戦後 日本 の平和教育の変遷 と平和教育実践への提言
1
研 究 目的平和教 育 は、 日本 におい て は第 二次世 界大戦 後 か ら今 日に至 るまで、全 国的 に展 開 され てい る教育で ある。 その時 々の 日本や世界 の状況 に よつて学習 内容や方法 を柔軟 に変化 させ 、児童 生徒 に平和 に関 して考 える機会 を提供 して きた。
本研 究 にお いて は、戦後 日本 の平和教 育 を主 眼 に、現在 に至 るまで どの よ うな方法・内容 の平 和教 育が行 われ て きたのか 、そ の変遷 をた どる ため、設定 した時代 区分 ごとに、どの よ うに変化 して きたのか、実践例 を中心 と しなが ら考察 を 行 う。また、それ らは 日本固有の変遷 をた どつて きたのか、あ るいは海外で も同様 であったのか、
海外 での実践 な どを参照 し、検討 を行 う。そ して、
憲法改正 が主張 され るなか 、戦後体制 が大 き く 変革す る可能性 が あ るなか での、 日本 の平和教 育 の今 後 の方 向性 を提示す る こ とが 目的 で あ る。
2
論文構成 序章第1節
問題 所在 と研 究 目的 第
2節
論文構成第3節
研 究の方法
第1章
平和教育の概要
第1節
平和教育の定義
第2節
本論 にお け る平和教 育 の変遷 の時代 区分
第
2章
戦後 の平和教育の変遷 と概要教 育 内容 。方 法 開発 専攻 認 識 形 成 教 育 コー ス
社 会 系教 育分野
M13131K
官脇
愛 子
第1節
日本 にお ける平和教育の変遷 第2節
海外 にお ける平和教育の概要 第
3章
平和教育の課題第1節
日本 にお ける平和教育の課題 第2節
平和教育実践へ の提言 終章
3
研 究の概 要第1章では、第
2章
。第3章
を論 じるにあた り必要 な、平和教育 に関す る要素 をお さえた。まず、
平和教 育 につ いて、 どの よ うな定義 の も とに展 開 され てい るか論 じた。平和教 育の定義 は、一定 の基準 はあ る ものの、研 究者 に よ り定義付 けが 異 な る とい つた現状 が あ る。 それ らを挙 げなが ら、本論 にお ける平和教育の定義 を設定 した。つ ぎに、日本の平和教育について、戦後か ら現在 に 至 るまで、平和教育 を促進、あるいは抑制 した要 因 の一つ とい える社 会情勢 な ども踏 まえなが ら、
戦 後 日本 の平和教育 につ いて、第
2章
で考察 し て い くにあた つての時代 区分 を行 った。 時代 区 分 は先行 の研 究者 に よって複数 存在 してお り、それ らを参考 に しなが らも、本研 究 にお ける区
分を設定した。区分は、①第二次世界大戦終戦ま で、②占領期、③1950年 代、④1960年 代、⑤
1970〜1980年
代、
⑥
1990〜2000年代前半、
⑦ 2000年
代 後 半〜 現在 の7つに 区分 し、それ ぞれに特 徴 的 な社 会 情 勢 と、 平 和 教 育 とを関連 させ な が ら考 察 した。
第
2章
では、日本 の平和教育について、どのよ うな平和教 育が実践 され て きたのか 、第1章で 設 定 した時代 区分 に従 つて 、現在 に至 るまでの 平和教育 の変遷 について捉 えていつた。なお 、戦 後 の平和 教 育 の変遷 をた どるた め、第1章の7 区分の うち、戦前 で あつた① 第 二次世界 大戦終 戦 まで の平和教 育実践 につ い てや 、平和教育実 践 が具体化 してい なか つた② 占領期 、 について は、第1章で述べているため、本章では論 じてい ない。平和教育実践は、その時代 に多 く実践 され た実践や 、その時代特有の平和問題 を取 り扱 っ ている実践 を抽出 して考察 した。次に、海外 にお け る平和 教育 実践 につ いて も考察 した。海 外 の 平和教 育実践 は、日本 との比較や 、ア ジアや欧米 諸 国 との比較 を行 いなが ら、傾 向を把握 した。特 に ドイ ツにつ いては、 日本 と同様 の第二次世界 大 戦にお け る敗戦 国 と して 、 どの よ うな平和教 育 を実践 して きたか 、国際歴 史教科 書対話 の取り組み も含めて取 り上げた。
第
3章
では、現代的な課題 と平和教育 との関 連 に触 れ なが ら、今 後 の平和教 育 は どの よ うに あ るべ きであ るか、一考 した。まず は 日本 の平和 教 育の課題 について、第1章。第2章
で述べた事 柄や、取 り上げた実践 を参考 に、海外 との比較 も 含 めて検討 した。日本独 自の課題 につ いて、法律 や 社会 情勢 との関連や 、 日本 と同 じ平和憲法 を 持 って い るコス タ リカ との平和観 に着 日 し、第 2章で も取 り上げた歴史教科書 については、東 ア ジア歴 史教材 。新 しい歴 史教科書 な ども併せ て検討 を行 つた。また、平和教育への提言 として、今 後の平和教 育の方 向性 の可能性 の一つ であ る、
包 括的平和教育 について取 り上げた。包括的平 和 教育 とは、個 々人 の内面的 な平和や 対人 関係 にお ける紛争の解決、人権、貧困の解決 な ど、幅 は広い なが らも子 ども達 の生活全体 に関わ る教
育 である。また、平和教育の実施方法 と して、紛 争や 平和 問題 につ いて客観 的 な情報 を収集・ 判 断 し、科 学 的 にアプ ロー チす る平和教 育の可能 性 について も述べ た。
4
今後 の課題第二次世界 大戦後か ら世界規模 で展 開 され て い る平和教育であるが、未 だ紛争 は世界 中で断 続無 く続 き、常 に新 たな戦 いへの恐怖 を持 ちな が ら世界 と関わ り続 ける
70年
を過 ご して き た。 平和教育は、それぞれ の国に とってのコン フ リク トを追及 し、児童生徒が課題意識 を持 ち、それ をク リアに してい く一助 となってい た。 その中で、 日本が世界 に期待 され る事柄 は 増す ばか りであ り、特 に湾岸戦争以後 は、 自衛 隊の後方支援活動 を含 めた直接的支援 も展開 さ れ るよ うにな つてい る。日本 は現在 、平和憲法 と、テ ロ対策な どに係 る友好国 との関係 とで板挟 みになってお り、平 和教育で 目指 され る、 日本 、かね ては世界の平 和 につなが る平和憲法が空文化 しかね ない事態 となってい る。平和 とは、決 してただ単に争い か ら逃避す るだけではな く、平和教育 も同様 に、紛争 さえなけれ ばいい状態 を作 りだす もの ではない。そのために も、今 までの平和教育を 引 き継 ぎなが ら、 よ リー層積極的 に コンフ リク トに関わつていき、解決す る能力 を育成す るた めの平和教育の形 を模索 してい くことが必要で ある。
主任指導教官
指導教官
難波
安彦
小南
浩一
太 閤 検 地 の 実 態 に 関す る一 考 察
「百姓 三 分 一・ 給 人 三 分 二」 の分配 法 と石 高制 を 中心 に一
