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.大手損害保険会社における管理職昇進構造とその変化

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Academic year: 2022

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(1)大 手#A害 保 険 会 社 に.おけ る管 理 職 昇 進 構 造 と その 変 化. .大手損害保険会社 における管理職昇進構造 とその変化. 堀内. 目 1.は. じめ に. 2,先. 行 研 究 の.概観. 3,作. 業仮 説 の設 定. 4,T社. 慎 一郎. 次. に.おけ る管 理 職 昇 進 構 造. 5,考. 察. 6,ま. とめ. 1...は..じ め に.. 本 稿 の.目.的は 、大 手 損 害 保 険 会 社T社. に お け る昇.進構 造 と そ の 変 化.の具 体 的 内 容 を 明 らか. にす る こ とで あ る(D。 具 体 的.に.は.〜.本 稿 で.はひ とつ の 年 次 の 入社 者 に.おけ る.昇進構 造 の 内 容 を.明ら..か に す る だ け で は な く.乱..異 な る入 社 年次 の者.のキ ゼ.リ.アツ リ;.=ヒ を複 数 作 成 ・比 較 を行 う こ とで 〜1一..淀 の ス パ ンの 中で 企 業 の.昇進 構 造 の 特 徴 が変 化 し.得.る の.か、.また.どの よ うに変 化 して きた のか を.明らか に す.るこ と を狙 い と して い る(2̀.。 以 下 の分 析 は 多 くの 部 分 を 『ダ イヤ モ ン..ド.会 社 職 員.録』(以 下 、.『.会 社 職 員.録』.)に依 拠 して い る 。.『 会 社 職 員.録』.には企 業.によ.つて情 報 量 が若.干異 な る が 、掲 載 企 業 に つ い て 課 長 ク ラス 以 上 の.管理 職 層 の 氏 名 覧 所 属.部署 、役 職.、生 年 、 入 社 年 、..最 終 学 歴 な.どが掲 載 さ.れて い る。 した が づて.、課 長 ク ラ..ス.昇 進 以 降 の社 内 経 歴 と い う.制約 は あ る.が、..こ れ を丹 念 に追 っ て い.く こ とで キ ャ リア ツ リー を描 く こ とが.可能 と.なる。 な お 、.本稿 の 分 析 は あ くま で1企 業 の 結 果 で あ り、必 ず し.も一 般 性 は 保 証.され て い な い が 、 丁社 は 明 治 期 に設 立 .され た 業 界 の リー デ ィ ン グ カ ンパ ニ ー で あ.り、 近 年.も損 保 ・生 保 を統 合 した 持株 会 社 の 中核 企 業 と な る な ど、 戦 前 ・戦 後 の 日本経 済 を牽 引 して き た代 表 的大 企 業 の ひ とつ で あ る 。 した が って 、 日本 企 業 の 昇 進 構 造 につ い て先 行 研 究 が 議 論.して きた 問題 に 関 して 、.典型 的 企 業 と して の 特 性 を...淀以 上 有 して い る と考 え られ る。 本 稿 の 構 成 を述 べ よ う。 ま ず 分析 に 先 立 って 、 日本企 業 の 昇 進 構 造 に関 す.る先 行研 究 を概. 一59一.

(2) 大手損害保険.会社 におけ る管理職昇進構造 とその変化. 観 し 、 そ の 結 果 に 基 づ い て 、 検 討 ・分 析 す る べ き 問 題 と 作 業 仮 説 の 設 定 を行 う 。 次 に キ ャ リ ァ ツ.リー 作 成 に あ.た.づ.てII%一. ル ∴ 定 義 に つ い.て説 萌.した 後 に1.・T社:に お..ける1960年:∴65. 年 ・70年 大 卒 入 社 者 の キ ャ リ ア ツ リ ー を 用 い て 、T社. の昇進構 造 とその変化 につ い ての分. 析 ・考 察 を 行 う 。 最 後 に 、 本 稿 の 要 約 と 今 後 の 課 題 に つ い て 論 述 す る 。. 2.先. 行研 究 の 概観. 日本 企 業 の 昇 進 構 造 に つ い て 小 池 編(199])は 社 し て15〜16年. 後 、 課 長 昇 進5U後. 、 約60社. に 対 す る 聞 き取 り に 基 づ き 、 「入. に 、 三 つ の.⇒.卯.ズに 分 化 す る 。 中 枢 管 理 者 コ ー ス 、 部 門 管. 理 者 コ ー ス 、 そ し て 非 管 理 者 コ ー ス で あ る 」;と し て 、..Laくつ か の 例 外 を 除 い て 、 入 社 後 、 か な り の 年 数 を 経 た 後 に 管 理 職 昇 進 へ の 選 別 が 行 わ れ る.、「お そ い 選 抜 」 が 見 出 さ れ た と 述 べ て い る。 こ の ほ か に も 、 複 数 の 先 行 研 究 が 分 析 の 対 象 と し だ:多 ぐ の 日本 企 業 に お い て 「お そ い 選 抜 」 の 傾 向 が 見 出 さ れ た と し て お り 、 ア ン ケ ー ト調 査 と し て は 日 本 労 働 研 究 機 構(1993a) (1993b)(1995)(1998)な 業 の62.7%が. ど が あ る 。 こ の う ち 日 本 労 働 研 究 機 構(1993b)が. 「入 社 後5年. 、 調 査 した企. 程度」 は同一 一6年次 入 社 者 の 昇 進 ・昇 格 に 差 を つ け な い と し て い る. の に 対 し 、 日本 労 働 研 究 機 構(1998)は. 、 「第1次. 選 抜 出 現 期 」、 「横 ば い 群 出 現 期 」 と い う概. 念 を.用い て 、 調 査 し た.日.本の.大企 業 に.おい て も 同 期 入 社 者 間 で 昇 進 格 差 が つ き.始め る 時 期 .(≒.「第1次. 選 抜 出 現 期 」〉・は 平 均7:85年. の 機 会 が 閉 ざ さ れ る 時 期(=「 .「 第1次. 、 さ ち に 彼..らめ 半 数 以.上の 者 に と っ て .上位 役 職 昇 進. 横 ば い 群 出 現 期 」).を 平 均.22 .3年 と.し.て.いる 。 こ の.結 果 は 凡. 選 抜 出 現 期 」 が ア.メ リ カ. .にお い て は 平 均3.42年. ば い 群 出 現 期 」 が ア メ リ カ に お い て は.平均9.10年. 、.ド.イツ に お い て は 平 均3 .71.年 、.「 横. 、・.ドイ ツ に お い て は 平 均11,48年. な ど と .い. う 結 果 と 比 較 す る と い ず れ も 「お そ い 選 抜 」 で あ る 。 ま た 、 鉄 鋼 お.よび エ ン.ジニ ア リ ン グ 分 野 に お け.る.大企 業.「oLL社 今 田.・平 田(1995)に で あ り、 そ れ ぞ れ. よ れ ば 、 日本 企 業 の 昇 進 構 造 は3つ 「..託 律 年 功 型 」;初. 「トー ナ メ ン ト競 争 型J=後 1一方.、Kosenbaum(1984)が. 」 の 人 事 デ".タ. を用 いた. の 要 素;を 持 づ.「 重 層 型 キ ャ リ ァ 」. 期 キ ャ リ ア 、 「昇 進 ス..ピー.ド.競争 型 」 ≧ 中 期 キ ャ.リ..ア 、. 期 キ ャ リ ア と して 確 認 され た 。 用 い た 手 法 で あ る キ ャ リア ツ リー を用 いて 、 日本 企 業 の 昇 進. 構 造 を 分 析 し た 先 行 研 究 も 複 数 存 在 す る 。 こ の う ち 、 花 田(1987)は. 大 企 業5社. め キ.ヤ リプ. ツ リ ー を 示 し た 上 で 、 部 長 ←.次長 に な る 可 能 性 が 課 長 昇 進 ぺ め 第 一 次 な い し は 第 二 次 選 抜 に 入 っ て い な け れ ば 著 し く低 く な る と い..う実 態.を報 告.し 、 日 本 企 業 に お け る 厳 し い 昇 進 ・昇 格 競 争 の 実 態 を 明 らか に し た 。 そ して 、 各 社 の キ ャ リ ア ツ リ ニ を 「 伝 統 的 保 守 企 業J 、 「大 量 採 用 企 業 」、 「革 新 的 企 業 」 な ど と 分 類 し 、 企 業 の 昇 進 構 造 は 全 企 業 一 律 で は な く組 織 風 土 に よ. 一so….

