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立山杣彦

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(1)

経営と経済 第72巻第3号1992年12月

インド公企業における収益性と社会経済的目

的,低価格政策および経営上の諸問題(2)

立山杣彦

はじめに

第1節インド経済における公企業の位置 第2節公企業の経営収支概況

第3節公企業の多様な社会経済的目的と低収益

(以上『経営と経済』第72巻1号)

第4節公企業における価格設定の諸類型および価格設定にかんする諸見解

(以上本号)

第5節政府による公企業に対する価格政策と若干の実態 第6節公企業における経営の非効率

むすぴ

第4節 公企業における価格設定の諸類型および価格設定にかん する諸見解

前節では,公企業の赤字・低収益の大きな原因の1つが利益の創出とは矛 盾するようなその多様な社会経済的目的にあることを,とくに公企業の「模 範的雇用者」としての側面および「疾病企業」接収型公企業を中心に,論じ た。途上国経済においては公共部門は民間部門を先導・補完して資本制的生 産・再生産を円滑にするとともに資本蓄積を促進させるが,公共部門による

(2)

民間部門への財・サービスの供給については前節で若干触れた。前述のよう

W.  R.

キドワイは,公共部門の社会経済的目的の

l

つとして,

I

原料

・サービス・資金をより低価格で供与することにより民間部門の開発を促進 すること」を挙げている。これは,公共部門の機能の重要な柱であるが,公 企業における赤字・低収益の最大の原因の lつでもある。また,公企業製品

・サービスの低価格は,民間部門,ことに大財閥・大企業や大地主・富農層 の要請,圧力を背景としている場合が少なくない。たとえば,ピルラ財閥

(Messrs B i r 1 a B r o t h e r s )

と米国の多国籍企業

K a i s e rAluminium & 

C h e m i c a l  C o r p n .

との合弁アルミ会社

HINDALCO

へのライハンド発電所 による電力供給にかんする事例を参照されたい。さらに,公企業製品・サー ビスの低価格設定については,キドワイが挙げている「不可欠な消費財の適 正な価格での供与」や社会的弱者の救済などの,社会政策的目的との関連も 見落してはならない。本節と第

5

節では,インド政府による公企業に対する 価格政策について考察していくこととする。

公企業における価格設定の諸類型と政府の政策

公企業局『中央政府商工企業の運営にかんする年次報告書(1 972-73年版)~

は,価格設定の方法によって,公企業を次の

7

つに分類している。①公式の 管理価格制度の下に置かれた企業

‑(i)

肥料

( F e r t i l i s e rC o r p o r a t i o n  o f  l n ‑ d i a  L t d . / F e r t i l i r e r  a n d  C h e m i c a l s  (T) L t d . )  

, 

( i i )

原油および精製石油製品

( l n d i a n  O i 1   C o r p o r a t i o n  Ltd./Madras R e f i n e r i e s  L t d .

等)

, ( i i i ) 薬剤 ( l n d i a n D r u g s  a n d  P h a r m a c e u t i c a l s  L t d .   /Hindustan A n t i b i o t i c s  L t d . )  

,糾セメン

(CementC o r p o r a t i o n )

が含まれる;②全製品を中央政府に売却する企 業 ‑

( i )   H i n d u s t a n  A e r o n a u t i c s  L d t .  

(主としてインド空軍向けに航空機を 製造),

( i i )   l n d i a n  T e l e p h o n e  l n d u s t r i e s  

(郵便‑通信局向けに電話機・交換設 備を製造),

( i i i )   Hindustan C a b l e s  L t d .  

(郵便・通信局向け),

( i v )   Bharat 

Dynamics L t d .  

(国防省向けミサイル)が含まれる;①製品が主として州政

(3)

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題( 2  )  5 7  

府企業またはその他の公共部門企業へ売却される企業一

( i ) B h a r a t  Heavy  E 1 e c t r i c a 1 s  Ltd./Heavy E 1 e c t r i c a 1  L t d .  

(州電力庁向け),

( i i )   M i n i n g  and  A l l i e d  M a c h i n e r y  C o r p o r a t i o n  L i m i t e d  

(炭鉱局向け),

( m )   Heavy E n g i n e e r ‑ i n g  C o r p o r a t i o n  L t d .  

(鉄鋼工場向け),

( i v )   B h a r a t  E a r t h  Movers L i m i t e d  

( 農産工業公社,公共事業局向け)が含まれる;①製品またはサービスを国際 市場で販売する企業一

( i ) A i r  I n d i a

, 

( i i )   S h i p p i n g  C o r p o r a t i o n  o f  I n d i a

, 

( m )   S t a t e  T r a d i n g  C o r p o r a t i o n / M i n e r a 1 s  a n d  M e t a 1  T r a d i n g  C o r p o r a t i o n   Ltd./Tea T r a d i n g  C o r p o r a t i o n / J u t e  C o r p o r a t i o n  o f  I n d i a

のような販売会 社(国際業務に関する限り),制公共部門企業の輸出販売

( B h a r a t .Heary  E 1 e c t r i c a 1 s / B h a r a t  E 1 e c t r o n i c s  Ltd./Bokaro S t e e 1  L t d . / H i n d u s t a n  S t e e 1   Ltd./Hindustan Machine T o o 1 s  L t d . / P r o j e c t s   &  Equipment C o r p o r a ‑ tion/N  a t i o n a 1  M i n e r a 1  D e v e 1 0 p m e n t  C o r p o r a t i o n / l n d i a n  O i 1   C o r p o r a t i o n )  

が含まれる;①自由市場で活動する企業‑

( i )   H i n d u s t a n  Machine T o o 1 s   L t d .

, 

( i i )   Modern B a k e r i e s  L t d .

