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下垂体発生においてHes1/Hes5遺伝子は前駆細胞を未分化な状態に維持し、前葉細胞と中葉細胞との分化決定および後葉形成を制御する

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Hes1 and Hes5 control the progenitor pool, intermediate lobe specification, and posterior lobe formation in the pituitary development( Abstract_要旨 ) Kita, Aya. Kyoto University (京都大学). 2011-01-24. http://hdl.handle.net/2433/135381. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学 博士(. 医. 学). 氏 名. 喜 田 亜 矢. Hes1 and Hes5 control the progenitor pool, intermediate lobe specification, and posterior lobe formation in the pituitary development 論文題目 (下垂体発生において Hes1/Hes5 遺伝子は前駆細胞を未分化な状態に維持し、前葉細胞. (論文審査の結果の要旨) 下垂体発生において、下垂体前駆細胞の維持、分化機構については不明な点が多かっ た。そこで Notch の下流因子で bLHL 型の抑制型転写因子である Hes 因子、なかでも重. と中葉細胞との分化決定および後葉形成を制御する). (論文内容の要旨) 【はじめに】下垂体は、腺性下垂体(前葉および中葉)と神経下垂体(後葉) からなる。下垂体の形成には前駆細胞の分化、増殖が必要であるが、そのため には各種シグナル伝達物質や転写因子が重要な役割を果たすといわれている。 しかしながら、下垂体前駆細胞の維持、分化機構については不明の点が多かっ た。Hes 遺伝子は Notch の下流因子で、bHLH 型の抑制型転写因子である。今回、 Notch シグナルの重要なエフェクターである Hes1 および Hes5 に着目し、マウ スの下垂体発生における Hes 遺伝子の機能を解析した。 【方法】まず、Hes1 の下垂体発生過程における発現パターンを詳細に検討した。 続いて Hes1 ノックアウト(KO)マウスおよび Hes1;Hes5 コンディショナルダブ ルノックアウト(cKO)マウスの下垂体発生を解析した。 【結果・考察】Hes1 は、発生初期にはラトケ嚢全体を中心として強い発現を認 めた。Hes1 の発現は、胎生時期が進むにつれラトケ嚢背側に限局し、Hes1 の 発現が認められなくなった細胞はホルモン産生細胞へと分化していた。さら に、通常は下垂体発生過程で発現を認めない Hes5 が、Hes1 KO マウスで認めら れた。この事から、Hes5 は Hes1 の機能を代償していると予想され、下垂体発 生における Hes 遺伝子の機能を十分に解析するには、Hes1 KO マウスだけでな く、Hes1;Hes5 ダブル KO マウスの解析が必要であると考えられた。しかしなが ら Hes1;Hes5 ダブル KO マウスは下垂体発生が始まる前に致死的であるため、 Cre-LoxP システムを用いて下垂体を含む領域で遺伝子欠損を起こす Hes1;Hes5 cKO マウスを作成して下垂体発生における Hes 遺伝子の機能解析を詳細に行う 事とした。 胎生 12.5 日目において、Hes1 KO マウス、Hes1;Hes5 cKO マウスでは分化が コントロールに比べて早期に始まり、POMC 産生細胞の発現も早期から認められ た。さらに出生直前の下垂体を比較したところ、Hes1 KO マウスでは下垂体は 全体的にやや低形成であるものの、前葉、中葉、後葉といった構造を保ってお り、ホルモン産生に関しても大きな差は認められなかった。一方、Hes1;Hes5 cKO マウスでは著しい低形成を認め、中葉が完全に欠損しており、構成する細胞は すべて前葉細胞であった。つまり、本マウスでは下垂体前駆細胞は早期に分化 を開始し、すべて前葉細胞へと分化したと考えられた。さらに本マウスの下垂 体後葉は完全に欠損していた。 【結語】これらの実験結果から、Hes 遺伝子は前駆細胞を未分化な状態に維持し、 さらに前葉細胞と中葉細胞との分化運命決定および後葉形成を制御することが明 らかになった。. 要な Hes1,Hes5 に着目しその機能を解析した。 まず Hes1 の発現パターンを検討した上で、 Hes1 ノックアウトマウス(KO)および下垂体を含む領域で遺伝子欠損を起こす Hes1;Hes5 コンディショナルダブルノックアウトマウス(cKO)を作成し、それらマウスの下垂体発生 を検討した。 胎生 12.5 日目において Hes1KO マウス、Hes1;Hes5cKO マウスでは分化が正常マウス に比べて早期に始まり、POMC 産生細胞の発現も早期から認められた。さらに出生直前 の下垂体を比較したところ、Hes1KO マウスでは下垂体全体的にやや低形成を認めるも のの、前葉、中葉、後葉といった構造は保たれ、ホルモン産生に関しても大きな差はな かった。一方 Hes1;Hes5cKO マウスでは著しい低形成を認め、中葉が完全に欠損してお り、構成する細胞はすべて前葉細胞であった。つまり、本マウスでは下垂体前駆細胞は 早期に分化を開始し、すべて前葉細胞へと分化したと考えられた。さらに本マウスの下 垂体後葉は完全に欠損していた。 これらの実験結果から、Hes 遺伝子は前駆細胞を未分化な状態に維持し、さらに前葉細 胞と中葉細胞との分化決定および後葉形成を制御する事が明らかとなった。 以上の研究は下垂体発生における Hes 遺伝子の機能の解明に貢献し今後の下垂体発生 機構の解明や再生医療の開発に寄与するところが多い。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成 22 年 12 月 13 日実施の論文内容とそれに関連した 試問を受け、合格と認められたものである。. 要旨公開可能日:. 年. 月. 日 以降.

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