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桜井克彦

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Academic year: 2021

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(1)

現代企業と売上成果計画

桜井克彦

第1節序

第2節企業と環境構成主体 第3節企業活動と経営者 第4節売上と企業の社会的責任 第5節売上成果計画

第6節結び

第1節序

多くのひとびとが,企業の主要な環境を構成する。かれらは企業の存続に 対して経済的ならびに非経済的なさまざまな貢献を行なうとともに,かれら は企業からの経済的ならびに非経済的な種々の報酬を期待している。企業は ひとびとからの貢献を原資として貢献を上回る報酬をかれらに提供し,かれ らにできる丈満足を与えうるときにのみ,その存続が可能となるのであり環 境への適応を実現しうるのである。

企業ないし経営者のいわゆる社会的責任とは,環境構成主体と企業との間 で貢献と報酬に関してバランスを実現せしめることであり,経営者の利害調 整機能もまた,かかるバランスの実現を計ることに他ならない。企業と環境 との関係が複雑・高度化するにつれ,企業経営者はますます,社会的責任 なる問題に置面するに至りっっあり利害調薬機能の遂行を要請されつつあ る。

本稿では,企業と環境主体の問の関係を眺めつつ,経営者による利害調整

のための手引きについて考察を行なうことにしたい。

(2)

34  経 営 と 経 済

2

節 企業と環境構成主体

企業はその環境との聞の相互作用のうちに存続するのであって,さまざま な主体が企業に影響を及ぼしており企業の環境を構成する

O

企業環境の基本 的なものの一つは,自然的・物理的環境と対比されるところの社会的ないし 人為的環境であり,それは程々の人間主体から構成される

D

このような人間主体と企業との聞の相互作用は,サイモンらの組織均衡の 理論において一般的な形で説明されている。かれらは企業と環境のトータノレ な関係を「組織」と呼んでおり,企業が存続するためには企業と環境との聞 に均衡が存在することの必要性を,組織均衡の理論として展開するのであ るが,サイモンらによって提示される「組織均衡の理論

(the theory  of  organizational equilibrium)Jは,周知のように,つぎのような五つの中心

的命題から成り立っているわ。

第ーに,組織とは,組織の参加者と呼ばれる多様なひとびとの相互関連的 な社会的行動のシステムである

o

第二に,参加者のそれぞれならびに参加者のグループのそれぞれは,組織 から誘因を受けとり,それと交換に組織に対して貢献を行なう

D

第三l こ,各参加者はかれに対して提供される誘因が,かれが行なうよう要 求される貢献と同じであるか,もしくはより大きい場合にのみ組織への参加 を継続する

o

第四 l 乙,参加者の多様なク勺レーフ。が提供する貢献を源泉として,組織は参 加者に提供する誘因を産出する。

第五に,乙こから組織は,さらに貢献を呼び寄せるに足るほどの誘因を作 り出すに十分な貢献が存在する限りにおいてのみ「支払能力」をもち,そし て存続し続けるであろう。

サイモンらは,このような「組織均衡の理論」において

I

組織」はそれ

が均衡状態にある場合に限り,つまり,各個人が組織への参加を継続するよ

うな状況にある場合に限り,存続し成長するものとみるとともに,企業なる

注1

) J.  G.  March and H. A. Simon

, 

Organizations

, 

1958

, 

p. 83 ff.. 

(3)

「組織」の「参加者」として,経営者を含む従業員,投資家,仕入先,配給 業者,ならひ、に消費者の五つを挙けーている

D

サイモンらは企業と環境構成主体との間の関係を貢献と誘因という見地か ら説明するが,かれらに従うとき,現代の企業とその環境との聞の一般的関 係は,図のように示されうるであろう

o

主要な環境構成主体としては,所有 者,債権者,政府・地方自治体,従業員,経営者,地域社会,仕入先,一般 大衆,業界・競争者,消費者・販売先が存在し,かれらは企業に対してさまざ まな貢献を行なうとともに企業から程々の誘因を受けとっている。誘因には,

図に示されるような種類のもの以外のものも存在する。例えば,従業員への

1

(4)

