『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四) : 一巻本および七巻本(吉川本・最明寺本)巻四相当部分対照表とその言語面の検討
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(2) 38. 論集』. 照 表お よ び検 討. 書. ) 二 〇 〇七 ) およ び. 本・最. 紀要. 大. 照表とその言語. の 検討. 在しないの. わっているが 、. [Ô ô ôs û]. 本) の巻 五相当 分で. と する 部分が. と なる 。. と. 等 )の巻四. 典文. 本. 日本. 大. る二種 七巻 本(. 在して いる 。全巻の. につ いては、. 拙. 、『宝物集 』『往生要集 』『栄花物語』. い たい 。. 本が 的、方. せ て、 検 討を および. 本と. 時 代の. ま た、 いわ には. の. し て いる 吉 本. れの性. す。. 点. 二. 者. 上 中下 三巻の 巻、 本文の所 在、. で. る。. 本 等、 それ. した. 一に. 、. の. 五、一. 1. 稿お よ び 拙 稿一. 本. 照 表 は以 下 の. 照表 照 表の 見 方 『 往生要 集』 青. 本. 二 、比 較. 青. 本の 書. 本で ある最. で、 一 巻 本を 中 心と す る 比較 検 討 は本 稿 が 最. 巻五 部分 には一 巻本 に『往 生要 集』を 典. 本は二 種七 巻本( 拙稿 では吉. [ ô [Ô ô ôs ù]( ). 本)巻四相当部分. 二 〇 一四 ). 部. 二 〇 〇 五 )、『 往 生 要 集 』 引 (三 )(. û]. 『 往生 要集 』引 用文か ら見 た『 宝物 集』に つい て( 四). 本. 一 巻 本 お よ び 七巻 本 ( 吉. 一 、 は じめ に. はじめに. 二 、『宝物集 』『往生要集』 三 、 ま とめ 一、 語. 者は 、 に『『往生要集 』引用文からみた『宝物集 』について 』 (『. 文. 用文から見た『宝物集』について(二 )( (. 相 に つい て 検. き、. し た 。 の 拙 稿で は 、 『宝 物 集 』. 語 』の本文の言語上の. わりまで比較検討した。本稿では 、引き. する一巻. 古田恵美子 . う。 現. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四). 七巻本 の巻四 に相 当する 部分に つい て比較 検討 を. 七巻本で言えば 、巻三. に お い て 、『 宝 物 集 』 中 に 引 用 さ れ た 、『 往 生 要 集 』 お よ び 、『 栄 花 物. 紀要. 1.
(3) 37. て. 元. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四). 古田恵美子 . 経. 上. 花. 青 二五ウ6. 六ウ6. 一. に ある 仮 名点 が 主 で ある が 、. 訓の仮名点がある場合がある。左訓が『宝 一二. 、. 最. 書. 本. 者の. ートに. (へ ) ハ. ペ4. れ. 二 点. に. 仏 、花. け. 一 五 〇 ペ6. をは. なる 時のみ 者の した。. ). 一. 菩 提 心ハ 一. 」(. をも て. する が. トシ. ク. るめる。. 生. 。. (. ). ヲ. の や ま ひを め つ する が. ). 本)一 生( 生. ヲ. 。. テ. ス。. 二二. ス。. ス。. とく. ヲ. ヲ. と く、. く た とへ を も て、. くの. ニ 云( ハ ク ). 経 の 中に 、 お. 経 の 中に 、 お. んきやう. めり. め た まひ て. ス ヲ. ヲ 一. のや ま ひ を、. 一 の、 一. ス 見. ウ. 菩提 心. さい. の一. オ5. を. 生. 一. の. ニ在. ニ在 テ. ) テ一. オ. ニ 在テ. オ. 菩提心. の中. の に う の中 に 、. よう. 中ニ. 合(. 合 シテ 一. ニ合 シ テ 一. の. ト. 菩 提心 も 、 一. タト. ・. ば. ・. ニウ. のや ま ひ をめ つ す 。 ( へ )ハ. 