(3) 大手損害保険会社 にお.ける管理職昇進構造 とその変化. っ て異 な る と し.た。.一方 、 この 点 に つ い て 八代(1995)は. 、.企 業 に よ:る昇 進構 造 の違 い につ. い て 、.むし ろ成 長 企 業 で あ るか 否 か な どの 企 業 の属 性.の影 響 が大 きい ど指 摘 して い る。 また 、西 山(1999)は1950年. か ら1960年.に 大:企業.に入社 した大 卒 事 務 系 社 員 を対 象 に 、 入. 社 か ら退 職 まで の 資 格 昇 格 の 実 態 を検 証 し た 。 そ して 、理 事 昇 格 段 階.ま.でリ タ ー ンマ ッチ (敗者 復 活)が 存 在 す る こ と、 定年 時 の 最終 到 達 資格 が定 年 後 の 処 遇 を決 定 す る た め に 、定 年 直 前 まで 激 しい昇 格 競 争 が 行 わ れ て い る こ と を明 らか に した。. ま た 、.竹内(1995)は. 大 手 金 融 保 険 会 社A社 の 人.事力rド. き取 りに 基 づ い て 、1966年 と1975年. ・面 接 調 査 ・人 事 担 当 者 へ の 聞. に 入社 した 大 卒入 社 者 の キ ャ..リ.ア ツ リー を描 い て い る 。. これ に よ る と 、 キ ャ リア の初 期 の 段 階 で は 実 質 的 に は 「同期 同 時 昇 進 」 で あ る もの が 、時 間 の 経 緯 と共 に 「同 期 時 間 差 昇 進 」、 「選 抜 」 お よび 「選 別 」.へ移 行 して い くとい う。... さ らに 、 「 銀 行 職 員 録 』 を用 い た 上 原(2003)は.、.… あ る銀 行 で は入 行 後20年 以 上 を経 過 し て も門 定 の ス ピー.ド格 差 の 中 で 同期 入 行 者 が ほ ぼ 全 員昇 進 し、 他.の都 市 銀 行2行 に お い て も 遅 い 昇 進 傾 向 が見 出 され た一 方 で 、...管 理 職 昇 進 時 点 か ら同 期 入 行 者 間 で10年 以 上 の 昇 進 ス ピ ー ド格 差 が生 じて い る こ と を 明 らか に した6 .そ して 、昇 進 の遅 れ た 者 に リタ ー ンマ リチ の 可 能 性 が 与 え られ る一 方 で 、早 期 の 昇 進 は必 ず し も そ の後 の昇 進 を保 証 せ ず 、.長期 間 に 渡 って モ チ ベ ー シ ョ ンを保 持 させ る昇進 構 造 とな って い る こと を示 した 。 以 上 、 キ ャ リア ツ リー を用 い た研 究 を 中心 に 、 日本 企 業 の 昇 進構 造 に つ い て の 先 行研 究 を 概 観 した が 、 これ らの 先 行研 究 は 、 分 析 対 象 と な.った 日本 企 業 に お け.る昇 進 構 造 に つ い て 、 多 くの 企 業 が 「お そ い選 抜Jな. ど 一 定 の 共 通 性.を示 す 晶 方 で 、 そ うで は な.い企 業 も存 在 す る. な.ど、.各々 多 様 な 特 徴 を持 つ て い る.こと を明.らか に.して い.る.(3).= Lし.かし 、ひ とっ の企 業 が 成 長 と衰 退 、Lある い は 事 業 構 成 の 変 化 な ど を繰 り.返す 中 で 、 そ の .昇進 構 造 が果 た して 固 定 的 な特 徴 を 保 持 し続 け る. .もの なの か 、.一定 期 間 の 中 で そ の 特 徴 も.変 化.し得 るの で は ない か 、.とい っ た 点 に つ い て は先 行 研 究 で は ほ と ん ど 意識 され て お らず 、 こ .の点 をテ ー マ と した 実証 分 析 もほ と ん ど行 わ れ.ていな い. 3.作. 。.... 業 仮 説 の.設定:. 先 行 研 究 の 結 果 に基 づ い て 、 本 章 で は と く に 以 下 の3点 か らな る作 業 仮 説 を設 定 し、 重 点 的 に 分析 ・検 証 す るこ と とす:.る6「.1......・,. 仮 説 ①:課 長 ク ラス以 降 の 昇 進 選 抜 で は昇 進 ス ピ忠 ド格 差 が決 定 的 な影 響 を及 ぼ す6 仮 説 ①.は昇 進 ス ピー ド格 差 と役 職 昇 進 との 関 係 を検 証 す るた め の 仮 説 で あ る 。 一 律 年 功 型 か ら昇 進 ス ピー ド競 争 に 切.り替 わ る 時 期 、 す.なわ ち 管 理 職 昇 進 競 争 が本 格 化 す る時 期 につ い. 一61一.

(4) 大 手損害保険会社 における管理職昇進構造 とその変 化. て は 、先 行 研 究 で は扱 っ た 企業 に よ っ.て相 違 が 見 られ る 。 また 、 そ もそ も同 一・ 企業 における 異 な る入 社 年 次 の昇 准 構 造 の比 較 は 先 行 研 究 で は 行 わ れ て い な い 。・ 本 稿 で は 、 未 だ先 行 研 究 が 本 格 的 に は 明 らか に して い な いi、.損 害 保 険 業 を代 表 す るT社 に お け る昇 進 構 造 と その 変 化 を昇 進 ス ピ ー ドの 観 点 か ら分 析 す る。. 仮 説 ②:イ. ン セ ン テ ィ ブ ・メ カ ニ ズ ム と.して..リ.タ ー ン マ ッ チ が 存 在 す る6. 仮 に 昇 進 ス ピ ー ドが そ の 後 の 昇 進 を 強.く規 定 す る 場AC]..一 度 で も 昇 進 が 遅 れ た 者 は そ の 後 の 競 争 に お い て 著 し く 不 利 に な る.ため 〜 「 敗:者」.の モ ラ.一ル ・ダ ウ.ン、 モ チ ベ ー シ ョ ン の 低 下 が 発 生 す る と い う デ メ リ ッ ト.が考 え ら れ.る。 こ の 問 題 に つ い て 対 応 す る 制 度 と さ.れ.てい る.のが リ.ター ン マ ッ チ で あ る 。.先 行 研 究 が 示 し た ケ ー ス で は 、 多 く の 日 本 企 業 が 一 度 昇 進 の 遅 れ た 者 に 対 して も敗 者 復 活 の 機 会 を 与 え 、 彼 ら の モ チ ベ ー シ ョ ン.を維 持 す る 制 度 を 採 用 し て い る 。 し か し、 一 方 で リ タ ー ン マ ッ チ の 性 格 や 範 囲 は 個 々 の ケ ー ス に よ っ て 多 様 で あ り 、T.社 の:昇 進 構 造 全 体 の 性 格 や 特 徴 の 中 で ど の.よ うに位 置 付 け られ て い るの か 、異 な る 入社 年 次 の キ ャ リ ア ツ リー の 中 で その 性 格 や特 徴 もま た 変 化 し 得 る の か 、 に つ い て 明 ら か に す る こ と は 、.ケ 』 ス の 蓄 積 と い う観.点 か ら も 有 意 義 で あ る と考 え る 。. 仮説 ③:昇 進 が遅 い者 、滞 留 者 ほ.払 退 出す る可 能 性 が高 い 。.. 仮 説 ① お よび ② は と もに 、 特 定 の 企 業 組 織 の 中 で 、 よ り..上 位 の 管 理 職 と して選 抜 され た者 が ど の よ うに 選 抜 され た の か に 焦 点 を.当て た.もの で あ る.が、1ここで は管 理 職 昇 進 競 争 にお.け る も う一 つ の 側 面 で あ る 、..昇 進 が遅 れ た者 や トー.ナメ.ン.ト 競 争 へ の 参 加 資 格 を失.った滞 留 者 、 組 織 か ら の 退 出 者.に焦 点.を当 て る。.1一 」般 的 な イ メ ー ジ と しZ;.昇 進 競 争 に お い て 同期 め 多 数 か ら遅 れ た り、 あ.るい は あ る役 職 か ら.それ 以 上 昇 進 す る こ と が で きず に滞 留 した場 合 、1より 良 い雇 用 機 会 ・条 件 を求 め て転 職 な ど.の形 で 自発.的に 退 職 した り、 企 業 の 側 が そ の よ うな者 を リス トラ、 出 向 、 転 籍 な どの形 で 退 出 させ る こ とが 考 え られ る 。 これ につ いて は先 行 研 究 の 結 果 が.二つ に 分 か れ て お り、 仮 説 ③ を 支 持 す る も の と して は 、 た と え ば 花 田(i .984) (1987)や. 阿 部(1995)、. 仮 説 を 支持 し.な.i.1、..も.o.ど.LT:.は 上 原(2003)な. 4.T社. 4‑1.デ .キ. どが あ る(4)。. に お け る管 理 職 昇 進 構.造. ー.タ と.キ.ヤ リ ア ツ.リ ー の.説.明.. .ヤ.リア ツ リ ー に よ る分 析 に.先立 ち 、..本稿 が 設 定 し.たル ー ル ・定 義 に つ い て 説 明 す.る。.. ま ず 、 役 職 区 分 に つ い て は 大 き.く.分け て. 「課 長 ・支 社 長 」、 「次 長 ・副 参 与 」、 「部 長..・支 店. 一62.

