少なくとも 50pmol/HPLC注入量まで原点を通る直線 になった。 検量線の相関係数はγ= 0.9987 - 0.9996であった。 また、 これら のグアニン関連化合物の検出限界(S/N=3 )は40-400 fmol/HPLC注入量 であった。 同一試料(25pmol/HPLC注入量 )を8回繰り返したときの標 準偏差は3 .5-6.0%であった。 なお、 定量にはピーク面積を使用した。
22
1 - 9 小括
3種の蛍光試薬、 DMPG、 MDPG及び MPGについて、 グアニン関連化合 物との至適蛍光誘導体化条件の検討を逆相HPLCにより行った。 得られた 至適蛍光誘導体化条件は、 既報の PGOを用いる方法38)と比べ、 反応時間も 短くかっ高い感度 を与えた。 3種の試薬ともグアニン関連化合物とそれぞれ 単一のピーク を形成し、 グアニン を含まない生体成分に対しては蛍光生成物 を与えず、 合成したアリールグリオキサール試薬のグアニン塩基類に対する 選択性は極めて高いこと が分かった。 3種の試薬のうちDMPGと MDPGは 感度的にほぼ同程度であったが、 試薬の可溶性の点で DMPGの方がグアニ ン関連化合物の蛍光誘導体化試薬として優れていた。
そこで、 DMPG試薬 を用いてグアニン関連化合物11種の蛍光誘導体の分 離条件の検討を逆相HPLCにより行った。 グアニン関連化合物11種の蛍光 誘導体は32分以内に溶出され、 それら をほぼ分離することができた。
生体内のグアニン関連化合物の同定及び定量には高い選択性と感度が必 要であり、 DMPG試薬によるグアニン関連化合物の蛍光誘導体化HPLC法 は極めて有用であると思われる。
23
「 士竺竺一一 三 - 一一一一一一
一ー 一一一一ーーー一一ー第2章 プレカラム蛍光誘導体化HPLCによる
ヒト尿中 グアニンヌクレオチド定量への応 用
尿中に排池される核酸 塩基類は生体内のリボ核酸の代謝 に由来し 4 3)、 その 数は数 十種に ものぼる。 それらの排池と各種悪性腫湯との関連性も 報告され ており、 例えば、 癌患者は癌細胞の核酸の代謝回転の増大により核酸の排池 量が増大 することが知られている4 4,45)。 尿中の核酸塩基類の測定は、 逆相、
逆相イオン対あるいはイオン交換HPLCにより分離 した後、 その構成成分 である塩基部分に基づくuv吸収を検出する方法が一般的である1 0,11,46-48)。
しかし、 通常複雑な前処理を必要と し、 また、 感度及び選択性の点に お いて 不十分 である。
一方、 尿中cGMP濃度は悪性腫蕩の進行により増加し、 効果のある癌治 療によりcGMP濃度は激減すると いう報告も ある49)。 生体中のcGMPの測 定は、 ラジ オイムノアッセイ法 49,50)、 ホスホジエステラーゼ分解法51)、 プ ロテインキナーゼ法52)などが知られている。 ラジ オイムオアッセイ法は、
cGMPにアルフミンなどの高分子を結合させ免疫抗原を作成 し、 抗原坑体反 応を行 うものである。 ホスホジエステラーゼ法は、 cGMPをホスホジエステ ラーゼにより GMP に分解し、 更に酵素的に ADP、 ATPに転換させた後検 出するものである。 プロテ インキナーゼ法は、 cGMP 依存性プロテインキナ
ーゼによる[ァ_32pJGTPからヒストンへの32pの移行が、 サンプル中の cGMPの濃度に依存するととに基づく。 いずれの方法 も繁雑な操作 を必要と
し、 高価な抗体や酵素など も 必要である。
本章では、 第1章で開発した DMPG 試薬を用いるプレカラム蛍光誘導体 化HPLCを用 い、 尿中のグアニン関連化合物の定量 (特にcGMPの測定) を試みた。 まず 、 陰イオン交換型のミニカートリッジを用いる国相抽出法に