一. た と へ ば、. ・. う. ・. ぼだ い 心も 一. ハ一. んけんやくわう. 見. 見. とけ. 吉. 菩提心の. 本. 点 最. 本 の訓読 文と 元 なる 時のみ. 本. タト. 三. 最. ハ. 一. た と へば 、. 一. 最. たと へ ば、. 直. 吉. ・. 、. 直. (上下)の巻、ペー. 青. 』( 大. 引』. 一. し. 吉 青. (へ ) ハ ( へ )ハ 最. た とへ ば 、. ハ 吉. 元. 菩提 心 ハ 「. 部 本 宝 物集. での所在、本 文. 書 ). 吉. 、. 七 巻本の巻 四相当分一 本. り仮 名は 、. 文. 元. 内 書 (. 、. 本 でのペー. した 。 大. 照表 お よ び検 討 作. め 給て. した。. ぼ だい 心 の くど く を ば. 元 本 の訓 読文と. 典文. 最. 三. 一巻本、 『. 本 本文 部 一 典 で 所在を 典文. 青. 吉. ートによる訓読文 。 、この本は に. 所 文. た だし 、青. 書. 元した 本. ・. 本 、 上 ( 本 )、 中( 末 ) 二 巻 の 巻 、『 浄. た だし 、青. ・ 本 と 日本. 本. 『 往生 要 集』 大 文 四ー 三. 見. ートに. い場 合には (左オ ケハ )とい う形で、. ではあるが 、左. 大. 物 集』 の本文 に した。 本 本. よる 訓読 文 元 よ る訓読 文 『 往生 要集』 ・. 中 の所 在 、 本文. 仮 名 書き 『 往 生要 集 』 四)本文 から. 栄 『栄花物語 』梅沢本、 日本 、 本直. 一 『宝 物 集 』 内 (. 用し 、ペ ー. 本。 ここで は. 『宝 物集』最 を 2) 本、. 本本文. 『 宝物 集 』 巻四. 二 、『宝物集 』『往生要集』. 元した. 『宝 物集 』吉. た(. 巻の みの. 最. 吉 から. 比較 箇 所. 5.
(4) 36. ニ. ケ. ニ. ヲ以 ( テ ) ニ. ヲ以テ ヲ 以 ( テ). 青 元 をい る れは. の に う をい れ ば 、. の. ハ. 最. 一 に し. (. )ハ. 青. タト. 七ウ 1. ハ 一. た と へば 、. ト. ハ. ハ 最. ハ. たとへば、 中ニ. 吉 青. む. シ なし 。. ヲ. テ. 身ニ. に い れば. テ. りて. ニ. をか. にい る れ ば、. ). りて. 。. ス. ク. を引用 した部分が 元にな. オ. をか. (左シ. シ. うし. ヲ. 有テ. ト. うすい. ト ハ. ス ニ. ニ. 一. し. ク. るる こ と なし 。. 吉 ). ニ. (. 、. ト. 最. シテ 直 ニ. タ. 青. る. ヲ ケ. なし。. に. トシ. 、. ハ. 吉. 一 。. 無. み な きえ う せ. 菩提 心 ヲ身 ニ. ヲ. 最. 青. 菩提心. を み に かけ つ れば. 菩提心. ト ム. を身 に かけ つ れ ば 、. ハ 一. 菩提 心 の. 青 無. 。. 最. ぼ だ い心 の. ヲ. みな き えう せ. 業、. 吉. 菩提 心. 吉. 業. ウス. 所. ヲ 生. 、. 菩提 心. 青. 所. 一 の ちを い る れ ば. ニ. 菩 提 心の. にし. うみ. ニ し つむ こ と なし 。. ニシ. 最. の. 生 生. 一 最. の. 経』 の 経』 現. 本文( 六〇巻 本) と『往 生要 集』本 文と の. に、こ の部分だ. 二. 在する 。『宝物集』は、一巻本も七巻本も、全て. 所の. が. けで 四. っている。しかしながら、『往生要集』が元にしたと考えられる『. この 部分 は『往 生要 集』が 『. しやうじ. 生. の に うを い る れば 、 ( ク) シテ. 。. 吉. ぼだ い の. 。. ス. 古田恵美子 . シテ. 吉 中ニ著ス. (ク). ハ ( 左オ ケ ハ ). 青. ハ. 中ニ. の に う、 き え うせ. ひつじ. 中 ニ著 オ. ・. 元 一. 覚. うま. 。. の. ・. み なき え う せ. 最 ぼ んな う の. 聞. うし. の. 吉 青・ 元 ・. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四).