(5) 大 手損害 保険会社におけ る管理職昇進構造 とその変化. 長 」、 「取 締 役 」 の4つ に 区 分 した(s7。T社 で は 『会 社 職 員 録 』 に 掲 載 され る基 準 とな る課 長 ク ラ ス の 役 職 と レ(、 掲 載 され て.いるほ ぼ 全 員 が 「課 長 」 あ る い は 「支 社 長 」 に 昇 進 す る 。 さ らに 、 そ の 後 も昇 進 す る者 の 多 く..が ご.「 評 長 ・支社 長 尋 次 母 ・副参 与 馬 部 葺 ・支 店 長 〈 →取 締 役 〉」 と い うル ー トを経 て い る 。..こ.の ほ か役 職 名..と.L.て 確 認 され た.も..の と.し.て は 「首 席 駐 在 則 ・ 「駐 韻. 信. 髄. 衡. 「主 任 髄. 役垣. 襟. 役Jtoが. あるグ. これ らの 役 職 に つ い て. も4つ の 区 分 の 中 に 分類 した 。 ζ.g〜.ラ ち1..「 調 査 御.1こ ρ 硲て は丁 社 り 社 卑..(2005)の. 記述な. ど か ら、主 に 「 課 長 」 に対 応 す る職 能 等 級 で あ る こ とが 判 明:.し た ため 、 「課 長 ・支 社 長 」 の 中 に分 類 した 。 次 に 、検 査 部(内 部 監 査 部)独. 自の.役職 で あ る 「 検 査 役 」.記 「主 任 検 査 役 」 に つ. い て は 、 他 部 門 にお い て 「 次 長 」 を務 め た 者 が 「検 査 役 」 を 、 あ る い は他 部 門 に お い て 「部 長」 鵬. め た者 が 「主 任 髄. 役 」 を棚. て し'琴. と.など カ'ら・.騨. 役」は 「 次 長 ・鯵. 与」. に対 応 し、 「主 任 検 奄 役 」 は 「部 長 ・支 店 長 」 に対 応 .L2i.、う と考 えた 。 「 首 席 駐 在 員 」、 「 駐 在 員 」 につ いて も上 記 の 役 職 と 同様 の方 法 で分 類 した。 ま た 「滞 留.・退 出」 め 定 義 と して は 、 「滞 留1.に?い ぞ は あ る役 職 に昇 進 後 、 翌 年 以降 も昇 .進して い な い者 を 「滞 留 」.とし、 「退 出 」cつ いて は 『会社 職 員 録 』.から名前 が消 えた 後 に復 活 しな か っ.た者 を 「退 出」 と した 。 こ の他 、 キ.ヤリア ツ リーφ 見 方 な.どにつ い て は別 表 の 説 明 の 通 りで あ る。. 4‑z.T社. の 管 理 職 昇 進 構 造 ζ そ の 変 化 ... .①1960年 大 卒 入社 者 の 昇 進 構 造 表.1.は1960年 に 大 学 卒 業 後 で社 に禾 社 し、. .「 課 長 ・支社 長 」.に昇 進.し.た 者 を対 象 と した キ ャ リ ア ヅ.リ.ご(「 癌. リ'P"/iJ‑196」. 〉..であ る.・こ れ に よ る と1$. .を除 い 姪. 財. 「 糠. ・.. 副 参 与 」 に 昇 進 して お 妖.こ の 段 階.での 選 抜 、絞 込 み を確 認 す る こ.と.は 困 難 で あ る6ま た 、 「部 長 ・.支 店 長 」 昇 進 に つ い て は 、.勤続.25年 目 まで に ・ 「次 長.・副 参 与 」 に 昇 進 して い な け れ ばな らないが、「 部 長 ・支 店 長Jへ め 罫 進 確 率 を み る限.り、 ツ リ ー上 め.「次 長 ・副 参 与 」 第1. グループと第3.弗 高ヲ鯛 の雛{ま ぼと酵 魯 ように見脚5.れ.る∴ 一 さ らに 、 「課 長.・..支 社 長 」 昇 進 スぜ 一.ドと 「 部 長 ・.宰 店 長 」.昇進 の 関係 性 に つ いて は 、先 頭. 鄭. より約1嘩. 釦. 課 長0.姓. 長」 嘩. 名昇進 してお ザ 「 課長.岐 脹! .羅 …方 ・ リターン㍗ チにつ い継 ドの速 い グル プ 妨. 嘩. 落 を7下. い た矢印 の 「 矢印の 交差」 が徽 れ 替 えが 行 わ れ2Uる. 窄. したグルプ 一 ド瞭 搾. か ・も 「 線.・ 重甑. ・灘. .筆 琴 でゆ1・ と考 肪 れ る・. .斉騨 昇聯 勢 遡 の脚rお .ll下.も ・昇進 ・ ピー 餉 い ・矢印 ≒遅 いグル ニ勉 ら.の編 を示す上 を向. 確郡. き.る.ξ ≦ .に」娘. ・acu惨 与」..羅 時 には激 しい入. ご とが 分 か る。 また 、 退 出 者 につ い て は 「部 長 」東 店 長 」 昇 進 者 か ら. 複 数.名の 退 出 者 が出 て い る一 方 で 、 そ れ以 前 の 退 出者 はほ ぼ 皆 無 で.ある。 ..... 一63一.