が含まれる;①二重価格設定政策ー鉄鋼産 業;⑦政府裁定による価格設定(②‑③について当事者間の合意が形成され ない場合)

一 一 ( i ) Heavy E n g i n e e r i n g  C o r p o r a t i o n

, 

R a n c h i

Garden Reach W  o r k s h o p

, 

C a l c u t t a

へ供給した

B o k a r oS t a g e  1

の設備,

( i i )   B h a r a t   Heavy E 1 e c t r i c a 1 s  L t d

I n d i a nO i 1   C o r p o r a t i o n

H a 1 d i a

製油所へ供給し

3

機の1

050

万ワットのタービン式交流発電機が含まれる。なお,同『年 次報告書』は,以上の価格設定の諸類型について次のようにも述べている。

「検討された諸類型は例示的なものであり,各々の会社が,その製品・サー ビスの種類により,同時に

2

つ以上の類型に属することがありうるであろ う」。つぎに,上記の個々の類型に属する公企業の価格設定方法にかんする 同『年次報告書』の説明を紹介する。同『年次報告書』は,各々について次 のように述べている。

①  この類型の企業においては,公共部門であれ民間部門であれ,すべての企業

(4)

に政府が設定する統制価格が適用される。最終価格は,利益加算方式によって設定 され,個々の企業の実際原価との間には直接的な相関関係はない ( 4 )

②  多数の公企業は,専ら中央政府が消費する商品を生産するために設立された。

これらの場合の価格設定は,双方とも政府機関である生産者と消費者との聞の交渉 によって行なわれるが,利益加算方式がその主たる基準であった。 80% あたりの生 産能力嫁動という非現実的な数字に基づいている。これは,その公企業の収益性が 望ましい最適水準の稼動率を維持しうる能力に大きく依存していることを,意味す る 。

③  多数の公企業は,中央・州双方のレベルの他の公企業向けに財を生産してい る。価格は双方の交渉によって設定されるが,場合によれば多角的交渉が必要とさ れよう。価格設定の基本は利益加算方式である。これらの公企業の多くは,その最 終製品を企業じたいにとっても利益が上がり,同時に輸入製品の陸楊価格に匹敵す る価格で,販売することができる。

④  国際市場で活動している公企業の価格は,国際市場で形成され,競争による 国際条件に依存している。 A i rI n d i a / S h i p p i n g  C o r p o r a t i o n  o f  I n d i a の運賃率は,

各々国際空輸協会・海運会議によって設定される。生産会社については国際価格が

形成されている。販売会社は,輸出取引については生産者に対して 1~2% の手数

料を徴収するが,いくらかの場合輸出振興のため助成的価格で輸出し損失を出して いる。

①  この類型の公企業の価格設定は全面的に市場メカニズムに従うので,公共部 門の投入原価と生産原価が民間部門のそれを越えないことが基本的な必要条件であ る。しかし公私両部門とも国際競争から保護された競争の下で営業している。)

⑥  1 9 7 3 年 1 0 月 1 5 日から実施された鉄鋼の二重価格設定政策の下で,優先部門に 販売される鉄鋼(約 35%) は低価格で販売され,残り(約 65%) は高価格で他の消 費者へ販売された。このような政策は,鉄鋼価格の重要産業および国民経済に与え る影響と,鉄鋼企業の保護という二つの観点から実施された。)

⑦②③の公企業の価格形成について,双方の当事者の合意が得られない場合,

政府裁定による価格設定が行なわれる。公企業局局長を委員長とする価格設定委員

(5)

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題(2  )  5 9   会が設置され,製品の最終価格について勧告を行なう。いずれかの公企業の最終製 品が単独の消費者でなく様々の最終消費者へ販売され,かつ公式の価格統制が行な われている場合,政府が経済全体へ健全な影響を及ぼす合理的な価格設定政策を切 望することは,当然である。政府は,すべての場合に,公式の価格管理制度を導入 できるわけではなかろう。そのような場合には,原価・収益や消費者の支払い能力 をかなり徹低的に調査する省際委員会を設立することが慣行である。該当する

1

つ の事例は,政府任命の石炭価格設定委員会である。)

また, L. ナラインは,上記の公企業局『年次報告書(1 972 一 73年度)~

とはやや異った基準に基づき,価格設定方法の相異によって公企業を次の

8

つに分類している。①競争市場で活動する企業;②独占的もしくは準独占的 企業;③国際市場で製品・サービスを販売する企業;①輸入平衡価格

( H i n ‑ d u s t a n  S h i p y a r d ) ;

①補助金価格

(FoodC o r p o r a t i o n  o f   l n d i s  

/外│電力 庁);⑤利益加算価格

( H i n d u s t a nA e r o n a u t i c s )

⑦二重価格政策

( H i n ‑ d u s t a n  S t e e l  L t d )  

;③政府決定に基づく価格

(ONGC/

薬剤)。各々の詳細に ついては〔注〕を参照されたい。

ところで,

w

公企業委員会第

4 9

回報告書(第

7

次 下 院 議 会 ) ー

1 9 8 1 ‑ 8 2

年度』によれば,

I

価額では,公共部門企業で製造された製品の約

70%

公式もしくは非公式の,政府による管理価格の下に置かれている」という。

また,

I

政府は議会に管理価格にかんする政策文書を提出する」とした

1 9 8 6

年予算演説を受けて作成された大蔵省『管理価格政策』も,

I

政府は公共部 門企業が生産するみ

2 え E あ高品あ宿岳会会 l i C そ よ 2

( 1 2

指摘している。

確かに,先の公企業局『年次報告書(1

9 7 2 ‑ 7 3

年度

H

,さらにはナラインに よる各類型の公企業の価格設定方法を見てみると,何らかの形で政府の管理 下に置かれているものが少なくない。したがって,個別公企業および公共部 門の財務上の成果は,政府の価格政策に大きく依存しているのである。

しかし,公企業が生産する製品や提供するサービスの価格設定については,

(6)

少なくとも

1 9 8 7

年頃まで,政府の明確なガイドラインはなかったのである。

たとえば,

L .

ナラインは,

1 9 8 2

年の著作で,

r

独占的条件(程度は様々で あるが)の下で運営される」公企業の価格設定について,

r

…何らかのガイ ドラインを定める必要がある。不幸なことに,公企業にかんする法令もしく はその他の正式な方法では,価格政策にかんするガイドラインはほとんど準 備されていない」(l主述べている。さらに,その後

1 9 8 0

年代後半に至っても

1 9 8 7

年当時,全国財政・公共政策研究所の所長であった

A.M.

