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急性期脳卒中患者のサルコペニアの有病率と特性

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急性期脳卒中患者のサルコペニアの有病率と特性

田中 勝人

1)

,田中 健太

1)

,巨瀬 拓也

1)

,高橋 雅幸

1)

釜﨑大志郎

2)

,大田尾 浩

3)

要旨:[目的]脳卒中患者の入院時と発症後 2 週時のサルコペニアの有病率を調査し,その特 性を検討した。[対象]急性期脳卒中患者22名とした。[方法]基本情報,各身体機能, functional independence measure(FIM),サルコペニアの有無を評価した。入院時と発症後 2 週時のサルコペニアの割合を算出し,サルコペニアの有無別に各測定項目を比較した。[結果] サルコペニアの有病率は,入院時は50.0%,発症後 2 週時は45.5%であった。サルコペニアの 有無別に比較をした結果,身長,体重,body mass index(BMI),下腿周径,握力,非麻痺側 下肢荷重力,FIM 運動項目の改善率に有意差が認められた。[結語]急性期脳卒中患者の約半 数がサルコペニアであった。サルコペニア群は非サルコペニア群よりも,体格が小さく,筋力 は弱く,ADL の改善率が低い特性が明らかとなった。 キーワード:サルコペニア,急性期,脳卒中

Ⅰ.はじめに

サルコペニアとは,全身進行性の筋肉量減少 と筋力低下を認める状態を指す。サルコペニア は,身 体 機 能 の 低 下,生 活 の 質( quality of life:QOL)の低下,死亡リスクの増加に影響 する1)。加齢が原因のサルコペニアは,「一次 性サルコペニア」とされる。また,加齢に加え て他の原因因子が関与するサルコペニアを「二 次性サルコペニア」と定義する2) 急性期病院に入院する高齢者のサルコペニア の有病率は,17.1〜34.7%である3)。また,急 性期にサルコペニアを有すると術後合併症,消 化管縫合不全,肺炎合併症,再入院率や死亡率 の上昇など負のアウトカムと関連する4)。さら に,急性期の脳卒中患者は,治療のために安静 を強いられたり,活動範囲が制限されたりで不 活動となる。加えて,中枢神経活動の破綻に付 随し,二次的な筋骨格系の変性が起こる。実際 に,急性期の脳卒中患者を対象とした研究によ ると,4 週間後の functional independence mea-sure motor items(FIM-M)の改善には骨格筋

率が影響することが確認されている5)。このよ うに,脳卒中を発症し急性期病院に入院する高 齢者は,より「二次性サルコペニア」に陥りや すい環境にある。したがって,急性期の時点で 脳卒中患者のサルコペニアの有無を把握し,そ

原 著

1)医療法人社団 如水会 今村病院 リハビリテーション部 〒841-0061 佐賀県鳥栖市轟町1523-6 2)社会医療法人 雪の聖母会 聖マリア病院 3)西九州大学 リハビリテーション学部

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の関連因子や特性を知る必要がある。 しかし,脳卒中患者のサルコペニアに関する 先行研究は,回復期や維持期を対象としたもの が多く,急性期を対象とした報告は国内外を検 索してもほとんど見られない。また,2019年ア ジアサルコペニアワーキンググループ(asian working group for sarcopenia:AWGS 2019 ) によって,サルコペニアの診断基準が改訂さ れ6),新診断基準を用いたサルコペニアの研究 は散見される程度である。そこで,本研究は AWGS 2019の診断基準を用いて,急性期脳卒 中患者のサルコペニアの有病率を調査した。さ らに,急性期脳卒中患者のサルコペニア群にお ける特性を明らかにすることとした。

Ⅱ.対象と方法

1.対象 対象は,2020年 4 月から 8 月までに当院へ入 院し,理学療法を実施した急性期脳卒中(脳梗 塞・脳出血)患者22名[年齢72(66-84)歳] とした(表 1 )。対象の取り組み基準は,脳卒 中を発症し入院した者とした。対象の除外基準 は,発症前の modified rankin scale(mRS)が 4 以上の移動が困難な者および寝たきりの者と した。なお,mRS が 4 以上は入院前からサル コペニアに陥っている可能性があるため除外し た。また,意識障害により入院時の測定が困難 であった者は対象から除外した。 対象者には紙面,および口頭にて十分に説明 を行い,同意を得たうえで実施した。なお,研 究への参加は自由意志であり,参加しなくても 不利益にならないことを説明した。本研究は, 著者が所属する病院の倫理委員会の承認を受け てから実施した。 2.方法 基本情報として,性別,脳卒中の分類,発症 前 mRS,合併症,年齢を入院時のカルテ情報 より記録した。また,身長,体重,体格指数

