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徳 之 島 の 動 物 方

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(1)

徳 之 島 の 動 物 方 一号 語 彙

野原三義・宮城邦治

は じ め に

音韻や文法の方言調査のさいごにメジロ、ヤモリ、トカゲなど思いつくまま幾つかの動物名 を聞いていて、とりわけメジロの方言の名付け方には、興味を抱いていた。

南島文化研究所では1983年から3年計画で徳之島調査を行ってきた。私達もそれぞれの立場 で係わって来たのであるが、今回は動物学の宮城と方言学の野原がそれぞれの専門的立場から 知恵を出しあって、共同研究をすることになった。まとまった調査期間は1985年3月と9月で あった。調査地点は出来れば全集落調査が望ましいが、それほど余裕はないので、だいたい徳 之島の概観ができるように、適当に選定しておこなった。話者は生え抜きのお年寄ということ を心がけた。話者は一人の場合もあったし複数の場合もあった。

調査は話者に動物図鑑を見てもらって、それを中心にいろいろ解説をくわえ、答えてもらっ た。表記は音声記号でおこなった。

この報告は、I方言地図とその解説、II分類資料、Ⅲ原資料の3個所からなる。詳しくはそ の部分を見ていただきたいが、若干の特徴を述べる。徳之島の方言では、トカゲ、キノボリト カゲ、ヤモリなどの小動物を同一概念でとらえる。蛇類の場合は、6種の和名と方言が、ほぼ 完全に対応する。蝉の場合は4種の和名に対して方言は1〜2種しかない等というようなこと

がいえる。

I 方 言 地 図 と そ の 解 説

後述の資料から特徴的なものを選びだし、25枚の方言地図を作製してみた。調査地点は少な いが、それなりに視覚にうったえ、分布をながめ、いくらかの考察をおこなってみたい。

調査地点確認の便宜のために、次に「徳之島の調査地点名」を出しておいたので、参照され たい。

(2)

徳之島の調査地点名

天 城

与那間/手々

、 ̲ ● 一

松 原

金見

浅 間

1 山

//

D

{ 花

Q

平 土 野

瀬 滝

'西阿木名 へ .

糸木名〜。

犬 田 布 阿 権

阿 三 伊 仙 町

中伊仙

R、、 尾 母

ー ̲ − 、 ● 一

喜念

東 目 手 久 面 縄 /

井之川

徳和瀬

亀 徳

(3)

1 ネ ズ ミ ①/且︲q

わIい汐︲Oxい ●一口■皇﹄︒■ユ章●■&m・皿・皿伽伽加血叱d血血叱﹄■■ユ毎口■▲︿﹄●︶●︒■4垂套■■△﹄a■ユ︑nnnnn○e●$e①

ひC

Q○eい咽11

▲ j u O

X?uiganasi

〈ねずみ>の分布は小異はあるが単一型と言える。阿三ではju9と言うが、それは<はつかね ずみ>として手々にあるし、〈じゃこうねずみ>のd5a:ju9の後の部分と共通するものである。浅 間の?urganasrの?uiはく上>のこと、ganasiは接尾敬称辞である。?uiganasiはくねずみ>を椀 曲的に表現した言い方である。いずれにしろju9あるいは?uiganasIといった言い方が古い言い方 である。〈ねずみ>系の語は後の世に鹿児島から入って来た言葉であるが、ほぼ徳之島全体を席 巻している。短い間に島内を単一型にまとめた理由は、人の暮らし(農作物等)と密接な関係 があるからかもしれない。こういう現象は人の生死と係わるハブの場合にもいえる。(「図説琉 球語辞典』中本正智参照)

2 イ ノ シ シ

●●■■ザ

ロロ■△●利■▲●口■ユ唖叫︽︑醒可 1那叩aaaaa

●■■■︾●a■■︾●ロ■■ザ●勺■■︾●︒■■︾○①四田□

hトー呪刈︲01℃

x?inO脚i

Jxr

(4)

農作物に重大な影響を与えるイノシシの名称も、総てくやましし>系統という点では単一型 といえる。図2では第2音節に古いma音を残すのと、鼻音や長音に変化した群に分けてみた。

図によれば、古い群が島の中央に、変化した形が島の両端に分布しているといえる。×印の?inojiji は共通語の影響で出来た形としてよい。

3 ヤ モ リ jannusi,jannuji,jannuji jannusiganasi

ja:nuja,ja:nusa

jannuimaho

○①①●

( ̲ ) 田 / O

1Jaa︒︑r・1・J1..raOOmmm

●■■ユ●●■ユ●■■晶555.dd●●●●●●aaa

●a■■ザ●口■■︾●も■■ず▲△△ ●a■&O・J 9n︒n・山r●一■■▲0aOuO血mmmmm・胆・胆・胆・胸▽▼HHR

□madzikuja Dd5a:

○印系はく家の主>に由来する群である。接辞のganasiは接尾敬称辞である。△系統は○系 統に近縁のようにおもわれる。▽系に出るmahoは○系にも、△系にも接辞として出ている。maho は後述のように徳之島におけるこの種爬虫類の総称である。H系の語は外から入って来た言葉 であろう。口印のmadzikujaも図4,5に類似の語が見えるから、混交ではなく、この種爬虫類 の総称と思われる。Dのd5a:はジャコウネズミ等に関連形を見ることができる。

分布は○印は徳之島町方面にまとまっている。これには△印系を入れて考えてよい。▽印系 は北の平土野と南の面縄方面に分布している。

新しい外来の語は伊仙方面から入りかけているとみえる。

(5)

4 ト カ ゲ

○tsinagira.t'sina:gira

①tina:gira etlima:gira

madzikuja madzYguja

maho kusammaho

kad5uO ginata

口田▽▽KG

この語は地図を見ても分かるように調査地点が少ない。書きもらしてしまったが、分からな いという場合が多かった。その動物を知っていても名称が出ない場合もあった。与名間、浅間、

