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A Study on the Deformation-Failure Behavior of Sands with Different Primary Properties

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 工 学 ) 前 田 健 一

学 位 論 文 題 名

A Study on the Deformation‑Failure Behavior of Sands       with Different Primary Properties

(一次的性質の異なる砂の変形・破壊挙動に関する研究)

学位論文内容の要旨

  砂は、不規則な形状・寸法の粒子とその間隙との集合体であることに加え、他の材料と は異なり天然に産するため、砂粒子の物性は極めて変化に富み、一次的性質と呼ばれる、

粒子形状、粒度分布、粒子の破砕性は千差万別である。したがって、構成材料の物性に強 く依存するカ学的性質も、それを構成する砂粒子の物性によって大きく異なることは、容 易に伺える。

  また同じ土においても、その密度を始めとする構造条件、応力履歴や応力状態、排水条 件などの土がおかれた条件によっても変形・強度特性が変化することは良く知られている。

土のカ学挙動のモデル化・解析において、これ等の環境条件の影響を適切に取り入れるこ とが重要であるために、特定の土については綿密な試験がこの分野に関心を持つ研究者に よって行われ、多くの努カが集中されていると言ってもよい。しかし砂質土については、

締まり具合を相対密度Drで評価すると、異なった土についても変形・強度特性を一義的 に決定できるとする考えが一般に受入れられているため、土粒子のー次的性質がカ学的性 質に及ぼす影響は小さいとされ、この点についての十分な研究は行われていないのが現状 である。

  そこで本研究は、土の一次的性質が土の変形・破壊挙動に強く影響することを明らかに するとともに、統一的に砂粒子の物性を把握する方法を検討し、力学的性質に及ぼす一次 的性質の影響を系統的に調べることをその第一の目的とした。

  一方、粒状体の応力・ひずみ関係を記述する構成モデルが、これまで多数提案されてい る。しかし、実用的に用いられているモデルのほとんどは、連続体としての仮定に立脚し ており、物理的意味が不明瞭で算定が困難なパラメ一夕が含まれているものも少なくない。

土の変形メカニズムを統一的に表現できるモデルは、未だ提案されていないのが現状であ る。そこで本研究は、従来異なるメカニズムによるとされ、分離してモデル化されてきた せん断変形と圧縮変形を、統一的に表現可能なカ学モデルの提案を第二の目的としている。

  本研究の実験結果から、このニつの変形特性は強い相関性を有し、同一のメカニズムに 従うであろうことが示されている。また提案するモデルでは、いくっかの粒子で形成され る楕円形状の楕円微細構造体を粒状体の構成単位として着目している。この構造は、これ ま で の 種 々 の 実 験 に お い て 、 そ の 存 在 と 重 要 性 と が 指 摘 さ れ て い る 。   本論文は、前記主目的を内容とする実験的研究および解析的研究に関わる2編と、結諭 を 加 え た3編 か ら な っ て い る。 論 文 の構 成 と 各章 の 要 旨は 以 下 のよ う で あ る。

603

(2)

第一 編 :砂 のカ 学特 性に 関 する 実験 的研 究

  第1章 では 、力 学 的性 質に 及ぼ す 一次的性質の影 響を調べるために準備され た、一次的 性質 の 異な る約200種類 の粒 状試 料 が紹 介さ れて いる 。 試料 には グラ スビ ー ズと 軽量 骨 材の 人 工材 料も含まれ ている。砂試料については、 自然状態での粒度を用いた ものと調整 され た もの とに 分け られ る 。

  第2章 では 、一 次 的性 質お よび カ 学的性質の測定 方法が示されている。その 多くは、学 会基 準 に基 づいている が、粒子形状、粒子破砕性と 安息角の測定方法は、本研 究で新たに 試験 方 法を 提案 して いる 。

  第3章 では 、全 試 料の 一次 的性 質 に関 する 検討 から 、 間隙 比幅 (e max―emin)と粒 子 破 砕 性I crと を 、 一 次 的 性 質 を 代 表 す る パ ラ メ 一 夕 と す べ き こ と を 示 し て い る 。   第4章 では 、全 試 料に つい て行 っ た排水三軸圧縮 試験から得られた変形・破 壊挙動を検 討し 、 等方 圧縮および せん断時における変形特性と 強度特性において、一次的 性質が重要 な役 割 を果 たしている ことを明らかにするとともに 、変形・強度特性と一次的 性質との相 関に 考 察を 加え てい る。