【1】 論文の構成 は じめに
第一章
研究史の概要 第一節
江戸期
第二節
明治か ら第二次世界大戦前まで 第二節
第二次世界大戦後
第四節
主な論争
第二章「百姓三分一)給人三分二」の分配法について 第一節「百姓三分一・給人三分二」の分配法の通説 第二節
通説に対する批判
第二節「百姓三分一・給人三分二」の分配法の実態
ノl寸舌
第二章
石高制について
第一節
石高制についての通説 第二節
通説に対する批判
第二節
石高制の実態
/1寸舌
おわ りに
【2】 研究の目的
研究の対象 となる部分は次の2点である。
1点
目は太閣検地の 「百姓三分一・給人三分二」の分配法 についてである。 この分配法は一般的には 「二公一 民」とい う呼称で知 られているが、この「二公一民」
とい う呼称は当時使用 されていないので、「百姓三分 一 。給人三分二」の分配法とい う呼称を使用 してい る。
高等学校の授業では、この 「百姓三分一・給人三 分二」の分配法を原則 とすると教えているが、果た
専
攻 :教育 内 容 ・ 方 法 開発 専攻 コ ー ス :認識 形 成 系教 育 コー ス 学 籍 番 号
:M13134E
氏
名 :北 り
│1雅
史して実態はどうなのかとい うことである。現実にこ の分配法が全国で統一的に行われていたのか、また この分配法にどれ くらい重点を置かれていたのかな ど分配法の持つ意義についても検討 した
2点目は太閤検地の石高についてである。石高は 一般に生産高であるとなっているが、年貢高である とい う学説 もある。高等学校の授業においては石盛 と面積を力■サて石高を算出すると説明 している。 こ の石盛 とい うのは土地一反当た りの標準生産高であ るとしている。 これは正 しいのであろう力、 また石 盛は土地の等級によって基準が定められているが、
これが耕作条件の違 う日本全土で、どれ くらい意味 を持つものかとい うところも問題である。石高制に ついてはこの2点を中心に研究を進めた
【3】 各章の内容
「は じめに」では、研究動機 。テーマ設定の理由・
研究 目的に加えて前提 となる太閤検地の定義につい て述べている。
第一章では、江戸期か ら第二次世界大戦後に至る までの太閤検地に対する研究史の概要 と太閤検地に 関す る主な論争を挙げている。
第二章では、「百姓三分一 。給人三分二」の分配法 について、安良城盛昭氏を中心 とする通説 と三鬼清 一郎氏 。中口久夫氏 。牧原成征氏の通説に対する批 判を概説 し、それ らを踏まえた自らの見解を述べて いる。
第二章では、石高制について、安良城氏・三鬼氏 を中心 とする通説 と脇田修氏 。中国氏・池上裕子氏・
牧原氏の通説に対する批判 を概説 し、それ らを踏ま えた自らの見解を述べている。
「おわ りに」では自らの研究についての総括 と今 後の課題について述べている。
【4】 研究の成果
分配法については研究の結果、「百姓三分一 。給人 三分二」とい う分配比率はそれほど厳密に適用 され てお らず、地域や天候等の状況によつて変動 してい ることがわかつた。また年貢率の高さとい うことに ついても、分配比率がそれほど厳密に適用されてい ないことや年貢の内容の検討から、他の時代に比ベ ても特に高い年貢率であるといえないとい う結論に 達 した。
またこの分配法を定めた理由についても検討を行 った。豊臣秀吉はこれを天候不順等により不作が生 じ、百姓 と給人領主との間で紛争が発生 した場合に、
それを解決するための基準としてこの分配法を定め た。よってこの分配法は絶対的な基準とい うもので はなく、原則を示 したものであると考えた。
石高制については研究の結果、まず等級別斗代制 は上田一石五斗 とい う基準と考えられる斗代はある ものの、史料を検討す ると、それ以外の数値を示す 斗代も多く、また石高ではなく貫高や数値を示 さな い場合 もある。 よつてこれも分配法 と同 じく、地域 等の状況に応 じて定めていた と考えられ、等級別斗 代は全国的に統一 された基準で実施 されていたとは 言い難し、
また斗代 。石盛・石高の持つ意味についてである が、斗代は一反当た りの年貢賦課基準高であ り、年 貢高といってもよいものであるとい うこと、この斗 代によつて算出され る石高もやは り年貢高であると 考えた。
しか し石盛は一反当た りの生産高であり、通説等 でいわれるように斗代 と同 じ意味ではないのではな いかとい う結論に達 した。
以上のような 「百姓三分一 。給人三分二」の分配
法 。石高制の検討を通 じて太閤検地の実態を考える 時、決 して日本全国に対 し、統一的な基準をもつて 行われた政策であるとはいえず、太閤検地は従来の 検地 とは違 う画期的 。革命的政策であるとい う評価 は見直さなければならないと考える。
しか し、太閣検地が通説でいわれてきた画期的・
革命的な政策でなかったとしても、江戸時代の検地 方式は太間検地方式が基礎になっていると考えられ ることや石高による土地の評価方法などをみても、
太間検地が後世に与えた影響は大きいと考える。そ ういつた意味では太閤検地はまだまだ大きな意義を 持った政策であつたと評価できる。
今回の論文で十分に検討 しきれなかった部分は、
まず太間検地の斗代 と石盛の関係である。斗代 と石 盛は同 じ意味を持つものではないと結論づけた。そ の理由は秀吉あるいはその当時の文書の中に「石盛」
とい う用語が確認できなかったことであるが、史料 の検討がまだまだ不十分である。 この 「斗代 と石盛 は異なるもの」については今後、継続的に研究を行 つていきたい課題であると考えている。
次に先ほどの課題 とも関連するが、それではなぜ 斗代 と石盛が同 じ意味であるとされるようになつた かである。 これまで見てきたように石盛は江戸時代 に発生 した用語であると考える。地方書などの記述 を見ても、石盛が一反当た りの生産高を示すことは 明 らかであると思える。また、豊臣期の史料を見て も当時の斗代が年貢高であるのは明白であるように 思えるが、それを後世の人々はなぜ斗代 と石盛は同 じとして しまったのであろうれ これについては一 応仮説のようなものを述べてみたが、まだまだ検討 の余地を残 してお り、これ も継続的に考える課題で ある。
主任指導教員
原 田誠司 才旨 導 教 員
原 田誠司
基本的な常微分方程式 とその具体例
1
研究の 目的私 は高校 生 の頃 に,学校 で学 んで いた数学 が実 生活 の どうい った場面で使われてい るのか,疑間 を持 ってい た。なぜ な ら,実生活 において高校数学 の内容 を取 り扱 う場面 に,あま り出合 った と感 じなか ったのが要因であ る。しか し,実際生活 において直面す る問題 が数学の間 題 とい うことに私 自身がただ気付 けなかった り,もしく は,数学 を内包 している問題 と気付 いて も,どの ように
