• 検索結果がありません。

公共工事におけるリスク顕在化状況に関するアンケート結果について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "公共工事におけるリスク顕在化状況に関するアンケート結果について"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

公共工事におけるリスク顕在化状況に関するアンケート結果について

国土技術政策総合研究所 正会員 笛田 俊治,宮武 一郎,工藤 匡貴,横井 宏行 株式会社 建設技術研究所 正会員○馬場 一人,

1.はじめに

これまで国土交通省直轄工事では、設計施工分離を原則として設計図書(仕様書、図面、現場説明書及び現 場説明に対する質問回答書)に記載された仕様や施工条件と実際の工事現場に差異が生じた場合には、設計図 書と共に契約額や工期の変更を行うことを基本としてきた。この場合、現場条件の変更を伴わない任意施工は 受注者、それ以外については発注者がリスク負担することとなる。

しかしながら、近年では設計・施工一括発注方式、詳細設計付工事、一層の上流段階では PFI といった、入 札段階で詳細な図面等を提示しないことを前提とする入札・契約が適用されており、従前のリスク負担の考え 方が適切とは言えない状況も考えられる。本研究はこれらを背景として、顕在化しているリスクを把握し、各 入札・契約方式に適したリスク負担方法の検討にあたっての基礎資料とすることを目的としたものである。

2.研究方法

リスクの顕在化状況を正確に把握するには、設計から施工まで一連の生産プロセスを通じて工事費、工期の 変動を調査することが望ましい。また、リスクの顕在化確率を正確に把握するためにはリスクが顕在化しなか った事例も含めて網羅的に把握する必要があるが、本研究ではリスクの顕在化状況を網羅的に把握することを 目的に、設計段階については建設コンサルタント、施工段階については施工者・メーカーに対して、「工事費 若しくは工期が変更した事例」についてアンケート調査を実施した。調査の対象は、共同溝(シールド)、橋 梁、水門の3工種とし、その内、共同溝、橋梁の2工種について報告する。

3.リスク顕在化事例の調査結果

アンケートの結果、共同溝については 42 工事、92 のリスク顕在化事例、橋梁については 288 工事、375 の リスク顕在化事例のデータを収集した。

(1) プロセス別リスクの発現頻度

リスク要因とプロセスの関係は、図-1 に示すとおりである。共同溝(シールド)では、国、地方自治体と いった発注者の要請、公益事業者との協議、既設埋設物に関する変更が多くなっている。橋梁では、地質条件 についてプロセス段階と関係なくリスクが顕在化しており、上流工程で全てを対策することが困難であること を伺わせる。橋梁の社会条件については用地交渉を除きプロセスが進捗するに従ってリスクの顕在化頻度が低 下する傾向にある。また、設計段階では設計の合理化に向けた見直しが行われている。

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

地質条件 湧水・地 気象・海象 国・地方自治体と(河川協 公益事業者との参画 既設埋設物協 河川・鉄道管理者 育委員会と文化財協議 警察・公安委員会 関係機関とのそ他の協 地元との騒・振に関 地元との濁水に関する協 地元との井に関 地元とのその他の協 用地交渉 災害等の不可抗力 人為的ミス 法律・基準の改正 新技術・工の開 他工事との調 その

① 自然条件 ② 社会条件 ③ その他条件 ④そ

の他

ク顕在化割合

共同溝事業のリスク顕在化割合

共同溝基本計画 共同溝詳細設計 マシン等設計・製作中 施工中

0.0%

10.0%

20.0%

30.0%

40.0%

50.0%

60.0%

70.0%

80.0%

90.0%

100.0%

地質条件 湧水・地下水 気象・海象 国・地方自治体と協議(河川 公益事業者と 河川・鉄道管理者と 教育委員会と化財協 警察・公安委員会警察 関係機関とのの協 地元(住民)の騒音・振動に 地元(住民)関する協議 地元(漁業組)との 地元とのその他の協議 用地交渉 災害等の不可抗力 人為的ミス 法律・基準の改 新技術・工法の開発・合 下部工工事との調整・取 他工事(下部工除く)との調整・取 その

① 自然条件 ② 社会条件 ③ その他条件 ④ そ

の他

ク顕在化割合

橋梁事業のリスク顕在化割合

橋梁予備設計 橋梁詳細設計 承諾図書作成中 工場製作中 現場架設中

※顕在化割合は、「当該プロセスのリスク顕在化回答数÷当該プロセスの工事件数」で算出

図-1 リスク要因別・プロセス別のリスク顕在化割合 キーワード リスク、設計変更、入札・契約方式

連絡先 〒305-0804 茨城県つくば市旭1番地 国土技術政策総合研究所 TEL029-864-2211(代)

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑603‑

Ⅵ‑302

(2)