平土野などのように、地上にいるトカゲも、丈の低い草木にいるカナヘビも特に区別せずに、

それらの総称として用いている場合もある。分布を云々するには資料不足であるが、ヤモリと の関連した形が特徴的に多いと言えるであろう。

5キノボリトカゲ

maho・moho:

jamamaho kr:nuimanjo ki:nUia.ki:nusa

madzrkuja kinugira

?issatumjau

▽ 〆

V▽ ▽△△□○x

V幻

V

(6)

琉球列島ではどの島じまでもガジマル、福木など庭先の樹木に普通にみられる。この小動物 は、子供達の恰好な遊び相手だから、だれでも知っていて、比較的に語彙量も豊富である。図 5によれば、徳之島では▽印のマホ系が有力で、島の南北に分布している。中央の方に〈木の 主>に由来する△印がみられる。接辞manjbは優勢なmahoと関連ある形であろうか。口印の madzrkujaは、この種爬虫類の総称でもある。○印のkinugiraは接辞giraを見ても分かるように、

図4のトカゲの○印のツナギラ系と関連ある形である。X印の?issatumjauはカマキリとの混交 とみてよい。

上の語は、次の地点ではキノボリトカゲのみを表すのではなく、例えば、井之川、目手久、

阿権ではトカゲと、阿三はカナヘビと、喜念はトカゲ、カナヘピと、池間はヤモリ、トカゲと いうように類似爬虫類との統一名称である。

図3〜5では、異なった小さな爬虫類を統一名称で命名する特徴がみられるが、琉球方言の 中には小鳥などにもこういう傾向を持った方言がある。このような命名のしかたは、図6〜11 の蛇類とは違った特徴である。

6 リ ュ ウ キ ュ ウ ア オ ヘ ビ

口田囲囮①①○● aaaaOOOu???????? oOuu:....・・ 叩皿叩皿岨︑叩Mnnnnnnnn ね鯛ね綱孤軍ね鯛

QⅦ

の(D̲̲Q

図6の語群は、総て同一語源に遡る。或いはく青うなぎ>に当たるのだろうか。ここでは二 重母音ao9auか、長母音のO:9u:の違いをみるためのものである。○印の長母音は、だいたい伊 仙町の方と北端に分布しており、口印の連母音は、だいたい昔の面縄間切と平土野、浅間、松 原の辺に分布している。

(7)

gD伽加圃加圃加・1・1・1︾1や1u部勾誰勾イ勾鵡悉悉rrrrrraaaaaaq︾Q︶q︾q︾q︾q︾︒①e①⑪●

7 ガ ラ ス ヒ バ ァ

馴帥ug

aaaa 鋤鋤刈澗 rrrraaaa 9999口臼田田

Xjama?u:nud5a

金見ではリュウキュウアオヘビと同範晴としてとらえjama?u:nud5aというが、それを除けば、

総て同系統と思われる。0ubu,bu,biはくへび>と同じ系統のように思われる。

口印と○印の違いは、接辞にg音を持つか、b音を持つかによって分けたものである。分布 は○系統は島の中部と南部に、口印は島の北の方に多いといえそうである。

8 ア カ マ タ ○○ ●●八了利D uu

●︒■■ユ

ロ︒■■︽ttaa︑m

→u加卯伽加m

■q■△●○一■丑●口日呈●︒■▲︿︼.︶︿一・︶●︒■国Lttttttttttttttaaaaaaamm︑m︑mm

○●①e◎e●

①の

八?a:mattibu.?amattibu ハ?a:mattebu

QC

① ○ ○

アカマタの語群も遡れば同一のものである。図8は?a(:)の付く群と、そうでない群との区分で ある。この蛇は赤と黒っぽい色のまだら模様であるから、?a(:)はく赤>を表すと考えてよかろう。

従って、伊之川、亀徳、尾母のA印が古い形で、○印群は?a(:)の脱落した形である。図では○印 がはるかに優勢だから、A印はしだいに消えていく形なのかもしれない。○印の接辞ウu,bu等の 個所にguがあるが、これは図7にも類似した関係が存する。

(8)

9ハイ(ヒャン)

○①⑥④■口田日囮

ga:ru Ca:ruma

Ca:ri Ca:i

saoro

pl︑炉卜祠 ① ⑪

sa:ru

sa:rugwa

sa:ru:

sa:rl

○ぬ

図9のハイの語源も同一であろう。saoro,sa:riなどが、その鍵をにぎっていそうである。gwa は指小辞であるが、maもそうであろう。口印はs音を保つ古い群、○印はそれが変化してh音 になった群である。分布は、だいたい伊仙町方面と島の北端に○印群があり、中央に口印があ

1 0 ヒ メ ハ ブ

①/Lfrl

仰11怖他IDI叩 ○① 勺d○K

OOOrrrOOmmaaarr︾1・1叱蛎蝿曲岨血蛎●●●●●●●●●●●●●●aaaaaaawwwwwwwkkkkkkk

④⑤①①

ヒメハブも総て同一の語源から出たものである。この蛇は、のろまな性質を有するから、語 源の鍵はこんなところに有るかもしれない。破裂音か破擦音かをみてみると、島の東側に破裂 系統が多く、主に西側は破擦音系統が多い。

(9)

11ハブ

99uuu

mmnジ︑﹄1・1u・1Z辱○勺︒毎O︑q︑︒︑︒︑qaaaa︑m︑m

①e○$

『oD(R

)

,○○(

Xhabu

O C

ハブの語群は、2個所のhabuを除いて、同一の語源くまじもの(墨物)>から出た語である。

本来はハブのような、そのものを表す語があったのであろうが、人を死に至らす猛毒を持ったハ ブに対して、椀曲表現をするようになって、全島に広まったのがマジモノ系の語であろう。