よる尿試料の簡便な前処理を検討し、 尿中に含まれる極微量のcGMP など の蛍光検出HPLC 定量 法について検討した。
24
2 - 1 基準操作
(1) 試料の前処理
尿試料 0.2 mLに0.1 M HCl 40μL及び水 (定量時にはグアニン関連化 合物の標準溶液)160μLを添加したものを弱陰イオン交換ミニカートリツ ジTOYOPAK DEAE- S (樹脂量0.15 mL、 35X4 mmi.d. 、 東ソー)に注入 した。 尿試料はあらかじめ0.45μmのフィルターでろ過し不溶物質を取り 除いた。 カートリッジは使用前に水0.6 mL で3回洗浄した。 試料を注入し た後、 水0.6 mLをミニカートリッジに通し、 最後に0.5 M NaCl 200μL で吸着したグアニンヌクレオチドを溶出した。
(2) 蛍光誘導体化反応
上記溶出液50μLに30 mMリン酸ナトリウム緩衝液 (pH7.0) 50μL、
100 mM DMPG 溶液 (DMSO :水=2 : 3 : v /v) 50μL及び水50μLを 加え撹枠し、37'Cで5分間加温した。反応 後、 反応液の100μLを逆相HPLC に附した。
(3) 尿中 クレアチニンの測定
尿中のクレアチニン測定は、 市販の測定 キ ット (クレアチニン-テストワ コー、 和光純薬)を使用した(実験の部参照)。
2 - 2 HPLC条件
HPLC条件は、 アセトニトリルのグラジエント第1章の1 -8 (1)で使用 したカラム、 溶離液を用い、 30分間にアセトニトリル1-30%の直線グラジ ェント溶離を行った。 また、 サンプルインジェクターのサンプルループを 20μLから 100μLに交換した。
25
(A) (8)
。ωcoaωO」oocooωω」Oコ一比
クロマトグラム
まず、 尿試料を0 .45μmのフィルターでろ過し不溶成分を除去したのち、
等量の水で希釈したものについて、 1 - 2の基準操作に従って蛍光誘導体化 反応を行った。 この反応液を逆相HPLCにより分離、 蛍光検出した。 得ら れるクロマトグラムをFig. 2-1 に示すロ この結果、 保持時間8.6分、 10.8 分、 14.8分、 17.8分及び18.7分に新たに蛍光物質が生成した。 17.8分及 び18.7分のピークは、 検討した11種のグアニン関連化合物(GTP、 dGTP、
GDP、dGDP、GMP、dGMP、cGMP、Guanine、Guanosine、 Deoxygu anosine 及び9-Ethylguanine)の保持時聞から、 それぞれGuanine及びGuanosine のピークと恩われた。 よってGuanine 及びGuanosineの測定は、 尿試料を
単に希釈するだけで測定が可能である。 8.6分のピークは、 GMP の保持時 間とほぼ一致していたが、 後に示す回収率の検討において、 明らかにGMP と挙動が異なっており、 グアニンを含むヌクレオチドではないかと思われた。
また、 10.8分のピークは標品の保持時間と異なっており、 8.6分のピークと 同じくグアニンを含むヌクレオチドと思われた。
保持時間8.6分、 14.8分(Guanine)の蛍光生成物は大量に存在してお り、 とのためcGMP等の低濃度のグアニンヌクレオシ(チ )ドの検出が妨 害されていた。 また、 尿には未知の蛍光性化合物もいくつか存在しており、
GTP 及びGMP の保持時間に検出された(Fig. 2-1 B)ロ そこで、 不要な蛍 光物質の除去を目的に、 国相抽出による前処理法について検討した。
尿試料を基準操作に従って処理して得られたクロマトグラムをFig. 2-2 に示す。 陰イオン交換カートリッジによる前処理操作により、 保持時間7分
以降の妨害ピークが除去された。
つJV
つ臼
30
10 20
Retention time (min)
