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Association between high serumtotal IgE levels and D11S97 0n chromosome 11q13 in Japanese subjects

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(1)

学 位 論 文 題 名

博 士 ( 医 学 ) 檜 澤 伸 之

Association between high serumtotal IgE levels and D11S97 0n chromosome 11q13 in Japanese subjects

    

( 日 本 人 に お け る 血 清 総

lgE

値 と 染 色 体

llq13

の 遺 伝 子 マ ー カ ―

D11S97

と の 関 連 )

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

研 究 目 的

  

I

ピ ー 素 因 が 遺 伝 す る こ と は 多 く の 家 族 研 究 や 双 生 児 研 究 か ら 明 ら か で あ る 。

  

し かし その 遺伝 の 様式 や機 構に つ いて は何 も知られ ていない。1989年オックス フオー ド大学グループは総IgE値、 抗原特屡的IgE抗体価さらに は皮膚試験の結果からア1ピー素因 を 定 義 し 、 英 国 家 系 を 対 象 ・ : し た 分 離 解 析 と 連 鎖 解 析 を施 行 した 。こ の結 果は ア

I

ピ ー 素 因 が常 染色 体 優性 に遺 伝し 、 染色 体llq13(以 下llq13と略 す) にア

I

ピ ー素 因 を 規 定 す る 腫 瘍 遺 伝 子 が ィ

F

在 す る 可 能 性 を 推 測 さ せ た 。 し か し 我 々 を 含 め た 多くの施設による同様の検 き゛fは彼らの結果を追認で きていなぃ。オックスフオード大学 グループはさらに検討を進 め、11‑¥13のアIピー遺伝子 は母親から子供に伝わった時のみに そ の 作 用 が 現 れ ( ゲ ノ ム 刷 リ 込 ラ ` 現 象) 、llq13に存 在す る高 親 和性

IgE

受 容 体p鎖

(以 下FcRIp鎖と 略 す) 遺ん ;子 が アIピ ー遺 伝 子の 本態 であ る 可能 性を示した 。彼ら は同遺伝子にアミノ酸変異 を伴.|遺伝子変異を見いだ し、ア1ピー素因との間に有意な関 連 を 報 告 し て い る 。 そ こ で 我 々 は 日 本 に お け る ア

I

ピ ー 素 因 の 遺 伝 支 配 を 明 ら か に する ため 、ア

I

ピ ー素 因と

llq13

´ . の連 鎖及 び関連の 有無を検討した。さらに英 国で報 告 さ れ た

FcE RIp

鎖 遺 伝 子 の 遺 伝 子 異 変 の 有 無 を 日 本 人 で 検 討 し た 。

対 象 と 方 法

  

対象 は当 院通 院 中の アIピ ー ´B| 気 管支 喘息 患者 を発 端 者と する

14

家 系の構成 員107 名 。 一 方 血 縁 関 係 の な い 一 黔 集 団 と し て

63

名 の 気 管 支 喘 息 患 者 、

3

名 の 花 粉 症 患 者 、3名 の 慢性 湿疹 の患 者、

7

ノ ルギ ー 疾患 を有 さな い健 常 人51名か らな る合計120名、

血 清総

IgE

値高 値、 抗原 特異

e'

゛JigE抗体の上昇、皮膚 ブ9ック試験陽性の少なくと も1つ の条件を満た す場合、ア1ピー素1園がある と判定した。llq13の遺伝子型はマーカー遺伝子

D11S 97

とFc ERIp鎖遺伝子にゴiいて決定しだ。D11S97ではミニサテライ1領域をサザン法で、

Fc  RIp

鎖 遺 伝子 では 第

5

イン コ ンの

CA/GT

マ イク ロサ テラ イ

I

領域 をpolymerase chain

react10n

( 以下

PCR

と略 す) と ポ9ア タ

9

ルア ミ ド電 気泳 動を 用い て 、そ れぞれ対立 遺伝 子を同定した 。

  14

家 系 の 構 成 員

107

名 に お り ヽ て ア

I

ピ ー 素因 の有 無ま た は血 清総

IgE

値と

D11S97

及 び

FcERIp

鎖 遺 伝 子 と の 関 違  ̄ に っ き 検 討 し た 。 さ ら に

120

名 の 非 血 縁 一 般 集 団 に お いて も同 様の 関 連を 検討

L

, ヒ。

11q13

と アIピー 素因 との 連鎖 の 有無 は尤度比検 定法 及 び

Affectedpedigreememlw

法 ( 以 下

APM

法 と 略 す ) に て 検 討 し た 。 尤 度 比 検 定 法 においてはアIピー素因の 遺1轟モデルとしてゲノム刷 り込み現象を想定、また遺伝 子頻

(2)