似たような爬虫類にかかわらず、6種の蛇類に対し、ほぼ全島同系統の言い方が存している。

生命に係わりのあるものに対し、正確に認識しておかなければいけない理由で、6種の和名と 方言形が正しく対応するものと思われる。島の人達が、ほぼ統一した言い方を持つのも、生き て行くうえで、どうしても必要だからであろう。

12夕力(サシバ)

トレーー心○b aa○K︑︑・・aaattt●①○

○m

o Q ̲ C

(10)

金見に原形のtakaがあり、隣の手々にk→hの変化したtahaがある。後は、総てhが落ちたta:

であり、ほぼ完全な単一形の分布である。

13ウズラ(ミフウズラ)

□?udzira

図?udzura m?udzira

ud5iraUd5ira 四?udzura9

△?undza.?undza:

△?unda.?unda:

ぬい

爪 △

図13は、2音節めが鼻音か、破擦かということである。伊仙町方面には、△印がまとまって 分布している。

1 4 バ ン

○kumrra

①kumiru

①kumuru

@k'umg:ra

◎kubrra

⑧k'uberu Kkukka:ru

⑲ −(L

バンの語群は単一型といってよい。阿権のkukka:ruはアカショービンとの混交かもしれない。

2音節めの有声音bを問題にすれば、これらは松原、平土野といった北部の西端に存している。

(11)

小Y

●●

制Kや︒■▲

.uuu

u八Yuuq︾︑︐:岬加叫廻加加加皿kkkkkkkk鐘○日▲鐘●■■●︒■▲﹄一己■ユ︾︒■ユ鍾口ロユ唾■■▲﹄一■■▲幅幅眼叩幅給給幅幅口図図田田日図囚

15フクロウ(コノハズク)

○?咽a:tsrku0u

emja:tsiku#u.mja:tsiku:0u

①mja:tsikugu Amintgiku@u

▽mjammja9

Amindzuk'u:

である。これは山や与那間といった 図15で、もっとも古い形は、○印系の?mja:などがある形である。これは山や与那間といった 北端にのこっている。金見では?mja:の付いた形でもいうし、それを落とした形でもいう。浅間 では、人によってmja:を付けたり、落としたりといった状態である。西阿木名ではmja:のあ るのはコノハズク、ない方はオオコノハズクとのことであった。分布の状況からみて○系の方 は、?mja:等の落ちたと思われる口系に漸次勢力を奪われていったと思われる。△印は共通語の 影響なども考えられるが、ひとまず○印に近い仲間と考えておく。他の三角も○印群と考えて

も、口印の方が全体的に勢力が強い。

1 6 カ ワ セ ミ

○ka99jura.ka99ju:ra

①kand5ura.kand5u:ra

①kand5o:ra

④gandzuja

⑪gand5uja ekantjid5ura TtantantIrku Kko:ka9

(12)

鮮やかなブルーは人の目を引きつけるに充分である。○印の最初のkanは民間語源で神とい うことであった。図16では○印の方が多い。その中でも初めに有声音のg音を保つのは北端の 金見と手々である。ko:kaOは、奄美に特徴的なawa→o:という音韻現象があるし、生息場所 から考えてもko:は川のことであろう。tantantjikuは話者が、あやふやな気持で言った形であ

17キツツキ

ki:tsikja.ki:tJr:kja eki:tsikkja

eki:tsikja

①ki:tjikja

④ki:tjikkja

eki:tsiki eki:tsuki の−℃ C○⑦a

O G ○

キツツキの語群は、みな同系であり、語構成も共通語と似てく木突き>であろう。3音節め に中舌母音を伴う群が多いが、ないのも井之川、犬田布、阿権、浅間と島内に点在している。

1 8 ツ バ メ Q①

○matagarasu.matagara:su

①matagaraji Xgarajimata

Xgarasimata Ttsibamr

QC

○一○

(13)

tSibamIは共通語の影響である。圧倒的に○印が多い。×印は井之川、尾母にあり、図18では 近いところに存している。その×印も○印の前後の転倒でできた形のようであるから、語源は 同一である。池間の話者は、matagarasuは、尾が二つあってカラスに似ているとの民間語源 を教えてくれた。

1 9 ヒ ヨ ド リ

jusi.Iu:si.juji

①ju:su eiu:ji esu:si.su:ji

・ACu:si ACu:Ca

△ゥjuJa

△八

ヒヨドリの方言も同一語源から出たものである。語頭にs音を有する○印群と、h音を有す る△印群に分けられる。△印群は北端の手々にもあるが、伊仙町方面にまとまって分布してい るのが特徴的である。

○kansant'siku

①ka:nsantjiku

①kansantlikuma ekand5atsiku 20イソヒヨドリ

□ki:kuru Zk'ikkoro

△?unduri

△?undui VsrguO Vt'Sugu9

IijiJibuji

Kkukkaru

(14)

もともとは海岸の岩場を住みかとする鳥のようであるが、沖縄国際大学のビルの上でも、よ く通る美しい声で鳴いている。徳之島では,いたるところにいる鳥であり、目手久での調査の ときは、。目の前の牛小屋の中にまで入って来た。なんでもそこに巣をかけているとのことであ

さて名称であるが、松原ではkukkaruかなということであったが、これはアカショウピンの 場合が多いから混交を起こしているかもしれない。これを除いて考えればヒヨドリの方言群は 5群に分かれることになり、変異の多い語ということになる。○印は松原を除けば、平土野か ら手々までまとまって分布している。口印も山、花徳とくっついて存する。この名称はイソヒ ヨドリの鳴声に由来しているらしい。△はく海の鳥>ということであるが、西阿木名、阿権、