(5) 35. の. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四). 古田恵美子 . しない。 って 、. 箇所について『往生要集』と一致した。すなわち 、『宝物集』は. 『往 生 要 集 』を 元 に書 か れ てい る と 考え ら れ る。 こ の 部 分 につ い ては 、 『往生要集』は訓点本しか現. に な っ てい る 。. 」 「 」. 「. ニ 「シ. ム. (ここで は「 」. ウ. の. 経 けの. 」と訓むと. 八オ1. 経. 『宝 物 集 』 巻四. 生 要 集』 も し くは 『. 本上. 比較箇所 青. タ. 所. 。. シ. 、. ハ、. 最. ヲ一日. もし くは. 、. 有テ. 作. 覚. ニ. 二. テハ. ). ハ. ト. (ハ ). 門. (. シ. ト能 (ハ). ク. 花ハシ. ト. 花ヲ. ヲシスク. 本一五〇. 聞. 宝ヲ. 』 を見 た 形 跡 が無 い 。. 。. ニハ. 一日. (フ ). 吉. (シ )。. 花. (シ )。. 時ニ 大. )ハ. 心. ニ. 多. ). フト. (. 。. 一三 〇 ペ4. タ. 中. ムフク. タ. ム. ニシ. トシ 。菩 提心. 」、すなわち. が. 宝. に なっ. 、こ の部分につい て. と. が1. りが 見られ る。. なのであるが 、『宝物集』は. いて は 、. い要約 になってい る。内. ム. 本. スト. 。. 中 ニハ. 中ニ. タ. ハ. タ. 『往 生 要 集』 大 文 四ー 三 ( ク 、菩提. ニ云 (ハ ク) ニ. 、 一. テハ. 中ニ 在. ハ. ヲ. ). )ハ. ヲ. タト. スト. は二 の. 宝を. 以上 の『 宝物集 』の 部分は 、往 生要集 の. テ. ス。. (. 一. シ. 心花. テ ク菩提. 花ヲ. ニシ テ菩提 心ハ. ク菩. (シ )。 ( 生 花・. 能( ハ ) 所. 一巻 本 二 五ウ ハ一. 」. タト. テ 」・「. シ 」。 一 巻 本 は 『 往. ハ一. いて一. じ語を. 。菩 提 心. タト. 全て におい て一巻 本と. 全に和文語 く」. タ. 参照. 元に. して和 文で 要約した か、あるいは. 時に は. 」. 業 」 など 元 の. ク」 「. さ れており、. である 。たとえば、 『. で 「仮名書 き」すなわち. 仮名書き本や『栄花物語 』などの和文のものと比較できない 。ただし 、 時代 末の. 」になったものがあったかどうかは. 内容が 専門的 である ため 、 「和 文 が. 本 と思わ れる が、内 容的 に一. 本 仮名書 き往 生要集 』は聞 き書 き的性 りあ るい は. き、. 所. ぼ訓読文体である 。しかし、 「. んで 要 約 され て お り、 こ の 大文 四 ー三 の 部 分は 無 い 。. 時の 書き 所を. 語は. 身ニ」等の訓読語・「無. 文体から言うと、一巻本は 有テ の 」・「 シ 」・「. シ. また、要約する場合には和語をつかってまとめている 。 (「著ス 「 す る )・「 ト. の. る める)は. はあ る もの の 、 「. 、. 容も 『 往生 要 集 』が 「 は. ており 、文. 1. 漢文. 「 な くとも. 生要集 』を 元にし ては いるも のの 、 し たわけ ではな く、. 本は. (仏. って い. 経 を聞い たり自 分で 読み下 した りし て覚え ていた 、あるいは 書き 本 ・吉. っ て い た内 容 を本 文 を 見 ずに 書 いた か 、 であ る と 考え ら れ る。 最. の一. 所の. にあたって 、『往. の 原本は、一 巻本あ. 訓 読語 的 な部 分 も 一巻 本 の まま に し てい る 。 本等 二種 七巻本. を 元 に した 本 か ら書 か れて お り 、. 本 ・吉. す」など. 在す る 部 分は 二. る 。ま た、一 巻本に 無い 最 」「. であるが 、一巻本に 「一. すな わち 、最 るい は 一巻 本. 11.
