及び 柔 軟 性 の 性差 ・学 年 差 の検 討
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(2) 中学生水泳選 手 の形態,筋 力,及 び柔 軟性の性差 ・学年差 の 検討 ま た,一. 般 に,女. 子 の 場 合,男. 子 に比 べ て比 較. 的 早 い 年 齢 段 階 で 水 泳 記 録 が ピー ク に 達 す る 傾 向 が あ る が,こ. の 水 泳 記 録 上 の 差 異 は,主. 1)。. 背 筋 力,握. 9. 力,両. 肩 腕 力,垂. 直 跳 び のテ ス. ト方 法 に 関 して は,一 一般 的 に 行 わ れ て い る方 法 に. と して 男. 従 っ た19)〜21)。 他 の 筋 力 テ ス トの 方 法 に 関 して は,. 女 の 身 体 の 成 長 ・発 達 的 差 異 に よ る も の と 考 え ら. 同 種 の テ ス トを 使 用 し た 筆 者 ら9)の 先 行 研 究 に 詳. れ る。. 述 し た 方 法 に 従 っ た 。 な お,ア. 体 力 要 因 の 中 で も,と. くに,形. 態,筋. 力,及. び. て は,仰. 柔 軟 性 は 水泳運 動 の成 就 に重要 な影 響 を及 ぼす と. ラ イ の ア ー ム プ ル の よ う に,両. 考 え ら れ,今. 間 隔 で 引か せ た 。 最 高120回(4分. ま で,Cureton2)〜6)を. は じ め 多 くの. 人 達7)〜9)12)〜14)16)26)〜29)に よって これ ら体 力 要 因 に. 定 の ペ ー ス よ り3回. 関 す る 研 究 が な さ れ て 来 て い る,し. 定 の 方 法(肘. か し,従. 来の. ー ム プ ル ズに関 し. 臥 姿 勢 の 状 態 で,10kgの. 負 荷 をバ タ フ 腕 で2秒. に1回. 間)と. 以 上 遅 れ た 場 合,も. を90〜1500に. 曲 げ,頭. の. し,規 し くは 規. 上 か ら大 腿 迄. 研 究 の ほ と ん ど が 限 ら れ た テ ス ト項 目 か ら各 能 力. 引 く)で 実 施 不 可 能 に な っ た 場 合 に は そ の 時 迄 の. を 推 定 して お り,か. 引 き 回 数 を 測 定 値 と し た.. つ,成. 長 ・発 達 の ピ ー ク 時 期. 段 階 の 高 校 ・大 学 生 水 泳 選 玉を 対 象 と し た も の で あ っ た 。 成 長 ・発 達 の著 し い段 階 に あ る 技 能 の 高 い 中 学 生 水 泳 選 手 を 対 象 と した 研 究 は ほ と ん ど 見 ら れ な い.. 柔 軟性. こ の 領 域 か ら は,10項目 選 択 され,体 転,体. 本 研 究 の 目 的 は,技 形 態,筋. 3.. 力,柔. 能 の 高 い 中 学 生 水 泳 選手 の. 軟 性 の 性 差 及 び 学 年 差 を 明 らか に. す る こ とで あ った 。. 前 屈 と 体 後 屈,体. 右 側 屈 と 体 左 側 屈,肩. 肩 前 後 挙 可 動 性,ま. 前 挙 上 と 肩 後挙上 の 側 屈 可 動 性,. た 足 首 伸展 と足 首屈 曲の 差か 成 変 量 が 算 出 され た(表. 1)。 法 テ ス ト方法 は,い 1.. 右 捻 転 と 体左 捻. 和 か ら そ れ ぞ れ 体 前 後 屈 可動 性,体. ら 足 首伸 屈 可 動 性 の5合. II.方. の 静 的 柔 軟 性 テ ス トが. 被験者. ず れ も大 山25)に よ り 妥 当性 及. び 信 頼性 が高 い と 報告 されて い る 角 度法 が利 用 さ. 