阿三あたりではイソヒヨドリの固有の名詞になって落ち着いている。V印は島の下方に位置し ている。語源はよく分からないが、○印の接辞の部分と関連がありそうな気がする。井之川の

?ililibujiは独得な形である。

2 1 セ ッ カ

○gikkja

①gi:kja egi:ki

①gikisaO

④bi:kja

□kiOki9

Ztsintsi9.t'sintsi9.tjYntji9 mtjin可i9

曰tjontlo9

この小鳥は沖縄でもよくヒバリといわれる。徳之島でも同様であった。正しくはヒバリでは なくセッカである。さて、方言は○群と口群の二つに分かれる。口印語群は、恐らく鳴声に由 来する形であろう。○印語群は口印語群とは異なる形である。語源はよく分からない。bi:kjaも 接辞に類似性がみられるので、一応まとめておく。分布は島の南部で□○印おのおの分かれて いるが、北の方ではおのおの出入りがある。

(15)

2 2 メ ジ ロ

ee①①①①①︒

?issami

?isami

?i"ami

?iIIami

sarnrni samT

イ ッ サ み イ サ み イ ッ シ ャ み イ ッ シ ャ ミ

サ ン み サ み サ ー み

サ ン ミ ャ

sa:rnl salnlnJa

gtsijudui(gwa)つユドウイ(グヮ)

Btsittsijuつッつユ

Ztlikkara チ ッ カ ラ Amasiki:d5aマすキージャ Amasikjuraマすキュラ

Hhanajuiハナシュイ

H h a n a s i ハ ナ す

①①e ee

on

メジロは琉球各地の方言で独特の命名がある場合が多い。徳之島の場合も4通りの群からなっ ていて、それぞれまた小異をなしている。語彙量の多い語といえるだろう。

もっとも優勢なのは○系のイッサミ系である。◎系の方は語頭の?iが落ちた形である。沖永 良部方言でも関連あるJa:mi:やsa:mi:という形が多いから、イッサミ系語群は、ほんらい

全島にあった形と考えてよかろう。これの語源は2通りが考えられる。一つはくい白目>であ る。メジロの命名のさい、あの白い目に着目して名付けるのは、共通語でもメジロ(目白)と いうのだから、前後が入れ替わっただけで、同じといってよい。英語でもwhiteeyeというか らく白目>と同じである。<い白目>はく白目>に接頭語の「い」がついたと解釈するのであ る。接頭語「い」はオモロには見えるのであるから牽強付会とも言えないのではないか。語源 のもう一つの考え方はくいせ目>で,意味は、美しい目、立派な目である。「いせ」は古典語に も、オモロにもみえる。オモロではく勝れた、立派な>の意の美称辞として「いせゑけり」(勝 れた兄弟)、「いせひやし」(勝れた拍子)などと用いられる。「いせ」の対語「くせ」も「くせ き」(美しい木)、「くせはへる」(珍しい美しい蝶)、「くせみや」(美しい庭)などと使われてい

(16)

る。特徴的なメジロの目に着目しての命名なのである。今のところ、上の二つの内の、どちら とも言いがたい。

口系はメジロの鳴声に由来する形と考える。△系は接辞の部分が美しいという意だから何か が美しいのであるがmasiの部分がよく分からない。あるいは眉のことかとも考えている。H系 はく花吸い>に由来している。密を吸うという行動形態に着目したのであるが、この形は『鹿 児島方言辞典』嶋戸貞義にハナシ、『大隅肝属郡方言集』野村伝四にハナスイ、さらに『全国方 言辞典』東条操によれば種子島でもハナシイというから、鹿児島からの移入語と考えてよかろ

分布は、鳴声に由来する口系と、△系の与那問、平土野の2個所は、共に島の北に位置して いる。外来のH群は浅間と目手久にあるが、これは南北に離れて存している。なにか外来のも のが入りやすい理由があるのだろうか。以上を除いたのがイッサミ系で、もっとも優勢である。

?iの脱落した◎系は伊仙町方面に有力に分布している。これはまた沖永良部に繋がっていく形 のようである。

2 3 ス ズ メ

︑/生︽lq1

吟仙11個ID︲叩 a・胴a・胆rr・1rr・1uuuuuu制q勺q利q勺︒利q勺qnnnnnnuuuaaa●■■■︾●a■■ザ●■■■︾●■■■︾●■■■︾●■■■︾○●①◎0.

○○

性悪な鳥の意のくよも鳥>が語源と思われる。○系が優勢である。沖縄方言には卑称の接頭 語としてjumu‑inagu(性悪な女)、jumu‑go:so:namu9(性悪な高尚な奴)など関連あるjumu がある。『図説琉球語辞典』によれば、他の奄美の島々もjumuが頭に付いた形である。junも 卑称の接頭語としてよかろう。◎系は上を基にして語形や行動形態の類似からく家の鳥>の意 に変わったのであろう。この群は、南の糸木名にもあるが、多くは島の北に分布している。

(17)

2 4 カ ラ ス 人旧I〜bIO① ●g■▲ 9D

●●Pu■■■Umaaa..rrraaaaq︾q︾q︾q︾○●①●

○℃

C O へ E

カラスの方言は、総て同じといってよい。ただ小島方言は接辞jibuが付いて小異をしめす。

〔 ̲ ) ①

○ /

r..

a:

3︐︾恥岬︾︾︾︾︾岬

○①eKKKKKX

25チョウ・ガ

KBK.̲̲g

25図のねらいは、○印のhabira等のような言い方か、K群のkabiraのような言い方かを見 るにある。与那間だけでは、蝶をko:ga:ra,蛾をhabe:ruと区別するが、手々では蛾にはhabira というが、蝶はわからない。山では蝶・蛾いずれもhabrraという。25図はこういうものが、ごっ たに入っている。だから、蝶・蛾とも一緒くたに見てみようという図である。分布をみるに、