(6) 34. 表. な ど の他 は 、一 巻 本 と. から考えると、『往生要集』を通して『. は 、 七巻 本 も 仮名 漢 の. じ で ある 。 経. 』の. 当部 分を要 約した のは 、一巻 本の 作者で あっ たことに なる。そのと ら に『往 生要 集』 はあっ たの だろうか、 それとも. を. シ. し. 」 (訓読語)、最. 有て. 門. ト。. 二種 七 巻本. 比 較 箇所. 原 本の. ト. タ. テ. ク. ヲ. ト. テ. ( ク). ) くど く. ムハ. が有 っ たと 考 え られ る 。. ムニ. ク. のか ず の仏 を つ く りて. ト. ム. の 仏を つ く りて. こう が しや. ヲ. 『 往 生 要集 』 大 文四 ー 三. 者は、和文体を. 『宝 物 集』 巻 四 シ. 上. オ6. 青. 二六 オ 8 もし. あり て 、. ス. 一. 一三一. 、 もし. タテ マ. ハ. (ば). に すへ た て まつ り ( 十 六 分ニ 十六 分 ニハ. 十六分ニ. ト. ニ す へた て まつ り た ら ん. ヲ作 テ ス. ありて、. 最. 一五 一 ペ8. ヲ. 6 吉. ニシ 、 ウ. 心 ム. 心. だう. の やう な る 、. シタ. )。. のや う なる. み せん. ヲ. ム. 青 一 最 し. (左. 吉 青. 五 六ウ 1. ム 元. 心ヲヲ. 菩 提心 を お こさ む. の 十 六 分ニ お よば じ と いへ り 。. 最. ぼ だ い 心を お こ した ら んく ど く の 十六 分 にお よ ば じと い へ り。. 二. 吉. 一. 方の. 本が「お. ば」の. 本・吉. かは 『 往生 要 集 』の 訓 読 文の ま ま であ る 。. を 引 用 し た 部 分 で あ る 。『 宝 物 集 』 は 、「 いた. また、一巻本が「オ. こ せ ば 」( 和 文 語 ) と な っ て い る が 、『 往 生 要 集 』 の 訓 読 文 に は. たし てそ の. 作 ハ(左シ. ト. り )の 一. の『往生要集 』を見ており、. きに. など は な くな っ て おり 、. 心ヲ. 菩. 古田恵美子 . すなわち 、一巻本の作者は 、漢文訓読. 訓読 が 見ら れ る。 的 な 内容. の ため に 特 に. 本 文 が 見え て いた ら 、. はしなかったと考えられる 。『宝物集』の文. もし、『往生要集』があり、漢. 聞き 覚 えて い たの で あ ろ うか 。 の し 」など訓読的ではあるが 、. する必要があるとは考えられないからである 。また、文体は「なをし 」 「たり 」 「 経の 文体に なって いる 。以上 の. われたこと は. から、 この『宝物. いわ ば当 時の. ハ. 『往生要集』大文四ー三. 菩提 心 ヲ オ. ヲ生(ス ). ). 経であっ たか、ある. の 際に は、な んらか の『 往生要 集』が. 『宝 物 集 』巻 四. 経 の聞 き 書き 本 で あっ た の では な い かと 考 えら れ る 。. と考 えられ るが 、それ は以 前作者 の聞い た. 集』本 文の いは. 比 較 箇所 ㉖ 一. 菩 提 心を お こ せば. 有テ一. 上 一. ぼ だい 心 をお こ せ ば. シ. 青 二六 オ 4 2 一. 七ウ. 一 一三一 3. シ. 最 一 五一. (ム テ ). シ. 吉 。. 必(ス)無上. ト. 青. シ. ト. ト. しみて 、う たがひ をな すこと なかれ。と. ス. 無上. と なる 。つ. テ. 一 無上. し みてう たが ひをな す. 。. 最. とな る。つ. 経 』(八〇巻本二三巻. なかれ、と とけり。. 無上. む じやう そん. 吉. ここ は 『 往生 要 集 』が 『. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四).