クスロは次の ように指摘している。「…公共部門の価格設定の原理

( t h et h e o r y  o f  p u b l i c   s e c t o r  p r i c i n g )

はこれまで一度も明確に述べられたことはなかったので,

実際の価格設定は,成行きまかせかつ怒意的な,またその場限りの方法で,

しばしば試行錯誤を通して,行なわれてきた。公企業内の意志決定者だけで はなく,政府の政策立案者ですらも困惑してきた」。

2  公企業の価格設定にかんする諸見解

クスロが上記の引用文に続いて,

r

公企業の価格は市場が負担できる価格 を越えてはならないという考え方が誤まって解釈されて,

r

原価での販売」

もしくは「利益なし損失なし」を意味するものと考えられてきた」と述べて いるように,多くの論者や議会の委員会報告書によって,公企業における実際 の価格が「非現実的」なもしくは合理性を欠く低位の水準に設定されている ことが様々な形で指摘されている。つぎに,これらのいくつかの見解を簡単 に紹介する。

( 1  ) 

クスロは,上記の

1 9 8 7

年の論稿で,公企業は寡占・独占企業となる傾 向があるが,収奪的価格を課すことができる場合でも,公企業によるインフ ラ財や公益事業サービスが他産業の投入財となるため等の理由で,そうしな いということを,次のように述べている。「しかし,公企業は,独占/寡占 力を行使できず,市場が負担できるより,低い価格で販売するよう,意図さ れている。その結果,公企業に次のような管理価格メカニズムがもたらされ

(7)

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題(

2  )  6 1  

る。すなわち,管理価格は生産原価を十分に賄なうが,市場が耐えうる十分 な価格を課さないという基本原理を,有するそれである。換言すれば,公企 業は,実際に可能な水準以下の利益しか取得しないということになる。〔段 落〕市場均衡価格(需要と供給が一致する場合の価格)以下の価格しか課さ ない理由は,公共部門で生産されるインフラ財や公益事業サービスが大なる 前方連関を有するからである。すなわち,それらの製品(たとえば,鉄鋼・

電力・鉄道輸送等々)は,他の多数の産業における生産に投入財として投入 される。したがって,これらの産業は,その投入財に高価格を支払わねばな らないとしたら,大きな制約を受けるであろう。さらに,貧しいまたは発展 途上の経済においては,重要な助成的側面が係わってくる。公共企業体

( t h e  p u b l i c  a u t h o r i t y )

は,並みの産業

( t h eg e n e r a l  r u n  o f  i n d u s t r y )

や消 費大衆にそれらの製品の「そこそこの

( r e a s o n a b l e ) J

価格設定に慣れさせ ることを意図している」。

他方で,彼は,公企業は,一定の目的のために利益を上げるべきであると して,次のように述べている。「個々の公企業が,自巳の拡張・技術改善・

研究開発を可能にし,政府予算に貢献し,他の経済領域における資本拡張を 行なうために,たとえ十分な均衡価格以下の販売であっても剰余または利益 を創出すべきであるということが,明確には理解されていなかった」。

なお,以上のクスロの見解は,次節で明らかなように,政府による公企業 に対する価格政策が改善されていく,

1 9 8 0

年代の後半の論稿で表明されたも のである点に留意したい。

( 2 )   1 9 8 2

4

月,下院に提出された,前出の『公企業委員会(第

7

次下院 議 会 ) ‑ 第49回報告書』における同委員会の見解,およびそこで取上げら れている証言についても見てみよう。同報告書の価格政策にかんする章(第

5

章)は,

I

公企業が被った莫大な損失の責任は,全面的にではないにしで もある程度は,政府が推進してきた非現実的な価格設定政策にあるとの共通 の批判がある」との文言で始まっている。同報告書は,計画委員会の副委員

(8)

( M e m b e r ‑ S e c r e t a r y

:通常の省庁であれば政務次官に相当するものと推 察される‑立山)の証言に基づきながら,

1972‑73

年以来政府は民間部門 の多くの産業について12%以上の収益率をもたらす方式を許してきたが,多

くの公共部門企業についてはそうではなかったと,述べている。

同証言者は,公共部門企業に価格調整のためのより大きな弾力性を与える よう主張して,価格上昇に伴なうインフレがあまりに誇張され過ぎているこ と,供給不足による利益が闇商人の手中に入っていることにも触れながら,

次のように述べている。「…公共部門は,公共部門が資本蓄積における基礎 部円であるというその歴史的役割を果さねばならないとしても,不可欠であ る合理的な価格を課すことを,許されていない。わが国の課税率は既に

GN

P

の22%に達しており,これをそんなに高くすることはできない。われわれ は課税の限界に直面しながら投資速度を維持しなければならないとすれば,

公共部門により多くの内部資金を創出させることが唯一の手段であり,その 不可決の条件は,公共部門は原価の上昇に際してその価格を調整するための より大きな自由を持たねばならないということであるよ

3 )

課税の限界に直面 しながら,資本蓄積の土台である公共部門の投資速度を維持するためには,

公共部門は原価上昇に際して価格を引上げる自由を持つべきであるとの主張 である。

( 3 )  

インド準備銀行

(RBI‑

中央銀行)副総裁

K . S .

クリシュナスワーミー

1 9 8 0

年1

2

月2

1

日の第

4

回アジット・パーガ、ソト記念講演で,公共部門が 国際競争から遮断されていること,その多くが独占的・半独占的地位にある こと,および計画支出の漸増を前提としながら,次のように述べている。「も し完全な市場指向的アプローチをとっておれば,これらの企業(公企業一立 山)は,生産制限に何ら頼ることなく,高価格で販売できる機会を持つこと ができたであろう。しかし公共部門の拡張を社会主義的もしくは福祉的目 的と結びつけることは,当然,そのような誘惑には抵抗すべきであり,公共 部門企業をある程度伝統的な意味の公益事業のように取扱うべきであるとい

(9)

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題( 2  )  6 3  

うことを意味した。換言すれば,公企業においては,長年にわたって,利益 を出さず損失も出さず

( n o ‑ p r o f i tn o ‑ l o s s )

という状況をもたらす価格政策 に従おうとする力が,非常に強かった。これは,多くの公共部門企業は基礎 産業の領域に位置しているので,それらの製品の不当な高価格は経済の大部 分において原価増大をもたらすであろうという事実によって,一層強められ た。こうして,ある意味では最低価格政策

( am i n i m a l  p r i c e  p o l i c y )

を採用 させようとする圧力が,強力かつ持続的であった

J o I

社会主義的・福祉的目 的」および他の経済領域における原価増大の防止という観点から,公企業の 製品価格を低位に保たせようとする力が強力に作用してきたということであ る。さらに,彼は,公共投資の増大傾向を維持するためにはこれらの投資が 相当な大きさの利益を生出さねばならず,必要ならば「公企業製品の価格回

( t h ep r i c e  r e c o v r y )   J

によって他産業・経済部門に移転しうる利益を生 出さねばならないと,述べている。

(  4 )  

スワミナタン.

s .