36  経 営 と 経 済

誘因は,賃金の如き経済的ないし金銭的なそれ以外にも,従業員に対する公 正な処遇と自由の保障の如き非経済的・非貨幣的なそれもまた存在する

o

企業は,環境主体から受け取る貢献をもとにして環境主体への誘因を作り 出し,それを環境主体に提供する

o

企業に対して貢献を行なう際に払うと乙 ろの犠牲を少くとも超えるような満足が,企業から提供される誘因によって もたらされる限り,環境主体は企業への係わり合いを継続し,企業は存続す ることになる

o

3節 企 業 活 動 と 経 営 者

ところで,企業は資源の調達,財と用役の産出,産出された財と用役の配 給とその結果としての収入の獲得,獲得された収入の配分という一迫の活動 を行なっている

O

かかる活動は連続的・循環的過程をなすとともに,環境椛 成主体と企業との間の貢献・誘因の関係は基本的には,そのような述続的過 程の特定の局面に関連して発現する

o

図 Eは,企業における諸活動と環境主体との間のそのような関係を示して いる。企業はまず,所有者と債権者とから資金を調達するとともに,それを 用いて従業員と経営者からは労働用役を,仕入先からは設備・原材料等を獲 得する。つぎに企業は調達された原材料,設備,労働を企業内で統合するこ

とにより,財と用役を産出する

O

産出された財と用役は消費者と販売先に配 給され,企業に収入をもたらす。政府・地方自治体,地域社会,更には業界

・競争企業や一般大衆は,企業におけるこれらの活動の進行に対してなんら かの貢献を直接・問践に行なう

D

最後に企業は,獲得した収入を所有者をは じめとする資金提供者に配分する。資源の調達から収入の配分に至る一連の 過程は,述続的過程であるとともに,収入の配分が資金の調達につながるこ とにより循環的過程を形成する。もし諸環境主体がかれらが企業に対して行 なう貢献と企業からかれらが受けとる誘因との問にバランスがみられると判 断するならば,企業におけるそのような循環的過程は持続的に進行すること になる。

企業なる組織体が他の組織体と区別されるのは,なによりも企栄が財と用

(5)

8 8880 

企 業 か ら の 誘 因 企 業 へ の 貢 献

(売上の配分) (資本・労働・サービスの提供1

G  ¥ 衆 ノ

﹃ 大

d

企業への貢献 企業からの誘因 ( 売 上 代 金 財 ー と 用 役 )

i :{

2

役の産出をその第一次的な機能とする点にあるとともに,私企業が他の種類 の企業と異なるのは,資源の調達から所得の配分に至る連続的にして循環的 な過程を自己の力で行なう点にあるといえよう

o

そして,企業における

f

盾環 的過程の持続的進行に関してかなめの役割を果すものが,経営者に他ならな

'10

現代の競争的市場環境の中で企業が存続していくためには,資源調達から

収入配分に至る循環的過程は単純再生産的な形での持続的進行としてでな

く,拡大再生産的な形での持続的進行として実現されなければならない。す

なわち,企業の存続の可能性は,いかにして企業が環境主体からより多くの

貢献を獲得しうるかに,投言すると,いかにして企業がより多くの誘因を環

境主体に提供しうるかに掛かっている。そして,企業における誘因提供能力

の泌を握るものが,経営者である

o

(6)

38  経 営 と 経 済

デイヴ、イスらによると,現代の経営者は六種の役割を演ずるとされる

2)

。 すなわち,経営者は第ーに,企業への参加者の調整者

(sytemregulator)

である

D

第二にかれは,平新者(i

nnovator)

でなければならず,第三に,

生産的な草新を行なう生産性賦活者

(productivity Catalyst)

でなければ ならない。第四にかれは,社会の人的ならびに資本的資源の受託者としてそ れらを賢明に用いて財と用役を生産せねばならない。第五にかれは,社会の 目標と組織の目標との実現を計るところの,すなわち,企業と環境とを調停 する境界調停者

(boundarymediator)