(6) 大手損害保険会社 にお ける管理職昇進構造 とその変化. i:.960年 大 卒 入 社 者 の キ ャ リ ア.ツ リ ー. 表1. 次母.'嗣参.守..1. 1…33)(25‑29). 課 長 ・...支 社長 (13‑25). 72‑74. .部畢..・.支 店長.取. ..8D(2.1).ユ. 3. 13(9;. 麗(25). 31¥2. 75‑763'. 4(3; 0'02. .. ‑8985‑92. 8. 1 .ド r. 31. 77‑78. 91‑92. 85・ 呂6.多1. 4 & 0 '7 3 1 . . 1 8 1. .0 蹴 ・ 一. . . 4 .1 鴎 .. G・0. fi. 3'3. 隊. 141. 4(4.1. 89‑90. 9. to. 00 8P‑82. ...84. G・03.1. 締役(2. 役職 (最短 一最長〉. 1.=..:1'Q..』.79. 年 度(年. .5(3).1..4ご... .. o'14.0 出 所;r会. 目). 昇進人数 滞 留 ・退 出. 社 職 員 録 』 各年 度 版 よ り作 成. 【キ ャ リア ツ リー につ い て 】 本 稿 に お け る キ ャ リ ア ツ リ ーの 見 方 は 以 下 ㊧ 通 りで 南 る 。.冬 枠 内 の 上 段 の 数 値 は 西 暦 の 下 二 桁 、 横 に 記 し た 上 段 カ ッ コ 内 の.数値 は勤 続 年 数 を..示して い る 。 そ して 、 枠 内 下 段 の 数 値 は 当該 年.度 に 各 役 職 に 昇 進 し た 人 数 を 示.して 却 り、 さ ら に 「 課 長 ・支 社 黛 」 の 各 枠 内 .につ い て は 、 そ の 横 の..ド 段 カ ッ コ 内 に 各 枠 か ら 「部 長 ・支 店 長 」 に 昇 進 し た 人 数 をPLし た 。 次 に 〜 各 役 職 名..卜 部 に 示 さ れ て い る カ.ヅコ 内 の 数 値 は1.各 役 職 に 最 も速 く 昇 進 し た 者 と 最 も 遅 く昇 進 した 者 の 勤 続 年 数 を 示 して い る。 ま た 、 枠 外 下 部 に 示 され て い る二 つ の 数 値 は 、 各 枠 内 に示 され た 昇 進 人 数 の う ち1上. 位 の役. 職 に 昇 進 せ ず に滞 留 ・退 出 した 人 数 を示 して い る 。. 。資1=1謬慰 礁 蹴 躍 謡1襟 し た が っ て 、 た と え ば 表3の1970年. 灘 覧 轡 嘩 搾 別の各グルーガ・. 大 卒 入 社 者 の キ ャ リア ツ リ..:7で.は〜 .84年(勤. 続15年.目) に 「課 長 ・支 社 長 」 に41名 が 昇 進 レ・ そ の う ち 滞 留 した!名 を除 いZ .、4Q .名は 「次 長 ・副 参 与 」 に 昇 進 した.がく 彼 ら0)う.ち最 終 的 に.「部 長 ・.支店 長 」 に 昇 進:し.たの.は:28.名で あ る.こbと、1970年 大 卒 入 社 者 の 場 合 、.「 課 長、 ・.支社 長 .」 ..に母 も速 い 煮 で 勤 続1与:年戸 、 最 も遅 い 者 で 勤 続25年 昇 進 して い る ご と 、 な どが 分 か る 。. 表2.. 次母∴副季睾.,.. 謬母..'幸件長 (13‑26) 77(13). .i.965年 大 卒 入 社 者 の キ ャ リ ア ツ リ ー. .無7支. (21‑33) 4. 11(6). as‑sshs. .21. o…z. 78fly. si‑szli. 181VY ..7.・.4. ..0・0. 12. 95r97 z. 93‑99. 19. 18(11J. 4. 11.0. .. 2. 89‑90. 79』80. .己..1 13'3. 87‑8824,. 16(9;. 93‑94. ...89デ.9Q...4. zsI¥$. 0・0..1. 取締役. 店 長 (25…33;. 1. 役職 .(最短 一最長〉. 8‑4. 10. 81‑82 is(s>. 91‑97. 95‑97. fi. 2. 昇進人数. 2・0.. 滞 留 ・退 出. κ 1. 0・2. 6'6. 0・0. 83‑90 10(4). 1. 0・1 出所. 「会 社 職 員 録 』 各 年 度 版 よ り作 成. 一64一. 年 度(年. 目). 目に.

(7) 大手損害保険.会社 における管理職昇進構造.とその変化. .表3. ..1970年 大 卒 入社 者 の キ ャ..リ ァ ツ リー. 課長 ・支社長. ....x長..・副参争 (15…25)(21‑33)(25‑33J. 84Q5.. 15. 'so(zD. 4. 薩. 6. 9i(za). 8. 19. 1'02. 1. 3.・.工.. SS‑86. 91‑92. 26(57 0・32・.7... 87‑88 io(o). .串 長 ・支店長...取. 1. 94(25) 4. 締役 99‑00 5. z. 2つ... 95‑96. 24. 童̲・i一. ・2. z. 18. 9」.4.. 93‑99. i. 3.\‑. z. 97‑98. 9. 7. 役 職( 最短 一最長). 4...'=2.5=2.. 1・5. 89‑94 6(0). 95‑02. ss‑oz. 14. 年 度(年. 4. 目). 昇進人数. 4.21314.0. 滞 留 ・退 出. 出所:.『 会 社 職 員 録 」 各 年度 版 よ り作成.. ②1965年. 大 卒 入 社 者 の 昇 進 構 造.. 表2は1965年. に 大 学 卒 業 後T社. (「.キャ リ ア ツ'1‑1965」)で 確 率.は約96%と. に 入 社 し、..'「 課 長.・.皮社 長 」 に 昇 進 し た 者 の キ ャ リ ア ツ.リー. あ る 。.表2で. は.「課 長 ・支 社 長 」.か ら 「 次 長 ・副 参 与 」 へ の 昇 進. 高 い 確 率 と な っ て い:る.。ま.た〜 「次 長 ・副 参 与 」 昇 進 時 の 激 しい リ タ ー ン マ. ッ.チも:確認 す る こ と が で き る が 、.「 次 長 ・副 参 与 」.昇進 以 降 は ζ の よ う.な.激.しい 入 れ 替 え は 確 認 で き な い.。 、以 降.の リ タ ー ン マ ッ チ.は..£..:基 本 的 に.勤続:21一一24年.目 ま で に 「 次 長 ・副 参 与 」..に 昇 進 し た 者 を 対 象 と し て お り 、 適 用 者 も2名 の み と な っ て い る 。 さ ら に 、 勤 続23年 副 参 与 」 に 勤 続21年. 目以 降 に 一22年. 「 次 長 ・副 参 与 」 に 昇 進 し た 者 の 滞 留 が 非 常 に 多 く 、 「次 長 ・. 目 に 昇 進 し だ:.グ ル 「 プ が 約93%(29名. 長 ・支 店 長 」 に 昇 進 し て い る の に 対 し 、 次 い で 勤 続23年 し た グ ル ー プ で は 約39%(18名 (.14.名 中2名 1965年. 中7名):. 〉、 そ れ 以 降 で は0%と. .勤 続25年. 一一24年 目 に. 中27名)の. 確率 で. 「部. 「 次 長 ・副 参 与 」 に 昇 進. ヶ.:・26… 年:目〔 に:昇進..した グ ル 邑 ブ で は 約14.%. 急 激 に 昇.進 確 率 が 低 下 し て い る.。 こ.れ ら の 乙 と か ら 、. 大 卒.入社 者 の 昇 進 構 造 で は 、 激 し い 入 れ 替 え を 伴 っ た .「 次 長.≒.副参 与 」..昇進 に お け る. 昇 進 ス ピ ー .ドが 以 降 の 昇 進 に 対 して 重 要 な 影 響 を 与 え:てい る と 考 え られ.る。. ま た 、.最.も.退出 者 が 発 生 し て い る の は 退 出:レた.10 .名が. 「 次 長 ・副 参.与 」 在 籍 時 の 段 階 で.あ る が.(10名):. .、. 「 次 長...・ 副 参.与」.に勤 続26年.目.ま で に 昇 進 して い.たの に 対:し.〜.それ よ り..「 次. 長 ・副 参 与 」..昇進 ス ピ ー ドが 遅 い 者 の 退 出 は ゼ ロ.で.あつ た 、・.・. ③1970年 1970年. 大卒入社者の昇進構造 大 卒 入 社 者 の キ ャ り.アツ リ ー.(「 キ ャ リ ア ツ リ}.1.970」)か. れ る 。 ま ず 、 勤 続17.年 与Jに. .ら.は以 下 の こ と.が読 み 取. 目 ま で に 「課 長 ・支 社 長 」 に 昇 進 し て い れ ば90%以. 昇 進 で き る一 方 、 勤 続18年. 一19年. 目 に 昇 進 し.た者(ツ. 一ss一. リー 上 の. 上. .「 次 長 ・副 参. 「課 長...・ 支 社 長 」 第3.