問題設定 を行 い,理論立てて解 いていけばいいのかがわ か らない ことが多か った。私が教員 になった際 に,問題 の解法や定理 の証明 を教 えるだけでな く,生活での数学 の有用性 を伝 え られ る よ うにな りた い と強 く思 って い る。そのため,大学院で数学の研究 を始 めた.特に研究 の題材 として,高校数学 において も中核的な微分積分学 について研 究 を行 うことに した。
本論文 においては,高校生が興味が持て る題材で,な
おかつ身の回 りの事象に関連する問題 について考察す る。
具体例 として は次 の2つの問題 を考察す る。
(1)人
口増加 モデル(2)ロ
ー ンの返済人口増加モデル を取 り上 げる。人 口増加 のモデルの一 つに,マルサスの人 口法則:
劣
(ι)=ap(ι),P(ιo)=抑
がある。ただ し,α は定数 とす る。この問題 は高校数学 の微分積 分 を用 いて,初期値 問題 の解P(ι)を 明示的 に 与 えるこ とがで きる (第 1章よ り).P(ι)の値 は,
p(t)=poθ・ ←―to)
と求 まる。α>0のとき,つま り出生率 が死亡率 よ り 大 きい場 合,マルサ スの人 口法則 を満 たす 生物 は
,時
刻tと ともに指数 関数 的 に増加 す る.α <0の とき,
つ ま り死亡率 が出生率 よ り大 きい場合,マルサ スの人
教科内容・方法開発専攻 自 然 系 コ ー ス
M13142F
日 野 達 也
回法則 を満たす生物 は
,時
刻 tと ともに0に収東することがわか る。 また実際に数値 を代入 し,ι
O=1965,
pO=3.34X10^9,α =0.02と おき,t=1975を代入 した時の P(1975)の 値 と,1975年における世界総人 口との比較 を行 う。 さらに,マルサスの人 口法則か ら 2515年における世界総人 口P(1975)の 予測を行 う。
次 に実生活 において数学の問題 として考 えられ る体 験例 として,ロー ンの返済を取 り上げる。大学時代に,
奨学金制度 を使 い150万円を年利
1%で
借 りた。この 奨学金を仮に10年間 120カ 月の均等割 りで返済を行 うとき,月々の返済額はい くらになるだろうか
この問題 を一般的に考 えると
,以
下の ように書 き直 せ る。問題 :銀 行か ら
P円
を年利R%で借 りる.これを毎月■円ずつ π年 (12n力月)で返済するとき
,2の
値を求 めよ.第4章において示す ように
,高
校数学で考察す る漸 化式を用いて この問題 を解決することがで きる。実際,2の値は,
π
=金 P
(1+金 )12"(1+6)12● ̲1
と表すことができる。ただし
,r=ギ発である。
これによると
,借
入額P,年利Rが
決め られ,返
済 期間 ηが定 め られた とすると,月々の返済額 πが明示 的にわかることなる。例 として,150万円奨学金の月々 の返済額 を求める。P=15× 106,r=0.01,2=10とし式(1)に代入すると,π ≒ 13140.61が 求まり,月々 の返済額はおよそ 13,140円 となることがわかった。
このような事象を取 り上げなが ら,本論文では微分積 分学,特に微分方程式の基礎概念やその分野における命 題 を述べることから始め,微分方程式に関わる具体例に ついて考察する。
2
論文の構成第1章 1階線形微分方程式
1.1微 分方程式 と1階線形微分方程式の定義 1.2斉 次1階線形微分方程式
1.3非 斉次1階線形微分方程式 1.4具 体例 (人口増加モデル)
第2章 ピカールの逐次近似法 2.1ビ カールの逐次近似列の構成 2.2ピ カールの逐次近似列の収束 2.3解の存在 と一意性
第3章 解の近似法 3.1オ イラー法
3.2漸化式の応用 (ロー ンの返済)
第4章 変数係数2階線形微分方程式の級数解 4.1べき級数 とその性質
4.2具体的な変数係数2階線形微分方程式
3
研究の内容第1章第1節では,一般 の1階線形微分方程式 に関す る基礎概念や命題 を述べ る.第2節,斉次方程 式の一般 解 および初期値問題 の解 を明示的に与 える。第3節では,
非 斉次 方程 式 の一般解 お よび初期値 問題 の解 を明示 的 に与える。第4節では,個体数が大 きい生物の増加モデ ル を考察する。時刻 ιにおける個体数 をP(ι)と し,任意 の定数 を αとお き
,1階
線形微 分方程式:字(ι)=ap(ι)
で表す。これ はマルサスの人 口法則 と呼ぶ。実際に,過
去 の人 口数 とマルサスの人 口法則 で求めた値 を比較 す る。さ らに,時刻 tの 値 を増加 させ,マルサスの人 口法 則 による将来の人 口の予測 と,マルサスの人 口法則 にお
ける問題 点 について述べ る。
第2章では
,微
分方程 式の初期値 問題 :について,適切な条件の下で解が存在 して,一意的であ ることを示す。定理2.0.1が主要結果である,その結果
を示すために
,第
1節 では,によって関数列
{レ;η∈
N中 :={0,1,2,… .}}を構成す
る。この関数列 をビカールの近似列 とい う。第2節では,
ビカールの近似列
{%}の
収束性を示す。さらに,極限 関数が連続であることを示す。第3節では,このビカー ルの近似列{%}の
極限関数が,上記の初期値問題の一 意的な解を与えることを示す。第3章第1節では,ν(t)を上記の初期値問題の解 と
するとき
,{ν(ιた
);た =0,1,…・
,Ⅳ}を近似する数列を
構 成 したい。その構 成法 のひ とつで あ るオイ ラー法 に つ いて述べ る。第 2節において は
,前
節 で その有効性 をみた漸 化式 を利用 す る考 え方の一つの応用例 として,ロー ンの返済 について考察 す る。
第4章で は,変数係数2階線 形微分方程 式 :
Pltl弊
+00穿
+ROυ=0
の級数解 について議論する。第1節では,べき級数の 収東区間や項別微分可能性 といった,べき級数の性質に ついて述べる。第2節において
,変
数係数2階線形微 分方程式の級数解 を例 を通 して考察する。具体的には,エル ミー トの微分方程式,ルジャン ドルの微分方程式,
チェビシェフの微分方程式,それ らの解をべ き級数 とし て表示する。
主 任 指 導 教 員 國 岡 高 宏 指 導 教 員 國 岡 高 宏
d υn
二∫
+
哺
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ズ
一一 の
0 一
O π ν υ r i ノ ヽ i t
傷ν
v ν
∫
一一
0
>
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r l ノ ヽ l
︑
ろ うそ く火炎の 自励振動 と相互作用の非線形ダイナ ミクス
1.はじめ に
ろ うそ くの燃焼 は発熱 を伴 う化学反応 で あ るが、同時 に化学流体学的 な現象で もあ る。
ろ うそ くを1本燃焼 させ る とき、通 常は穏や か な火炎 を形成す る。 ところが数本密 に東ね る と、その火炎は不安定 とな り上下に振動す る。 この振動 はろ うそ く自らの流体 力学的 な 作用 によつて継続す る自励振動であ る[11。