被 験 者 は, 一 男子111名(中1‑49名,中2‑43 名,中3‑19名,女. 子94名(中1‑56名,中2‑. 26名,中3‑12名)の3年. 以 上 の 競 泳 ト レー ニ. ン グ を 積 ん だ205名. の 中 学 水 泳 選 手 で,い. ずれ も. れ た.足. 首柔 軟 性 テ ス トは,被. 験 者 が 台上 で 伏 臥. 姿 勢(踵. は 台 の 一 端 か ら 出 す)を. と り,足. 大伸 展 あ る い は 屈 曲 させ た 時 の 角 度,す 下腿 外 果 部 を 中 心 と し,こ. 首 を最. な わ ち,. れ と 腓 骨 外 果 及 び 第5. 口 本 水 泳 連 盟 認 定 のA級. 以 上 に属す る技 能 の高 い. 中 足 骨 頭 部 と を そ れ ぞ れ 結 ぶ 線 で な す 角 度 をT.. 選 手 で あ っ た 。 な お,男. 女 の平均 年 齢 は そ れぞ れ. K. K式. 13.3歳 2.テ. と13.2歳. で あ っ た。. 角 度 計 で 測 定 し た。. 肩 の 柔 軟 性 テ ス トは,被. 験 者 が 壁 の 端 か ら右 肩. の み を 出 し,後 頭 部 及 び 両 極 を 壁 に 付 け た 立 位 姿. ス ト項 目及 び 方 法. テ ス ト項 目 は,い. ず れ の 体 力 要 因 の 場 合 も身 体. 勢 を と り,右 腕 を 矢 状 面 に 平 行 に 保 っ た 状 態 で 前. 各 部 位 を 代 表 し,妥. 当 性 及 び 信 頼 性 の 高 い もの を. 方 あ る い は 後 方 に 最 大 限 に 挙 げ れ る 角 度,す ち,肩. 選 択 した 。 1). 形態. 肪 を 代 表 す る 計10項. 育,周. 育,量. 育,及. 目 を 選 択 した(表1)。. び体脂 計測. 方 法 は,一 般 的 に 行 わ れ て い る方 法 に 従 っ た19)20) 21) 。 な お,Brozekら1)及 び 長 嶺 ら23)の 式 を 利 川 密 度,除. 脂 肪 体 重,体. 表 面 積,及. び体 脂. 肪 の 合 成 変量 を算 出 し た。 2). 筋力. Nicksら24)の. 峯 と床 と の 垂 線 と 肩 峯 と肘 頭 を 結 ぶ 線 で な. す 角 度 を 北 大 式 角 度 計 で 測 定 し た.. こ の 領 域 か ら は,長. し て,体. なわ. 仮 説 に 従 い 静 的 筋 力,動. 的 筋 力,. 及 び 瞬 発 筋 力 を 代 表 す る 計12項 目 を 選 択 し た(表. 他 の 柔 軟 性 テ ス トは す べ て 大 山25)の 方 法 に 従 っ て 行 わ れ た。 4.分. 析法. 従 来,筋 る 場 合,例. 力,柔. 軟 性,等. え ば,背. の能 力 の 発 達 を検 討す. 筋 力 あ るい は握 力 とい った テ. ス ト項 目 の測 定 値 の 比 較 を 通 して,能. 力 の差異 を. 推 定 す る 場 合 が 多 か っ た 。 しか し,テ. ス トの測 定. 値 そ れ 自体 直 接 単 一 の 能 力 を 反 映 す る も の で は な い 。 例 え ば,背. 筋 力 テ ス トと い っ た 場 合,こ. のテ.
(3) I. 出. 10. Table. : Anthropometric. Characteristics. 1.. Mean. 村. and Standard. II: Muscular. Deviation. Strength III:. Flexibility.