(8) 大手損害保険.会社 に:お.け..る 管理職昇進構造 とその変化. グル ー プ)の 昇 進 確 率 は40%、.そ れ よ.り遅 い者 め昇 進確 率 は0%で. 次 に・「 部長 ・支 店長」 に羅 に昇進 してい鮒 者(勤. 続21年. 軽. ⑳'に は・聴. れば 蝉"認. 目.).の う.ち約79%の. 汚獅. あ る。. で 幽 続25年 自ま寧.「 次長 ・副参与」. る・ 舐.恥. 連く 「 雑1.ョ11 .参与」 に昇 進 した. 者 が.凸「 部 長・ 雪支 店 長 ⊥.に昇 進 し ぐ..深い で 勤 続22年. 一 一23年. 昆響 鞭 瓢 撒 錨 、;甑 毒 器膿 驚 即 叫 勤 続24年 〜 さらに・「 部長'.苅 長」に群1セ .醜 各中・..罫轡 に昇進したr.苅 長」第1勿1マ.ズ出身静 物. ミ瞬 咳 社年μ ・勤続・5年目 ており・ ..款 髄 の役職への昇. 進 と そ の年 次 を 示 す 、 ツ リー皐g〜朱 印(ρ多 くが 下 を 吻 駐 て ㌣ る一 寿 で 、 リ ター ン マ ッチ を示. す 「 矢印の交差」.はぽ とん ど擁. しな・'・晒. ・ :1課無. 支脹. 」..羅 ・ピー ・のその後・. 昇 進 へ の 影 響 力 は か な り大 きい と考 え られ る。 最 後 に 、退 出 者 の 傾 向 につ い て は 、 「課 長 ・支 社 長 」 昇 進 以 降 に 退 出 して.いる者 が27名 存 在 す るが 、 その 内 訳 は 「部 長 ・支店 長 」 で 退 出 した 者 が6名 く.「 次 長.・副 参 与 」..で 退 出..し た者 .が11名 、.「 課 長 ・支社 長 」 で退 出 しだ者 が.10.名で あ つ.た。 そ して.、「課 長 ・支 社 長 」.で退 出 し .た10名 中、7名 がr長. ・支 社 長̀J.:第iグ ル ≒ プ か ら.3..年 以 上 遅 れ た 、.勤続18年 一25年 目 に. 昇 進 した グ ル ー.プに属.して い.… た.のに 対.し..1「 次 長:.・ 副 参 与.Jで 退 出 し.た11名 中 、.8名が 勤 続 £1年 ん23年 目 に 昇 進 した昇 進 ス ピ門.ドめ 速 い グ ル ープ に 属 しで し..、 る な ど、 「次 長 ・.副 参 与」 昇 進 以降 は一 定.以上 昇 進 が遅.れた者 ほ ど退 出 せ ず=に.滞 留..し.、 企 業 の 中 に留 ま る傾 向 に あ る∴.. 5.考. 察... 5.両.1.1.∴ 仮 説 お よ び 先 行 研 究 と..の比 較.に よ る 検.証... .以下 で は ㍉..既述.の 分 析.に 基 づ い て 仮 説 め 検 証 と先 行 研 究 と の比 較 を 通 じ て 、T社. の 昇進構. 造.と そ の 変 化 を 考 察 す る こ と と す る6 ま ず 、 仮 説 ① に つ い:ては.、:rキ:.ヤりア.ツ リ.盆.ユ960上 で.は.「課 長 ・...支 社 長 」 昇 進 ス.ピ 』 ド.に よ る そ の 後:の.昇進 べ め 影 響 ば ほ と ん.ど:ない 、 之.い う結 果 が 得 ら れ た よ.また 、 「キ ゼ リ ァ.ッ リ ー 1965」.で.は.lb..「 課 長.1・支 社 長 」..昇進 ズ:「 ピ 』.ド.に関.して.は 強 い 影 響 力.は な い が 、 「次 長 …・副 参 与 」 昇 進 ス ピ ー ドが そ の 後 の 昇 進 に 極 め て 重 要 で あ..る 〜..と.い.う こ と が 分 か つ た 。.き..ら に 」 「キ ャ...リ ア ツ リ ー1970」. で は 最 も重 要 な の は. 「 課 長 ・支 社 長 」 に 第1グ. ル ー プ(勤. 続15年. 目)で. 昇進. す る こ とで あ り、 「 課 長 ・支 社 長 」 昇 進 時 の 遅 れ を 後 に 取 り戻 す ご と.が非 常.1ヒ.困 難 で.あ.る、....と い う 結 果 が 得 ら れ た 。..し.た が.つて.」..仮 説 ① は 「キ ャ リ.アツ.iJ‑1970!に 次 に.、.仮説 ② に つ い て.は、 「キ ャ.リア ツ リ.一1900」.で. よ.ら:てめ み 支 持 され た 。. は キ ャ リ'.ア の 最 終 段 階 に 入 っ て も/リ. タ.Lン.》 ッ チ が 存 在 し 、適 用 さ れ る..範囲.も広 い の.が.特徴 で あ.る。..とく に 「次 長 ・副 参 与 」 昇. 一66一. 一一.

(9) 大r損 害保険会社.に.お け る管理職昇進構造.とその変化. 進 時 に は 激 し い 入 れ 替 え が 行 わ れ て い る 。 こ め 場 合.、.昇進 ス.ピ「.ドの 速 い 者.も 最 後 ま で 逆 転 さ れ る.可能 性 が.あり 、 ま.た.ス.ピー.ドの 遅 い 者 も..「 敗 者 復 活 」 の 可 能 性 が あ.る.ため に 、 イ ン セ ン テ.イ ブ ・メ カ ニ ズ ム と し て.の機.能.は か な.り大:き い と 考:え ら れ る 。 ま た \ 「キ ャ リ ァ ツ リ 』 1965」. では. 「次 長 ・副 参 与 」 昇 進 時 ま で は 激 し い 入 れ 替 え が 発 生 し て い る が 、 そ れ 以 降 は リ. タ ー..ン.ヤッ チ の 回 数 も 対 象 人 数 も 非 常 に 少 な い .。 ど.くに..=「 次 長 ド副 参 与 」.にお け る 第1グ 戸 プ と.それ 以 外 の.グル ー プ と の. ル. 「部 長 .・.支店:長」 昇 進 確 率 の 格 差 が 非:常.に大 き く 、 先 頭 集 団. 以 外 の 者 に 対 す る モ チ ベ.一 シ ョ ン.維持 の.点.で疑 問.の残 る 特 徴.と.いえ る ポ そ し て. 「キ ャ リ ア ッ. .リー...1970」で は 、 上 位 の 役 職 へ の 昇 進.と そ..の 年 次..を.示 す 矢 印 の.多.ぐ..が 、.ま る.で.「ふ る い 」 に か:け ら れ る よ う に 下 を 向 い て い.る二 方 で ㍉.リ.タ.「ン.マ...ヅ チ は.ほ.とん.ど皆 無 で あ る 。 し た が っ て.」 「キ ャ.リ ア ツ リ ー1970」. に つ い て は 、..リ 「.タ".ン.マヅ チ の 効 果 は 極 め て 限 定 的 な も の.で あ. る と 考 え られ る 。 最 後 に仮 説 ③ につ い て は 、 まず. 「キ ャ リ ア ツ リ ー1960」. で は. 「 部 長 ・支 店 長 」 昇 進 前 の 退. 出 者 が ほ と ん ど存 在 せ ず 、 仮 説 ③ を 支 持 し な い ぶ 次 に.r.キ 章 リ=ゲツ リ ー1965.で 者 が 発 生.し て.い る の は. は最 も退 出. 「 次 長 ・副 参 与 」 在 籍 時 の 段 階 で あ る が.=.(全10.名 〉、 退 出 し た10名. 「次 長.・ 副 参.与 」 に 勤 続26年. 目 ま で に 昇 進.し.2iた. が. の に 対.しぐ.それ よ り.「次 長 ・副 参 与 」 昇. 進 ス ピ ー ドが 遅 い 者 の 退 出 は ゼ ロ で あ っ た 。 ま た. 「キ ャ リ ア ツ リ ー1970」. で は 、 「課 長 ・支. ..社:長」 昇 進 以 降 、 「部 長 ・.支店 長 」 に:昇進 す る前.に.退 出:して い る 者 が.21名 い た が 、 こ の う ち 昇 進 ス.ピ ー ド別 で 最 も 多 く の 退 出 者 が 出.て.いる の は1「 次 長 ・::副 参 与 」 昇 進.に お い て 第1グ 1」.プに 次 い で 昇 進 ス ピ ー ドの 速 い.、..勤 続22年. 〜23年. ル. 目 に 昇 進 し た.グル 泌 プ か らで あ つ た(24. 名 中..7名退 出 〉、:.・ 一 方 、r次 長 ・副 参 与 」 昇 進 以.降.はむ し.ろ昇 進 が 遅.れ て.い=る者 ほ.ど退.出 せ ず .に滞 留 し 畜 企 業.の 中 に 留 ま る 傾 向 に あ る.。 以.上 の.こ.:と..か.ら 」 課長・ ・支 社 長 」 昇 進 以 降 、.1965年 お よ びig70:年 大 卒 入 社 者 に.つい て=は.、 :「.部 長 ・..支 店 長 ⊥...昇進 競 争 の 最 終 局 面 で.あ.る・.r次 長=・副 参 与J選 終 的 に.敗れ た 者 か ら 多 く退 出 者 がmる.こ. 抜.ま で 勝 ち.残 り な.がち も ◎ 最. と.、..一 方.で・..一 定 以.ヒ昇 進 の 遅 れ た.:者.ぼど退 出 で.はな.く. 滞 留 を 選 択 す る 傾 向 に あ る こ と が 分 か つ た 。...し た が づ.て、 仮.説③ は い ず れ の キ.ヤ り ア ヅ リ..一:も 支 持 し な い と い う結 果 と な っ た 。 ち な み に こ の 結 果 は 上 原(2003)に ・作 業:仮 説.の検 証 に よ.る各 キ ャ.リア ツ リ ー の 分 析 か.ら. 近 い 結 果 と な って い.る6. 、..各入 社 年 次 の 昇 進 構 造 は.多 く の 点 で. 異 な る特 徴 を 有.し て い.る.::こ と が 明.ら か と な っ た が 、 こ れ を 先 行 研 究 と 比 較 す る.と..ど の よ.う.な こ と が い え る だ ろ う か 。 ま ず 、 「キ ャ リ ア ッ リー1960」. に つ い.て は 、 花 田(1987)が. み度昇. .進に 遅 れ た と して も 、.はつ.き り..とし た 敗 者 復 活 の.道が.用意 さ..れ て い.る と し た ぐ 「 革 新 的企 業 」 の 昇 進 構 造 に 酷 似 し.てい る 。 一 方 、.1.「.キ ャ..り.ア.ツ.9一.1970」・.につ い て は.、や:.は:り 花 田.・.(1.987) が:「勝 者.を選 別.して い る の で は な く 、;.むし ろ 敗.者 を 選 別.し て い.る」 と し た 、 敗 者 弁 別 型 の 「 伝 統 的 保 守 企 業 」.の昇 進 構 造 や 竹 内.'(1996)が. 示 し た 「課 長 職T.で 第3選. 抜 まで に 入 ら ない. 者 は 以 後 の 昇.進.がな いJ、 大 手 金.融 保 険 会 社 の ケ ー ス に 近 い 』 ま た.「キ ャ リ ア ツ リ ー1965」. 一67一. 一.