この東ねた ろ うそ くの火炎 をろ うそ く振 動 子 と呼ぶ ことにす る。 ろ うそ く振動子 を2つ
用意 し、距離 を数 cm程度近づ ける と互いの 振動が相 互に影響 を及 ぼす (図 1)。
図1 ろ うそ くの 自励振動
振動 子間の距離 が十分近 い ときは火炎 の形 を合 わせ るよ うに振動 し、逆 に距離 を遠 ざけ る と振動 が互い違 いにな るこ とが知 られ て い る。 前者 を同相 同期 と呼び、後者 を逆相 同期
と呼ぶ。
ろ うそ くの 自励振 動は位 相 をただ一つの変 数 とす る力学系 と捉 えるこ とがで きる。す な わち複素平面内の単位 円周 上 をある角速度 で 周 回運動す る質点の運動 とみ なせ る。す なわ ち角速度 ωに対 して位相 の時間発展 は以 下の
教 育 内容・ 方法 開発 専攻 認 識 形成 系教 育 コー ス
M131461
遠藤 宏祐 式
αθ
dt=ω
で 記 述 され る。 これ を位 相 方 程 式 とい う[2]。
本研 究 で は、ろ うそ くを2組と し、自励 振 動 を実験 的及 び 数 値 的 に解析 す る。す なわ ち、ろ うそ く振 動 子 をモ デル 化 す る際 、相 互 作用 を 考慮 した位 相 方程 式 を 立 て 、以 下 の式 で示す 逆 相 同期 が表 現 で き る数 理 的 モ デ ル を提 案 し、
このモ デル を検 証す る こ とを 目的 とす る。
宅卜
=ω
l l― たγ(θ2 θl) 宅争=ω
2■ たγ(θl― θ2)こ こで γは実験 的 に決 め られ るべ き相 互 作用 関数 で あ る。
2.実験 方 法
ろ うそ く振 動 子 の振 動 と同期 は以 下 の方 法 で観 察 した。ろ うそ くを4本束 ね て燃 焼 させ 、
この とき
2組
の振 動子 間 の距 離 を 5mm間隔 で90mmまで変 えた。フ レー ム レー ト300fps で撮 像 され た 画像 デー タをMatLabを
用 い時 系列解 析 を行 つた。 さ らに位 相 差 の ヒス トグ ラムか らろ うそ く火 炎 の振 動 の 同期 時 にお け る位 相 差 を調 べ た。3.実験 結 果
図2は振 動子 間 の距離 を45mmにした もの で あ り左 上か ら反 時計 回 りに、輝 度 の時 系列 、 位 相 差 、[‐π,π]で折 りた たん だ位 相 差 、お よ び そ の ヒス トグラムで あ る。 図2では 4.0秒 か ら 4.2秒後 まで位相 は滑 つ てい るがそ の後 は位 相 差 が一 定 に な り同期 して い る こ とが わ
か る。
r鐵敢 取
1
図
2
距離45mmにお ける振動 と同期次 に距離 を変 えて同 じ解析 を行 つた結果 を 図3に示す。振動子間の距離 が40mmでは引 きこみ時の位相差 はほぼ π(rad)であ り距離 に応 じて変化 し、70mmではお よそ:であつた。
この ことは逆相 同期 であつて も位相差 が変化 す る こ と、振動子間の距離 が結合強度 に対応 す る もの で あ る こ と を示 して い る。 ま た
70mmを超 える と相互作用が小 さくな り振動 子間の同期 は生 じなか つた。
lli■ ̲̲彙 ゛
ろうでく出の議離│‐hl
図
3
引 き込み時の位 相差の距離依存性4.数
理 モデル と数値解析の結果実験結果 をふ まえ、次の2つの点 を考慮 し、
ろ うそ く振動子 を再現す る数理 モデル を検討 した。す なわち斥力的な相 互作用 に加 え、距 離 と結 合 強 度 の 関 連 を 考 慮 し た 。 γ(0) について
γ(0)=―Sin θ
とお き、
kの
値 を0.05から1まで変化 させ 、 オイ ラー法 によ リモデル 方程式 の安定平衡解を 求 め た 。 図
4は
、 ω.=2.4′ω2=
2.3、 k‑0.08の ときの計算結果 を示 してお り、
上か ら順 に、2振動子 の振動 、位相差、及びそ の ヒス トグラムであ る。 この条件 では位 相差 がお よそ 0.7π (rad)になつた。 また右 は結合 強度 に対応す る
kの
値 を0.05から1まで変 化 させ た きの位 相 差 の変 化 を表 して い る。k=1で
は位相差はほぼ π(rad)であ り、kの
値 を小 さくす る と位 相 差 は:(raめ に近づ いた。これ は実験結果 と一致す る。
lll:llililillll▲
僣 n t
含菫菫:
図
4
モデル方程式の平衡解 と同期位相5。 ま とめ
ろ うそ く火炎 の 自励振動 と同期現象 に対 し て、位相 に着 日して数理モデル を立てて検討 した。す なわ ち、 ろ うそ く振動子 の同期特性 に焦点 を当て、実験的 に現象 を明 らかに した 上でそれ を数式で表現 した。 これ に よつて実 験結果 が数理的 に再現で きるこ とを示 した。
尚、本研 究の手法 は他 の複雑 な非線形現象 の 数理モデル化 に も応用で きる と考 える。
参考文献
[1]H.Kitahata θ
̀att J.Phys.Chem.A
l13(20008164.
[2]郡 宏,日本物理学会誌69(201の602.
主任指導教員
庭瀬
敬右
教授
指導教員
猪本 修 准教授
pH指
示薬含有 グル薄膜 の吸収 スペ ク トル と色素の化学構造1.緒
言酸性 、アル カ リ性 は水溶液の重要な性質の一つ であ るがそれ を調べ る
BTB溶
液や リ トマ ス紙 と い つた試薬は使い捨てであ り、繰 り返 し使用でき ない とい う欠点 を もつ。そ こで、本研究室では、再使用可能な教材 として、
ゾル‐ゲル法 に よるpH指示薬含有 グル薄膜の作製 を行 つて きた。これまでに、シ リカグル薄膜 でpH
応答性 を示す薄膜 が作製 されて きたが、耐アル カ リ性 に課題 があった。また、耐アルカ リ性向上のた めにチ タニアグル薄膜作製が行 われ てきたが、応 答性 を示 したのは ごく一部の色素のみであつた。
そ こで、本研 究ではよ り広 い
pH範
囲で利用 できる薄膜 を作製す るこ とを 目的 とした。 そのため に、まず様 々な pH指示薬 について染色法お よび 色素添加 法の 2つの方法 を用いて薄膜 を作製 した。
得 られ た薄膜 の吸収 スペ ク トル か ら、薄膜 中の色 素量を算 出す ることで、pH指示薬 の化学構造 と薄 膜 中の色素量の関係 につ いて検討 を行 つた。 さら に、作製 した
pH指
示薬含有 グル薄膜 についてpH応答性 を検証 した。
2.実験 方 法
pH指
示薬含有チ タニアゲル薄膜の作製は、あ ら か じめ作製 した薄膜 に染色 を施す「染色法」と、出 発溶液 に色素 を添加 して薄膜 を作製す る 「色素添 加 法」の2つの方法で行 つた。本研 究では、27種のpH指示薬 を使用 したが、
それ らを化学構造に基づいて、「 トリフェニル メタ ン系色素」、「キサ ンテ ン系色素」、「ジアゾ系色素」、