度 は0.25、 ヘテ ロ 接合 体の 浸透 羇は

0

6

と した 。

  

英 国 で ア

I

ピー 素因 と の関 連7i報告 さ れた

Fc cRIp

鎖遺 伝子 のア ミ ノ酸 変異 (Ile181

Leu181

) の 有 無 を

amplifl

ationrefraCtorymutationSyStem

( 以 下

ARMS

と 略 す ) を 用 い て 検 討 し た 。 ; : ら に

ARMS

に て 正 常 型 の ホ モ 接合 体 と判 定さ れた 遺伝 子

DNA

を ダ イデ オキ シン 法を 用 いて その 塩基 配 列を 決定 し、

ARMS

の 結果と比較検 討した

    

結 果

  

家 系 集 団 に お い て 、 ア

I

ピ ー 素 因 と 正 常 者 と の 間 に は

D11S97

及 びFcRIp鎖 遺伝 子の 対 立 遺 伝 子 の 分 布 に 有 意 な 偏 りは なか っ た。 一方 血清 総

IgE

値 高値 (

1001U

ml

以 上)

の 者 と 正 常 者 と の 間 に

D11S97

の 対 立 遺 伝 子 の 分 布 に 有 意 な 偏 り が 認 め ら れ た

X

‑18.4

p

二 ニ

0.01

) 。 特 に

D11S97

0.96kb

の 対 立 遺伝 子( 以下

D11S97/0. 96kb

と 略 す ) を 持 つ 者 の 総

IgE

値 の 平 均 は

782IU/ml

( 標 準 誤 差

259

) で 持 た な い 者 の 平 均 は

381IU/ml

( 標 準 誤 差

119

) で あ っ た 。

120

名 の 一 般 集 団 に お い て も 同 様 に 総

IgE

値 が 高 い 者 に 対 立 遺 伝 子

0.96kb

が 有 意 に 多 く 認 め られ た(

X

゜ :9.

7

p

二 二ニ

0

 019)

  

検討 した

14

家 系で ァ

I

ピー 素 因は 各世 代に 出現 し 、片 親が アIピー素因の子供の約50% が ア

I

ピ ー 素 因 を 有 し て い た 。 こ れ は 優 性 遺 伝 形 式 に 矛 盾せ ず、 尤度 比検 定 法は 優性 遺 伝で ゲノ ム刷 リ込 み 現象 の存 在を 想 定し行った。llq13領 域での位置スコアーはD11S97 で 最 大 一

35

ま で 低 下 し こ の 領 域と アIピー 素因 と の間 に連 鎖は なか っ た。 血清 総lgE値 の みで アIピー 素因 を規 定し た 場合 も結 果は同様であった。 さらに遺伝モデルの設定を必 要 と し な い

APM

法 で 連 鎖 を 検 討し たが 、家 系内 の アIピ ー 素因 と判 定さ れた 者 同士 の間 有 意な 対立 遺伝 子の 偏 りは なか った 。

  ARMS

に て 家 系 集 団 及 び 非 血 縁 集 団 の

227

人 、 計

454

本 の 染 色 体 に つ い て

Fc RI

声 鎖 遺 伝 子 の ア ミ ノ 酸 変 異 (

Ile181

Leu181

)の 有無 を検 討 した が、 全例 にお い て変 異特 異 的 プ ラ イ マ ー を 用 い た と き に

PCR

産 物 は 増 幅 さ れ な か った 。さ らに 実際 に 検討 した 塩 基配 列は

ARiVS

結 果と 一致 し た。

考 察

  

英国 の 検討 で用 いら れ た方 法で アIピー 素因を定義し、 同様の遺伝モデルを用いて尤 度 比 検 定 法 に よ る 連 鎖 解 析 を 行 っ た が 全 く 異 な っ た 結 果 が 得 ら れ た 。 さ ら に 尤 度 比 検 定 法 で 用 い た 遺 伝 モ デ ル が日 本 人集 団で 不適 当な 可 能性 があ り、 遺 伝モ デル を必 要 と し な い

APM

法 に よ る 連 鎖 解 析 も 行 っ た が 、

llq13

と ア

I

ピ ー 素 因 と の 連 鎖 は 得 ら れ な か っ た 。 従 っ て 日 本 人 に はllq13アIピー 素因 を単 独 で規 定す る主 要 遺伝 子の 存在 は 考 え に く い 。 一 方 我 々 が 検 討 し た