アイヤールは,

1 9 7 9

2

2 7

日付の『タイムズ・

オブ・インディア』紙において,

I

公共部門の業績不振一一意気回喪の経営 者」と題して公企業における価格設定の問題を取上げている。彼は,

1 9 7 7 一 7 8

年における公共部門の生産能力稼動率が低い点については,労働争議,電力 不足,業務用貨物輸送市場の沈滞,

I

最低ボーナス

(minimumb o n u s )   J

復活という酌量すべき情状があるとしている。しかし,他方では,同様の条 件下に置かれている民間部門の収益率は改善しているとして,次のように述 べている。「公共部門の業績不振の理由は,ほかにある。〔段落〕これらの一 つは,政府の不合理な価格設定政策である。公共部門の価格は, しばしば,

投入財の原価上昇にもかかわらず低いままに固定されている

J I

政府は,

以下の理由により低価格政策を擁護する。すなわち,公共部門は,価格抑制 がたとえ損失をもたらすとしても,自己に価格抑制を余儀なくさせる社会的 責任を有しているとの理由で」。以上はこれまでの論者の主張とほぼ同一線 上にあると考えられるが,さらに彼は,

I

公共部門の価格抑制は,主として

(10)

社会のより富裕な層へ利益をもたらす」とも指摘している。なお,同紙のそ の表題から明らかなように,彼は,政府の公共部門に対する価格抑制政策が 他の諸要因と相侠ってその経営者を意気阻喪させていると,把えているので ある。

( 5 )  

以上のアイヤールの最後の指摘に見られる視点をさらに明確に打出 し,インド政府による公企業製品・サービスの低価格政策について論じてい るのがt

A .  B .

パールダンそして

B .

メータである。まずt

1 9 7 6

1 2

1 0 ‑ ‑ ‑ ‑ 1 2

日,ニューデリーで開催された「発展途上諸国における国家部門の役割」

にかんする国際セミナーにおける,当時のインド共産党全国協議会委員であ ったパールダンの見解を取上げよう。

彼は,それまでの政府による公共部門の価格設定政策は,公企業の利益よ りも「経済外的考慮」に基づく怒意的な政策,もしくは民間部門を優遇し鼓 舞するという「狭い階級的視野」からの政策へのワンステップでしかないと して,次のように述べている。「官界が国家部門の価格設定政策の背後にあ る一般原則についてはっきり説明している限りでは,一般的には,公共部門 企業は「損失なしに運営される」べきである,もしくは公共部門企業は「利 益なし損失なし」のベースで運営されるべきであるというのが,これまでの 政策であった。ブルジョアジーが国家権力を掌握しているという条件の下で は,この消極的アプローチは,明らかに,利益をもたらすまたは余剰に貢献 しうるすべての価格設定政策に対して,不利に働く。このことから,これま での政策は,次のような「プラグマティックな」見解へのワンステップでし かないのである。すなわち,公共部門の任務は,経済成長のための安価な「イ ンフラストラクチャー

J

(電力・輸送・通信等々のような)を建設し供給す ること,もしくは補助金価格

( s u b s i d i s e dc o s t )

で中間財・原材料(鉄鋼・

石炭,その他の鉱物・金属等々)を生産し供給することであり,したがって 一般的には企業自体にとっての直接的な財務的利益(剰余収入や利益の見地 での)よりも間接的利益(社会的便益や国民的発展の見地での)のための基

(11)

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題( 2  )  6 5  

盤を築くことであるという見解。〔段落〕この見解は,原価ベースに基づか ず経済外的・外生的考慮に基づいて,運賃・料金や製品価格の設定を怒意的 に決定するという政策, もしくは生産原価よりはるかに低いか原価に寸度等

しい料金・価格を課すことにより,民間部門を優遇し補助金を与えて,

を鼓舞するという狭い階級的な視野からの政策を,意味する」。

これ

さらに,彼は,以上に続いて鉄道・電力・鉄鋼・重機械・石炭における公 共部門を分析した後(30)次のように述べている。「上記の諸事実は,公共部門 の価格が近年におけるその場限りの若干の改訂にもかかわらずもっとも不自 然かつ不利なものであったことを,証明している。それらの価格は,生産原 価との密接な関連をほとんど持たなかった。それらは,行政的意志決定によ り怒意的に設定されてきた。このことは,資本主義指向の体制の下では,公 共部門の価格が民間部門ことに内外の独占資本家に利益をもたらしたこと を,意味した。〔段落〕独占資本は,ほとんど価値法則を考慮しないこのよ うな価格操作機構により,正に国家部門で創出された剰余価値の大部分を取 得することに成功してきたよ1l彼は,公企業の価格が生産原価と密接な連関 を持たず行政的意志決定により怒意的に設定されてきているために,公企業 で創出された剰余価値の大部分が価格メカニズムを通じて民間部門ことに内 外の独占資本へ移転していることを指摘しているのである。

なお,同国際セミナーにおいて,

S .

ミトラと

P .V .

パラカールは,内外 独占体による「偽装された形態」の国家部門攻撃として,

7

点を挙げている が,その第

3

点目は「国家部門の価格設定政策へ影響を与えることにより,

不等価交換を通じて国家部門を収奪すること」となっている。また,第

2

目に,

r

国家部門をその非効率と浪費を理由に批難し それを「効率的」か つ「利益を上げている」民間部門と対比すること」が挙げられていることも 注目される。

( 6 )  

つぎに,

1 9 8 1

1

月の論稿で「公共部門における現在の価格設定政策 は,資本を侵食し,民間部門を助けているだけである」と指摘している

B .