(7) 33. シテ. し. 生菩提心経 』の. を. し 、「. 青. 古田恵美子 . を 引用 し た 部分 で ある 。 元. ニ. が 残 って い 吉. 最. 可能性. 門. ヲ. 仏. い。. 方 分 有 マシ (音合). 方 - 分 -有 マシ. ニ. ハ. ハ (左 マシ. い ろ あ らま し か ば に. ハ) テ. ニ. ニ. スト. マ シト. スト. 給タ. 二. ( 左シ テ ). ニ み ち て そあ ら まし と い ひ、. とい ひ. マ シ( 左 ケ ム). 」が「. 」「. 」「. ち る」に言. を 引 用 し て い る と こ ろ で 、 こ の部 分. なま し. みち. 無. 」「. 経』の. 者. こ くう. 能 ク容 受 ス. あら ま しか ば 、. いろ. ・元. 方 分 」「. は ない 。 語「. 上 末 五 七オ 2. けてい るが 、. ニ. の. ハ. トヲ 聞 テ. 作. 門. 的であ るか どうかはわからな. テ. ヲ 聞テ. 『往 生 要集 』 大 文 四ー 三. へに. 、 この. 菩 提 心( ヲ ). の. い どう じ. へに ニ. 菩提 心 ヲ. シヲ. ぼ だ い心 を お こし 給 ひし を ば 、. 菩提 心 おこ し 給 し をは 、. 菩 提 心ヲ オ. ニ. ん. この. 大. 『宝 物 集 』巻 四. 」が. えられている他は、 本的に『往生要集 』訓読のままである 。 、. 上. 比 較 箇所 青. 一 三 二 ペ5. 二六 オ 最. 一 五一 ペ. 吉. 最. 一. 元. 青. 吉. 一. ウ. 一巻本 は「. い. には. 『往生 要集 』が『 宝. 青・. き. えが一. した 上で、. く」 を「やうなり 」に. い 、七 巻本も それ を え ・言い. ヲ. 生菩 提心経ハ 十. 草 トシ、 十方世. 一. く せ ば 」等 ) が 『宝. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四). 」の. の 和文 ( 語 ) と な って い る。 し」が残るなど 、『往生要集』の文. した訓読文体(「. ここは『往生要集 』が『 『往 生 要 集 』の 漢 文に 物 集 』 では 必 要最 」と 「. ま ず 、一 巻 本は 「 る が 、「 を. で の作者 によ る書 き. え て いる 。. え るな ど、和 文への の. を 補 うな ど し て 一 巻本作. )ト ヲハ. テ. が有る よう に思わ れるが 、あ るいは 聞き書 き、 もしく は『往生要集 』. ( ト. 菩 提心. 、 この部 分の前 に『 宝物集 』に は「. が 仮名 書 き や聞 き 書 きで あ っ た可 能 性 もあ る 。 ハ ). タシ」 一 ( 巻 本 )と い う 文 生 菩 提心 経 』 にも『 往. トハシ( として. が ある のではない かと考. 在するが 、『. が『 在し ない 。他の 典. 生 菩 提心 経 』 の. 生要集 』に もこの 文は. 作 シ. (シ ). 11 15. え ら れる 。 あ るい は そ れが 聞 き 書き 本 など で あ っ た可 能 性も あ る。. ・. 『往 生 要 集』 大 文 四ー 三 ニ 云 ( ク) 菩 提 心ハ. 『宝 物 集 』 巻四 経. 比較箇所 上. ニ 云( ク ) 菩提 心. ウ3. 青. 経. 経 ニハ 菩 提 心の. 菩提心. 上 末五 六 ウ4 8. 経ニハ. 元 一 三一. 経 に は、 ぼ だ い心 の く どく 、 も し. うしやくきやう. もし. 二六オ. 最. 一五一ペ. 宝. 一 吉. 10 11.