( body mass index:BMI ),ア ル ブ ミ ン (albumin:Alb),血清総蛋白(total protein:

TP)を発症後 2 週時のカルテ情報より記録し た。各身体機能の評価項目は,下腿周径,握 力,座 位 で の 下 肢 荷 重 力,体 幹 機 能 評 価 (trunk control test:TCT),脳卒中機能障害評 価法(stroke impairment assessment set の麻 痺 側 運 動 機 能:SIAS-M ),ミ ニ メ ン タ ル ス テート検査(mini-mental state examination: MMSE ),機 能 的 自 立 度 評 価 法( functional independence measure:FIM)とした。 下腿周径は,市販のメジャーを用いて測定し た。測定姿位は,端座位が不安定な対象者が多 かったため,車椅子座位に統一し,股関節屈曲 90度,膝関節屈曲90度とした。非麻痺側および 麻痺側の下腿における最大膨隆部の周径を測定 し,その値を代表値とした。 握力は,デジタル握力計(T.K.K.5401,竹井 機器工業)を用いて測定した。測定肢位は,端 座位が不安定な対象者が多かったため,車椅子 座位に統一した。力を発揮する際,遠位指節間 関節で握りこめるように握力計の握り幅を対象 者に合わせて調節した。非麻痺側,麻痺側で 2 表 1 対象の属性(n =22) 男性/女性 (名) 13/9 梗塞/出血 (名) 20/2 右半球/左半球 (名) 15/7 mRS 0 (名) 13 1 (名) 3 2 (名) 5 3 (名) 1 合併症(重複あり) 高血圧 (名) 6 糖尿病 (名) 3 透析 (名) 1 心不全 (名) 1 なし (名) 14 mRS(modified rankin scale)

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回ずつ測定し,左右の最大値,左右合計値とそ の体重比を代表値とした。 座位での下肢荷重力は,脳卒中片麻痺患者の 下肢筋力測定において,従来のハンドヘルドダ イナモメーターを使用する測定法よりも有用で あ る7)。測 定 に は,市 販 の デ ジ タ ル 体 重 計 (WB-260A,タニタ)を用いた。測定肢位は, 端座位が不安定な患者が多かったため,車椅子 座位に統一した。また,村田ら8)の方法に準 じ,膝関節屈曲90度となるように足底を体重計 に乗せた状態で,車椅子端―膝窩間を拳 1 個分 空けた肢位とした。体幹の動きは制限せず,殿 部が車椅子上から離れないように留意した。合 図後に,下肢で体重計を垂直方向に 3 秒間押 し,その際の最大数値を記録した。測定は,非 麻痺側,麻痺側 2 回ずつ測定し最大値,左右合 計値とその体重比を代表値とした。 TCT は麻痺側への寝返り,非麻痺側への寝 返り,仰臥位から座位への起き上がり,30秒間 の端座位の保持の 4 項目から構成される9)。動 作が遂行困難な場合を0点,柵や支持を用いれ ば可能な場合を12点,自立にて可能な場合を25 点の 3 段階で評価した。それぞれの下位項目の 点数とそれらの合計点を算出し,代表値とし た。 SIAS-M は,上肢の近位および遠位( 2 項 目),下肢の近位,膝,遠位( 3 項目)の 5 項 目から構成される。各項目共通して 0 から 3 点 を徒手筋力検査法に準じた基準で評価し,3 点 から 5 点は課題を遂行する際の協調性で評価し た10)。また端座位保持が困難な場合は適宜介 助を行った。それぞれの下位項目の点数と,そ れらを合計した値を代表値とした。 認知機能の評価には,MMSE を用いた。1 対 1 の個別面談形式で評価用紙に従い評価を行 い,合計点数を代表値とした。 ADL 評価には FIM を用いた。運動項目13項 目の合計得点を FIM-M,認知項目 5 項目の合