30 。
Fig.2・1
Chromatograms obtained (A) urine without a clean-up procedure and (B) the same sample without
fluorescence derivatization
Apo同ion (50μL) of urine-HzO
(1:1, v/v)
was directly treated withDMPG.Peaks : I=cGMP ; others=unknown compounds
E ご二二二二二三三三竺竺一一一 盃ζ ー -ーーーー-ー ーー |
10 20
Retention time (min)
。
27 26
前処理法の検討 2-4
( 1) カートリッジの選択
逆相分配型のTOYOPAKOD S-S及びBondElut C18を用いて検討を行っ たが、 11種のグアニン関連化合物はほとんど吸着されなかった。 一方、 陰
イオン交換型のTOYOPAK DEAE-Sを用いた場合、 弱酸性条件下において グアニンヌクレオチドが吸着された。 本法では 、 前処理に用いるカートリツ
ジとして親水性ポリマーゲルにジエチルアミノエチル基が導入されている 陰イオン交換カートリッジであるTOYOPAK DEAE Sを用いることにした。
(A) (8)
( 2) 試料のpH
11種のグアニン関連化合物の標準溶液を40mM のBritton-Robinson緩 衝液によりpH を調整し 、 各グアニン関連化合物のTOYOPAK DEAE Sカ 一トリッジへの吸着におけるpHの影響(pH 2.0-10. 0)を調べた(Fig . 2-3)。
pH 5.0の緩衝液を用いたとき、 G DP、 GMP、 dGDP、 dGMP及びcGMPが 吸着されたが、 Guanine 、 Guanosine、 D eoxyguano sine 及び9-
Eth y 19u ani n eはほとんど吸着されなかった。
一方、 pH をアルカリ側(pH 10.0) にすると 、 Guanine 、 Guanosine、
D eoxyguanosine 及び9-Ethylguanineが吸着されるようになるが 、 その回 収率は50%以下であった。 また 、 G DP、 GMP、 dGDP、 dGMP及びcGMP はpH5.0の時の 22.4-33.9%しか吸着されなかった。
GTPと dGTPのピークはpH 2.0- 10. 0において検出されなかった。 カー トリッジからの通過液と洗液中にもGTP及び dGTPは検出されなかったこ とにより 、 それらは他のグアニン化合物よりも強固にカートリッジ担体と結 合し、 設定した条件においては溶出されなかったものと思われる。
尿試料を用いた場合、 尿自身の持つ緩衝作用ためにBritton-Robin son緩 5
4
ωωccm]ωω」ωυcooω①」Oコ一比
10 30
Retention time (min)
。 20 10 30
Retention time (min)
。 20
衝液を用いてpH5付近に調整することが困難であった。 そこで 0.1M HCl で尿試料をpH5付近に調整したのち、 国相抽出に用いた。
29
Fig.2・2
Chromatograms obtained with
(A)
urine and (B) the same sample spiked with guanine-containingcompounds
(5
pmol on column, each) treated by solid-phase extraction usingTOYOP AK DEAE S
cartridge
Peaks: l=GDP ; 2=dGDP ; 3=GMP ; 4=dGMP ; 5=cGMP.