(8) 32. ( 大 、. ハ. ). 一 大. 青 最. ト. の. し. の し. (. )下 ヲ. テ. テ大. より を りて 、. ヲ. ヲ テ を は な ちて を はな ち て. くは うみや う. ヲ. より お り て 、 テ. 青. 二 六 オ 13. 一 〇〇 ウ 3. ヲ. 三、. 作. 門. 観 』 を 孫引 き し て. 経 には・・. つ け く ど く きやう. 。. し. く。. く。. く。. をの. ト. ハ菩 提心. 四 を やと お しへ 、. 経 ニハ ・ ・・. ( ハ ) テ云 ( ハ ク). 『 往 生要 集 』 大文 四 ー三. 経ヲ 引 経ニ ハ 、 経 に は、. うきやう. 観ニ. ひみつ. 経 ニハ. 『 宝 物集 』 巻 四. 一 一 三二. 比較 箇 所. 最. 一五一ペ. 2. 吉. ト. 菩 提心 ヲ. の十. 十. ク。. ニ能 ク ヲ. 十. 三. ( ママ). 二. 四ヲ. ク. 菩 提心 、. 青. 菩 提心. へな り 。. の. 一. ニハあらす。菩提心のたふとき. のた つとき にはあ らず 、ぼだ い心のたつと き. どう じ. をの. 三. 三. あく. の十 仏の. は じ め の菩 提 心 、よ く. の. 二. 二. 四 一. いは ん や 、. 二、. ). 最. い は んや 、. 四 を やと を しへ 、 吉. 経 』 を引 用 し た 『 経 と なら べ て 、. 句 を 作っ て い る。. して きたが 、最. る 」で ま と め、 話 し こと ば にな っ て い る。 以上 、一 巻本を 中心 として 考. 相当 部 分で 、 一 巻本 に な い部 分 を 2箇 所 見て お き たい 。. 二. に、七巻本 の四巻. い ず れ も 経 の 引用 な の で 、 訓 読 文 体 の ま ま で あ る が 、 一 巻 本 は 「. は、. いる所である。それをまた、『宝物集』一巻本が引用した上で、七巻本. 『往生要集』が 、『. (. 最. ヲ照 シ テ 五体 ヲ 地ニ. か たい し. は、. み. 三. 大. 吉 青 給タ お が み 給な り 。. 一 最 お がみ 給ふ. 。. 吉 へ 葉菩. えている が、. に 七巻 本の作者 は、よりわか を つけたような いを見 て、. 古田恵美子 . 青. は じ めの ぼ だい 心 、 よく. 本 と も) の を. 体の. 約を 受けて 体形が. 一「. に. ひ. 吉 『 往 生 要集 』 が『 涅 槃 経』 ( 本・ を引 用 し てい る 部分 で あ る。 こ こで は一巻 本は『 往生 要集』 訓点 本の語. とつ、 わか りにく い訓 読にな って いる。 元漢文 の語 シヲ」といっ た、. 本が. い る から と 考 えら れ る 。 ま た 、「 お こ せ る を 」「 オ. である。青. え たが 、. 書の た. へ なり). え たも の と思 わ れ る。 の で、. しは. している からで. 時 代以. を. め は『 往生要 集』 訓読文 で読み ある いは聞き、. ト ヲ 」 と な っ て い る の は 十 一 世 紀 の 訓読 を. を 表す よ う にな っ た のは 、 ある。 一巻 本は 、 わ かり やすい ように 文. に(. があ る。あ るいは 七巻 本の. また、 七巻本 には 最. り やす く 、 当時 の 話 し言 葉 で言 い 文. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四). した 可 能性 も あ る。. 1.