まずX印のt」b:tjoのようなのは、共通語から入ったもので、4個所のうち3個所は本来の形と の併称である。語頭にK音を持つ語群は、伊仙町方面が根拠地で、島の北端等にも点在してい る。語頭にh音を持つ群は、伊仙方面以外は島内に広く分布している。

kabrraとhabiraを並べてみると極めて類似した形である。両者関係ありとすれば、k→hは あっても、逆はないであろうからkabiraが本源ということになるが、実際は関係なさそうであ る。しかし、沖縄でも北部にあったり、有名な久高島のカベールの森と関係ありとすれば、と

ても古い形なのかもしれない。

(18)

11分類資料

原資料を基礎にして、いくつかの動物について方言名を分類してみた。その中で、徳之島に おける動物方言名の民俗分類を試みた。

一哺乳類の動物方言名一

M1・ジャコウネズミ d5a(平土野)

d5a:(花徳・池間・井之川)

dza:imu9(西阿木名)

dza:ju9(手々)

d5a:juO(金見・松原・犬田布・阿権・阿三・中伊仙・面縄・東目手久・喜念)

d5a(:)ju9(浅間)

d5aju9(与那間)

M2・ワタセジネズミ kid5i9(井之川)

M3,コウモリ類

ko:mori(手々・金見・山・花徳・井之川・尾母・与那間・松原・浅間・平土野・西阿木

名・犬田布・中伊仙・喜念)

k'o:mori(池間)

ko:muri(阿権・阿三・東目手久)

M4.アマミノクロウサギ

?usa9i(手々・花徳・井之川・与那間・犬田布・阿三・中伊仙.東目手久・喜念)

k'uro?usagi(平土野.西阿木名)

k'uro?usa:gi(浅間)

kuroPusagi(山)

M5.ネズミー般

nrdzrmi(手々・山・花徳・池問・井之川・徳和瀬・与那間・松原・浅間・平土野・西阿 木名・阿三・中伊仙・面縄・東目手久・喜念)

nidzimi(尾母)

nrdzumi(阿権)

(19)

nidziO(金見)

nedzumi(犬田布)

ju9(手々・阿三)

?uigana:sI(浅間)

●口■ユ●■■ユ︑こ加加ズ汕池ネ麺麺ゲmmトーaa

●■■■︾●■■gザ

(井之川・与那間)

(松原)

M7.ケナガネズミ dud5iru(井之川)

dzid5iju(手々)

d5u:dzirumdzrmi(平土野)

?ajanrdzrmi(平土野)

M8.ハツカネズミ harugita(平土野)

harugita(浅問・松原)

hatsukanrdzrmi(与那間)

ju9(手々)

M9.ネコ

njau

rnaJu

(花徳・池間・井之川・亀徳)

(手々・与那間・松原・浅間 面縄・東目手久・喜念)

(手々・金見・山・尾母)

・与那間・松原・浅間・平土野・西阿木名・犬田布・阿権・阿三・中伊仙。

rnJau

M10.イヌ

?i9(犬田布・阿三・中伊仙・面縄)

i9(手々)

?i0(尾母)

M11.イノシシ ja:si(山)

jansr(手々・与那間)

jamasr(花徳・池間・井之川・徳和瀬・亀徳・尾母・浅間・平土野・西阿木名)

(20)

壷1.1倫罪叫刑Ⅷaa・1

●︒■■■︾●■■■︾︽四〆︲凸

(松原)

(阿権・阿三・中伊仙・東目手久)

(阿権)

M12.ブタ

?wa(平土野・犬田布・中伊仙)

?wa:(手々・松原・面縄)

M13.ウシ

?uji(手々・松原・犬田布・中伊仙・面縄)

?usi(花徳・尾母・平土野)

M14.ヤギ

jagi(尾母・平土野)

ja:gi(中伊仙・面縄)

M15.ウマ

?ma:(尾母・中伊仙・面縄)

一哺寧隙の民俗分類一

徳之島に分布・生息する哺乳類の中でネズミ類に民俗分類が見られる。その中で、食虫類も 包括するju0とネズミ類だけを包括するnidzimi群の2型がある。ju9は手々と阿三で見られるが、

nidzimi群は井之川・与那間・平土野で見られる。

1)ju9の場合(手々)

dza:ju9 ジャコウネズミ(食虫類)

JuO

ネズミー般(クマネズミ等)

JuO

dza:ju9はジャコウネズミが夜間によく鳴きながら活動する生態に由来する呼称と思われる。

単にd5a,d5a:などと呼称する地域があるが、これは後のju9が欠落した型であろう。その他に、

徳之島にはジャコウネズミよりもずっと小さいワタセジネズミが生息しているが、その方言名 を井之川でkid5i0というが、他の部落では採集できなかった。

(21)

2)nidzimi群の場合(井之川.与那間.平土野)

クマネズミ・ドブネズミ等 トゲネズミ

nidzimi i − ケ ナ ガ ネ ズ ミ

ハ ツ カ ネ ズ ミ (harugita)

トゲネズミ・ケナガネズミは徳之島・奄美大島・沖縄島に分布する固有種で、山地の森林に 生息し、一般の人々にはなじみの薄いネズミである。方言名もトゲネズミが井之川・与那間・

松原で、ケナガネズミが手々・井之川・与那間で出現するだけである。

トゲネズミのjamanidzimi(井之川・与那間)とjamanid5rmi(松原)は、山にいるネズミ〃

の意味で、棲み場所に関連した呼称である。ケナガネズミのdud5iru(井之川)・dzid5iju(手々)・

d3u:dzirunidzimi(平土野)は、尾(d5u:)白(jiru)〃と言う、このネズミの尾の先が白くなっ ている形態的な特徴をとらえた呼称である。また、平土野で聞かれた?ajanidzimiも同様に尾の 白い部分(綾)に着目したものであろう。