28
(3) 試料の注入量の検討
TOYOPAK DEAE-Sカートリッジに 注入する試料の容量について検討し た。 カートリッジには最大8 00μLのサンプルを注入することがで きる。
サンプル容量を増やせば溶出したグアニンヌクレオチドの蛍光ピークは増 加したが、 逆に 回収率は低下した。 従って本法では、 サンフル注入量を400 μLに設定した。
溶出溶媒量と濃度
TOYOPAK DEAE-Sカートリッジに吸着したグアニンヌクレオチドの溶 出に用いる 0 .5MNaClの容量(100-80 0μL)の影響を調べた(Fig. 2-4
A)。 溶出に用いる液量が少ないほど溶出するグアニンヌクレオチドの蛍光 ピークは高くなるが、 100μLではピーク の再現性に問題があった。 本法で は溶出溶媒量を200μLに設定した。
また、 溶出に用いる NaClの濃度(0.1- 1.0M)の影響を調べた(Fig. 2-4 B) 0 NaCl濃度がO.4Mよりも高濃度の時、 溶出するグアニンヌクレオチ ドの蛍光ピークはほぼ一定となった。 しかし、 GTP及びdGT Pは検討した 濃度では溶出されなかった。 本法では、 NaCl濃度を 0.5 Mに設定した。
(4)
(5 ) 回収率
尿試料にグアニン関連化合物の標準溶液を添加し、 基準操作に従って TOYOPAK DEAE-Sカートリッジ処理したときの回収率 をTable 2-1に示
す。 GDP、 dGDP、 GMP、 dGMP及びcGMP がカートリッジに より
吸
着、溶出され、 その回収率は67-79%であった。 一方、 Guanine及びグアニン ヌクレオシド(Guan osine、 D e oxyguanosine及び9 -Ethylguanine )、
dGT P の回収率は 0-8%で あった。
GTP、
45 mOE雪国関h凶。ω白
"。hω王国gdOH∞ぶ白o-r"トぶ言。唱一H渇 62mozgMOHm 臥ωSEWESha高ふH守4202mhA20HNd白OH同日mE』ロハ》 (mM同司副白凶〈品。~FC'巴 ω ω回》宮玄8・宮司g
ggkm恒三宮82mwgzo図。沼周回目。mω-色g何回ω若旦出
向ご 。852ES
O
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∞ α3 m
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(l!unんBJl!qJB) l4Ô!a4河ead
<0
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円・町内・ω何回
z a
Cコ
可回国
m
∞ r、
<0 ぱ3 寸・
の
�
31
-h 一 一 一 一一一一一一一一一一一一一一一一一 一 一 E 圃
N ・0
o ぱ3
(l!unパJBJl!qJB) l4Ô!a4判官ad
30
OOF
(A)
100 100
+-'
c コ
と、
何"
....
£コ"-
�50
HZO-ozv-ωω仏a The amounts added to 200 pL of urine, 0.5 nmol each.
b N.D.= Not detected.
(B)
円ζ一qu
。
。
0.25 0.5 0.75
+-'
c コ
と、
何"
+-'
.c "-
� 50
3NaCI
(mol/L)
Fig.
2-4
(A) Effect of volumn of 0.5 M NaCI and(B)
effect of concentration ofNaCI on the elution from mini-ωrtridgeσOYOPAK DEAES)
Curves : l=cGMP; 2=GDP; 3=dGMP; 4=dGDP; 5=GMP.
Table
2-1
Recoveries of guanine-containing compounds added to urineaCompound Recovery Compound Recovery
(%, mean :!: standard (0/0, mean :!: standard
deviation; n=5) deviation, n=5)
GTP N.D. b dGTP N.D.
むむ33 GDP 79:!: 3 dGDP 75 :!: 3
Gl\宣P 72主4 dGMP 77土2
cGMP 67 :!: 3 Guanine 8:!:5
Guanosine N.D. Deoxyguanosine 3:!:5
9・Ethylguanine 5:!:4
。コトコ
HZO-ozv占Mwoa
。
。
200 400 600 800
Volumn (がし)
2 -5 検量線及び検出限界
尿試料に GDP、 dGDP、 GMP、 dGMP及びcGMPを添加し、 それらの添 加 検量線を作成したととろ、 各検量線 とも少 なくとも12 .5-2 50
pmol/HPLC注入量範囲で直線関係が得られた。 検量線の相関係数はγ
=0.995- 0.998であった。 また、 GDP、 dGDP、 GMP、 dGMP及びcGMP の 検出限界(S/N=3)は それぞれ4. 0、 6.3、 1 3.6、 6.5及び4.4 pmol/HPLC 注入量 であった。
2-6 尿中グアニンヌクレオチドの定量
尿中グアニンヌクレオチド排池量を クレアチニン比で表現した(Table 2 -2 )。 尿中の生体 成分の定量には24時間尿 が用いられて きたが、 採尿や
保存中の核酸の分解といった問題がある。 そこで、 随時尿を 用い、 また同時 にクレアチニンを定量し、 クレアチニン量を基準とした定量値で比較する方 法が用いられるようになった。 尿中の核酸塩基類の定量においても、 個人差 の変動が減少し、 その 有効性が示されている44ι7)。 本法で測定したcGMP の定量値 は既報の定量値53-55)の範囲内であった。
Table 2・2 Urinary excretion of guanine-containing compounds from healthy persons
Age Concentration (pmol/g creatinine) Sexa
GDP dGDP GMP dGMP cG恥1p
M 27 0.734 N.D. b 0.864 N.D. 0.535
M 25 0.373 N.D. 0.559 N.D. 0.599
M 24 0.307 N.D. N. D. 0.307 0.516
M 22 0.220 N.D. 0.652 N.D. 0.696
Mean 0.409 0.692 0.587
s. D. 0.196 0.128 0.070
a M = male. b N. D. = Not detected.