(9) 31. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四). 古田恵美子 . 『 往 生要 集 』 大文 五 ー 二. 三 、 まと め. 二八. 以上、主に一巻本および二種七巻本の『宝物集 』の中の 、 『 往生 要 集 』. 阿 褥 菩 提 ニハ 信 心ヲ 因 ト 為。. き本・『栄花物語』梅沢本と比較検討してきた。ここで、一巻本を主と. 『宝 物集』 作者 が享受 した可 能性 のあ る『往 生要 集』訓点本 ・仮名書. 『 宝 物集 』 巻 四 涅 槃経 云 阿 褥菩 提 ハ 信心 を 因 とす 。. 比 較箇 所 ㉛ 中 二 八 オ4 涅槃経云. し て比 較 し てき た 四 本の 拙 稿の ま と め をし た い。. 『 栄花 物語』 から引 用・ 要約さ れた と思わ れる 文を、な るべく当時の 青 下 五四 ウ 5 阿 褥菩 提 ハ信 心 を 因 とす 。. ス. 浄 一 六 六 ペ4 あ の くぼ だ い 信心 を 因と す 、. いん. 最 一 六八 ペ 1 6. 前稿 (拙稿 二〇 一四) では、 より 聞き書 きの 要素が あるもの、より. 訓 点 本で 享 受可 能 で あ った と 考え ら れ る。. きはもちろん、漢籍・仏典の漢文も読め、『往生要集』も原文あるいは. 一巻本作者自身は 、『本草和名』の作者でもあり、日本漢文の読み書. した『往生要集』『栄花物語』はどのような形だったのか。. 1 ,『 宝物 集 』 作 者 が 『 宝 物 集 』( 主 に 一 巻 本 ) を 著 す に 際 し 、 参 考 に. 吉 短い1文である 。『往生要集』を通して、涅槃経を引いているが、涅 槃経 は勿 論、往 生要 集も参 照して いな い可能 性も 有る。暗 誦していた 句を 書 い たも の と思 わ れ る。 『往 生 要 集』 大 文二 ー 七. 地 獄 ニ遊 シ 戯シ テ 大 悲代 テ 苦 ヲ受 ( ケ )ム 左 ( 訓「 受. 『宝 物 集 』巻 四. 上六 二 オ5. 地 獄 ニ遊 戯 シ テ大 悲 代テ 苦 ヲ 受 (ケ タ マ) フ. 文のまま残した状態の部分もある。(比較箇所⑤⑥⑲⑳)一方で、それ. 比較 箇 所 ㉜ 青 上8 ウ 4. 定業 よ くて む じ 、 大悲 苦 にか は り 給。. 要 約 的 な も の と 考 え て い た 。 音 の 介 在 を 考え な け れ ば な ら な い と こ ろ. 元 一 七 八ペ 8. を 『宝物 集』の 全体 の枠 組みか ら、 女性に 話す 言葉とし て表現し直し. ( 比較 箇 所 ③④ ㉑ ). また、 『栄花物語』を通して『往生要集』を引いているところもある。. 形が 多 く 、 原典 に あた っ た 形跡 が 無 い。. たと 考 え る 必要 が ある と こ ろも あ る 。 比 ( 較 箇所 ㉑ ㉖ など ) ま た、 多くは 『往 生要 集』を 通して 他の 仏典の さわりを 孫引きする. ク」 もある。(比較箇所③㉑) しかし、巻四相当のより専門的な内容の部 ) 分 につい て見て いく と、 訓点本 を参 考にし 、自身 の備忘の ためか、漢. 最. 