計 得 点 を FIM-C( functional independence measure cognitive items)とした。また,下位 項目の総合計得点を FIM 合計とした。さらに, それらの得点から FIM-M,FIM-C,FIM 合 計それぞれの改善率を算出した。 サルコペニアの有無は,AWGS 2019が定め た基準に準じて評価した6)。男性は下腿周径が 34cm 未満かつ握力が28kg 未満の者をサルコペ ニアとした。女性は,下腿周径が33cm 未満か つ握力が18kg 未満の者をサルコペニアとした。 統計処理は,入院時と発症後 2 週時のサルコ ペニアの割合を,c2検定にて比較した。次に, 発症後 2 週時のサルコペニアの有無別に各測定 項目を Mann-Whitney 検定で比較した。なお, サンプル数が少ないことを考慮し,有意性の判 定は正確確率検定を用いた。統計学的有意水準 は 5 %とし,解析には SPSS Statistics V25.0 (IBM)を用いた。

Ⅲ.結 果

対象者の疾患名は,脳梗塞が20名,脳出血が 2 名であった。また,右半球損傷者が15名,左 半球損傷者が 7 名であった。合併症は,高血圧 が 6 名,糖尿病が 3 名,透析が 1 名,心不全が 1 名,合併症なしが14名であった。合併症は重 複している者が存在した。発症前の mRS は 0 が13名,1 が 3 名,2 が 5 名,3 が 1 名であった (表 1 )。なお,測定期間中に合併症等の影響で 理学療法が中止になった者はいなかった。 次に,入院時と発症後 2 週時のサルコペニア の割合をc2検定にて比較した。入院時のサル コペニア群は50%(11名),非サルコペニア群 は50%(11名)であった。発症後 2 週時のサル コペニア群は45.5%(10名),非サルコペニア 群は54.5%(12名)であった。なお,入院時に サルコペニア群であった 1 名が,発症後 2 週時 に非サルコペニア群へと改善していた。非サル コペニア群からサルコペニア群へ悪化した者は

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いなかった(表 2 )。 さらに,発症後 2 週時のサルコペニアの有無 別に,各測定項目を Mann-Whitney 検定で比 較した。その結果,身長,体重,BMI,非麻痺 側下腿周径,麻痺側下腿周径,非麻痺側握力, 麻痺側握力,握力合計,非麻痺側下肢荷重力, FIM-M 改善率に有意差が認められた(表 3 )。

Ⅳ.考 察

AWGS 2019の診断基準を用いて,急性期脳 卒中患者のサルコペニアの有病率を調査した。 その結果,入院時には50.0%が,発症後 2 週時 には45.5%がサルコペニアであった。脳卒中患 者のサルコペニアについて調査したレビューに よるとサルコペニアの有病率は42%と報告して いる11)。また,回復期の脳卒中患者では44% がサルコペニアであったとの報告がある12) AWGS 2019の診断基準を用いた結果,サルコ ペニアの有病率は先行研究と同程度であり,妥 当な結果であると判断した。 次に,発症後 2 週時のサルコペニアの有無別 に,各測定項目を比較した。その結果,サルコ ペニア群は非サルコペニア群よりも身長が低 く,体重が軽く,BMI が低かった。回復期リ ハビリテーション病棟での調査によると,入棟 している高齢者の BMI は低値であることが確 認されている13)。急性期の脳卒中患者を対象 とした本研究においても,先行研究と同様にサ ルコペニア群の方が非サルコペニア群よりも体 格が小さい特性が明らかとなった。なお,サル コペニア群と非サルコペニア群の Alb,TP に は有意差は認められなかった。Alb,TP は, 全身の栄養状態の指標とされる。サルコペニア 群と非サルコペニア群の栄養状態はほぼ正常値 であった。 非麻痺側および麻痺側の下腿周径,非麻痺側 および麻痺側の握力,握力合計に有意差が認め られた。この結果から,急性期の脳卒中患者の サルコペニア群は,非サルコペニア群よりも, 握力が弱く,下腿周径が細い特性が明らかと なった。今回,サルコペニアの有無の判定を下 腿周径ならびに握力から行った。下腿周径なら びに握力に有意差が認められる結果は妥当であ る。 さらに,非麻痺側下肢荷重力に有意差が認め られた。この結果から,サルコペニア群の非麻 痺側下肢筋力は,非サルコペニア群よりも弱い ことが明らかとなった。サルコペニアは,筋肉 量減少と筋力低下を認める状態を指す。そのた め,サルコペニア群の非麻痺側下肢筋力が,非 サルコペニア群よりも弱いことが示された本研 究の結果は妥当である。一方,麻痺側の下肢荷 重力には差が認められなかった。本研究では推 測の域を出ないが,麻痺の影響により筋力を発 表 2 サルコペニアの推移と発症後 2 週時の割合 発症後 2 週時 合計 サルコペニア群 非サルコペニア群 入院時 サルコペニア群 度数 10 1 11 総和の% 45.5 4.5 50.0 非サルコペニア群 度数 0 11 11 総和の% 0.0 50.0 50.0 合 計 度数 10 12 22 総和の% 45.5 54.5 100.0 Pearson のc2 P =0.001,連関係数 f=0.913 P =0.001