(12)

メータの見解を見てみよう。まず,彼は,管理価格制度による低価格の下で は,民間部門は「自由」市場で損失を取戻すが,公共部門企業の損失はその 財・サービスを利用できない人々を犠牲にして補助金によって補填されざる をえない点,および資本の侵食について,次のように述べている。「管理価 格は時に価格を生産者が「儲かる」とは考えられない水準にまで低下させる 傾向があるが,その程度に応じてそのような製品に必ず不足が生じ,それに よって実際には,民間部門の生産者は腕曲的に「自由」市場と呼ばれるもの を通じて損失を取戻すこととなる。…………しかしながら,この種の価格統 制が公共部門で生産された財・サービスに固定される場合,これによって公 共部門企業の損失がもたらされ,さらにその損失を補填するため国庫より補 助金が支出されることとなる

J I

公共部門に投資がなされ,その最終製品 がその生産費を回収しない場合,このことは,それを消費する人々が本質的 にはそれを消費しない人々,主として補助金価格による販売

( s u b s i d i s e d s a l e s )

すら利用できない人々を犠牲にして補助金を与えられることを,意 味する。それとともに,剰余の創出はなされず,実際には過去の投資によっ て蓄積された資本の侵食が生じる」。また,彼は,バールダンが公企業で創 出された剰余価値が低価格を通じて民間部門へ移転していると主張している のに対し,公企業の補助金価格を通じて国家資金が民間部門へ移転している として,次のように述べている。「公共部門で生産された財・サービス(主 として決定的に重要なインフラ的便益・中間財)を損失を出しつつ販売する ことは,赤字財政をも含め課税やその他の方法で国家が大衆から集めた資金 を,民間部門へ,かつ民間部門の利益のために,移転する装置である」。

ついで,彼は,

I

これまでの経過のなかで,状況は重大な局面に直面して いる。すなわち,公共部門企業の存続そのものの土台が著しく掘崩されてき ており,さらに民間部門のより強力で積極的な一派が, (民間部門が多分よ り効率的であるとの名目でではあるが)公共部門企業の経営そして所有につ いてすら直接参加を要求し始めている」として,公企業の再生産基盤の崩れ

(13)

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題(

2  )  6 7  

や民営化要求を深刻に受止めている。こうして,彼は,公企業の価格設定に ついて次のように主張している。「公共部門企業製品の価格設定問題を取扱 う場合,考慮すべきいくつかの最優先事項がある。まず第 lに,公共部門企 業の「非効率」のコストはそのサービス・財の消費者によって負担されるべ きではなく,一般大衆(これは主としてこれらの財・サービスの消費に加わ っていない人々である)や国庫へ回されるべきであるとの主張については,

正当な理由はない

J i

どの公共部門についてもその機能本位の経営者に財

・サービスを生産原価に達しない価格で販売させ,そのために赤字計上を余 儀なくさせることは,企業の労働力の意気を阻喪させ,その効率を損なわせ るもっとも確実な方法である……それ故に,公共部門企業にとって何か社会 的に意義があり経済的にも合理的な価格設定政策は,明確に, [原価+利益]

原理による財・サービスの販売に基づくものでなければならなしづ。公企業 の価格設定は[原価+利益]原理に基づいて行うべきであり,その「非効率」

のコストも消費者が負担すべきであるとの主張である。

以上では,公企業の価格設定には様々の類型があるが,公企業製品・サー ビスの価格の大部分は何らかの形での政府による管理価格となっていること を明らかにするとともに,価格設定についての政府のガ千ドラインが明確で なく,しかも諸論者が様々な形で公企業の実際の価格が「非現実的な」もし くは合理性を欠く低位の水準に設定されており, したがって政府の適切な価 格政策が必要であると主張している点を見てきた。公企業の価格設定にかん する政府の政策が低価格のそれであるという点については,個々の公企業・

産業における製品・サービス価格を分析する必要があるが,現在の段階では こうした分析を十分に行なうための資料は入手していない。したがって,わ れわれは,次節では主として公企業の価格設定にかんする政府の政策を分析 することにより,この点の裏付けを行なうこととする。また,次節では,

1 9 8 0  

年代に政府の価格政策がかなり改善される点も取上げる。

(14)

( 1 )   C .   D .  B h a t t a c h a r y a

, 

P u b l i c  S e c t o r  E n t e r p r i s e s  i n   I n d i a

, 

K i t a b  Mahal A g e n c i e s  P v t   L t d(New D e l h

i) 

1 9 9 0

, 

p . 2   [ S o u r c e :  R .  W a r i s  K i d w a i

, 

The T h r e a t e n i n g  S t o n n  

Ov

e r   P u b l i c  S e c t o r  i n  I n d i a   ( I n t e r n a t i o n a l  C o n g r e s s  o f  P u b l i c  E n t e r p r i s e s )  J .  

( 2 )

立山柚彦「独立より

1 9 6 0

年代半ばまでのインドにおける公企業と民間企業および外国 民間資本・援助

J W

経営と経済』第

7 0

巻 l号(1

9 9 0

)

1 3 1 " ‑ 1 3 4

( 3 )   Bureau o f   P u b l i c  E n t e r p r i s e s

, 

M i n i s t r y  o f  I n d u s t r y

, 

Government o f  I n d i a

, 

Annual  R e p o r t  o n  t h e  Working 0 1  I n d u s t r i a l  and C o m m e r c i a l  U n d e r t a k i n g s  0 1  t h e  C e n t r a l  G o v e r n

ment l o r  t h e   Year  1972‑73

, 

p p .   2 4 9 " ‑ 2 5

1.以下各年次の同報告書を,たとえば

Annual R e p o r t  o n  WIC  UCG  1 9 7 2  ‑73

と略記する。

( 4 )

i d .

p . 2 4 9 .   ( 5 )   I b i d .

, 

p p . 2 4 9 ' " ' ‑ " 2 5 0 .  

( 6 )   I b i d .

, p.250. 同『年次報告書(1 975-76年版)~は,

r

重機械の分野で活動する会社,

そして同様に中・軽機械,輸送機械のいくらかの会社,鉱物,金属,石油グループの特 定の会社は専属生産者

( c a p t i v ep r o d u c e r s )

であり,彼らの大量の生産物を購入するの は単独もしくは少数の消費者でしかなし、」と述べているが,これらの会社は前記の②③ の公企業に当る。同『年次報告書(1

975‑76

年度版

H

が提示している表

4‑A

から明ら かなように,

1975‑76

年度の総売上高

2 4 7 億 6 0 0 0

万ルビーの

3 6

企業について,中央・州政 府および公企業の売上高に占める割合は平均して

86%

である。また,同表から明らかな ように,中央・州政府および公企業の売上げ比率が

100%

の企業が

7

90"‑99%

の企業が

1 3

含まれている。一一

AnnualR e p o r t  o n   WICUCG  1975‑76

, 

p 1 5 6 .