107

名 家 系 構 成 員 及 び

120

名 の 非 血 縁 集 団 の い ずれ に おい ても 血清総IgE値 と遺伝子マーカーD11S 97と の間に有意な関連が認められ 、

D11S 97

近 傍 に 総

IgE

値 に 何 ら か の 影 響 を 与 え る 遺 伝 子 の 存 在 が 推 測 さ れ た 。

D11S97

0.96kb

を 有 す る も の は 、 そ れ を 有 さ な い 者 に 比 べ 総

IgE

値 有 意 に 高 い が 、 両 群 で の 総

IgE

値 の 分 布 は 大 き く 重 な り 合 い 、

D11S97

近 傍 の 遺 伝 子 の 働 き は

lgE

が 高 値 を 示 す の に 必 要 か つ 十 分 な 条 件 で は な い こ と が わ か る 。 従 っ て 日 本 人 で は

llq13

に 総

IgE

値 に 影 響 を 与 え る 遺 伝 子 が 存 在 す る と し て も 、 そ の 寄 与 度 は 小 さ く 、 連 鎖 解析 によって検出できる程ではな いと考えられる。

  

我 々の検討に加え、アメ9カ、 オースIラ9ア、ヨーロッパなど多くの集団でも同様の検討が 行 わ れ た が 一 定 の 見 解 は 得 ら れ て お ら ず 、 ア

1

ピ ー 素 因 の 遺 伝 支 配 に は 民 族 間 で 大 き な 違 い があ るこ とが 推測 さ れる 。実 際、 英 国で アッ

I

ピ ー素 因と の有 意 な関 連が 報告 さ れ た

Fc ERI

ロ 鎖 遺 伝 子 の ア 、: ′ 酸変 異が 日本 人に は ない こと が我 々 を含 め複 数の 施 設 で 確 認 さ れ て お り 、 少 な く と も 日 本 と 英 国 と で は ア

I

ピ ー 素 因 の 遺 伝 支 配 に か なり の違いがあると思われた。

―48−

(3)

幺 士  呈 丘

′1`口  口口

  

日本人集団ではアIピー素因と遺伝子座llq13との間にはゲノム刷り込み現象を考慮 しても連鎖は得られ なかった。またFc Rip鎖遺 伝子のアミノ酸変異も認められな かった。しかし同遺 伝子座と血清総IgE値との間 に有意な関連が認められ、日本人 においても寄与度は小さいながらアIピー素因に関与する遺伝子が遺伝子座llq13に存 在する可能性がある

(4)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

Association between high serumtotal IgE levels and D11S97 0n chromosome 11q13 in Japanese subjeCtS

    

( 日 本 人 に お け る 血 清 総

lgE

値 と 染 色 体

11q13

の 遺 伝 子 マ ー カ 一

D11S97

と の 関 連 )

  

目 的: ア

I

ヒ゜ ー 素因 が遺 伝す るこ と は多 くの 家族 研 究や 双生 児研 究から明ら か だ が 、 そ の 遺 伝 機 構 の 本 態 に つ い て は 知 ら れ て い な い 。

1989

年 英国 で 大規 模な 家系 調査 か らア

1

ヒ ゜ー 素因 が染 色体

llq13

の 主要遺伝 子によって常染色体優性に 遺 伝 す る 可 能 性 が 示 さ れ た 。 さ ら に そ の 遺 伝

r

が 母 親 か ら 子 供 に 伝 わ る と き に 作 用し (ケ ゛ ノム 昴0り込 み現 象) 、高 親 和性

IgE

受容 体ロ 鎖(FcE RIロ 鎖)遺伝子 が

11q13

に 存在 し同 遺 伝子 の遺 伝子 変異

(Leu181)

がア1ヒ ゜ー素因と有意に関連する こ と が 報 告 さ れ た 。 一 方 こ れ ま で に 多 く の 施 設 で 行 わ れ た 追 試 は 失敗 に 終わ り、

いま だ11q13のア

I

ヒ ゜ー 遺 伝子 につ いて 一定 の見解は ない。本論文は口本におけ る アIヒ゜ー素因の遺伝 支配を明らかにするため、 ア1ヒ゜ー素因と11q13との連鎖及び関 連 の 有 無 を 検 討 し た も の で あ る 。 さ ら に

Fcc RiB

鎖 遺 伝 子 の

Leu181

の 有 無 も 検 討し た。 対 象は 家系 集団 と して ア1ヒ ー性 気管 支喘 息 患者 を発 端者 とする14家 系 の 構 成 員

107

名 。 一 方 血 縁 関 係 の な い 一 般 集 団 と し て 気 管 支 喘 息 患 者

63

名 、 花 粉症3名、慢性湿疹3名、アレルキ゛ー疾患を有さ ない健常人51名からなる合計120名。

血清総IgE値、抗原特 異的IgE抗体価、皮膚フ゜9ック試験の結果からア1ヒ゜ー素因を判 定し た。

11q13

の 遺 伝子型 はマーカー遺伝子D11S97とFcc RIロ鎖遺伝子で決定した 。

14

家 系で ア

1

ヒ゛ ー 素因 また は血 清総

IgE

値と

D11S97

及び

FcERI

ロ 鎖遺 伝子との連 鎖

  