(10) 大手損害保険会社.にお ける管理職 昇進構造 とその変化. につ.いて は 、 次 長 ク ラ ス昇 進 まで は.「革 新.的企 業 」 に 、.以降.は 「 伝 統 的 保 守 企 業 」..に 近いと い う、 い わ ば 折 半 型 と もい.え.る 特 徴.を有 して い る6し.た が っ て 、先 行 研 究 との 比 較 の 点 か ら も、 本 稿 の3つ の キ ャ.リア.ツリ ー は周 一 企 業 の もの で あ る に もか か わ ら.ず、 昇 進 構 造 と して 異 な る.特徴 を示 して い る と考 え.られ る。.. た だ.し、 各 キ ャ リア ツ リ ーに.共通 性.がま っ た く な い.わけで.はな い.。.たと えば 、 次 長 ク ラ ス に.は.先 頭 集 団 で勤 続21年.目 、:、.最 も遅 い者.で33.年目.に昇 進iして い る.など、 各 キ ャ リア ツ リー は 各.役職 に 最 も速 く昇 進 した 者 と.最.も 遅.く昇 進 .した.者の.勤続 年 数 が ほ ぼ 共 通 して お り、 各 投 職 へ の昇 進 が 可 能 と な る勤 続 年 数 や 滞 留 年 数 を規 定 す る人 事 制 度 と そ の 運 用 とい う重 要 な点 に つ い て 、 昇 進 構 造 と して一 定 の 共 通 性 を示 して い る.。1こ の こ とか ら、T社 の昇 進 構 造 の 特 徴 が変 化 して い る と い っ て も 、 その 変 化 は無 原 則 な もの で は な く、一 定 の ル ール 、 原 則 に基 づ い て い る と考 え られ る。. 5‑2.昇. 進 構 造 の 変 化 と 昇 進 確 率 の 低 下:1..... 既 述 の 分 析 か ら 、T社. の 各 入 社 年 次 の.昇進 構 造 は 多 く の 点 で 異 な る 特 徴 を 持.っ て い る こ と. が 明 ら か と な つ た が 、 そ の 結 果 と.:し て.、...各 役 職 へ の 全 体 的 な 昇 進 確 率 は ど の よ う.に変 化 し た の だ ろ うか 。 こ の 点 に つ い て 、T社. の.社史..(1982>..llに記 載 さ,れ:た.各年 次 の 大 卒 入 社 者 か ら 「 次 長 ・副 参. 与 」 に 昇 進 し た 者 の 比 率 は 、.1.そ れ ぞれ. 「1960.年 入 社 ≒89'29%(28名. 中25名)」.、 「1965年 入. :社=.88.16%(76名. 中67名..)」、;f.197⑪年 入 社.ニ70.97%...(93.名 中66.名 〉」.とな っ て お り 、1970 .年入 社 者 に お け る 昇 進 確 率 の 低 下 傾nが 確 認 で き .る。 さ.らに 、.最終 的r「 部 長 ・支 店 長 」.ま で 到 達 し た 者 の 比 率 は 、 「1960年 入 社=67.86%(2.8名 (76名 中36.名)」 、 「1970.年 入 社 壽.35.48%.(93名 れ た(各. 中.1.9.名.〉 」:、「1965.年 入 社=47137%. 中:.33名 〉」.と激 し い 昇 進 確 率 の 低 下 が 確 認 さ. キ ャ リ ア..ツリ.一参 照 う。 す な わ ち 、1960:年 大.卒 入 社 者.が 「 部 長:・ 支 店 長 」..昇進.時期. を 迎.え た80.年 代 ど1965年. 大 卒.入社 者 お よ び197⑪ 年 大 卒 入 社 者 が.・「部 長 」=支店 長 」 昇 進 時 期. を 迎 え た.90年 代.の約10年. 間 の 間 に 、T社. で は 部 長 ク:ラス ペ の 昇 進 確 率 が 大 幅 に低 下 し た こ.と. が 明 ら か.とな っ た 。... そ.れで.は〜 なぜ こ の よ.うな 従 業 員 の モ チ ベ ー シ ョ.ンに 大 き な 影 響 を 与 え かね な い 急 激 な 昇 進 確 率 の 低 下 庶 ・.「.キ ャ リ ァ ツ リ.一1965」. に 象 徴 的 な.「部 長 」 支 店 長.」昇 進 に.お け.る厳 し い. 絞 込 み が90.年 代 に 集.中 して 現 れ た の だ ろ.うか 。. .い.く つ..かの 理 由 が 考 え られ る.が、 そ..の.う.ち ど ぐ に 重 要 と 思 わ れ る.のは 大 卒 採 用 者 の 急 増 (.r.同 期 入 社 の 増 加 〉、 バ ブ ル 崩 壊 後 に お け る組 織 拡 大 の 停 滞 に 伴:う.ポス ト.不足 で.あ る 』T社 の 社.史.〈1982)に 93名(う. よ れ ば 、T社. ち 女 性.1名.)で. の.1:960年 、.65年 、.70年 の 大 卒 入 社 者 は そ..れそ れ28.名 、.76名.、. あ っ.た:。つ ま り 、 約10年. の 間 に 採 用 者 数 は 約3倍. に 膨 れ .上が.う た 。. し た が っ て 、 「部 長 ・.支店 長 」 に 昇 進 で き る 者 の 比 率 を 維 持 す る た め に は 、 用 意 され る 管 理 職. 一・ 一68一.

