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羽田空港 D 滑走路建設工事における鋼管杭の急速載荷試験

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Academic year: 2022

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羽田空港 D 滑走路建設工事における鋼管杭の急速載荷試験

五洋建設 正会員 ○山本省吾 大林組 森山 信  鹿島建設 正会員 永谷達也 清水建設 正会員 佐藤純哉  大成建設 正会員 水野 立 国土交通省東京空港整備事務所 佐藤一央

1.はじめに  

 羽田空港 D 滑走路建設工事では,桟橋部(幅 524m×長 1,100m)において 1,165 本,

連絡誘導路部(幅 228.8m×長 620.9m)において 600 本の大口径鋼管杭(φ1,219,2mm

〜φ1,600mm)を打設する.建設工事位置図を図‑1 に,桟橋部の縦断図を図‑2 に,

連絡誘導路部の縦断図を図‑3 に示す. 

ここに,基礎杭打設工実施前に,桟橋部,連絡誘導路部のそれぞれ 1 本ずつの杭 について急速載荷試験(桟橋部:試験杭 F‑1,連絡誘導路部:試験杭 F‑2)を行い,

試験結果から得られる杭の極限支持力が,設計反力あるいは地盤から求まる確認支 持力を満足することを確認することとした1).  

以下では,急速載荷試験の結果,解析および考察について報告する. 

2.急速載荷試験の概要  

急速載荷試験は,スタナミック試験を採用した.載荷荷重は,試験杭 F‑1 で 38,000 kN,試験杭 F‑2 で 30,000kN とした.なお,大口径の

急速載荷試験としては,東京港臨海道路において,平 成 16 年に杭径φ1,200mm,載荷荷重 35,000kN の試験が 実施されている. 

試験杭位置での地盤条件およびひずみ計,加速度計 の設置位置を図‑4 に示す.土質調査結果では,載荷試 験位置の地盤は海底面から軟弱粘性土層(‑H,‑C)が 30m 以上続き,その下に砂層(‑S)が出現する.試験杭径は,

桟橋部および連絡誘導路部のそれぞれの最 大杭径である 1,600mm,1,422.4mm とし,杭 長は,杭下端を設計支持層に 3D(D:杭径)

根入れさせた 79.3mとした.      

試験は試験杭 F‑1 を平成 19 年 5 月,試験 杭 F‑2 を同年 6 月に実施した(写真‑1).試

験杭の打設から急速載荷試験実施までの養生期間は,それぞれ 35 日,58 日であり,地盤工学会基準2)の養生期間 の目安(砂質土:5 日以上,粘性土:14 日以上)から,地盤の強度は十分回復したものと考える. 

3.急速載荷試験結果および解析  

急速載荷試験は,最大杭頭荷重が試験杭 F‑1 で 39,074kN,試験杭 F‑2 で 29,193kN となり,計画載荷荷重とほぼ 同等の荷重が得られ,良好な結果を得られた. 

急速載荷試験結果をもとに,杭体の波動現象を考慮した波形マッチング解析により支持力を推定した.波形マッ チング解析による杭先端の静的荷重‑変位量関係を図‑5 に,杭の支持力を表‑1 に示す. 

  キーワード 羽田 D 滑走路,大口径鋼管杭,急速載荷試験,波形マッチング解析,極限支持力   連絡先 〒135‑0064 東京都江東区青梅 2 丁目地先 中央防波堤外側埋立地(その 1)  

羽田再拡張 D 滑走路建設工事共同企業体 連絡誘導路工区 TEL03‑6384‑0085 

図-1 建設工事位置図

図-2 桟橋部の縦断図

図-3 連絡誘導路部の縦断図

現空港

A.P.-80m A.P.-11.4m

①-C1

①-C 3

③-C③-S

④-S

①-H

6-360 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

-719-

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4.杭の極限支持力の推定  

試験杭 F‑1 は,図‑5 に示すように杭先端 最大変位が約 50mm であり,杭先端地盤が降 伏する挙動をしていたことから,試験で確 認された支持力 33,317kN を極限支持力と した. 

試験杭 F‑2 は,杭先端最大変位が約 8mm となり,杭先端地盤が弾性挙動をしていた ことから,第一限界抵抗力(降伏荷重)に 達していないと考え,試験で確認された支 持力 32,242kN の 1.2 倍の 38,690kN を極限 支持力とした3). 

表‑2 に,杭の極限支持力および設計確認 支持力を示す. 

5.おわりに  

  以上,急速載荷試験結果から得られる杭の極限支持力が,設計反力あ るいは地盤から求まる確認支持力を満足し,基礎杭の支持力安全性が確 保されることを確認できた. 

参考文献 

1) 永谷達也,新原雄二,森山 信,佐藤純哉,水野 立,風野裕明:D滑走路 における杭の支持力試験について,東京国際空港(羽田空港)建設技術報告会(第 四回)技術報告集,国土交通省関東地方整備局東京空港整備事務所,2007.12 

2) 地盤工学会編:杭の鉛直載荷試験方法・同解説,271p,2002 

3) 日本港湾協会編:港湾の施設の技術上の基準・同解説,上巻,pp.437‑439,

1999.4 

表-2 杭の極限支持力

試 験 値 設 計 値

極限支持力(kN) 確認支持力(kN)

F-1 (桟橋部) 33,317 27,269 OK

F-2 (連絡誘導路部) 38,690 22,967 OK

評 価 試 験 杭

表-1 波形マッチング解析による杭の支持力

層厚 周面摩擦力度 周面摩擦力 層厚 周面摩擦力度 周面摩擦力

(m) (kN/m2 (kN) (m) (kN/m2 (kN)

①-H ①-H 8.55 31.3 1,196

①-C1 ①-C1 10.3 36.1 1,661

①-C2 ①-C2 5.75 43.3 1,112

②-C

②-S 9.4 52.0 2,457

6.4 126.1 4,057 ③-S

4.3 130.0 2,810 ③-C

1.6 120.3 968 1.5 214.2 1,435

1.6 135.3 1,088 1.4 285.2 1,784

1.1 139.2 770 0.9 271.0 1,090

0.5 152.9 384 0.5 273.0 610

58.8 周面摩擦力合計 21,153 63.0 周面摩擦力合計 29,467

先端抵抗力度 先端抵抗 先端抵抗力度 先端抵抗

(kN/m2 (kN) (kN/m2 (kN)

90,105 12,164 25,000 2,775

33,317 32,242

合計支持力

14.5 20.2 1,471

③-S

19.4 73.3 7,148

④-S

先端

試験杭 F-1(桟橋部) 試験杭 F-2(連絡誘導路部)

土層

19.5 191.1 16,647 3,932 土層

④-S

先端

合計支持力

②-C 14.6 60.3

写真-1 急速載荷試験装置(F-2)

図-5 杭先端の静的荷重-変位量曲線

試験杭F-1(桟橋部)

試験杭 F-2(連絡誘導路部)

図-4 地盤条件および計測機器設置位置図

6-360 土木学会第63回年次学術講演会(平成20年9月)

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