定 業 よく て ん じ、 大 悲苦 に か は り給 ふ 。. く. 一七 四 ペ 2. ひ. 吉. ここも『往生要集』が『請観音経』から引用しているところである。 本 文 が 一 致 し な い と こ ろ か ら 見 て 、『 往 生 要 集 』 も 『 請 観 音 経 』 も 参 照 せ ず 、 や は り 内 容 を 覚 え て い た も の を 書 い た と 考 えら れ る 。 す な わ ち、 一巻本 から 七巻本 へ増補 され た場 合も、 必ず しも『往生 要集』等 の経 典 を参 照 し ては い な いと 考 え られ る 。. 2, 十二 世紀末 から1 3世 紀当時 の言 語生活 ー特 に『往生要 集』の享 受状 態 ―.
(10) 30. の. 本 比較 や. 所③㉑). を 通し て、. ㉖. の. の訓点 の有 無はとも かく、本文 が見られる 。(比較箇. に もかか わら ず、訓読さ れてい さ れ てい た こ とが わ かる 。. 読 むこと ができ、訓 点をつ. )そ してそ の部 分が『宝物 集』には は ある. ることもできたようである 。(比較箇所⑤⑥⑲⑳)仮名. 性. るた め に 訓読 で. 音読 の. など に よ る、 音 を 通し て の. を. につ いて は本. 経や. 一方 で、 るこ と が多 く 、 ⑲. われ て い る。. (比 較箇 所 よく を. 訓 点本に ついて は、 けず に. られていな. 1 相に. 拙稿一 文の 一. 五. 語. 拙稿 一. 一. 一. 花. 』. 書. しく. 三七. 書. 、. べた. 考して いる。. 三集. い て 」『. しい 。. 信. 一. 本 について. 本に. 本 につい て. 『 栄花物 語. 「『栄花物語』中に引用された『往生要集』訓読 中. 『栄 花物 語』の. 仏書. 往 生要 集』. は 左の 書 に. 『往 生要 集』の. 「『往 生 要 集 』 の. い て」. 一 五 五. 論集』 一〇. つも り であ る 。 照. 、『往生要集』の典 漢和 二. 本 の言 語につ いて の論考 として 以下 の論考を 参照した。. 時代語. 4. とその文体 ー最. 最. 七六. 『原本 一 2. 本宝 物集 の文. 部本 巻四部 分と を中心 として 」. 八 一「. 一 本 と書. 書. 二. 和. 原 し た。よって 、七巻本. 五 が見られる と. 時代 語. 五 十六 自の補. ま での 比較からで は. 論. 書 のよ うなも のも 、現在. の主 な比 較から. 在 して い た 可能 性 が 大き い 。. 書き 本や 聞き書 き本 、また いも の が 、 3, 七 巻 本の 一 巻本 に無い ものは 、 につ いては 、. 本. の. 古田恵美子 . ㉑に見いだせる。. には吉. 典の 可 能 性も. せな い。し かし 、比 較箇所. 原本作 者の 一巻本 から の は の. り 組 ん でい き た い。. し 、『往生要集』以 して. 『往生要集』引用文から見た『宝物集』について(四).
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