34
2-7 小括
DMPG 試薬によるグアニン関連化合物のフレカラム蛍光誘導体化HPLC と弱陰イオン交換カートリッジによる固相抽出法により、 5種類のグアニン ヌクレオチド(GDP、 dGDP、 GMP、 dGMP及びcGMP)の定量 が可能にな
った。 本法 は既存 の測定法 と比べ簡便であり、 特に、 癌治療における指標に も成 り得るcGMP測定に有用 な方法と思われる。
今回、 GTPとdGTPについて は測定できなかったが固相抽出条件のさら なる検討によりこれらの測定も可能であると考える。
一方 、 グアニン及びそのヌクレオシド類についても、 本章で検討した前処 理条件では 検出されなかった。 これらの化合物はアルカリ条件下、 比較的陰 イオン交換カートリッジに吸着されること より、 前処理法を 検討することに
よりグアニン及びそのヌクレオシド類の定量も可能になるものと考えられ る。
35
-� 一 一一一一一 一一一一一 一=
第3章 ラット 脳 組織中のサイクリックヌクレオチド ホスホジエステラーゼ活性測定への応用
を用い、 生成 した蛍光性のGMP(2'-0-An thraniloyl- GMP、 2'-0一(N
Methylan thranil oyl-GMPなど)を測定する ものがある。
本章では、 生体内 PDEase 活性の微量測定を簡便に行うために、 PDEase の基質として生体内に存在するcGMPを用い、 生成するGMPを D MPG試 薬により蛍光誘導体化し HPLC検出する 方法を検討した。 酵素 サンプルと
して、 ラット脳のサイトゾル画分を用いた。
3',4'ーサイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ(PDEase ; E C3.1. 4 .17)はcGMP又は cAMPのホスホジエステル結合を加水分解し、
それぞれ GMP及び A MPを生成する 酵素である (Fig. 3 -1) 。
。
H20
3',5'
-Cyclic nucleotide phosphodiesterase
O HA l《
'
3 -1 基準操作
cGMP GMP
(1) 酵素試料の調製、 蛋白量測定
Sprague-Dawley ラット (雄、 7週齢、 200 -240 g)をエーテル麻酔下、
頚動脈切断により脱血死させたのち、 全脳を取り出し、 生理食塩水で洗浄し た。 ラット脳 組織(大脳皮質)0 . 1 gを50mM トリス一塩酸緩衝液(pH 8.0)、
1 mM EDTA-2Na及び1mMジチオトレイトールを含む250 mMショ糖水 溶液1.0mLで ホ モジネートした。 800 gで10分間遠心し、 未破壊の組織、
細胞及び核成分を沈澱として除いたロ 上清を107,000 gで60分間遠心し、
得られる上清を 酵素試料とした。 この酵素試料は-20'Cで保存した。
タンパク質の定量は P. K. Srnith らの方法 66) (実験の部参照)に従って行 った。
M�+
OH OH OH
Fig.3・1 Enzyme reaction
この酵素は、 細胞内におけるcGMP及び cAMPの濃度レベルを 調節して いる。 酵素グアニレートサイクラーゼの活性 化により GTPより生成 する cGMPは、 細胞内セカンドメッセンジャーとして働いており、 それに伴う細
胞内情報伝達、 ホ ルモ ン作用、 心室の収縮、 血管平滑筋の弛緩作用など様々 な生理活性に関与している。 脳、 肺、 肝臓、 心臓、 胎盤など動物の種々の組 織中に、 分子量、 基質に対する特異性や親和性など の異なるPDEase