(11) .大手損害保険会社 における管理職 昇進構 造 とその変化. ポ ス トもこれ に比例 して増 えて い な けれ ば な らな い。 この 点 に つ い て 、有 価 証 券 報 告 書 を 基 に.T社 の 各 年 度 の 従 業 員 の 人 数 、 平 均 年 齢 、.T均 勤 続 年 数 の 推 移 を確 認 した と こ ろ 、80年 代 後 半 か ら90年 代 前 半 に お い て 急 激 に 従 業 員 が増 加 .し、.その後 、従 業 員 数 が減 少 に 転.Lる 中 で 、 従 業 員.の平 均 年 齢 と平 均 勤 続 年 数 が上 昇 傾 向 に あ っ た こ とが明 らか と な つた 。 また 、.『 会 社 職 員 録 』 を基.に84年 、90年 、96年 、2002年 の 管 理 職(層)数. を確 認 した と こ ろ(役 員 を 除 く)、90年 代 に お い て 管 理 職 比 率 が 横 ば い 、若 し. く は.やや 微 増 傾 向 に あ っ た こ とが 明 らか とな っ た(グ. ラ フ1参 照)。. 一 方 乱....人 事 施 策 に よ る変 革 の 影 響 につ い て は 、社.史お よび 『会社 職 員 録 』 を確 認 した限 り、 管 理 職 比 率 に:大きな影 響 を与 え得 る よ う な 、90年 代 に お け る大 規 模 な組 織 改 編 や管 理 職 の 中 抜 き ・フ ラ ッ ト化 な どは 確 認 で きな か った(6)。 また く キ ャ リ ア ツ リ ー に よ る分 析 に お い て も、各 役 職 へ の 昇 進 が可 能 と な る勤 続 年 数 や 滞 留 年 数 に.つい て.、一 定 の 共 通 性 が確 認 され た こ とか ら、.90年代 に お け る部 長 ク ラ ス昇 進確 率 の低 下.は、 こ.の時 期 に部 長 ク ラス昇 進 を迎 え た 世 代 に お け る同 期 入.社者 の 増 加 と業 績 悪化 に伴 う組 織 拡 大 の 停 滞 に よ る管 理 職 ポ ス ト不足 が 主 た る原 因 で あ り、 人 事 施 策 に よ る影 響 は.そ.の.よ うな変 化 の 中 で の(管. 理職比率の抑 制 を. 目的..とした)昇 進 ・昇 格 基 準 の 厳 格 化 どい う副 次 的 な もの.であ つ た と考 え られ る。. グ ラ フ1T社. に お け る従 業.員状 況 の変 遷 AS. 16000 瀦 一一 渦̀曲.帯'博 ノY"'Y...̲̲. 14000. 、、.. 40 "'%. /. 92000 .. ioooa. 騨'. /y ,盟 ・.・ 噛 、.ノ. ,「.愈i「. .. '㌔ 黙 \..蟻. 職.イ. 函睡 置管 理 職 数 35「.....従 業 員数 一今一平 均 年 齢 ㍉ ← 平均勤続年数. 30. 蛍. 25 人 数8000. 20. 年. 6000. 15 4000. is. 2000. .9%、. 122%13.3%14.3110. 5 0. 0. 縛ぶ評ぷ囲ぷ縛調ぶ譜紳誹紳ぷぷ譜調ドず評 年度 出所:有 価 証券 報告書および.『会社職 員録」 より作成. ..τ... 一89一..

(12) 大 手損害保険会社 におけ る管理職昇進構造 とその変化. ..6..ま. とめ. 以.上、 キ ャ.リア ツ ワ由 を描 く こ と に よ.ってT社 のiL4と. そ の 変 化 につ い て分 析 を行 っ. た 。 そ の 結 果 、 い くつ か の こ.とが 明.らか と な っ.た.と同時 に 、.今後 の 課 題 につ い て も明 らか.と な つた 。 まず 、本 稿 で描 い た 異 な る.入社 年 次 の キ ャ リア ッ リ.一は 、.作業 仮 説 の 検 証 お よび 先 行 研 究 との 比 較 に よ り、企 業 の 昇 進 構 造 が少 な く と も5年 程 度 の短 い スパ ン の 中 で そ.の特 徴 を一 定 の 範 囲 で 変 化 させ得 る こ と を明.らか.にした6.こ の 結 果 は て.キャ リア ツ リ ー を用 い た先 行 研 究 の 多 く にみ られ る 、 ひ とつ の 入 社 年 次 の キ ャ リア.ツリ.一.を 分 析 .する こ とに よ うて 、 特 定 企 業 の 昇 進 構 造 を検 証 ・規 定 す る手 法 で は 明 ら か に さ.れな.かっ た点 で あ る。 ま た 、.今田6平. 田. (1995).の よ うな長 期 間 に渡 る人 事 デ ー タ:.を 用..い}た 先:行研 究 に.つい て も、 そ こで 明 らか に され た 昇 進 構 造 に 関 す る全 体 的 な 枠 組 疾...ル藁ル の 範 囲 内.で、.実際 の 昇 進 構 造 は そ の特 徴 を変 化 させ て い る可 能 性 が高 い こ と を本 稿 の 分析 結 果 は.示唆 し.てし .こ る。 ま た 、 この よ う な急 激 と も い.える昇 進 構.造の 変 化 につ い で は 、.昇進 の 遅 れ た者 の モ チベL シ ョン維 持 な ど の点 で疑 問 が残 っ た が 、 さ ら に結 果 と して90年 代 に 「部 長 ・支店 長」 へ の 昇 進 確 率 を大 幅 に低 下 させ で.い.たこ..と.が.明..ら.力 季と...な っ:た。:.そし..て.、:そ の 原 因 と して は大 卒 採 用 者 の 増 加 と不 況 に よ る組 織 拡 大 の停 滞 に よ る影 響 の 町 能 性 が 推 測 され た 。. 丁:な 脚 継 課題も多〜'適 ζ棋 騨 ③の結果についτは課 長クラ・昇進以前腿 出煮蝉 ・あるいは課長クラス昇進以降ゐ退出者唄 体的噂 ついて・.関 係者柳 檸 td聞 き 聖 やを進 め て い く必 要 が あ ろ う。 ま た 、 本 稿 で はわ ず か1社 の 分 析 に留 ま っ 々 炉 、 今 後 は分 析 の 対 象 を.T社 の 同 業 他 社 、 あ る い は 他 業 種 とい っ た形 で広 げ 、 日本 企 業 に お け る昇 進 構 造 の 実 態 にづ い.て、 よ り研 究 を進 め て い き た い と考 え る 。. 【注 】 (/;. 本稿 では・嘩 の劫. 〔z;. 騨. ニズ ム」 と離. 竹 内(1995)は. とい?腸. に?taZ,r組m・. や ける鐸. 騨 ・噸. 的御. で ・ ・昇進. し・..以.肋議謙 準 め るρ.. 大 手金 融 保 険業A社 の 人 事 カ ー ドを用 い て1966年. と1975年 の 大 卒入 社 者 の キ ャ リア. ツ リー を描 い て い るが 、両 者 を 比 較 す る に は 分 析 の 期 間 が 異 な つ.てい る と い う..問 題 が ある. 。 また、. そ も そ も論 文 のA的 が 昇 進構 造 の変 化の 分 析 に は 置 か れ て い な い. (o;. 昇 進 構 造 に つ い て の 先 行 研 究 と し て は 、 既 述 の 研 究 の ほ か に 、 ア メ リ カ企 業 の デ ー タ を 用 い た Abraham&Medoff(1985)、. 金融 機 関 を分 析 対 象 と した 冨 田(1992). 業 を 分析 対 象 と した大r,(1995)、. 、 エ レ ベ ー タ保 守 サ ー ビ ス企. 本 稿 と同 じ大 手 損 保 な ど を分析 対 象 と した野 田(1995>な. どの 勤. 続 年 数 や 資 格 、査 定結 果 な ど が昇 進 に与 え る影 響 を 分析 した研 究 、電 気機 器 製 造 業 の デ ー タ を用 い. 一70一..