教育内容・方法開発専攻 認識形成系教育コース[自然系教育分野 (理科)]
M13147G
亀 山
玲
「含窒素複素環式色素」の4つに分類 した。
染色法 に よる
pH指
示薬含有 グル薄膜 の作製に は、金属 アル コキシ ドにチ タンテ トライ ソプ ロポ キン ド(TTIDを用 い、溶媒 として2‐プ ロパ ノール 、 安定化剤 と してアセチル アセ トンrAcAcI、 触媒 として 塩 酸 (HCD、 加 水 分 解 の た め の 水(H20)を TrIP:AcAc:2‐PrOH:H20:HCl=1.o:0.5:25:2.7:0.3 のモル比で混合 し
2時
間攪拌 した。有機 高分子で あ る ヒ ドロキシプ ロ ピルセル ロー ス を、WIPを
Ti02に換算 した際の質量 と等量 を加 え、
5時
間攪拌 した。 この溶液 を用 いてデ ィップ コーテ ィング 法 に よ り薄膜 を作製 し、室温で
24時
間乾燥後、150℃ 、30分間の熱処理 を施 し、グル薄膜 を得た。
さらに、0.5 grLに調製 した染色液 に80℃、
30分
間グル薄膜 を浸漬す ることで染色 を行 つた。
色素添加 法 に よる
pH指
示薬含有 グル薄膜 の作 製 には、同様 の手順 で 出発溶液 を調製す る際 に、HCl、 H20と 同時 に、冨IPに対す るモル比で
1%
の色素を添加 した。 また乾燥後の薄膜 に対 して、
150℃ 、30分間〜12時間の熱処理 を行 った。
薄膜 中の色素量 を調べ るために、作製 した
pH指
示薬含有 グル薄膜 の吸収スペ ク トル を測定 した。
得 られ た吸収 ピー クにお ける吸光度 をそれぞれの 色素のモル吸光係数で除す ることで、光路上の色 素量em o m01メ
Dを
算出 し薄膜 中の色素量 を評価した。
最後 に、作製 したpH指示薬含有 グル薄膜のpH
応 答性 の検証す るために、酸性緩衝液 と塩基性緩 衝液 に交互 に浸漬 し、 日視 による色調の変化の観
察 と吸収 スペ ク トル の測定 を行 つた。
3。 結 果 と考察
得 られ た薄膜 の吸収 スペ ク トル の一例 と してブ ロモ クレゾールパープル
(BCD含
有 グル 薄膜 の結 果 を図1に示す。BCP染色薄膜(図中、実線)は 446nmの
吸収 ピー クで吸光度 2。3を
示 し、添加 薄膜 (図中、点線)は 442 nmの吸 収 ピー クで吸 光 度0。55を示 した。染色薄膜 は添加薄膜 と比較 して高 い吸光度 を示 したが、 この よ うな傾 向はすべての
トリフェニル メタン系色素で も同様 に観察 された。
次に、作製方法お よび色素構 造 と薄膜 中の色素 量について図2に示す。 図 中、縦軸 は色素添加法 に よる薄膜 中の色素量 を横軸 は染色法に よる色素 量 を示 している。一部の色素 を除いて、添加薄膜 よ り染色薄膜 の方が薄膜 中の色素量が高い ことが分 かつた。これは、添加薄膜 では出発溶液のモル比か ら考える と最大で
1%の
Tiに色素が配位す ること になるが、染色薄膜では染色時に薄膜 中のTiに対して よ り多 くの色素が配位す るため と考え られ る。
トリフェニル メタン系色素では染色薄膜 と添加 薄膜 の色素量に正の相 関が見 られ たが、 キサ ンテ ン系色素 は染色薄膜 。添加薄膜 ともに色素量が低 く、ジア ゾ系色素 は一部 の色素 を除 いて添加 薄膜 において高い色素量を示 した。
添加 薄膜 にお いて色素量の大 きい色素はカテ コ ールな ど特徴的な置換基 を有す ることか ら、Tiに 対す る配位能 が高い こ とが影響 している と考 え ら れ る。 染 色薄膜 において色素量の大 きい色素は分 子 量が小 さいか、またはハ ログン基 を有す るな ど の共通す る特徴 を持つため、色素分子の大き さや 置換基 が染色薄膜 の色素量に影響 を及 ぼ してい る
と考え られ る。
さらに、作製 した
pH指
示薬含有薄膜 を用いて、pH応答性 を検証 した。 その結果、LAC染色薄膜 とテ トラプ ロモ フ ェ ノール ブル ー
OBPB)添
加 薄膜 において良好 なpH応答性 が見 られ た。
4.結論
27種の色素について色素添加法 と染色法によ つて
pH指
示薬含有 グル薄膜 を作製 した。薄膜 中 の色素量を算出 した結果、染色法では色素添加法 よ り薄膜 中の色素量が多い ことが明 らか となっ た。 これ は、色素添加法ではTiに反応す る色素 量が 1■ol%と 限 られ てい るのに対 し、染色法で は反応 可能 なTiに対 して十分 な色素が供給 され るためである と考 え られ る。また、染色法では分子量が小 さい色素やハ ログ ン基な ど特定の置換基 を有す る色素で特に薄膜 中 の色素量が多 くなることが分かつた。
また、LAC染色薄膜お よびTBPB添加薄膜 で は色素の溶 出・ 薄膜の剥離が起 こらず、良好な
pH応
答性 を示す こ とが明 らか となつた。3
側 2 ポ● 1
0
o ・1いい■
a電日
o 日0
︐ ︐ 日
×︶劇素JC■椰教C饉教員路
400 500 600 700 800 波長(nm)
BCP含有薄膜の吸収スペク トル
● トリフェニル メタン系
▲ジアゾ栞
◆キサンテン栞 +合笙複秦彙式系
染色薄膜の薄膜中の色素量 (x104 cm・
mOm
図
2
作製方法お よび色素の化学構造 と色素量 主任指導教員小和 田
善之
指導教員
小和 田
善之
0.20 卜」L―
典
:。lIぶ 事二
::漑y'̀詰
高分子含有ゲル薄膜 にお けるベナール対流 によ る表面構造 の形成過程
1 は じめに
化 学研 究 室 で は様 々な 金属 アル コキ シ ドを用 い、有機 高分子 を含んだゲル薄膜の作製を行 って きた。 これ らの高分子含有ゲル薄膜では、組成 に よって表 面 に特徴 的な構造 が形成 され る ことが 報告 され て いる。 このよ うな表 面構造 の発 生 は、
ベナール対流 によるものと考 え られて いるが、そ の発生のメカニズムは明 らかになって いな い。
ベナール対流 は水平な液層の下部 を熱す るか、
上部 を冷却す る ことで液 層 の上下 に温度 勾配 を 与え るとき、温度勾配がある臨界値 を超 え ると液 層は ほぼ正六角形 の細胞状 の渦 領域 に分かれて 、 中心部で は上向 き、周辺では下向きの流れが生 じ る現象である。ベナール対流は次式の レイ リー数
(Ra)に
よって形成が見積 もられ る。Ra=ρ gd3α △Tノηκ
ここで、
ρは密度、gは重力加速度、
dは
液層 厚、△Tは
上面 と下面の間の温度差、 ηは動粘性 係数、 αは熱膨張率、kは
熱拡散率 を表す。Ra
が小 さい ときには対流 は起 きな い。 しか し、臨 界値 をわずか に超 えた状態では層状 の液 は不安 定 にな り、細か い局所的な対流の集 ま りとな る。
自由表面 にお ける流体 の レイ リー数の臨界値 1100である。