であるとともに, 第六に, リーダ シッフ。を行使してリーダーの役割を有するのである。デイヴィスらは,経営 者の役割を以上のような形でとらえているが,たしかに,現代の経営者は,

社会の受託者として企業と社会の統合を志識せねばならず,また,そのため には,より具体的には利害調整,革新と生産性の向上,およびリーダシップ の行使に努めねばならないのであって,そのように経営者が行動するとき,

かれは環境主体へのより多くの誘因の提供,ひいては環境主体からのより多 くの貢献の獲得を,そして,これらの結果としての企業の存続・発展を実現 しうるであろう。

企業活動および経営者の役割についての以上のような理解は,現代の企業 における環境適応的課題としてのいわゆる社会的責任なる問題を考察するた めの基礎を提供する。

~~

4

節 売上と企業の社会的責任

企業は従業員,経営者,所有者,債権者,仕入先,政府・地方自治体,等 の環境主体から,ひと・もの・かね・公共サービス,等の形で程々の貢献を 受け,乙れらの貢献を用いて財貨と用役を作り,消費者と取引先への誘因と する。消賀者と取引先への誘因の対価として企業は貨幣収入の形で消資者と 取引先から貢献を獲得し,かかる収入は順次,賃金・福利賀,経営者報酬,

配当,利子,仕入代金,租税,等の形で,従業員をはじめとする資源提供者

2)  Keith Davis and Robert L. Blomstrom

, 

Business and 

I t

Environment

, 

1966

, 

PP.  92'""''4. 

(7)

にその貢献への誘因として提供される。

企業と環境主体の聞の貢献と誘因をめぐる乙れらの一連のプロセスの確認 は,そのままでは必ずしも企業の本質を明らかにするものではないかもしれ ない。なぜならば,伝統的には企業は,そのようなプロセスを通じて所有者 への誘因たる利潤を最大化するために存在すると考えられてきているのみな らず,より修正された現代的企業観にあっても,企業がその貢献に対して提 供するところの誘因が企業目標を形成するような環境主体の種類はかなりに 限定されており,貢献と誘因に関する前述の一連の過程の循環自体が企業の

自己目的を形成することは主張されていないのである

o

それにも拘らず,現代の経営環境において企業に影響を及ぼす環境主体の 種類が増大するにつれ,また,それへの誘因提供が企業目標を形成するとこ ろの環境主体の程類が増大するにつれ,存在している企業というものを企業 と環境主体すべてとの聞の誘因と貢献のトータルなシステムとして把握する ことの重要性が増しているのである。

現代の企業がその社会的責任の履行を不可避的に要請されるに至っている ことは周知の如くである。企業の社会的責任とは結局のところ,環境におけ る本質的動向を認識し環境の論理に主体的に順応していくことであり,より 具体的にいえば,それは環境主体の期待に応えることである

3)

。そして,か かる社会的責任の履行のためには,環境主体と企業との聞の貢献と誘因のト ータノレなシステムとして企業活動をとらえることが有用であることは,否定

しえないであろう

o

企栄は貢献と誘因の問に均衡を維持し貢献と誘因のトー タノレなシステムの発展的均衡を指向することによってその社会的責任にかな うことになるのであり,かくしてその存続を実現しうるのである

o

ところで,社会的責任は内容的には環境主体の期待から構成されており,

そのような期待は企業が環境主体に提供する誘因の程類を規定する

D

かかる 期待ないし誘因は,その多くが経済的な性格をもっ。すなわち,貨幣価値的 尺度からその大きさの測定が可能である。消費者や販売先への誘因は,企業

3) 

企業の社会的責任については,より詳しくは

t

lB若「現代企業の社会的立任

J

,昭

51

年を参照の乙と。

(8)

40  経 営 と 経 済

t{~ 3

(9)

がかれらに提供する財と用役の数量と価格によって,すなわち数量と価格の 積である売上高によってかなりにその大きさを把握しうるのであり,同時に この売上高は,泊費者と販売先から企業が獲得したところの貢献の大きさを 示すものである