ハツカネズミはhatsukanidzimi(与那間)の他にju9(手々)・harugita(平土野)・harugita

(浅間・松原)の呼称がみられるが、ju9・harugita等の方が古い呼称かも知れない。harugita は蝋haru(原・畑)にいるgita(不詳)〃であろうか。

−鳥類の動物方言名一

B1.サギ類 sagi(尾母)

sa:gi(山・与那間・松原・浅間・平土野・阿三・中伊仙・東目手久)

sa:gja(池間・井之川)

sirusagi(西阿木名)

jirusa:gi( jigi(花徳)

B2・タカ(サシバ)

ta:(山・花徳・池間・井之川・亀徳・尾母・与那間・松原・浅間・平土野・西阿木名・

犬田布・阿三・中伊仙・面縄・東目手久・喜念)

taka(金見)

taha(手々)

(22)

B3.ミフウズラ

?udzira(手々)

?udzira(山・花徳・井之川・尾母・平土野・西阿木名)

?ud5ira(浅間)

?ud5ira:(松原)

?undza(犬田布・阿三・中伊仙・面縄)

?undza:(阿権)

?unda(東目手久)

?unda:(喜念)

?udzura(与那間)

?u:dzura9(池間)

B4.バン

kumira(池間・井之川・浅間)

kumiru(西阿木名・阿三・東目手久)

kumuru(花徳・中伊仙)

kubira(松原)

k'ume:ra(与那間)

k'uberu(平土野)

kukka:ru(阿権)

B5.チドリ類 tsidui(山)

tjidzui( tjid5ui(松原)

t'sId5ui(与那間・平土野)

tlid5ui(浅間)

tjid5uraO(井之川)

hamatjidui(阿三)

hamatsid5ui(花徳)

hamat'sid5ui(西阿木名)

hamat'jid5ura(

hamatjid5urja(犬田布・東目手久)

B6.シギ類 jigi(井之川)

(23)

B7.

sigi(尾母)

ハ ト 一 般

hatu(手々・山・花徳・井之川・面縄・東目手久)

hatu:(平土野・犬田布)

hato(中伊仙)

hato:(金見)

(キジバト)

hatu(井之川・尾母)

jamabatu(手々・平土野・面縄)

tsitsibatu(平土野・西阿木名・与那間)

tsitlibatu( tsutjibatu(東目手久)

tjitjibato(阿権・阿三)

tsutlibato(喜念)

hate:batu(中伊仙)

ntlabatu(松原)

(ズアカアオバト)

?aubatu(手々・山・花徳・井之川・尾母・与那間・松原・浅間・平土野・西阿木名・犬 田布・東目手久)

?aobatu(阿三・中伊仙)

?aobato(阿権・喜念)

(カラスバト)

?usibatu(井之川・与那間)

?umbatu(池間)

k'urubatu(平土野)

B8.コノハズク類

mintsikuOu(井之川)

mindzuk'u:(池間)

?mja:tsiku0u(山・金見・浅間)

mja:tsTku:0u(与那間)

rnja:tsikugu(西阿木名)

Injammja9(伊仙)

tsikuOu(手々・花徳・浅間・阿三・東目手久)

tsiku:0u(金見)

(24)

tSikkuOu(犬田布・阿権)

tsikuu(尾母)

tsrkku:(面縄)

tsikkubu(喜念)

tsrkkugu(西阿木名)

tsikigu(平土野)

tjikuOu(松原)

B9.カワセミ

kand5ura(花徳・喜念)

kand5u:ra(与那間・松原)

kand5o:ra(面縄)

kantlid5urja(東目手久)

kantjiru(阿三)

ka99jura(浅間)

ka99ju:ra(平土野)

ko:ka9(井之川)

gandzuja(手々)

gand5uja(金見)

tantantsiku(山)

B10.キツツキ類 ki:tsikja(井之川)

ki:tsikkja(与那間・西阿木名・面縄)

ki:tsikja(手々・山・尾母・中伊仙・東目手久・喜念)

ki:tjikja( ki:tjikkja(犬田布)

kr:tjikja( ki:tsuki(阿権)

ki:tsiki(花徳・阿三)

ke:tsikja(平土野)

釦副摘罪aaa証諏諏メ叩珊瑚くりt→﹄︲tノaaaツm︑m

(山・花徳・池間・浅間・犬田布.阿権・阿三・面縄・東目手久・喜念)

(与那間・平土野)

(松原)

(25)

garajimata(井之川)

garasimata(尾母)

tsibami(西阿木名)

B12.セキレイ類

?abuIikunagja(井之川)

tanhatamarikugja(阿三)

dzunaga(阿権)

d5u:d5iru(松原)

kantsira(池間)

sigu9(東目手久)

B13.アカシヨウビン

kukkaru(井之川・与那間・平土野・犬田布・阿三・中伊仙)

kuk'aru(浅間)

kukka:ru(手々)

kuka:ru(松原)

kokkaru(花徳・尾母)

kokka9(尾母)

?a:sr9u(平土野)

B14.ヒヨドリ jusi(井之川)

ju:si(花徳・尾母・与那間・浅間・平土野)

lu:ji( jju:ja(手々)

su:si(山・池間)

Cu:si(西阿木名・犬田布・阿権・阿三・中伊仙・東目手久・喜念)

Cu:Ca(手々)

B15.アカヒゲ

akasigi(井之川)

?akaCi9i(西阿木名)

?a:ci9i(西阿木名)

(26)

B16.イソヒヨドリ

2iJiIibuJi kansantsiku(与那間)

ka:santsiku(浅間)

kand5antsiku(平土野)

kansantjikuma(手々)

ki:kum(山)

kikkoro(花徳)

kuka:ru(松原)

t'Sugu9(喜念)

srgu9(阿三・中伊仙・東目手久)

