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分担研究報告書③

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Academic year: 2021

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分担研究報告書③

表現促進現象を認めたAsidan(SCA36)の1家系

  研究分担者:阿部康二, 表芳夫, 太田康之, 山下徹, 武本麻美, 菱川望 所属: 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学

A. 研究目的

Spinocerebellar ataxia type 36 (SCA 36、別名A

sidan) は、50 歳以降に小脳失調で発症し、数年後

に舌・四肢の筋萎縮、筋力低下、線維束性収縮およ び四肢深部腱反射亢進などの運動ニューロン徴候 を合併する常染色体優性遺伝の脊髄小脳変性症で あり、nucleolar protein (NOP) 56 遺伝子イント ロン 1 に存在する GGCCTG 6 塩基繰り返し配 列の異常伸長が原因遺伝子である。これまでの報 告では平均発症年齢は53歳と中高年で発症し、表 現促進現象の報告はない。今回、我々は明確な表 現促進現象を認めたAsidan家系について初めて報 告する。

B. 研究方法

症例は36歳男性。35歳時より歩行時のふらつき、構

音障害で発症し精査目的に入院した。神経学的には 構音障害、四肢失調、失調性歩行、Mann test陽性、

継足歩行困難など体幹失調主体の小脳失調を認め た。また舌の線維束性収縮、下顎反射亢進、下肢深 部腱反射亢進など、運動ニューロン徴候を認めた。

頭部MRIでは小脳虫部の萎縮を認め、脳血流SPEC Tでは同部位の血流低下を認めた。遺伝子検査では NOP56遺伝子のGGCCTGリピート数の延長を認 め、Asidanと診断した。

C. 研究結果

本症例の祖父、父についても類似の神経徴候を認め、

遺伝子検査の結果、Asidanと診断された。発症年齢 は祖父が70歳台に対し、父が50歳台、そして本症例 が35歳と明確な表現促進現象(paternal anticipat ion)を呈していた。

研究要旨

Spinocerebellar ataxia type 36 (SCA 36、別名Asidan) は、50 歳以降に小脳失調で発症し、

数年後に舌・四肢の筋萎縮、筋力低下、線維束性収縮および四肢深部腱反射亢進などの運動 ニューロン徴候を合併する常染色体優性遺伝の脊髄小脳変性症であり、nucleolar protein

(NOP) 56 遺伝子イントロン 1 に存在する GGCCTG 6 塩基繰り返し配列の異常伸長が原

因遺伝子である。これまでの報告では平均発症年齢は53歳と中高年で発症し、表現促進現 象の報告はない。今回、我々は明確な表現促進現象を認めたAsidan家系について初めて報 告する。症例は36歳男性。35歳時より歩行時のふらつきで発症し、構音障害、四肢失調、

失調性歩行など体幹失調主体の小脳失調を認めた。また舌の線維束性収縮、下顎反射亢進、

下肢深部腱反射亢進など、運動ニューロン徴候を認めた。頭部 MRIでは小脳虫部の萎縮を 認め、遺伝子検査によりAsidanと診断した。本症例の祖父、父にも類似の神経徴候を認め、

遺伝子検査の結果、Asidanと診断。発症年齢は祖父が75歳に対し、父が50歳、そして本 症例が35歳と明確な表現促進現象を呈していた。Asidanにおいて表現促進現象を生じる機 序については, 現在検討中である。

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D. 考察

常染色体優性遺伝性の脊髄小脳変性症においては 世代を経る際のリピート数増大によって発症年齢 が若年化し、症状が重症化する表現促進現象が知ら れている。Asidanと同様の6塩基(GGGGCC)リピ ート病であるC9orf72 ALS/FTDにおいて、表現促 進現象の報告はあるが, リピート数の増大と発症 年齢には一定の見解が得られていない。

E. 結論

Asidanにおいて表現促進現象を生じる機序につい ては, 現在検討中である。

F. 健康危険情報 該当なし

G. 研究発表

1.論文発表 該当なし

2.学会発表 該当なし

(発表誌名巻号・頁・発行年等も記入)

H. 知的財産権の出願・登録状況(予定を含む)

1.特許取得 該当なし

2.実用新案登録 該当なし

3.その他 該当なし  

参照

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