O

と乙ろで,かかる売上高は,所有者や従業員,仕入先の如 き企業への資源提供者を読図するための原資たる所得を形成しており,企業 は売上高を配分することによって資源提供者からの貢献を確保しうるのであ って,資源提供者への誘因もまた,売上高というすぐれて経済的な要素にか なりに総合しうることになる

o

要するに,環境構成主体への誘因,換言する と環境主体への責任は,売上高とその配分という概念によって,かなりにそ の体系的な把握が可能となる

D

図Eは,売上およびその配分が環境主体とど のように関連しているかを示している

O

5

節 売 上 成 果 計 四

企業が存続するためには,それは社会的責任を履行せねばならないのであ り,換言すると環境主体と企業との聞の誘因と貢献に関してバランスを実現 せねばならない。かかるバランスは,企業が適正な価格と数呈の財と用役を 消費者と販売先に提供するとともに,他方,かくして得られる収入を資源提 供者に適正に配分することによって,かなりにその実現をみることになるで

あろう。

企業は妥当な価格でより多くの商品を消費者と販売先に提供することで,

ならびに,より多くの売上を公正かつ拡大的に所有者,従栄員,仕入先,等 に配分することで,その社会的責任にかなうことになるのであり,かくて,

適 E な価格の下での売上増大と,売上の公正分配とが企業経営者の主要な責 務となる

D

このことは,伝統的な利益計四に代わって,売上の的大とその配 分に関するいわば売上成果計四ないし売上計四が企業における総合的経営計 画のかなめを形成する乙との必要性を示唆する

O

むろん,売上計四の主要性は伝統的な利益計画の芯誌を全面的に否定する

ものではないし,売上の増大とその配分自体が企業の根本目椋そのものたる

べきことを主張するものでもなし L 所有者は依然,企業への第一次的貢献者

(10)

42  経 営 と 経 済

の一つを形成しており,かれへの誘因としての利潤の獲得は,企業の基本的 目標の一つを形成しているのであり,乙の点で利益計画は,依然,経営計画 において怠義を有している

O

また,従業員や経営者に加えて消資者もまた企 業の第一的な関係者の地位を占めつつあり,かれらへの誘因の提供が企業の 基本的目標の一端を形成しつつあることは否定しえないとしても,債権者や 仕入先等のクVレーフ。は現状では企業にとり第二次的な関係者の地位にあると みてよく,この定、味では,売上の増大とその適正配分に関する経営計画は,

そのままでは企業の目標実現を主たる狙いとする総合的経営計四そのものと は必ずしも主張しえなし

1

からである。

それはともかくとして,売上計画は二つの要素をもっている口その一つ は,消費者と販売先の期待を充しかれらからより多くの貢献を得るために,

できる丈多くの売上を実現することである。乙の場合,妥当な価格を通じて 売上実現が必要とされることはいうまでもない。そのこは,所有者や従業員 の如き資源とサービスの提供に係わり合ってくるク、、ノレーフ。の期待を充しかれ らから更に多くの貢献を得るために,できる丈多くの売上を達成しそれをか れらに配分していくことである

O

この場合,配分が売上実現の後の段階とし て位置するというよりは,各クツレープへの必要配分額の確保のための前提と して売上増大が存在するのである

D

資源、提供者のすべてを十分に満足させう るような売上の実現は現実には困難であり,ここから配分に際しての各関係 者間での利害対立を調整することが必要となるのであって,分配における公 正もまた問題とされねばならない。

このように売上計画は二つの要素をもっているが,かかる売上計画は,具 体的につぎのような形で設定しうるであろう

D

すなわち, それは,一方で は,売上高の配分に係わる諸グノレーフ。が期待する誘因の大きさを見積りそれ を合計することによって必要売上高を算出するとともに,他方では,提供さ れる財と用役の価格と数量に関しての消費者と販売先の期待の大きさを見積 り乙こからも必要売上高を算出し,かくて算定される二程の必要売上高を調 整するというものである

O

いま,売上高の主要構成要素として利益(配当+留保+法人税+役員賞

(11)