なお,石上悦朗氏は,

4‑A

の出所であると考えられる同報告書の別の表

( A n n u a lR e p o r t  o n  WIC  UCG 

1975 

‑76

, 

p p . 1 5 7 " ‑ 1 5 8 )

より公企業の対政府・公企業部門売上比率を産業別に計算し[鉄鋼

2 2

%,石炭

40%

,その他の鉱業

48%

,石油

18%

,化学・肥料・薬品

18%

,重機械

86%

,中 小機械

66%

,輸送機器

80%J

,これに基づき,

r

重工業,機械工業部門において公企業相 互間の取引が密接で,公企業内でいわば自己完結的な再生産構造を創りあげてきたこと が注目されよう」と述べている。一石上悦朗「公企業」伊藤正二編著『インドの工業 化一一岐路に立つハイコスト経済』アジア経済研究所,

1 9 8 8

6 9 " ‑ 7 0

( 7 )   Annual R e p o r t  o n  WICUCG 

1972

7 3 , p . 2 5 0 .   ( 8 )   I b i d .

, 

p . 2 5

1. 

( 9 )

i d .

p . 2 5

1. 

(15)

6 9  

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題(

2  ) 

3 6

中央政府企業の総売上高に占める中央・州政府および公共部門企業への売

上高の割合 (単位

;10

万ルビー)

4‑A

中央・州政 府および公 共部門企業 への売上高

( 2 )  

( 2 ) の ( 1 )

に占 め る 割 合 総売上高

( % )  

B h a r a t  Dynamics 

Lt

d .   B h a r a t  R e f r a c t o r i e s  L

t

d .   Burn  1 .   S .  W. 

Lt

d .   C o c h i n  R e f i n e r i e s  

Lt

d .   H i n d u s t a n  C a b l e s  

Lt

d .   H i n d u s t a n  L a t e x  L t d .  

I n d i a n  F i r e  B r i c k s   &  I n s u l a t i o n  Co 

Lt

d .   B o l a n i  O r e s  L t d .  

Madras R e f i n e r i e s  L

t

d .  

Uranium C o r p o r a t i o n  o f  I n d i a  L t d .   H i n d u s t a n  A e r o n a u t i c s  L

t

d .  

M i n i n g   &  A l l i e d  M a c h i n e r y  Corpn 

Lt

d .   O i l  a n d  N a t u r a l  Gas C o m m i s s i o n .   N a t i n a l  I n s t r u m e n t s  L t d .   I n d i a n  T e l e p h o n e  I n d u s t r i e s  L t d .   Heavy E n g i n e e r i n g  Corpn L t d .   N a t i o n a l  M i n e r a l  D e v .  Corpn 

Lt

d .   B h a r a t  E a r t h  Movers L t d .   H i n d u s t a n  T e l e p r i n t e r s  

Lt

d .   L u b r i z o l  I n d i a   1 t d .  

G a r d e n  Reach Workshops 

Lt

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d .  

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t

d .   Mazagon Dock 

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d .   C o a l  I n d i a  L t d .   I n s t r u m e n t a t i o n  L

t

d .   ] e s s o p   &  Co 

Lt

d .  

P y r i t e s

, 

P h o s p h a t e s   &  C h e m i a l s  

Lt

d .   H i n d u s t a n  Z i n c  L t d .  

R e h a b i l i t a t i o n  I n d u s t r i e s  C o r p n  L t d .   E l e c t r o n i c s  Corpn o f  I n d i a .   B o k a r o  S t e e l  

Lt

d .  

H i n d u s t a n  Machine T o o l s  L

t

d .  

n u n u n u n U A U A U n U Q U Q d n y n H u n H U F O R U 4 4 q L

L

n u n u n u n H U 7

・ p

n v F h d n L 1

i n U A H u n y Q d

U

Q U 4 4 q u n L n u n u n u n u n u n u n u n u J Q d Q u Q U Q u n y Q u o d n u n y Q d Q d Q U Q u n 6 n H u n H u n H U n R u n H U n x u n 6 7 '

i

p O F h d

d

R u m h d

'EE.EE&EEAE&'E&EEE4

4 0 5   1 2 8   2 6 5 1   1 9 0 4 8   3 5 1 2   2 2 4   2  3 2 0   2 5 3 7 2   4 2 8   1 1 3 0 7   2 7 5 8   1 6 1 2 3   2 8 4   7 0 9 1   6 0 8 4   2 0 1 1   5 8 6 2   4 4 9   1 1 9 6   3 0 1 6   3 1 9 3 2   6 9 4   1 3 8 8   4 0 2 0   4 5 0 0   4 6 5 0   4 2 8 3 5   8 4 8   2 9 7 3   1 4 1   1 8 8 1   5 7   1 3 2 0   4 4 2 1   4 3 0 3  

1A 

︐ ︐ ︐ ︑

4 0 5   1 2 8   2 6 5 1   1 9 0 4 8   3 5 1 2   2 2 4   2  3 2 2   2 5 4 8 2   4 3 1   1 1 5 1 8   2 8 1 8   1 6 8 0 3   2 9 8   7 5 6 2   6 5 8 3   2 1 9 4   6 4 9 8   4 9 7   1 3 2 6   3 4 2 0   3 6 7 1 3   8 0 5   1 6 3 6   4 9 1 6   5 5 6 7   5 7 4 7   5 3 5 4 4   1 0 6 0   3 7 6 8   1 7 8   2 8 6 6   9 7   2 4 4 5   8 2 8 2   8 2 7 5  

〔出所 J B u r e a u  o f  P u b l i c  E n t e r p r i s e s

, 

M i n i s t r y  o f  I n d u s t r y

, 

Government o f  I n d i a

, 

A n n u a l  R e p o

o nt h e  W o r k i n g  o f  l n d u s t r i a l  a n d  C o m m e r c i a l  U n d e r t a k i n g s  o f   t h e  C e n t r a l  G o v e r n m e n t  f o r  t h e  Y e a r   1975‑76 ,  p .   1 5 6 .  

8 6   2 1 4 2 3 4  

2 4 7 6 2 1  

TOTAL 

(16)

( 1 0 )

i d .

p . 2 5

1. 

1 ) Laxmi N a r a i n

, 

P r i n c i P l e s  and P r a c t i c e  0 1  P u b l i c  E n t e r i s eManagement

, 

S.Chand & 

Company L t d .  (New Delh

i) , 

1 9 8 2

, 

p p . 3 8 0 ' " ' ‑ ' 3 8 5 .   (

1

2)  本文の個々の類型の公企業の価格設定にかんするナラインの説明を,先の『年次報告 書』のそれとできる限り重複しないように,さらに若干のコメントを加えながら,紹介 する。く 〉内は彼の説明である。①彼は,競争市場における価格形成にかんする一 般的説明に加えて,

1

1,、くらかの公企業は,明らかな競争状態の下で何らかの専用市場

( c a p t i v e  market)

を持っている」として,ホテル・航空会社・固有化銀行,さらには先 の『年次報告書』の②①の公企業をその事例に挙げている。一一

l b i d .