(2) プロセス別変更対象

各プロセスとリスク顕在化時に変更を行った対象の関係は、図-2 に示すとおりである。共同溝(シールド)

では、線形、立坑の位置・形状といった最終目的物に大きな影響を及ぼす変更は設計段階に多いが、施工段階 でも皆無ではない。橋梁でも施工段階において構造形式の見直しが若干発生している。なお、「その他」とし ては両工種で工程、橋梁では塗装、共同溝では残土・汚泥の処理との回答が多く見受けられた。

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

横断線形 外径 シールドマシン形 セグメン ない断面 等内部構築 位置 形状の変更 工法の変更 土留 施工 搬入搬

本体 立坑 仮設物 その他

変更割

プロセス別見直し対象:共同溝

設計段階 施工段階 合計

0%

20%

40%

60%

80%

100%

120%

橋長 径間 構造形 架設工 橋台橋脚 形式 構造寸 基礎工形 地滑 土留 仮締 施工ヤード 搬入搬出

上部工 下部工・基礎工 仮設物 その他

タイトル

プロセス別見直し対象:橋梁

設計段階 施工段階 合計

図-2 プロセス別の見直し対象

(3) リスク要因と工事費への影響

リスク要因と工事費の関係は、図-3 のとおりである。地質や国・自治体との協議による変更の場合、共同 溝・橋梁の双方で大きな影響を伴う場合がある。

‐10%

0%

10%

20%

30%

40%

50%

0 2 4 6 8 10 12 14 16 18 20

地質条件 湧水・地下 気象・海象 自治体の協議(河 公益事業者参画 既設埋設物協 河川・鉄との交差協議 教育委員会との文化 警察・公との警察協議 関係機関とのその協 の騒音・振関する… 地元濁水に関協議 地元に関する 地元とのそ 用地交渉 災害等不可抗力 人為ミス 法律・基の改 技術・工法の開 工事との調整 その

① 自然条件 ② 社会条件 ③ その他条件

動率(増金額÷初金額)

件数

工事費変動率:共同溝

件数 最大値 最小値 平均値

‐60%

‐40%

‐20%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

0 10 20 30 40 50 60 70

質条件 湧水・地下 気象・海 治体との協議(河 公益事業者と設物 河川・鉄道管理者との差協 教育委員会文化 警察・公安委員の警察協 関係機関と他の 地元(住民) 地元(住民)に関 地元漁業組)との協 その他の協議 地交渉 災害等の不可抗 人為的ミス 法律・基準の改 技術・工法の開 下部工工事と調整・取 工事(下部工除調 その

① 自然条

② 社会条件 ③ その他条件

動率(増減金額÷

件数

工事費変動率:橋梁

件数 最大値 最小値 平均

※工事費変動率は、「工事費の増減額÷当初工事費」として平均

図-3 リスク要因別の工事費への影響

(4) プロセスと工事費への影響

設計段階、施工段階別の工事費の変動率は、図-4 のとおりで ある。施工段階では、0~5%の範囲での工事費の変動を伴うも のが約 7 割と太宗を占めているが、設計段階ではより大きな工 事費の変動を伴うケースが認められる。なお、共同溝について は設計段階と施工段階に明確な相違は見られなかった。

4.まとめ

リスクの顕在化時の変更修正対象としては、設計段階では構造物の形式・位置・形状、施工段階では架設等 の工法、仮設物が多くなることを想定したが、必ずしもそのような結果は得られなかった。また、施工段階よ りも設計段階での変更は、工事費に大きな影響を与えると考えられたが、共同溝についてはそのような傾向は みられず、リスクの顕在化状況は工種や個別案件が置かれた現場条件で大きく異なると考えられる。しかしな がら、地質、国・地方自治体の要望、交差協議、地下埋設物(特に共同溝)についてはリスク顕在化頻度が高 く、上流工程の段階で工事費を含めた入札を行う際には、発注前に十分な検討が必要である。

図-4 プロセス別工事費への影響

0%

10%

20%

30%

40%

50%

60%

70%

80%

割合

プロセス別工事費変化率:橋梁

設計段階 施工段階

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑604‑

Ⅵ‑302

参照

関連したドキュメント

症例 5:40 歳代 男性。 症例提示:信州大学消化器内科 関口智裕

【単位表に記載の無い参加・発表単位等について】

示情報の実態的判断の困難性もあってか,請求者の「特殊な需要」の欠如や対

CHEN Ji-dong In order to elucidate the details of the formation of the Chanmen Risong, a text of Chinese Buddhist lessons and rituals practiced every day

新春を迎えて:2 みんなで守ろう! 文化財:4

4.■

2 学校規模の適正化 2-1適正規模を考える視点 • 多様な人間関係をはぐくむことのできる規模

Treatment outcomes were examined employing medical records and compared among patients who received 0.02 mg/kg dexamethasone (Dex) or nonsteroidal anti-infl ammatory