与) ,給与・福利費,利子,原材料費,償却費を考えるなら,二種の必要売 上高はつぎのように算定される

D

必要売上高 ( 1 )

一一一一_~J益十利子士金主H費

(原材料費率+人件費率)

配当+留保 利 益 =

l ー(法人税率+役員賞与率) 必要売上高

(2)=

販売数量×価格

かくの如き二種の売上高を調整することによって,売上計四における目標 売上高が導出されることになる

o

かかる目標売上高は,その桔成内容をみる

とき, そのまま資源提供者への配分額を示すことになる

D

ところで, このようにして必要売上高を算定するに際しては,企業が捉供 を必要とするところの誘因の絶対額のみが問題にされていた。 し か し な が ら,企業が他の企業に比し効率的でありより多くの満足を環境主体に与えう るためには,算定された売上高が環境主体からの貢献の額に比して妥当なも のであることを必要とする

o

すなわち, より長期的な矧点に立ち,企業に投 入される諸貢献とそれへの報酬の原資たる売上高との関係が検討されねばな らないであろう

o

とりわけ,資本への報酬率,労働への報酬率,更には , j 月 費者の貢献への処遇の程度に関する消費者報酬率の程度についてもチェック がなされる必要がある

o

これらの報酬率は,つぎのように示される

D

資 本 報 酬 率 = 一 売 一 土 ‑ 資 本 労働報酬率=一一一一一一一一 売 上

労仰

U(1

時間もしくは人数)

消費者報酬率-~ニι­ 販売数}](

以上のようなチェックを行なうことによって,売上計四の基木的な椛成が

できあがることになる

D

かかる売上計画はこのようにして配分計画と表哀ー

体の形で設定されることになるが, このような売上計画はまだ,どちらかと

いえば, それが売上高に関係する諸ク、、ノレーフ。の要求にみられる短期的劫向に

基づいて設定されるがために, ときとすると経営環境の本質的な動向への配

(12)

44  経 営 と 経 済

応、を欠いたものとなる恐れがある。されば,企業がその社会的責任を十分に 実践し,その長期的存続を計るためには,吏に,経営分析的に産業および企 業における売上とその配分の動向を眺め,そこにおける長期的傾向に従って 売上高計画を検討することも必要となる口

以上のように多元的な角度から検討された結果として導出されるところの 売上計画は,企業の基本的な経営計画を形成することになるのであり,企業 はそのような計画の設定とその実施,結果の評価というー述のプロセスから なるところのいわば売上管理を行なうことによって,環境への適応をより可 能とするであろう。企業における総合管理方式としてこれまで主張されてき たところの利益管理は,たとえ利益の概念を拡大し付加価値の如きものを包 摂せしめたとしても,企業の環境適応のための経営管理方式としてはやや狭 いきらいがあるといわねばならず,こ乙から,より包括的な管理方式とし て,利益管理の大幅な拡大としての売上管理がかなりの志義をもつことにな

るといえよう

O

~6 節結び

本稿では,企業と環境主体との関係を貢献と誘因の卸点から総合的に把握 することを通じて企業成果の測定基準として売上高なる概念が意義をもつこ

とを指摘し,売上成果計画ないし売上計画の重要性を,換言すると売上管理 の重要性を明らかにしてきた。

現代の企業は,環境適応的課題として社会的責任なる問題に直面している

のであり,このことは企業主体としての経営者にさまざま環境主体の聞の利

害の対立・矛盾を調整することを要請する。しかるに,経営原則として実践

において伝統的に受け入れられてきた利潤原則ないし'営利原則のみによって

は,このような利害調整は必ずしも十分には果されえなくなっている

O

そし

て,ここからなんらかの新しい経営原則に基づく管理方式が必要とされるに

至っている。ここでは,売上高なる概念の角度からかかる新しい管理方式への

接近が試みられ,そのような管理方式が利害調整において果しうるところの

意義が強調された。むろん,このような管理方式は,幾つかの困難をもつの

であり,より実践に適用しうるような管理方式の展開のためには,概念の上で

も具体的な手続方式の面でもよりー居の掘り下げが試みられねばならない。

参照

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