  第5章 では 、変 形 ・破 壊挙 動の 拘 束圧依存性を調 べており、力学特性の拘束 圧依存性は 試料 の 一次 的性質によ って大きく異なることを明ら かにしている。さらに、拘 束圧の変化 に伴 う 変形 ・強 度特 性の 変 化の 程度 は、その試料 の(e maxーemin)とIcrによ って合理的 に評 価 でき るこ とを 示し て いる 。

  第6章 では 、密 度 が変 形・ 破壊 挙 動に及ぼす影響 を検討しており、力学特性 の密度依存 性に 及 ぼす 一次 的性 質の 影 響を 、第5章における拘 束圧依存性と同様の手法に よって検討 して い る。

第二編:砂 の変形メカニズムに関する 解析的研究

  第1章で は、 砂の よう な 粒状 体の 構成 モ デル の展 開に あた り、微細構造の 単位として、

複 数の 粒子 が 形成 する 「楕 円微 細 構造体」に着 目している。まず、構造体の 幾何学的定義 を 行い 、2次元条件下 での構造体のカ学特性の考 察と釣合条件から粒子間接点 カを算定し、

粒 子間 に動 員 され る最 大摩 擦角 に 着目すること により、構造体の粒子間スペ りに対する安 定 条件 をそ の 形状 と応 力条 件の 関 数で表現して いる。次に、シェル理論と、 粒子回転の効 果 を考 慮す る ため にマ イク 口ポ ー ラ理論を適用 することで変形解析を行い、 弾性コンプラ イ アン スに つ いて 検討 して いる 。 この結果、構 造体の変形において粒子回転 は重要な役割 を 果た し、 粒 状体 の特 徴的 力学 特 性である変形 の異方性、非共軸性およびダ イレイタンシ ーは、楕円 構造体の変形特性を考慮す ることによって説明可能なこ とを明らかにしている。

  第2章で は、 楕円 微細 構 造体 に着 目し た 粒状 体の 非線 形変 形解析方法「楕 円微細構造体 モ デル 」の 開 発に つい て説 明し て いる。ここで は、楕円構造体間の相互作用 を考慮するた めに Self−consistent Method を適 用して各構造状態における粒状体の平均剛性を求め、

楕 円微 細構 造 の崩 壊に よる 粒状 体 内の構造変化 によって、変形挙動の非線形 性を表現して いる。

  第3章で は、 楕円 微細 構 造体 モデ ルに よ って 、等 方圧 縮、 せん断および主 応力回転など い くっ かの 典 型的 な応 力条 件下 で 粒状体の変形 ・破壊挙動を解析し、変形に 伴う粒状体の 構 造変 化を 調 べて いる 。さ らに 、 初期構造や粒 子回転が変形・強度特性に及 ぼす影響につ い ても 詳細 な 検討 を行 い、 圧縮 剛 性とせん断剛 性との閤には極めて良い相関 関係が存在す る こと を理 論 的に 示し た。 この 関 係は第一編で 示した実験結果においても得 られており、

楕 円微 細構 造 体の カ学 特性 に基 づ いて、従来は 分離してモデル化されていた 圧縮変形とせ ん断変形が 統一的に表現可能なことを 示している。

第三編結諭

  各章で得られた 結論が要約されている。

‑ 604

(3)

学 位 論 文 審 査 の要 旨 主査

副査 副査 副査

教授 教授 教授 助教授

土 岐 三 田地 石 島 三 浦

学 位 論 文 題 名

祥 介 利 之 洋 二 均 也

A Study on the Deformation‑Failure Behavior of Sands       with Different Primary Properties

( 一 次 的 性 質 の 異 な る 砂 の 変 形 ・ 破 壊 挙 動 に 関 す る 研 究 )

  本論文は、砂地盤および砂のような粒状体のカ学的性質を実験的および解析的に研究したも ので、砂の複雑なカ学的挙動を、その一次的性質と呼ばれる特性値に注目して実験的に考察を 加えている。さらに、砂のような粒状体の構成モデルの構築にあたり、その微細構造の単位と して、これまで存在と重要性とが指摘されている、複数の粒子が形成する「楕円微細構造体」