,p

. 3 8 0 ;①く政府

は,種々の問題点を考慮しながら,

1

陸揚原価

Oandedc o s t )  Jを価格交渉のベースとす

ることを決定した。政府の政策は,約80%の生産能力稼動という非現実的数字に基づい て原価計算を行なうことである。〉彼は,

• Heavy E n g i n e e r i n g  C o r p o r a t i o n  L t d .等を事例

として挙げている。

‑ 1 M ム p . 3 8 1;①  この類型の公企業は,明らかに前出『年次報

告書』の④のそれである。 ‑

l b i d .

, 

p . 3 8 2 .  

;④く当初,輸入英国船の価格が販売価格と され

( 1

英国平衡価格J

)

,建造原価と販売価格との差額を政府が補償した。

1 9 6 8

( 1 世

界平衡価格(西独・日本・ユーゴの船価の平均)

+  15%Jの方式が導入された。 1 9 7 1

( 3 ' " ' ‑ '  4

の先進的造船国の鑑定家による評価額の平均+

5%J

が販売価格とされた。政 府が造船会社に補助金を与えるが,それは

5 %

から漸次削減をされ,

1 9 8 1

4月には全

廃される予定であった。その後,この方式も不十分だとして,

H i ndustanShipyardは政

府に方式改訂の案を提出した。> ‑

l b i d .

, 

pp 3 8 2 ' " ' ‑ ' 3 8 3  ;①くFoodC o r p o r a t i o n  o f  l n d i a  

が販売時点で負担する費用は政府設定価格より大きく,その差額は政府により補助金と

して支払われる。州、│電力庁の電力料金は,州政府の政治的決定事項である。州電力庁の ほとんどは,一般的納税者を犠牲にして農家への電力供給に補助金を与えている。〉

‑ l b i d .

, 

p . 3 8 3 .

この類型の公企業は,前出『年次報告書』の①のそれに当る;⑥く通 常,利益率は10%であり,

1

専属生産者

( c a p t i v ep r o d u c e r s )  Jはこの価格設定方法を採

用する。経営の非効率によって原価が増大すれば,利益加算方式は非効率を助長する。

通常,原価およびその配分について購買者による厳しい監視が行なわれるものと推察さ れる。> ‑

l b i d .

, 

p p . 3 8 3 ' " ' ‑ ' 3 8 4 .

前出『年次報告書』の②①の公企業はこの類型に含まれ るものと,推察される;⑦く二重価格政策の重要な特徴は,一般的となっている高い自 由市場価格に影響を及ぼさねば仲買人や闇商人の懐に入ることになる莫大な利益のいく

(17)

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題(

2  )  7 1  

らかの部分を,吸収することを助けたことである。> ‑

I b i d .

, pp.384~385 ;①  前出『年 次報告書』の①の公企業に当ると推察される。

(1~

Committee on P u b l i c  U n d e r t a k i n g s

(1

981‑82

一一

7t h   Lok S a b h a ) ,  4 9 t h  R e p o r t  o n   P u b l i c  U n d e r t a k i n g s  ‑ M a n a g e m e n t  a n d  C o n t r o l  S y s t e m s

, 

Apr i 1 1 9 8 2

, pp23~24. 本文中 の傍点は筆者による。

1 9 8 0

年当時

RBI

副総裁であったK.

S .

クリシュナスワーミーも,

I

共部門企業のほとんどにとって,販売価格は市場決定的というよりむしろ管理されてい る(K.

S .   Krishnaswamy

, 

What A i 1 s  t h e  P u b l i c  S e c t o r

, 

R e s e r v e  Bank o l l n d i a  B u l l e t i n

, 

December 1 9 8 0

, 

p . 9 7 4 ) J

と述べている。

(1~

M i n i s t r y  o f  F i n a n c e

, 

Government o f  I n d i a

, 

A d m i n i s t e r e d  P r i c e  P o l i c y

, 

Ma 1 c olm S .   A d i s e s h i a h  e d .

, 

P r i c e  P o l i c y

, 

L a n c e r  I n t e r n a t i o n a l  (New D e l h

i) , 

1 9 8 7

, 

p . 1 2 8   ( A p p e n d i x  

1).本文中の傍点は筆者による。

(1~

N a r a i n

, 

o p .   c i t .

, 

p . 3 7 1 .   (

1

6) 

A .  M. Khusro

, 

A p p l i c a t i o n  o f  t h e  P o l i c y

, 

A d i s e s h i a h  e d .

, 

O p .   c i t .

, 

p . 5 5 .  

肋 昂

i d .

p . 5 5 .  

(1~ 昂id. , pp.54~55.

( 1 9 )

i d .

p . 5 5 .  

Committee on P u b l i c  U n d e r t a k i n g s ( 1 9 8 1 ‑ 8 2

一一

7t h  Lok S a b h a ) ,  o p .   c i t . ,  p . 2 3 .  

制 昂

i d .

p . 2 5 .  

R .  C .

ダヅトは,

1 9 8 1

年の論稿で,公企業がより高い利益を上げられなかった理由をい くつか挙げているが,そのうちのlっとして,公企業部門製品・サービスの少なくとも

70%

が管理価格によって制限され,かっ「基礎的な財の高価格がインフレ圧力を生出す との議論に基づいて,管理価格が不当に低い水準に設定されたこと

J

を指摘している (R. 

C .  D u t t

, 

Has Our P u b l i c  S e c t o r  Fa i 1 e d ?

, 

M a i n s t r e a m

, 

R e p u b l i c  Day 1 9 8   , 1 p . 6 9 )

。な お,彼は,その他の理由としては,公共部門が「基礎的,インフラ的,資本集約的,か っ長期の懐妊期間を要する低収益部門」へ限定されていること;公共部門の一定の機能 上の非効率;様々の国家機関による公企業自治の侵食ととむに,次の点を指摘している のが注目される。「公共部門企業がより高い収益を上げられなかった理由は,公共部門と いう,概念にあるのではなく,政府やその他で権限を振える人々が公共部門を取扱って きた,また取扱っているその方法にある。彼ら自身は,公共部門のエトスには無関心で あり,わが国の「混合経済」における民間部門の成長によって社会主義的発展の原理に

(18)

取って替った資本主義的発展の原理に従って機能する」。ー

I b i d .

p p . 6 9 " ‑ ' 7 0 .