?undui(西阿木名)

?unduri(阿三)

B17.ウグイス

?uguisu(与那間)

ugidzami(中伊仙)

u:gidzammi(阿三)

B18.セツカ

LIintji9(東目手久.喜念)

tSintsi9(山・尾母)

t'sTntsi9(平土野)

tlOntIo9(

ki9ki9(浅間)

gi:ki(池間)

gikkja(花徳・西阿木名・阿権)

gi:kja(与那間)

bi:kja(松原)

gikisa9(阿三・中伊仙)

B19.サンコウチョウ d5una:ga(与那間)

(27)

B20.メジロ

?issami(池間・井之川・徳和瀬・亀徳・尾母・喜念)

?iIIami(小島)

?iIIami(花徳)

?ilIammja(山)

samr(中伊仙・面縄)

sa:mr(西阿木名)

sammr(犬田布・阿権・阿三)

sammja(山)

hanasr(東目手久)

hanalui(浅間)

tSittsiju(金見)

tsIjudui(gwa)(手々)

tlikkara(松原)

masikjura(平土野)

masrki:d5a(与那間)

B21.スズメ

jundura(手々・池間・井之川・亀徳・尾母)

jundurja(犬田布・阿権・阿三・面縄・東目手久・喜念)

jundui(浅間・平土野)

jandura(山・花徳・西阿木名・中伊仙)

jandui(金見・与那間・松原)

・山・花徳・池間・徳和瀬・与那間・松原・浅間・阿権・中伊仙・面縄・東

B22.カラス

gara(井之川・亀徳・尾母・西阿木名・犬田布・阿三)

ga:ra(手々・山・花徳・池間・徳和瀬・与那間.松原 目手久・喜念)

gara:(平土野)

B23.ニワトリ

tui(手々・金見)

tui(尾母)

turi(犬田布・中伊仙)

jadur(尾母)

(雄ドリ)

(28)

u:dui(尾母)

uduri(犬田布・中伊仙)

wu:dui(手々)

(雌ドリ)

mrdui(尾母)

meduri(中伊仙)

me:dui(手々)

miduri(犬田布)

−鳥類の民俗分類一

鳥類ではハト類に包括名と個別名が見られる。ハトの包括名はhatuで、キジバト・ズアカア オバト・カラスバトにはそれぞれの個別名が見られる。

1)ハトの場合

・ハトー般 キ ジ バ ト ズ ア カ ア オ バ ト カ ラ ス バ ト

hatu u系

系系皿比

キジバトはjamabatu(山バト)・tsitsibatu系(土バト)・hate:batu(畑バト).n"batu(土 バト)と呼称され、棲み場所やよく見られる場所に関連した個別名で呼ばれている。ズアカア オバトの?aubatuや?aobatuなどは、緑色(?au,?ao)のハト〃の意味である。また、カラスバ トはモーモーと牛のような鳴き声をだすことから、?usibatu,?umbatuと呼称されるが、黒い形 態に着目したk'urubatuも見られる。

なお、松井(1983)はハト類のそれぞれに個別名がある事に関して、来間島(宮古諸島)を 事例に、、狩猟対象であったことと関連するかも知れない〃と述べている。

その他、井之川ではヒヨドリとイソヒヨドリの、中伊仙・阿三ではウグイス・セッカ・メジ ロの民俗分類が見られる。

2)ヒヨドリ・イソヒヨドリの場合(井之川)

ji'si ヒ ヨ ド リ

jusi

?i"ibuji イ ソ ヒ ヨ ド リ

イソヒヨドリは、美しい(?iji)jusi〃または、石(岩場)のJusr〃であろう。

(29)

3)ウグイス・セッカ・メジロの場合(中伊仙・阿三)

≦:…m−

sarni系(?)

ウ グ イ ス セ ッ カ メ ジ ロ

ウグイスは執ugi,u:gi(キビ)+sami,sammi(メジロ)〃の、セッカは、giki(鳴き声)+sa9"

であろうか。なお、セッカのtjintji0系やgikkja系は鳴き声に由来する呼称である。

また、コノハズク(フクロウ)類ではコノハズクとオオコノハズク(?)の2種を区分して いるのは、西阿木名のtsikku9urとmja:tsikuguのみである。その他の地域では、mja:tsiku:4u 系とtsikkuOu系に大別できる。この事はジャコウネズミがd5a:juO系とd5a:系に大別できる のと同じ現象である。すなわち、mja:tsiku@uからmja:が欠落した型がtsikkuOu系であろう。

一両生類の動物方言名一 A1.イボイモIノ

so:dzimbura(与那間)

kinnuli(井之川)

A2・カエル一般

?atara(阿三・伊仙)

?attara(池間・尾母・阿権)

?jattara(手々)

?a:tara(犬田布・面縄・目手久・喜念)

?e:tara(浅間)

?a:tare(西阿木名)

?wa:taro(平土野)

?atara可o:(阿三)

?a:tanjo(徳和瀬)

?attan「o(徳和瀬)

?a:ta9(井之川)

goro:d5a(与那間・松原)

bi:kja(金見・山)

bikkja(花徳・亀徳)

A3.アマミアオガエル bajatara(中伊仙)

(30)

baja?a:tara(犬田布)

bajaa:tara(阿権・面縄・東目手久・喜念)

jamae:tara(浅間)

jamaatara(阿三)

?auPwa:taro(平土野)

jamagorod5a(与那間)

?aogorod5a(松原)

?amiOuibi:kja(金見)

?amitlikjagorod5a(

?o:tombikkja(手々)

?a:tarabikkja(花徳)

?attara‑bikkja(池間)

?amagaku(尾母)

jamatu‑?atta9(徳和瀬)

?aua:ta9(井之川)