対流 には上記のベナール対流 だけでな く、表 面張力差 によって起 こるマ ランゴニ対流 もある。
マ ランゴニ対流は次式のマ ランゴニ数 (Ma)に
よって形成が見積 もられ る。
Ma=△
σd/ρ ηκここで、△σは表面張力の差、
dは
溶液 の深 さ、ρは密度 、 ηは動粘性係数、 κは熱拡散係数 を表 す。対流が発生す る臨界マ ランゴニ数は
80で
ある。本研究では、金属 アルコキシ ドとして
教育 内容 。方法開発専攻 認識形成系教育 。自然系 (理科
)コ
ースM13154J 西川
勇輝
オル トケイ酸 テ トラエチル(TEOS)、 チタ ンテ トラ イ ソプ ロポキ シ ドTi(0‐■
PD4を
用 いて有機 高分 子で あ る ヒ ドロキ シプ ロピルセル ロース(HPC)
の添加量や、スキージ法で作製す る薄膜の液層厚 を変化 させ、薄膜の表面の構造への影響について 検 討 した。 また、粘度 、密度な どの測定 を行 い、
対流が起 こる指標 とされ る レイ リー数、マ ランゴ ニ数 を算 出 し、対流が起 こる条件や形状の変化の 過程 につ いての考察 を行 った。
2
実験方法高分子含有 シ リカゲル薄膜 の作製 には、金属ア ル コキ シ ドとして
TEOSあ
るいはTi(0‐■PD4を
用 い、溶媒 と して 2‐プ ロパ ノール (2‐PrOH)な
ど
5種
類 の溶媒、加水分解 のための水(H20)、 触 媒 と して塩酸(HCDを加え、出発溶液 を調製 した。組成 はモル比で、TEOS:2‐
PrOH:HCl:H20=
1.0:20:3.0:0.16と した。高分子 としてHPCを
使用 し、アル コキ シ ドが全て反応 した場合 に生成 す る酸化物 に対 して質量比 0〜3.5倍量 を添加 し た。その後、ガ ラス基板上にスキージ法 によ り薄 膜 を作 製 し、 自然乾燥 させ た。作 製 した薄膜 は、
レーザ ー 共焦点顕微 鏡 を用 いて表 面形状 を観察 し、
HPC添
加量や 、液層厚 、溶媒 の蒸発速度な ど が表面形状 に与える影響を調べた。また、出発溶 液 につ いて密度 、粘度、溶媒の蒸発量、液層表面 の温度変化の測定 を行 った。それ らのデータと文 献値 をもとに レイ リー数、マ ランゴニ数の算 出を 行 い、表面構造 との比較を行 った。 さ らに、薄膜 形成時 の対流 の様子 を顕微鏡 を用 いて観察 した。3
結果及び考察有 機 高分 子 を含 ん だ シ リカ ゲル薄 膜 を作 製 し た結果、これ まで報告 されていたチタニアゲル薄 膜 の表面構造 と類似 した構造がみ られた。図1に その結果 の内、液層厚 80μ
mお
よび 200μmの
薄膜表 面の顕微鏡 画像 を示す。40μ m〜 260μ
m
に変化 させて作製 した ところ 40〜160■
mで
は 円 形の構造がみ られ 、200μm以
上 にな る と円形の 構造が少 し崩れ は じめ、260μmに
なる と構造 が完全 に崩れ る ことがわかった。また、構造 の大 き さは液層厚が大き くな るにつれて
,大
き くな る傾 向がみ られ た。図 1レ ーザー共焦点顕微鏡による薄膜の表面画像
一般 的なベナール対流 は液層 を下 か ら均一 に 熱す る ことで起 こる。 しか し、本研究で薄膜 を作 製す る際 には、温度勾配 を薄膜 に与えて いな い。
そのため、薄膜表 面に凹凸構造が現れ る理 由と し て、乾燥 させ る際 に溶媒が蒸発す る ことによって、
薄膜 の上面 と下 面 の間 に温度 差 が 生 じて ベナ ー ル対流が起きている可能性が考 え られ る。そ こで、
薄膜 を乾燥 させ る際 のガ ラス基 板 の底 面 の温度 を変化 させ、表面構造の変化や対流の有無を調べ た。その結果 シ リカゲル薄膜では 5℃以下、チ タ ニ アグル薄膜では 6℃以下 まで底 面の温度 を冷却 して乾燥 させた場合、表面構造 にセルが形成 され な くなった。 この ことか ら、対流が起 きて いる要 因の 1つ として溶媒の蒸発が関係 して いる ことが 明 らか となった。
これ らの結果か ら、表面構造が、ベナール対流 によるものであると考 え、レイ リー数の算出を行 った。 レイ リー数の算 出には密度、体膨張率、熱 伝導率、熱拡散率および動粘性係数が必要である。
これ らの うち密度 お よび動粘 性係 数 はそれぞ れ 出発溶液 について実測 し、それ ら以外の物性値 につ いて は最 も組成 比 の大 きい溶 媒 の文献値 を 用 いた。 さ らに液層厚 と蒸発量か ら温度差 を概算 し、 レイ リー数を算出 した。その結果か ら薄膜 に 表面構造 がみ られ た時 の レイ リー数は、最小値が
3.OX 10・4、 最大値が3.2X10・1とな った。 この値 は 最 大値 で も臨界 レイ リー 数 を大 き く下 回って い る ことか ら、ベナール対流だけでは薄膜表面の構 造 を説明す る ことは困難である こと分かった。
そ こで 、次 に、マ ランゴニ対流 の影響 を考 え、
水 平方 向 の温度 差 が もた らす 表 面張 力差 につ い て対流が起 こる条件 として検討 した。表面の温度 差 は、赤外線サーモグ ラフィー を用 いて測定 した。
得 られた温度差 を表面構造の大 きさで換算 し、構 造 間 に生 じて いる表面温度差 を見積 もった。これ らの数値 を もとにマ ランゴニ数 の算 出を行 った ところ、表面構造が現れた時のマ ランゴニ数は最 小値で92、 最大値で2900とな った。 これ らは 自 由表 面 にお ける臨界 マ ランゴニ数 を超 えて いる ことか ら、表面構造の形成 にはマ ランゴニ対流が 強 く関係 して いると考 え られ る。
Ma=92以下
92≦
Ma≦2900 Ma=2900以上図
2
マ ランゴニ数 と薄膜 の表面構造以上の結果か ら、これ まで薄膜表 面にあ らわれ る表 面構造 は上下方 向の温度差 によ る密度勾配 を駆動 力 とす るベナール対 流だ けによ って生 じ ると考え られていたが、溶媒の蒸発 によ り生 じる 表 面張 力差 によ って起 こるマ ランゴニ対流 の影 響が大 きな役割 を果 たす ことが明 らか となった。
主任指導教員
小和 田
善之 指導教員
小和 田
善之 液層厚 200μ m
液層厚80μ m
教育現場 に適 したカ タバ ミの栽培環境 に関す る研 究
1.序
論2008年
に公示 され た 中学校指導要領 の改訂 に よ り、理科第2分野 の生物領域 において「遺伝 の規則 性 と遺伝 子」な どの学習が第3学年 に追加 され たが、教師 に とって生物 教材 を用 い る こ とは特 に難 しい とされ 、多 くの学校 で観 察・実験 を満 足 に行 な えて いない点がかねてか ら課題 となっている。 「遺伝 の 規則性 と遺伝 子」にお ける交配 実験 につ いて も、教 育現場 で の限 られ た環境 下で 中長期 にわた り実験 を実施す る必要があるため、従来か ら様 々な教材 の 探索や報告が行 われ て きた。本研 究では、生活環が 短 く扱 いや す いカ タバ ミの教材 と しての可能性 に 着 日 し、教育現場 で も容 易に行 なえる各種休眠打破 の開発 を試みた。また、学校での栽培において環境 が与え るカ タバ ミの生長へ の影響 を検討 した。
