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論文内容要旨(乙)

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論文内容要旨(乙)

論文題名 Eribulin treatment induces high expression of miR-195 and inactivates the Wnt/β-catenin signaling pathway in

triple-negative breast cancer

トリプルネガティブ乳がん細胞へのエリブリンの曝露は miR-195 を高発現し Wnt/β-Catenin シグナル経路を不活化する 掲載雑誌名 The Showa University Journal of Medical Sciences

Vol.30 No.3 2018 2018 年 掲載予定

病理系 薬理学(医科薬理学分野)専攻 岡﨑 敬之介

トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は全乳がん症例の10〜15%を占め

30%の遠隔転移を伴う。ホルモン療法と抗HER2治療が効果的ではないた

め、標的治療法が確立されていない予後不良な疾患である。2011 年、非タキ サン系の微小管ダイナミクス阻害剤であるエリブリンが手術不能又は再 発乳がんを効能として承認された。エリブリンはG2-M期のがん細胞にお いて不可逆的な有糸分裂塊形成を誘導しアポトーシスを誘発するが、その ほかにエリブリンが持つ新たな作用機序の全容は明らかとなっていない。

今回我々はエリブリンの新たな抗腫瘍メカニズムとして、タンパク質発現を 阻害する働きを持つmicroRNA(miRNA)と Wnt/β-Catenin シグナル経路の活性 化について明らかにすることを目的とした。

NBL typeヒト乳がん細胞株(MDA-MB-231 cells)を用いて、薬剤無添加 細胞とエリブリン曝露後の細胞を比較検討した。miRNA と ELISA 法による Wnt3a,β-catenin,GSK-3β タンパク質の発現と免疫組織化学染色 (IHC) を おこなった。結果は、薬剤無添加細胞と比較してエリブリン曝露後のmiRNA発 現は miR-195 が発現上昇した。miR-195 は Wnt3aをターゲットとして細胞増殖

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を抑制する。miR-195を模倣した miRNAをMDA-MB-231 cellsにトランス フェクションした細胞 (miR-195 mimic) とエリブリンを曝露した細胞に おいて、薬剤無添加細胞と比較するとWnt3aとβ-catenin発現が有意に低く、

リン酸化したGSK-3β 発現は有意に高かった。IHCではmiR-195 mimicと エリブリン曝露後の細胞において、薬剤無添加細胞と比べて Wnt3 発現と

β-cateninは弱陽性を示し、GSK-3β は強陽性を示した。したがって、エリ

ブリン曝露によって miR-195 は高発現し、ターゲットとする Wnt3a 発現は抑 制した。下流にある GSK-3β はリン酸化によって β-catenin を分解して発現 を抑制することが明らかとなった。

エリブリンの新たな抗腫瘍メカニズムとして、MDA-MB-231 細胞におい てエリブリン曝露によってmiR-195の高発現を誘導すること、Wnt3a発現 とβ-catenin発現の低下によりWnt/β-Cateninシグナル経路が不活化するこ とが示唆された。

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