Committe on P u b l i c  U n d e r t a k i n g s

(1

981‑82 一 一 7t h  Lok Sabha) ,  o p .   i t . ,  p p . 2 5 " ‑ ' 2 6 .  

なお,同証人は,英国の

N a t i o n a lBoard on Income and P r i c e sのような独立機関の存在

が必要かどうかを尋ねられて,

r

私は,それは価値ある提案だと,思っている。われわれは,

公企業が経済価格を変えることができるようにするため,公企業の生産原価の全問題を 調査する独立の組織が必要である」と述べている。また,公企業委員会は,

r

政府による 製品価格の設定ははなはだしく長時間を要する。その価格が発表される時までには生産 原価が上昇し,その結果,企業は損失を被り続ける」と指摘している。一昂id.,

p . 2 6 .  

同証人は,インドが課税の限界に直面しているとの認識を示しているが,この点につ

いては大きな疑問を感じる。インドの課税体系は,つぎのように,極端に間接税偏重で あり,また消費税の比重が極めて大きく,大衆課税的性格が強い。したがって,大衆課 税という面では同証人の認識は誤っていないと考えられるが,逆に大地主・富農・大資 本家・特権官僚層などを中心とする富裕層に対する課税・増税の余地は小さくなし、。中 央政府税収に占める直接税の割合は小さく,しかも長期的には減少傾向にある。すなわ

ち 1 9 8 0

年代半ば以後20%を割り,

87‑88

年度には15%を下回る状況に達している。法人 税以外の所得税および財産税・資本取引税の税収に占める割合は,極端に小さい。また,

地祖は,少なくとも6

9 ー 7 0

年度まで無視しうるほど小さい。それ以後については,ここ で依拠している資料には地祖にかんする数値は掲載されておらず,その相対的地位は一 層低下しているものと推察される。逆に中央政府税収に占める間接税の割合は著しく大 きい。とくに,大衆課税的性格の強い連邦消費税の税収に占める割合は,

1 9 6 0

年代,

7 0  

年代を通じて4

0 ‑ ‑ ‑ 5 0 %

台を占めている。

8 0

年代,ことにその後半関税が急増し連邦消費 税を凌駕するが,これは,経済自由化に伴なう輸入貿易自由化の進展によるものである と推察される。しかし,連邦消費税の税収に占める割合は8

0

年代に入っても

33%

以上を 占めており,絶対額では急速な伸びを示している。なお,州政府の税収では8

0

年代以後 消費税の占める割合が著しく大きく(約75%ーただし,中央政府経常勘定歳入統計に 依拠して算出),州政府と中央政府を併せて考えれば,消費税が関税を大きく上回る。

‑ Rererve Bank o f  I n d i a

, 

R e p o r t  o n  C u r r e n c y   &  F i n a n c e  1 9 7 0 ‑ 7 1

, 

v o l  I I

, 

SS 1 0 0 " ‑ '  

101/1988‑89

, 

v o l  I I

, 

p p . 1 2 0 " ‑ ' 1 2 1

。以上のような富裕層に対する課税の失敗について は,第

2 節 2

で述べたように,

A.  K .   Bagchiが公企業低収益の原因の l

っとして指摘し ていたマクロ経済政策失敗の構成要因である。これは,彼が指摘するように公共部門の

(19)

インド公企業における収益性と社会経済的目的,

低価格政策および経営上の諸問題(

2  )  7 3  

投資財源を制限すると同時に,一般大衆への負担を強め公企業製品・サービスに対する 購買力を低下させる。

Krishnaswamy

o p .   c i t .

, 

p .   9 7 4 .  

SwaminathanS .  A i y a r ,  Poor P e r f o r m a n c e  By P u b l i c  S e c t o r  ‑ Managers D e m o r a l i s ‑ e d

, 

T i m e s  o l I n d i a

, 

F e b r u a r y  2 7

1 9 7 9 .  

e

i d .

制 彼は, ["全般的に(公企業のー立山)経営者を意気回喪させるより重大な原因」として,

政府や議会が彼らを証拠のない規則違反の容疑で解雇したり,攻撃したりすることを挙 げており,その結果,彼らは大担な提案や迅速な意志決定を避け,有能な人聞がそのよ うなポストに就きたがらないようになると,述べている。一一昂

i d .

A .  B .  Bardhan

, 

P r i c i n g  P o l i c y  o f  t h e  S t a t e  S e c t o r

, 

R o l e  0 1  S t a t e  S e c t o r  i n  D e v e l o p i n g   C o u n t r 加 ( P a p e r so f  i n t e r n a t i n a l  s e m i n a r  o r g a n i s e d  j o i n t 1 y  by CPI and World M a r x i s t   Review

, 

h e l d  i n  New D e l h i

, 

1 0 ー 1 2D e c .  1 9 7 6 )

, 

P e o p l e ' s  P u b l i s h i n g  House(New D e l h

i) , 

1 9 7 7

, 

p . 2 1 5 .  

制 昂

i d . , pp.216~224.

帥 昂

i d .

p . 2 2 5 .  

~~ S a r a d a  M i t r a  & P a u l y  V .  P a r a k a r

, 

An  I n t r o d u c t i o n  t o  R o l e  o f  S e c t o r

, 

I b i d .

, 

p . 1 7 3 .

の他の

5

点は,各々次のとうりである。

( i )["固有化には,個人の基本的権利の侵害とし

て,反対すること

J

糾「固有企業における民間資本との提携を要求すること

J;  ( v )  

[" 民経済に必須の領域への参入を拒否しながら,他方で国家部門指定領域への民間投資許 可を要求すること

J ; 

(

) 1

["国家機関による信用・融資のより大きなシェアを確保するこ

と J や~ ["多国籍企業との協調のために恒常的に努力すること」。 一

I b i d .

p . 1 7 3 .  

~~ B a l r a j  Mehta

, 

P u b l i c  S e c t o r  P r i c i n g  P o l i c y

, 

Y o j a n a

, 

Vo

l. 

XXV No  1  &  2  ( 2 6  J a n u a r y   1 9 8 1 ) , 

pp.39~40.

~~

I b i d . ,  p . 4 0 .  

i d .

p

.4

0 .  

(未完)

参照

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