A4.その他カエル類

?usi9orod5a(与那間)

sokurjo:gaeru(喜念)

jbkujogorod5a(松原)

jama?a:ta9(井之川)

jama?wa:taro(平土野)

wagudo:?attara(阿権)

?o:tombikja(山)

?o:tombi:kja(金見)

?otto9(与那間)

A5.オ タ マ ジ ャ ク シ biru(西阿木名)

bi:ru(犬田布)

tabiru(手々・チ ta:biru(阿三)

taberu(伊仙)

tambiru(東目ヨ tamberu(尾母)

ko:biru(松原)

手々・井之川・徳和瀬・面縄・喜念)

(阿三)

(伊仙)

(東目手久)

(尾母)

(松原)

(31)

?attara‑bikkja(池間)

一両生類の民俗分類一

カエル類の呼称は?attara系・goro:d5a系およびbikkja系に大別され、それぞれの系の中で 民俗分類が見られる。

1)?attara(阿権・井之川)

二鵜繁蔑…:巽ル¥㈹

attara,a:ta9

2)goro:d5a系(与那間.松原)

goro:d5a

goro:d5a ヌマガエル等(?)

hogorod5a,jamagorod5a‑アマミアオガエル

?amitjIkjagorod3a

jokujogorod5a,?usigorod5a‑ウシカエル

3)bikkja系(金見・花徳)

臺:加伽伽篭ル

bikkja,bi:kj

アマミアオガエルは他のカエルとは明確に区別され、棲み場所(bala芭蕉、jama山)や色 彩(?au,?ao緑)に因んだ個別名や天気に関連する、?ami'ui,amitlikja(雨降り)カエル〃

などが見られる。その他のカエル類ではウシガエルの、jokujo(食用)ガエル〃、?usi(牛)ガ エルがあるが、このカエルは移入種であることから極めて新しい呼称であろう。自然分布する オットンガエルやハナサキガエルに関する呼称として、wagudo:(湧き水・流れの意味?)カ エル〃があるが、これは沖縄島の山原(やんぱる)地方で、これらのカエルと棲み場所的に近 いナミエガエル・ホルストガエルなどをwakubiViと呼称することと関連するかも知れない。

(32)

一爬虫類の動物方言名一

R1.ヤモリ類

ja:maho(平土野・東目手久・喜念)

jannusimaho:(与那間)

ja:d5ima(h)o(松原)

jannusi(手々・徳和瀬)

jannu「i(井之川)

ja:nula( jannusiganasi(花徳)

d5a:(金見)

jamori(山・犬田布・阿三)

jamui(西阿木名)

ja:mui(尾母)

ja:d5imorja(小島)

ja:d5imo:ra(浅間)

maho(面縄)

madzikuja(池間)

R2.

トカゲ・アオカナヘビ)

トカケ類

(オオシマトカゲ・ヘリグロヒメトカゲ・

kinugira(井之川)

tsinagira(浅間)

tina:gira(金見)

tjima:gira( tsuna:gira(与那間)

madzrkuja(池間)

madzrguja(尾母)

maho(犬田布・阿権・東目手久・喜念)

maho:(阿三)

ginata(花徳)

kad5u9(平土野)

・山・与那間・松原・浅間・西阿木名・犬田布・阿権・中伊仙・東目手久。

R3.キノボリトカゲ maho(手々・I 喜念)

(33)

maho:(金見・阿三)

jamamaho(平土野)

ki:nuja(徳和瀬)

ki:nuimanjo(花徳)

kinugira(井之川)

madzikuja(池間)

?issatumjau(尾母)

R4.リユウキユウアオヘビ

?aunugja(平土野)

?aunud5a(井之川)

?aonud5a(花徳・松原)

?aonugja(亀徳・尾母・浅間・喜念)

?o:nud5a(与那間・阿三・中伊仙・面縄)

?o:nudza(手々)

?o:nu9ja(山・池間・西阿木名・犬田布・阿権・東目手久)

?u:nud5a(金見)

R5.ガラスヒバア

garasubu(池間・井之川)

garajibu(小島)

garasibu(山・平土野・喜念)

garajijubu(松原)

garajibi(亀徳)

garasrbi(東目手久)

garas"igu(浅問)

garas"e:gu(与那間)

garasrgu(花徳・尾母)

jama?u:nud5a(金見)

R6.アカマタ mattiOu matteju natti:4u

mattiro mattibu

(山・松原・平土野・犬田布・阿権・阿三・面縄・東目手久)

(浅間)

(与那間)

(手々)

(金見・小島)

(34)

matt'ibu(西阿木名)

mattebu(池間)

mattigu(花徳・喜念)

mattiu(中伊仙)

?amattibu(尾母)

?a:mattibu(井之川)

?a:matteu(亀徳)

R7.ハイ(ヒヤン)

sa:ri(井之川)

sa:ru:(花徳)

sa:ru(松原)

sa:rugwa(浅間・平土野)

saoro(池間)

Ca:i(金見)

Ca:ri(阿三・中伊仙・東目手久・喜念)

Ca:ru(与那間・西阿木名・犬田布・阿権)

Ca:ruma(手々)

R8.ヒメハブ

kwa:daro(池間・亀徳・尾母・阿権・喜念)

kwa:d5aro(与那間・松原・平土野・小島)

k'wa:d5aro(浅間)

kwa:dzaro(手々・西阿木名・犬田布・東目手久)

kwa:d5aro:(金見)

kwa:dzrro(中伊仙)

kwa:d5iro:(阿三)

kwa:taro(山・花徳・井之川)

R9. ハ ブ

mad5imu9(井之川)

madzimu9(西阿木名)

mad5imu(亀徳)

mad5u9(金見・山・稲(金見・山・花徳・池問・与那間・松原・浅問・平土野・犬田布・阿権・阿三・

中伊仙・面縄・東目手久・喜念)

madzuO(手々)

参照

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