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表 3 発症後 2 週時のサルコペニアの有無による 2 群比較 全体 (n =22) サルコペニア群(n =10) 非サルコペニア群(n =12) p 値 年齢 (歳) 72(66-84) 74(69-89) 70(63-75) 0.06 身長 (cm) 154(146-166) 147(143-161) 162(151-168) <0.05 体重 (kg) 52(45-63) 46(43-51) 63(55-69) <0.01 BMI (kg/m2 ) 22(20-24) 21(20-23) 23(22-26) <0.05 Alb (g/dl) 3.6(3.3-3.9) 3.6(3.3-3.8) 3.8(3.5-4.2) 0.16 TP (g/dl) 6.3(6.0-6.8) 6.7(6.2-7.0) 6.3(6.0-6.7) 0.22 下肢周径 非麻痺側 (cm) 32.0(29.1-34.0) 29.6(28.5-32.0) 34(33.5-35.0) <0.01 麻痺側 (cm) 32.5(29.0-34.0) 29.8(28.5-32.5) 34(33.6-34.8) <0.01 握力 非麻痺側 (kg) 22.4(12.5-30.3) 15.3(12.1-22.8) 29.7(21.8-33.7) <0.01 麻痺側 (kg) 16.1( 7.0-24.5) 9.1( 4.5-13.1) 23.1(16.1-30.2) <0.01 合計 (kg) 32.5(19.5-53.5) 25.5(17.7-32.6) 52.7(31.9-58.4) <0.01 体重比 (kg/kg) 0.56(0.42-0.85) 0.53(0.40-0.60) 0.79(0.54-0.90) 0.08 座位での下肢荷重力 非麻痺側 (kg) 13.8(7.2-20.3) 12.8(3.2-14.3) 18.6(9.4-24.8) <0.05 麻痺側 (kg) 12.5(8.1-20.9) 11.1(4.4-14.7) 17.6(10.5-25.2) 0.07 合計 (kg) 26.3(8.4-37.2) 23.8(7.5-28.6) 32.5(11.2-49.5) 0.20 体重比 (kg/kg) 0.46(0.17-0.74) 0.45(0.16-0.58) 0.47(0.20-0.83) 0.50 TCT 麻痺側への寝返り (点) 25(25-25) 25(22-25) 25(25-25) 0.57 非麻痺側への寝返り (点) 25(25-25) 25(22-25) 25(25-25) 0.57 仰臥位から座位への起き上がり (点) 25(12-25) 25(12-25) 25(25-25) 0.73 30秒間の端座位の保持 (点) 25(25-25) 25(25-25) 25(25-25) 0.85 合計 (点) 100(87-100) 100(81-100) 100(90-100) 0.85 SIAS 上肢近位 (点) 5(4-5) 5(4-5) 5(4-5) 0.92 上肢遠位 (点) 5(4-5) 5(4-5) 5(4-5) 0.59 下肢近位(股) (点) 5(4-5) 5(4-5) 5(3-5) 0.69 下肢近位(膝) (点) 4(3-5) 4(4-5) 5(3-5) 0.65 下肢遠位 (点) 5(3-5) 4(4-5) 5(3-5) 0.46 合計 (点) 23(19-25) 21(20-25) 25(19-25) 0.70 MMSE (点) 25(20-29) 24(20-28) 29(24-29) 0.09 FIM 食事 (点) 6(5-7) 6(5-7) 7(5-7) 0.20 整容 (点) 6(4-7) 6(5-7) 7(4-7) 0.68 清拭 (点) 4(2-7) 4(3-6) 4(3-7) 0.86 更衣上 (点) 5(3-6) 5(4-6) 6(4-7) 0.45 更衣下 (点) 5(2-6) 5(4-6) 6(2-7) 0.65 トイレ (点) 6(2-7) 6(4-7) 6(2-7) 0.88 排尿 (点) 7(2-7) 7(5-7) 7(2-7) 0.86 排便 (点) 7(2-7) 7(2-7) 7(3-7) 0.87 ベッド車椅子移乗 (点) 5(3-6) 5(3-7) 6(4-6) 0.82 トイレ移乗 (点) 5(3-6) 5(3-6) 5(4-6) 0.94 浴槽移乗 (点) 5(2-5) 5(4-5) 5(3-6) 0.77 歩行 (点) 5(1-6) 5(1-5) 5(1-6) 0.97 階段 (点) 2(1-4) 2(1-5) 2(1-4) 0.90 理解 (点) 7(6-7) 7(6-7) 7(6-7) 0.35 表出 (点) 7(6-7) 7(6-7) 7(6-7) 1.00 社会的交流 (点) 7(5-7) 7(5-7) 7(5-7) 0.93 問題解決 (点) 5(3-7) 6(4-7) 6(3-7) 0.77 記憶 (点) 6(3-7) 6(3-6) 7(3-7) 0.49 FIM-M (点) 66(32-79) 66(33-80) 70(44-82) 0.80 FIM-C (点) 22(30-35) 32(24-34) 31(27-35) 0.72 FIM 合計 (点) 97(57-110) 99(54-113) 100(72-116) 0.92 FIM-M 改善率 (点) 0.25(0.07-0.41) 0.13(0.03-0.26) 0.35(0.10-0.50) <0.05 FIM- C 改善率 (点) 0.00(0.00-0.07) 0.00(0.00-0.05) 0.00(-0.11-0.08) 0.92 FIM 合計 改善率 (点) 0.13(0.05-0.22) 0.08(0.02-0.20) 0.15(0.05-0.28) 0.25 Mann-Whitney 検定,中央値(第 1 四分位-第 3 四分位),BMI(body mass index),Alb(albumin),TP(total protein) TCT(trunk control test),SIAS(stroke impairment assessment set),MMSE(mini-mental state examinanaton) FIM-M(functional independence measure motor items),FIM-C(functional independence measure cognitive items)

