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Academic year: 2022

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1/5 模型輪軸を用いた車輪背面横圧による乗り上がり脱線試験

(財)鉄道総合技術研究所  正会員 ○及川 祐也

(財)鉄道総合技術研究所  正会員  吉田 眞 

(財)鉄道総合技術研究所       宮本 岳史

(財)鉄道総合技術研究所       土井 久代

1.はじめに  

 軌間欠線部を有する固定クロッシング部では,ガードレールおよびウイングレールが車輪を横誘導する際 に車輪背面横圧(以下「背面横圧」)が発生する.背面横圧は,列車速度,車輪誘導量,車輪誘導角などに関 係することが明らかにされているが,背面横圧によるガードレールおよびウイングレールへの乗り上がり脱 線についてはこれまで検討されてはいなかった.そこで,背面横圧発生時の乗り上がり限度を把握するため に,ガードレールを模擬した軌条輪を設置した1/5 模型輪軸転走装置を用いて,背面横圧による乗り上がり 脱線試験を実施した. 

2.試験方法  

 本試験で使用する装置は,一輪軸の走行を模擬することができる 1/5 模型輪軸転走装置である.この装置 は図1に示すように,輪軸,台車枠,車体部およびレールに相当する軌条輪から構成され,軌条輪上に輪軸 を乗せて転走させることにより走行状態を再現する.A側の軌条輪にはガードレールを模擬した軌条輪を設 置し,A側の車輪背面がガードレールに接触してもB側車輪のフランジが軌条輪に接触しないようにスラッ クを設けている.試験装置の寸法を表1に示す.

 試験は背面接触時の背面横圧による乗り上が り脱線とフランジ接触時の正横圧による乗り上 がり脱線を比較するために,図2に示すように アタック角ψを設定し,背面接触の場合B側か ら,フランジ接触の場合はA側から輪軸を引っ 張り,乗り上がり脱線が発生するまで横力を与 えた.

 試験条件は,アタック角1.0deg,2.0deg,3.0deg と走行速度10km/h,20km/h(実車相当)の組み 合わせとした.

表1 試験装置の寸法 

項 目  値 

軌条輪 軌 間  292mm     直 径  478mm 

   断面形状  50kgN レールの 1/5      ガードレールと 

基本レールの間隔  10.1mm  輪 軸  内面間距離  272mm     直 径  172mm 

   踏面形状  基本踏面の 1/5   

 キーワード 1/5模型輪軸,ガードレール,ウイングレール,車輪背面横圧,乗り上がり脱線   連絡先   〒185‑8540 東京都国分寺市光町 2‑8‑38 TEL042‑573‑7275 FAX042‑573‑7432 

図1 1/5 模型輪軸転送装置

(a)  背面接触      (b)  フランジ接触 図2 アタック角と横力

ψ B 側 ψ

A 側 A 側 B 側

横 力 横 力

進行方向 モーター 横 力

車体部 台車枠 輪 軸

ガード レール

軌条輪

軌条輪 輪 軸

台車枠 車体部

横 力

B 側 A 側

基本レール

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

‑191‑

IV‑096

(2)

 

(a) 初期状態         (b) 乗り上がり      (c) 脱 線  図3 背面横圧による乗り上がり 

3.試験結果  

 本試験装置における背面横圧による乗り上がり脱線の発生 過程を図3に示す.所定のアタック角と走行速度を設定した (a)初期状態から,輪軸に横力を徐々に与えると(b)乗り上が りが発生する.その後,ガードレールの頭部まで車輪が乗り 上がった時点で(c) 脱線と判定して試験を終了した.脱線直 前の乗り上がり発生時の輪重Pおよび背面横圧(フランジ接 触の場合は正横圧)Qを測定し,脱線係数Q/Pを算出した. 

 アタック角ψと脱線係数Q/Pの関係を図4に示す.背面接 触の場合,アタック角が大きくなるにしたがって脱線係数の ばらつきが大きくなる傾向が見られるが,全体的にはアタッ ク角と脱線係数に顕著な相関関係は認められなかった. 

 走行速度Vと脱線係数Q/Pの関係を図5に示す.走行速度 についても,アタック角と同様に脱線係数との顕著な相関関 係は認められなかった.したがって,脱線係数はアタック角 および走行速度に依存せず,接触状態によるものであると考 えられる. 

 本試験において,背面接触時の脱線係数の平均値は2.28と なり,フランジ接触時の1.43と比べて約1.6倍の値となった.

また,一般に脱線限界の算出に用いられているNadalの式を 車輪背面とガードレールの接触に適用すると,脱線係数は 2.01となり1),本試験結果よりも小さな値となる. 

 

4.まとめ  

  1/5 模型輪軸を用いて背面接触時の背面横圧およびフランジ接触時の正横圧による乗り上がり脱線試験を 実施し,それぞれの脱線係数を求めた.その結果,脱線係数はアタック角および走行速度に依存せずに接触 状態によることが確認でき,背面接触時の脱線係数はフランジ接触時に比べて約 1.6倍の大きさとなった.

また,Nadalの式と試験結果の脱線係数の誤差は 1割程度であったため,背面接触時においてもNadalの式 が適用可能であると考えられる.

参考文献

1)鉄道総合技術研究所:在来鉄道運転速度向上試験マニュアル・解説,1993.5 

2)吉田裕他:車輪背面接触時の車輪乗り上がりに関する実験的検討,土木学会第 56 回年次学術講演会概要集,Ⅳ‑254,2001.10    図4 アタック角と脱線係数

 図5 走行速度と脱線係数 基本レール

ガードレール

0.0 1.0 2.0 3.0 4.0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

脱線係数 Q/P

アタック角 ψ (deg)  背面接触   フランジ接触

0 10 20 30

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0

 背面接触   フランジ接触

走行速度 V (km/h)

線係数 Q/P

土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月)

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IV‑096

参照

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