に着目して解析的研究を展開し、多くの成果を得ている。

  砂などの粒状体は不規ヨIJta形状・寸法の粒子とその間隙の集合体で、力学的性質は、その強 い非線形性に加え、密度などの構造条件、周囲の応力状態や履歴によって著しく変化すること が知られている。さらに、他の材料とは異なり天然に産するために粒子形状、粒子破砕性、粒 度分布ナょどの砂の一次的性質は千差万別である。しかし、砂の一次的性質がカ学的性質に及ば す影響にっいては、十分な研究が行われていないのが現状である。

  また、現在まで提案されている実用的力学モデルは土を連続体とみなす仮定に立脚したもの が多く、物理的意味が不明瞭で算定が困難なパラメータが含まれるものも少なくない。また、

土 の 変 形 メ カ ニ ズ ム を 統 一 的 に 表 現 可 能 な モ デ ル は 未 だ 提 案 さ れ て い な い 。   このような背景の下で本論文は、砂の物性に関する実験的研究成果と、変形メカニズムに統 一 的解釈 を与える新しいカ学モデルの開発に関する解析的研究成果をまとめたものである。

  実験的研究では、準備した一次的性質の異ナょる約200種類の粒状試料にっいて、力学的性 質に及ばす一次的性質の影響を系統的に調べている。その主要な成果は以下のとおりである。

  1)多く の 一 次 的性 質 の 間 に存 在 す る 相関 を 検討し 、間隙 比幅(emax―emin)と 粒子破     砕 性I crと を 、 一 次 的 性 質 を 代 表す る パ ラ メー タ と す べき こ と を 示し て い る 。   2)変形・ 破壊挙 動を検 討し、等 方圧縮 および せん断 時における変形特性と強度特性に、

    一次的 性質が重要な役割を果たしていることを明らかにするとともに、変形・強度特性     と一 次 的 性 質と の 相 関 に考 察 を 加 えて 、 多 く の工 学 的 に 有用 な 知見 を得て いる。

  3)変形・ 破壊挙 動の拘 束圧およ び密度 依存性 を調ベ 、力学特性のこれらへの依存性は、

    試料の一次的性質によって大きく異ナよることを明らかにしている。さらに、拘束圧と密     度の変 化に伴う変形・強度特性の変化は、その試料の(e max―emin)によって合理的に     評価できることを示している。

‑ 605 ‑

(4)

  解析的研究では、力学モデルの展開にあたり、いくっかの粒子で形成される楕円形状の楕円 微細構造体を粒状体の構成単位として着目したところに本研究の特徴を有する。その主要な成 果は以下のとおりである。

  1)構造 体構成 粒子間 の滑りに 関する安定条件解析、粒子回転の効果を取り入れるためマ     イクロポーラ理論を適用した変形解析を行い、.Self−consistent Method.を用いて各構     造体間の相互作用を考慮することで、構造体の崩壊・発生による粒状体内の構造変化に     起 因 す る 変 形 挙 動 、 お よ び そ の 非 線 形 性 を 表 現 で き る こ と を 明 ら か に し た 。   2)解析 から得 られた 圧縮剛性 とせん断剛性との間には、本研究における実験結果と同様

・  な明確な関係が存在することが確かめられた。

  すなわち本論文は、砂のカ学的性質と一次的性質との相互関係にっいて詳細ナょ実験的研究を 行い、多くの一次的性質の内、間隙比幅と破砕性によってその特徴的物性の把握が可能である ことを示すという成果を挙げている。さらに、本研究で提案する構造体の粒子間すべりに対す る安定条件と粒子の回転を考慮した「楕円微細構造体モデル」による変形メカニズムに基づけ ば、砂の圧縮変形およびせん断変形は、従来のように分離して取り扱うことなく、統一的に説 明できることを解析的および実験的に明らかにしている。

以上のように本論文1ま、砂のような粒状体の変形挙動の解明に、多くの有益かっ新しい知見 を 得 て お り 、 砂 の カ 学 お よ び 地 盤 工 学 の 発 展 に 寄 与 す る と こ ろ 大 で あ る 。   よって 、著者 は、北海 道大学 博士( 工学) の学位 を授与される資格あるものと認める。

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