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分岐器介在ロングレールの適用範囲の拡大

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Academic year: 2022

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(1)

分岐器介在ロングレールの適用範囲の拡大

(財)鉄道総合技術研究所  正会員 ○岩佐 裕一   (財)鉄道総合技術研究所  正会員  柳川 秀明   (財)鉄道総合技術研究所  正会員  片岡 宏夫

1.はじめに

 分岐器が連続して介在する場合のロングレール化については、その照査方法と敷設条件が明確になっていな いため、具体的な実施例がほとんどない。そこで、分岐器が連続して介在する場合のロングレール軸力を評価 するための有限要素法を活用した解析手法を提案した。また、有道床軌道のロングレール区間で現地試験を実 施し(図1)、解析手法の検証を行った。以下にその概要を報告する。

2.現地測定試験

 現地試験は、2組の分岐器が介在するロングレールの設定替えの作業終了 直後の夏季と秋季および冬季に行い、各時期毎に2日間にわたりレール軸力、

レールふく進量およびレール温度を測定した。なお、現地は基準線側のみの ロングレールである。測定項目と測点数を表1に示す。測定結果について、

レール温度を各測点の平均とし、夏季の最高レール温度到達時の8月4日 15 時 40 分、温度変化量+26.7℃の場合の軸力分布図を図2に、また、同日の 14 時のレールふく進量の分布図を図3に示す。なお、レールふく進量の正負は、

終点方への動きを正(+)とした。図中のレール軸力およびふく進量は、現 地試験箇所全体を構成するレール毎に分割し、そ

のうち2本のレールについて示した。また、図中 の解析値については、4節で述べることとする。

 夏季の最高レール温度到達時の2組の分岐器の ヒール部間のレール軸力は、通常のロングレール の不動区間における温度変化量+26.7℃に対する

レール軸力 402kN の 1.0〜1.2 倍程度となった。レールふく進量は、レール温度に伴い変化し、図3より8番 分岐器のヒール部 Y11 と Y12 の測点の結果を比較すると、隣合うレール同士のふく進量に差が生じていること が確認された。

3.有限要素解析(FEM)モデルの構築

 有限要素法(FEM)を用いた分岐器介在ロングレールの解析手法は、分岐器の種別や敷設位置、一般区間の 表1 測定項目と測点数

測定項目 記  号 測点数 測定位置 レール軸力 P 16 分岐器内および一般区間

16箇所 レール温度 T 3 分岐器内の3箇所 レールふく進量 Y 18 分岐器内および一般区間

18箇所 図1 現地試験実施箇所

8番分岐器

12 番分岐器

キーワード ロングレール、分岐器、レール軸力、道床横抵抗力、有限要素法

連絡先   〒185-8540 東京都国分寺市光町2-8-38 TEL042-573-7275 FAX042-573-7432 -8

-4 0 4 8

ルふく進量 (mm

レール軸力の測点 図2 レール軸力の分布図

12 番分岐器

レールふく進量の測点

図3 レールふく進量の分布図

起点方

解析値 測定値 P1 P3 P6 P8P10 P12 P13 P15

0 200 400 600 800

ル軸力(kN) 解析値 測定値

P1    P3,P6,P8,P10,P12  P13   P15

(圧縮)

Y1 Y3 Y5 Y9Y11 Y12 Y15 Y17

Y1  Y3,Y5,Y9,Y11  Y12,Y15      Y17 終点方

8 番分岐器

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-275- 4-138

(2)

レール長などの座標データおよびレール種別や道床抵抗 力などの軌道条件に基づき、温度変化に伴う各レール毎の レール軸力や伸縮量の計算を行うものである。レールは道 床抵抗力に相当する非線形ばねを介して固定点に接続す る。分岐器区間のモデル化は、レール長さ方向については まくらぎ自体をモデル化せず、併行するレールの節点間を 拘束ばね係数1)に相当する線形ばねで接続する。分岐器区 間の解析モデルを図4に示す。

4.現地測定試験の解析

 解析条件は現地試験箇所の条件に基づき表2の通りと し、ロングレールの不動区間に分岐器が介在することを想

定し、分岐器後端から十分遠方の位置を自由端とした。解析は、

夏季の最高レール温度到達時について行った。なお、分岐器区間 の道床抵抗力は図面に基づき、50N レール 12 番と8番片開き分岐 器の各まくらぎの寸法毎に道床抵抗力 2) を算出した。解析結果 は、図2に示すように、レール軸力の測定結果と多少の差はある ものの概ね合致し、解析手法の妥当性を確認した。レールふく進 量の解析値は、測定結果を全体的に下回った。特に8番分岐器の ヒール部の測点 Y12 の測定値が大きかった。これは、現地では犬 くぎ止めのために分岐タイプレートと分岐まくらぎの間に若干 の可動余裕が生じていたことと、締結部でレールが十分に締結さ れていないために拘束ばね係数が解析条件より小さかった ためと考えられる。

5.分岐器配置の組合せと解析

 有道床軌道で2組の分岐器が介在するロングレールにつ いて、図

5

に示す4通りの分岐器配置の場合の軸力解析を 実施した。ロングレールの敷設条件は、基準線側のみロン グレール、基準線および分岐線側ともにロングレールの2 ケースとし、分岐器がロングレールの不動区間にある場合 を想定した。解析の結果、通常のロングレールの不動区間 における温度変化量(Δt=35℃)に対するレール軸力 637kN に対して、基準線側のみロングレールの場合に最大で 1.32 倍、基準線および分岐線側ともにロングレールの場合に最 大で 1.39 倍となった(図6)。

6.おわりに

 分岐器が連続して介在する場合のロングレール軸力と伸 縮量の解析ができ、安全性を評価できることが明らかとな った。今後、個別のケースについて道床横抵抗力の条件や 対策工の検討を行う予定である。

参考文献

1)

三浦重、柳川秀明:ロングレールと一体化した分岐器のレール軸力特性、鉄道総研報告、Vol.3,No.1、1989.1

2)

佐藤吉彦、宮井徹:各種有道床まくらぎ軌道の道床横抵抗力とその特性、鉄道技術研究所速報、No.76‑150、1976.1

表2 解析条件

項 目

レール種別 50Nレール 解析モデル長さ 563 m

温度変化量 +26.7 2組の分岐器間の距離 0 m 一般区間のまくらぎ間隔 641 mm 分岐器区間のまくらぎ間隔 図面に基づく

一般区間の最終縦抵抗力 7.8 kN/m/レール 一般区間の最終横抵抗力 3.9 kN/m/レール

抵抗力の初期特性値 1 mm 一般区間の回転ばね定数 23800 N・m/rad

拘束ばね係数 6×104 kN/m

基準線側のみロング 基準線・分岐線側ともロング

0 200 400 600 800 1000

最大レル軸力 (kN

ケース

温度上昇量 35℃

637kN

図6 各ケースの最大レール軸力の計算結果   1      2      3      4

図5 連続する分岐器の配置 (c) ケース3 (d) ケース4

(b) ケース2 (a) ケース1

5m

図4 FEM の解析モデル    (分岐器区間のヒール部付近)

縦抵抗力に相当する非線形ばね 横抵抗力に相当する非線形ばね

ヒール部 ヒール部

拘束ばね 剛ばね

レール

(a) レール長さ方向

(b)

レール直角方向 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-276- 4-138

参照

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