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揮できなかったと考えられる。 加えて,FIM-M 改善率に有意差が認められ た。この結果から,急性期脳卒中患者のサルコ ペニア群は,非サルコペニア群よりも FIM-M 改善率が低い特性が示された。回復期の入院患 者を対象とした研究によると,サルコペニアは 退院時の FIM-M に独立して影響する14)。ま た,回復期脳卒中患者のサルコペニア群は,非 サルコペニア群よりも退院時の FIM-M が有意 に低値を示している15)。本研究は,脳卒中発 症後 2 週時を対象とした。その時点では,サル コペニア群と非サルコペア群の FIM-M には有 意差が認められず,FIM-M の改善率にのみ有 意差が認められている。つまり,脳卒中発症後 2 週 時 の サ ル コ ペ ニ ア の 有 無 が,そ の 後 の FIM-M ひいては ADL に影響する可能性が示 唆された。実際に,脳卒中発症後 2 週時のサル コペニア群は,非サルコペニア群よりも 6 カ月 後の機能回復の程度が低い16)と報告されてお り,本研究の推察を支持するものである。 本研究の限界は,対象者が少ないこと。ま た,縦断研究ではないため,その後の改善との 因果関係には言及できない点が挙げられる。

Ⅴ.結 論

AWGS 2019の新診断基準を用いてサルコペ ニアの有病率を調査した結果,脳卒中発症後 2 週時の急性期脳卒中患者のサルコペニアの有病 率は45.5%であることが示された。また,急性 期脳卒中患者のサルコペニアは,発症後 2 週時 に体格が小さく,非麻痺側の下肢筋力が低下 し,FIM-M の改善が遅延している特性が示さ れた。本研究の結果から,脳卒中患者は入院直 後からサルコペニアを意識した介入が必要であ ることが考えられた。 引用文献

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表 3 発症後 2 週時のサルコペニアの有無による 2 群比較 (n =22)全体 サルコペニア群(n =10) 非サルコペニア群(n =12) p 値 年齢 (歳) 72(66-84) 74(69-89) 70(63-75) 0.06 身長 (cm) 154(146-166) 147(143-161) 162(151-168) <0.05 体重 (kg) 52(45-63) 46(43-51) 63(55-69) <0.01 BMI (kg/m 2 ) 22(20-24) 21(20-23) 23(22-

参照

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