及 び 関 連 の 有 無 を 検 討 し 、

120

名 の 非 血縁 一般 集 団に おい ても 同様 の 関連 を検

  

討 した 。 ア:

/

酸 変異Leu181の有無はamplification refractory mutation system

  (ARMS)

を用いて検 討した。

    

結 果 : 家 系 集 団 に お い て 、 血 清 総

IgE

値 高値 の 者と 正常 者と の問 に

D11S97

  

対立遺伝子の分布に有意な偏りが認められた(X2=18.4,P―0.01)。優性遺伝でケ゛/

―50−

   

(5)

ム 刷 り 込 み 現 象 の 存 在 を 想 定 し た 尤 度 比 検 定 法 に よ る 連 鎖 解 析 で は 位 置 ス コ ア ー は D11S97で 最 大 ―35ま で 低 下 し アIヒ ゜ ー 素 因 や 血 清 総IgE値 と の 連 鎖 は な か っ た 。 さ ら に 遺 伝 モ テ ゛ ル の 設 定 を 必 要 と し な いAffected―Pedigree−Member法 で も 連 鎖 は な か っ た 。 ま たARMSに て 検 討 し た227人 全 例 に 遺 伝 子 変 異Leu181は な か っ た 。   結 論 :107名 の 家 系 構 成 員 及 び120名 の 非 血 縁 集 団 の い ず れ に お い て も 血 清 総 IgE値 と 遺 伝 子 マ ー カ ーD11S97と の 間 に 有 意 な 関 連 が あ り 、D11S97近 傍 に 総IgE値 に 何 ら か の 影 響 を 与 え る 遺 伝 子 の 存 在 が 推 測 さ れ た が 、 そ の 寄 与 度 は 小 さ く 、 さ ら に11q13領 域 と アIヒ ゜ ー 素 因 と の 問 に 連 鎖 は な く 日 本 人 に 同 座 位 に ア ト ヒ ° ー 素 因 を 単 独 で 規 定 す る 主 要 遺 伝 子 の 存 在 は 考 え に く い 。 ま たFcE RIB鎖 遺 伝 子 の アi /酸 変 異Leu181も 日 本 人 に 認 め ら れ な い 。 従 っ て 日 本 と 英 国 と で は アIヒ ゜ ー 素 因 の 遺 伝 支 配 に か な り の 違 い が あ る と 予 想 さ れ た 。

  口 頭 発 表 に あ た り 、 葛 巻 教 授 よ り 総IgE値 と アIヒ ゜ ー 性 疾 患 と の 関 係 に つ い て 、 本 論 文 と 大 阪 大 学 で の 同 様 の 追 試 結 果 と の 違 い に つ い て 、 さ ら に は 最 近11q13 に マ ッ ヒ °ン ク ゛さ れ たcc10遺伝 子 とア1ヒ ゜ー 素 因の 関 連に つ いて 、上 出 教授 か らは アIヒ ゜ー 素 因 の 定 義 に つ い て 、 さ ら に ア1ヒ ゜ ー 素 因 に お け る 遺 伝 子 変 異Leu181の 意 味 に つ い て そ れ ぞ れ 質 問 が あ っ た 。 申 請 者 は 概 ね 妥 当 に 答 え た と 思 う 。 ま た 柿 沼 教 授 よ り 高 親 和 性IgE受 容 体 ロ 鎖 遺 伝 子 の 突 然 変 異 と 受 容 体 の 生 理 機 能 に 関 す る コ メ ン 1が あ っ た 。 ま た 、 葛 巻 教 授 、 上 出 教 授 よ り 個 別 に 審 査 を 受 け 、 合 格 と の 御 返 事 を 頂 い て い る 。 本 論 文 は 、 英 国 と 同 一 に 定 義 さ れ た アIヒ ゜ ー 素 因 と 染 色 体llq13 と の 関 連 を 検 討 し た が 、 英 国1と は 異 な る 結 果 が 得 ら れ 、 英 国 と 日 本 と の アIヒ ° ー 素 因 の 遺 伝 支 配 が 異 な る 可 能 性 を 示 し た 。 よ っ て 博 士 ( 医 学 ) に 相 当 す る も の と 認 め た 。

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