2.実
験 材 料 及 び 方 法(1)各
種 休 眠 打破 に よ る発 芽兵庫 教 育大学渥 美研 究室 で系統保 存 され て きた カタバ ミの種子の内、生長が早 く、栽培 も容易 であ り、交配 実験 に用いた場合比較的形質判定が行 ない やすい、葉色 に赤色色素 を もち高性 で側枝 が葡旬す る系統 であるAPl、 葉色 に赤色色素 をもち高性 で側 枝 が木 立す る V4、 赤色色素 を もたず葉色 が緑色で
あ り高性 で側枝 が旬旬す るSIZを使用 し、低温処理 、 加傷処理 、硫酸処理 による休眠打破 実験 を行 なつた。
低温処理 は、学校 で使用 され てい る3℃と13℃に設 定 され た2つの冷蔵庫内で24時間、または48時間
教育内容・方法開発専攻 認識形成 系教 育 コー ス
自然 系分野 (理科)
M13155H
黄心
処理 した種子 を実験 区 と した。加傷処理 は、ピンセ ッ トとメス を使 用 し珠 孔付 近 に小 さな傷 をつ けた 種子 を実験 区 とした。硫酸処理 は濃硫酸 で 30分間 浸漬処理 し、水洗 を十分 に行 つた種子 を実験 区 と し た。処理 を行 わず常温 に放置 した種子を対照区と し た。各種処理 を行 つた種子 は常温 に移 し、発芽数の 計数お よび発芽 日数の記録 、実験期間 中の室温の測 定 を行 つた。
(2)教
育 現 場 に適 した カ タバ ミの栽 培 と生長 カタバ ミを用 いた交配 実験 の実施期間は 5ヶ 月前 後 を想 定 してい るが、多 くの中学校 で第3学年生物 領域 は 1学期 内(4月 〜7月)の約 lヶ月半にかけて 学習 され るため、4月〜7月 、7月〜10月の2回に 分 けてAPl、 V4、 SIZを栽培 し、カ タバ ミの生育に 重要 とされ る気温、照度 の測定 と、カ タバ ミの成 育 過程の記録 を行 つた。播種か ら発芽お よび子葉展 開 までは室内で栽培 し、子葉展開か ら採種 までは校舎2階
の南に面 した屋外 のベ ランダで栽培 した。 カタ バ ミは真夏の直射 日光や 、西 日な どの強烈な 日差 し の元では植物体が弱 つて しま うため、2回目に実験 を行 つた 7月 〜8月の期間は、遮光性 を考慮 し、遮 光率50%の園芸用寒冷紗 を使 い栽培 した。3。 結 果 及 び 考 察
(1)各種 休 眠 打破 に よ る発 芽
低温処理 を行 った
APlの
発芽率は3℃で24時間 処理 した ものが64%、3℃ で48時間処理 した ものが 1588%、 13℃ で24時間処理 した48%、 13℃ で48時
間処理 した ものが60%、対照 区では12%であった。
V4で
は、3℃で24時
間処理 した ものが88%、 3℃で
48時
間処理 した ものが92%、 13℃ で24時間処 理 した ものが64%、 13℃ で48時間処理 した ものが 72%、 対照 区では 24%であつた。SIZでは、3℃ で 24時間処理 した ものが40%、 3℃で48時間処理 し たものが84%、 13℃で24時間処理 した ものが24%、13℃で48時間処理 した ものが64%、対照 区では0%
であ った。加 傷処理 を行 つた発芽率 は、APl、 SIZ のいずれ も0%、
V4で
は12%、 対照 区ではAPlが
12%、
V4が
24%、 SIZが 0%であった。硫酸処理 を 行つた発 芽率 は、APl、 V4、 SIZのいずれ も0%、対象 区では
APlが
12%、V4が
24%、 SIZが 0%であつた。以上の結果 、休眠 した種子の発 芽 を促進す る方法 と しては低温処理 が最 も有効であ り、イ ンキ ュベ ー ター な どを用 いた とき と同様 の効果 が期待 できる。 また、よ り低温 かつ長時間処理 した ものが 高い発 芽率 を示 した ことか ら、栽培時期の室温 よ り も 10℃ 前後の低温で処理 し、直射 日光 を避 けれ ば教 育現 場 で も容 易 に休 眠 打破 を行 うこ とが で き る と 考え られ る。加傷処理お よび硫酸処理 につ いては、
処理の 工程 を今後改めて検討す る必要がある。
(2)教
育 現 場 に適 した カ タバ ミの栽 培 と生 長 4月〜7月お よび 7月〜10月 にか けて栽培 した APl、 V4、 SIZの発芽、子葉展開、本葉展 開、茎の 伸 長、開花、採種 までの各イベ ン トが生起す るまで の平均 日数を図1、 図2に示 した。 また、平均的な 1世代 の栽培期間は、APlで
約 75日、V4で
約 65 日、SIZで約 80日 であつた。栽培期間の平均気温 お よび平均照度 は、4月 〜7月 が21.3℃、17248.21x、7月 〜10月が23.2℃、16211.21xであつた。以上の 結果、平均気温 20℃ 前後、平均照度 150001x前後 の環境 条件が満た されれば、学校 内で も安定 した栽
培 を行 うことがで きる と考 え られ る。また、一般 的 に夏季 の強 烈 な 日差 しは カ タバ ミの生 長の妨 げ に な るとされ てい るが、ホー ムセ ンターな どで購入 で きる園芸用 の寒冷紗 を用 いれ ば、夏休み期間中 も間 題 な く栽培 を行 な うこ とがで きる と思われ る。栽培 期間において も、培養室で栽培 した場合 の、平均的 な系統での生活環 は 63日〜77日 とされ てい るが、
本研 究で用 いた系統 では65日 〜80日 であつた こと か ら、学校 内で栽培 を行 なった場合 もほぼ変わ らな い生活環 を維持 で きる と考 え られ る。そのため、
P
の形質判定か ら
F2の
形質判 定までの交配 実験全体 を約5ヶ 月〜6ヶ月で終 えることが可能 であ り、子 葉等の早期 に判定 を行 なえる形質 を用 いれ ば、さら に実験期 間の短縮 を図 るこ とがで きる と思 われ る。経 過 日数(日)
5 10 15 20 25 30 35 発芽
子葉展 開 本葉展 開 茎の伸長 開花 採種
□APl
回V4
■SIZ
図
1イ
ベ ン 卜生 起 ま で の経 過 日数(4月 〜7月)経過 日数(日)
10 15 20 25 30 35
口APl
口V4
■SIZ
発芽
子葉展開 本葉展 開 茎 の伸長 開花 採種
図
2イ
ベ ン ト生 起 ま で の経 過 日数 (7月 〜10月 )主任指導教員
渥美茂明 指導教員
渥美茂明
16
大気暴露 して生 じた銅板中の腐食層 と腐食過程に関す る電気化学的研究
教育内容・方法開発専攻 認識形成系教育コース
M13156F
藤原
頌
1
は じめに本研 究室では,これ までに 日本