( Type 1-7)が存在する 56-60) 。 近年、 それぞれのアイソザイムに特異性の 高いPDEase阻害剤の開発も試みられており、 簡便な 酵素活性測定法の開発 はそれらの研究にとって有用である。
PDEase の活性測定には、 放射性同位体で標識した基質cGMP ([8-3HJ
cGMP61,62)など)を用い、 酵素反応により生成する 放射性のGMP ([8-3HJ- GMP など)をカラ ムで分離溶出し、 その放射能を測定する方法によるもの である 。 この方法は高感度な測定法ではあるが、 放射性物質使用には制限が あるという問題を有している。 また、 蛍光標識した基質(2'-0-
Anthraniloyl-cGMp63 -65)、 2'-O-(N-Methylan thraniloylてGMp63,65)など)
(2) 酵素反応及び蛍光誘導体化反応
酵素反応: 酵素試料40μLに 基質である0.4mM cGMP 50μL、 200mM トリス一塩酸緩衝液 (pH7.6)50μL、 10mM M gC12 40μL及び内標準
物質として 25 nmol/mL 9-Ethylguani n e 20μLを加え、 30'Cで30分間 酵素反応を行った。 100'Cで2分間加熱し 酵素反応を停止した。 2,000 gで 5分間遠心し、 得られる上清を蛍光反応に用いた。
蛍光誘導体化反応:上清100μLに100 mM D MPG溶液1 00μLを加え、
30'Cで20分間蛍光反応を行った。 反応液の20μLを逆相HPLCにより分 析した。
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アセトニトリ 20-3 2 分 HPLC条件
HPLC条件は第2章で設定した条件 に若干の変更を加えた。
ルのグラジェント勾配を0-4 分間は3 -3 %、 4-20分間は6- 7 %、
聞は20-2 5%の直線及び段階グラジェント溶離で行った。
(3)
lll門}1lt
蛍光誘導体化条件の検討
第1 -2章の蛍光誘導体化反応の操作では、 試料溶液 にリン酸ナトリウム 緩衝液(pH 7.0)を添加し、 D MPG を加えて3TCで反応を行った。 今回、
PDEase活性測定操作を簡便化するため、 酵素反応 に使用するpH 7.6 のト リス一塩酸緩衝液、 30'Cの条件をそのまま用いる蛍光誘導体化条件の検討を 行った。 モデル化合物として7種( GTP、 GDP、 GMP、 cGMP、 Guanine 、 Guanos ine及び9-Ethylguanine)を用い、 反応時間(5-60分間)の検討 を行った。 反応温度が通常の蛍光誘導体化反応で用いる3 7 'Cより低い (30'C )ため、 反応時間60分間でも蛍光誘導体の生成量は最大値を示して いなかった(Fig. 3-2 )。 また、 トリス一塩酸緩衝液を用いる場合、 リン酸 ナトリウム緩衝液を用いる通常の誘導体化と比べピーク面積は50-70%程度 であった。 しかし、 操作の簡略化、 また今回のPDEase活性測定に はこの誘 導体化条件でも充分で、あった。 従って、 ここでは30'C、 20分の誘導体化条 件で行った。 この誘導体化条件 に より得られるモデル化合物7種のクロマト
グラムをFig. 3-3(A)に 示す。 全ての化合物は良好に分離し、 30分以内に溶 出された。
3-2
N・門・ω戸両
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