(13) 大.手損害保険会社 にお ける管理職 昇進構造 とその変化. て 、 平 行 的 移動 に よ る事 実 上 の 選 抜 が 行 わ れ て い る可 能性 を示 した松 繁(1995)、. 大 手製 薬 会 社 の 営. 業 職 を.分析 対 象 と して 、 「お そ い 選 抜 」 以前 に.1.仕事 序 列 競 争 」.が行 われ て.いる こ.と:を 示 した 梅 崎 (1999)な. どの企 業 組 織 内の 平 行 的移 動(配 置 転 換 な ど)と.垂 直 的.移動 で あ る昇 進 と の 関 係 性 を分析. した研 究 な どが存 在 す る が1い ず れ も本 稿 の 分析 対 象 で は な い の で 詳 し.くは 取 り上 げ な い。 〔4〕花 田(1989)は. 課 長 第2次 選 抜 ま で に入 れ な か った 者 の 離 職 率 が 高 い こ とを 、 花 田...( .1987>も 昇 進. が遅 い 者 ほ ど退 出す る確 率 が 高 い ケ ー ス が あ っ た こ.とを 報 告 して い る 。 ま た 阿 部..(1995)で. は、昇. 進 が 遅 い者 は滞 留 で は な く出 向 す る傾 向 に あ る こ とがTさ.れ て い る。 一 方 、.上原(2003)は. 分析対. 象.の大.手銀 行3社 と も に仮 説 ③ を 支持 せ ず 、 上 位 役 職 昇 進 者 や 要 職 経 験 者 か ら 多 くの 退 職 者 が 出 て い る こ と を報 告 して い る。 (5;T社. の 社 史(1982>(2005)に. よれ ばT社 は1968年 よ.り職 能 資格.制度を 導 入 .して い る.キ ャ.リァ ツ リ. ー の 役 職 区 分 に登 場 す る 「副 参 与 」 は 、.S8.年.の 制 度 改 定 に よ.る職 能 資 格 制 度 上 の 呼 称 で あ る が 、.社 史 の 記 述 お よび 該 当者 の 「副 参 与 」 昇 格 前 後 の 動 きか ら.次長 ク ラ.スに 対 応 す る資 格 と した。 (6;T社. の 社 史(正982)(2005)に. .系列. よ れ ば 、1968年 の 職能 資 格 制度 導 入 以 降 、T社 で は 事 務 系社 員 を管 理. 、 総 合 系 列 、 一 般 系 列 の3系 列 に 分 け る 新;職能 資 格 制 度 へ.の移 行(1988)、. (1997)、 複 線 型 人 事 制 度 の導 入(2000)、 割 等 級 制 度 導 入(2004)な. 理 事制 度の 改定. コ.ジ.ぜ.テ.ン シ.一.の 導 入.(2001>.、.職能 資 格 制 度 の廃 止 と役. どの 制 度 改 定 が 行.われて い.る.が 、.90.年代 に(Jけ る課 長 ク ラ ス以 上 の 職 位. に つ い て の 中抜 き、 フ ラ ッ ト化 な どは 行:われ て い な い6.. 【参 考 文 献 】 阿部健. 「事 務 系 ホ ワ イ トカ ラ ー の 企 業 内.異 動 一 大 企 業A社. の 事 例 .}『 日 本 労 働 研 究 雑 誌 』(isss)No.426,. pp.30‑39. Abraham,K.G.andMedoff,J.M,"LengthofSeryiceandPromotioninUnionandNonunionWork Group,"IndustrialandLaborRelationsReview(April3955),Vol,38.No,3.pp.408‑420. 花 田.光.L「 人 事 制 度 に お け る 競 争 原 理 の 実 態 一 昇 進 ・昇 格 の シ ス テ ム か ら み たH本. 企 業 の 人 事 戦 略 」 『組. 織 科 学 』(1987>Vol.21,No.2,PP49‑53 今 田幸 子. ・平 田 周....・ 『ホ ワ イ トカ ラ ー の 昇 進 構 造 」(日 本 労 働 研 究 機 構,1995)。. 小 池 和 男 編r大 神 代 和欣. 卒 ホ ワ イ トカ ラ ー の.人材 開 発 』(東 洋 経 済 新 報 社,1991)。. ・桑 原 靖 夫 編. 松 繁 寿 和r電. 機B社. 発研究所編 守 島基博 第50巻. 『現 代 ホ ワ イ ト カ ラ ー の 労 働 問 題 』(日 本 労 働 協 会,isaa)。. 大 卒.男 子 従 業 員 の 勤 続10年. まで の 異 動 と その 後 の 昇進 」 橘 木 俊 詔. ・連 合 総 合 生 活 開. 『「昇 進 」 の 経 済 学 」(東 洋 経 済 新 報 社,1995a)第7章,PP153‑177。. 「ホ ワ.イ トカ ラ ー イ ン セ ン テ ィ ブ ・ シ ス テ ム の 変 化 と 過 程 の 公 平 性 」1社. 会 科 学 研 究 』(isss). ・第3号,pp.81‑99。. 日本 労働 研 究 機 構. 『大 卒 社 員 の 初 期 キ ャ リ ア 管 理 に 関 す る 調 査 研 究 報 告 書 一 大 卒 社 員 の 採 用 ・配 置 ・異. 動 ・定 着 』(日 本 労 働 研 究 機 構,1993a)。 日 本 労 働 研 究 機 構r大. 企 業 ホ ワ イ トカ ラ ー の 異 動 と 昇 進 一. 「ホ ワ イ ト カ ラ ー一の 企 業 内 配 置 ・昇 進 に 関 す. る 実 態 調 査 」 結 果 報 告 』(目 本 労 働 研 究 機 構,1.9936)。 日 本 労 働 研 究 機 構1ホ 日本 労 働 研 究 機 構. ワ イ トカ ラ ー の 人 事 管 理 』(日 本 労 働 研 究 機 構,1995)。 『管 理 職 層 の 雇 用 管 理 シ ス テ ム に 関 す る 総 合 的 研 究(1.)』(日. 71一. 本 労 働 研 究 機 構,.

(14) 大手損害保険会社 における管理 職昇進構造 とその変化. 1997>。.. 日本 労 働 研 究機 構. 『国 際 比 較:大. 卒 ホ ワ イ ト カ ラ ー の 人 材 開 発 ・雇 用 シ ス テ ム ー 日 ,米1.独. の 大 企 業(2). ア ン ケ → ト調 査 編 』.(日 本 労 働 研 究 機 構,1998)。 西山昭彦. 「大 企 業 ホ ワ イ トカ ラr.の 最 終 キ ャ.リ ア ーA社. に お け る 最 終 選 抜 」r日 本 労 働 研 究 機 構 』(1999). No.464,pp.147‑1590 野 田知彦. 「会 社 役 員 の 昇 進 と 報 酬 決 定 」 橘 木 俊 詔 ・連 合総 合 生 活 開 発 研 究 所 編..『「昇 進 」 の 経 済 学 」(東. 洋 経 済 新 報 社,1995>第2意,PP,39.一60。. 大竹 文雄. .. 「査 定 と 勤 続 年 数 が 昇 格 に 与 え る 影 響 一 エ レ ベ ー タ.保守 サ ー ビ ス.会社 の ケ ー ス ー 」 『経 済 研 究 』. (1995,7)Vol.46,No.3,pp.241…245 Rosenbaum,JamesE,CareerMab31iCydoaCorpor「teHierarchy,(AcademicPress 白 井 泰 四 郎r現. 代 日 本 の 労 務 管 理.(第2版)』(東. ,1984).. 洋 経 済 新 報 社.,1992)、. 橘 木 俊 詔 ・連 合 総 合 生 活 開 発 研 究 所 編r「 昇 進 」.の 経 済 学 』 .(東 洋 経 済 新 報 社,1995>。 竹 内洋. 旧 本 の メ リ トク ラ シ ー 一 構 造 と.心性 』(東 京 大 学.出 版 会,1995)。. 冨田安信. 「昇 進 の し く み 」 橘 本 俊 詔 編. 『査 定...」 昇 進.》 賃 金 決 定1(有. 斐 閣,iss2)第3章. 上原克仁. 「大 手 銀 行 に お け る ホ ワ イ ト.カラ ー の 昇 進 構 造 一 キ ャ=リ ア ツ リ ー に よ る 長 期 昇 進 競 争 の 実 証 分. ,pp.49‑65。. 析 」 『日 本 労 働 研 究 雑 誌 」(2003)No,.519,PP.55‑72.... 梅 崎修. 「大 企 業 に お け る ホ ワ イ トカ ラ ー の 選 抜 と 昇 進 一 製 薬 企 業. '学』(1999)Vol 八 代 充 史1大. ・MRの. 事 例 研 究 一J『. 人阪 大学経 済. .49,pp,94‑108。. 企 業 ホ ワ イ トカ ラ ー の キ ャ リ アー 異 動 と 昇 進 の 実 証 分 析 』(目 本 労 働 研 究 機 構 ,1995)。. 【 使 用 デ ー タ1 ダ イ.ヤモ ン.ド社 『ダ イ.ヤモ ン ド会#f:職員.録1(各 年 度 版.). 一72. 一一.

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