,韓
国,台
湾 の 6地点 にお いて,4週間大気暴露 した銅板 の腐食 量 と化学種の同定 を電気化学的な測 定で行 つて きた。 これ らの結果か ら,腐
食量 と降水 量の相 関 が示唆 させ た。 しか し,す
べ ての地点 にお いて, 正の相 関が見 られ たわ けではないた め,よ り詳細 な検討 をす る必要があつた。本研究では,銅
板 の長期暴露実験 (1,2,3,6,12,24カ月)を行 うこ と に よ り
,暴
露期間が腐食 に与 える影響,季
節 と腐 食 量の関係,種
々の気象因子が腐食 に与える影響 について調 査 を行 つた。本研 究 で用 いた方 法は, これ まで と同様 に,中山茂吉 (住友電工),大堺利 行 (神戸大学)のグループに よ り提案 され てい る 高濃度 アルカ リ溶液(6M KOH+lM hOH)中
で
,電
位 を負 に掃 引す る方法である。2
今 回用 いた測定法これ まで
,電
気化学測 定法の溶液 に浸漬す る試料 銅板 を切断す る際 に,そ
の切断面積 の再現性 に問題 があつた。今回,以
下に述べた よ うな方法 を用い る こととし,そ
の6で示 した方法に よ り,浸
漬 面積 の ば らつ きを補正す ることに した。1.銅板試料 を約
6mmの
短冊状 に切 り取 つた。2.WEに銅板試料, REに AgノAgCl, CEに Pt, 電解質 に6M KOH+l M LiOH水溶液 を用いた。
3.銅板試料を溶液に浸漬 (‐0.60 V vs Ag/AgCDさ せ,120秒放置後
,掃
引 を始 めた。掃 引速度 は 10mVs・1と した。4.電位 を‐
0.60V(v8.Ag/AgCDか
ら‐1.8Vまで,2
回掃 引 した。
5.1回 目の電流‐電位曲線か ら2回 目の電流値 を引い
てベー ス ライ ン処理 を行 つた。
6.2回 目の 曲線 の水素発生 の電気 量で電極 面積 の違 い を補正 した。
3 C理0量と地上気象 因子 の経 月変化 各月の
Cu20量,兵
庫教 育大学で測定 したオ ゾン 濃度,気
象庁 が発表 した西脇市 の各月の平均気温 と 降水量 をFig.1に示 した。腐食量は,気
温が高い夏 場 に大 き くなってい る。また,オ
ゾン濃度 は,2014
年
,2015年
ともに 1月か ら5月までの期間は継続 的 に上昇 してい る。 この期間では,オ
ゾン濃度 の上 昇 と腐食量の上昇が対応 してい るよ うに思われ る。降水量に関 しては, 2014年, 2015年ともに2月に お け る降水量が少 ないため
,腐
食量が小 さくなつて い るが,降
水量が少 ない2014年 5,6,7月 で も腐 食量が大 きいため,ある一定以上の降水量があれ ば, 腐食が進行す る可能性 が考え られ る。!]:│
:31i 月平均オノしな篇 鞣自枚薔大学)
e^
︵星 一︶ 壺 百 一
月平均気温
い )
10 11 12 1 2 3 4 1 0 7 3 o lo ll 12 1 2 3 4 5 0 7 6 0
Fig.1.Cu20量と地上気象因子
4銅
板腐食反応 のメカニズム銅板 の腐食反応 の よ うす を Stlと St2の 2段階 に 分 けて,Fig.2に示 した。 まず
,第
1段階では,湿
度 の高い時に
,降
水 な どか らの水 と酸化斉1であ る大気 中の オ ゾン等 の存在 下で (1)式の反応 に よ り, C<OH)2層が形成 され る。
Cu+03+H20 →
Cu(OH)2+02 (1)しか し
,そ
の後,2)式
の反応でH20を失 う。Cu(OH)2→
CuO+H20 0)
この時生 じた CuOは内部 の金属銅 と (3)式の よ う な均化反応 を生 じる。
CuO+Cu→
2 Cu20 (3)次に
,第
2段階 として,Cuと Cuoが
均化反応 を繰 り返す こ とに よつて,Cu20層
が成長す る。Cu0
Cu(OH)2
Cu
Cu
會
曾
2 Cu+O→
Cu20 2 CuO―→Cu20+O
Fig.2.銅板腐食反応のメカニズム
5
地上気象因子 の銅 板腐食 への影響腐食層 の成長 は
,銅
原子間 を酸素原子が拡散す る ことに よつて起 こる。4で示 した反応 を,ま とま った1つの反応系である と考え, 次のモデル式 を仮 定 した。 ここでは
,全
体の反応 の活性化エネル ギー をEで表 した。Cu20量
=ko x{kl x[0』b}x lk2 X[降水量]│X{k3×
eXp暉 )} (。
② の両辺に対数をとると
,次
式が得られる。10g(Cu20 D=10g(kO kl k2 k3)+b10g[031
+dog降
水量]+Gつ伴)(5)
ここで
,第
一項及び,b,c,Eを
未知数 として,最
小二乗法 による多変量解析 を行 い
,次
式 を得 た。Cu20量
=exp(6.5つ x[010・67× [降水量10・31×expr7壼
) (o
(61から,Cu20量を再現 した結果 と実際の
Cu20量
を比較 した ものを Fig.3に示 した。(0式で,Cu20
量はオ ゾン濃度 のO.67乗
,降
水量の0.31乗に比例す る こ とか ら,オゾ ン濃 度 の 方 が 降 水 量 よ りも
Cu20量
に寄与 してい ることがわかつた。一●日■︶富ヽョ0
Stl
St2
H20
03
10■ 載 123450,30101l12123450'30
,013 2014 2015
Fig.3.実際のCu20量と再現 したCu20量
6
長期 暴露実験2013年 10月 1日か ら銅板 の暴露期間 を 1,2,3,6, 12,24カ月間 と し
,Cu20量
を測定 した。2013年 10 月 か らX力
月のCu20量
の変化 をFig.4に示 した。Fig。4から
Cu20は
24カ月経 って も,増加 し続 けて い ることがわか った。9∞
800
7 1Xl
昌 600 351111 嘲 4 1Xl
O
デ3 1Xl
° 2∞
l KXl O IXl
89
・
4.79
● 2.70
. 2.13 .
● ● 2.06
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10111213141516171819202122232425
FL.4.2013年 10月 1日からX力月の暴露量.
7 Cu20層
中の酸素原子 の拡散 につ いてCu20層中の酸素原子 の拡散のモデル図を Fig.5に示 した。銅板表面で,2CuO→
Cu20+0
の反応 に よつて酸素原子が生 じる。Cu+と Cu2+が 酸素原子 との間で
,電
子 の受 け渡 しを繰 り返す ことによ り
,Cu20層
が成長 してい くと考 え られ る。これ は,Cu2‐「が正孔 としての役割 を果た してい る た めである。Cu20層中の酸素原子 の拡散は
,気
温が高いほ ど速 くな り
,Cu20層
が よ り成長す ると考え られ る。
主任指導教員
尾開 指 導 教 員
尾開
徹 徹 Fig.5.Cu20層の酸素原子の拡散