(4) 中学 生 水泳 選手 の 形 態,筋. Table. C : contributionP : degree of contribution The. variable. I : Anthropometric. to total. numbers. 2.. 力,及 び 柔 軟 性 の性 差 ・学 年差 の 検 討. Factor Pattern. 11. Matrix. variance. correspond. Characteristics. to those. in Table. II : Muscular. 1.. Strength. ス トに は 背 筋 力の み な らず 程 度の差 こ そ あ れ 握. 1.. 力,脚. 表3か. 筋 力,等 の筋 力 も関 与す る。 ま た,各. 領域. ll : Flexibility. 形態 ら,こ の 領 域 で は,体. 格 因 子 と 体 脂 肪因. を 代 表 す る と して選 択 し た テ ス ト変 量間 に は高 い. 子 が 解 釈 され た が,表2か. 相 関 が 認 め られ る場 合 が 多 い 。. 研 究 で 選 択 した14形 態 変 量 に よ っ て と ら え ら れ る. 以 上 の 諸 点 を踏 まえ て,本 研 究で は,変 約 と い う意味 も含 め て,テ. 量 の要. 形 態 領 域 の 約85%注2)が. ら この2因. 子 に よ り本. 説 明 され る と 考 え ら れ る 。. ス トの測 定値 そ れ 自体. 体 格 因 子 は 交 互 作 用 に 有 意 な 差 異 が 認 め られ て. の 比 較 で はな く,変 量 群 の 背 後 にあ る能 力 を 因子. い る 。 こ れ は,学 年 間 の 発 育 量 が 男 女 に よ っ て 異. と して 抽 出 し,こ の 因 子 の学 年 別 ・性 別 差 異 を検. な る こ と に よ る も の と=考 え られ る(図1)。. 討 す る こ とに した。. わ ち,男子. III.結. 果. 切 ほ う が 女 子 に 比 べ て,加. 育 量 が 大 き い と推 測 さ れ る 。 性 準 及 び 学 年 差 の 両. と 考 察. 要 因 に も 有 意 差 が 認 め ら れ,多. 表2は. 表1の 各 領 域 別 変 量 群か ら作 成 され た相. 関 行 列 に,主. 因子 解,Normal. Varimax基. すな. 齢 に 伴 う発. 準に. 4),中1で 中3で. 重 比 較 の 結 果(表. は 性 差 は 認 め られ な い が,中2及 は 性.差が 認 め ら れ,男. よ る 直 交 回転 を施 して 得 られ た因子 負 荷 量 行 列 を. べ 大 で あ っ た 。 ま た,男. 示 した もので あ る。 表3は. 差 が 認 め られ た が.一 女 子 で は,中1と. 表2に 示 した負 荷 量 の. 子 で は,各. 学 年 間 に有 意 中3の間. 大 き さ を考 慮 して 解 釈 した 因 子名,性 別 ・学 年 別 平 均 因 子得 点注1),及 び 二 要 因 分散分 析 の 検 定結. 注1). 果 を示 した もので あ る 。 な お,分 散分 析 の 結 果, 有 意 差 の 認 め られ た 要 因 に 関 して は,Ryan法15) を利 用 して多 重比 較 検 定 が 行 わ れた(表4)。. 完 全推 定法 に よ り 各 因子 の推 定 式 を 求 め,こ れ を 利用 して 各 個 人の 因子 得点 を 算 出 し,性 別 ・学 年別 平 均 因 子 得点 を求 め たn. 注2). 表2の 両因 子 の 貢 献 度 の和 (54.83＋30.20=85.03). び. 子 の ほ う が 女 子 に比. に.
(5) 12. 出. 村.
(6) 中学生水泳選 手 の形 態,筋 力,及 び柔 軟性 の性差 ・学年差 の検討 Table. Note. ; B•„G. : factor. 3•„1. scores. : factor. for. scores. 4.. boys. for. Results. were. grade. 3. of Multiple. significantly. were. 13. Comparisions. greater. significantly. than. greater. those. than. for. girls. those. for. at. the. grade. 1. those. for. 0.05 at. the. level. 0.05. level. 3,. 2•„1. : factor the. the. domain. domain. scores. 0.05. for. numbers of. I. grades. 3. and. 2. were. significantly. greater. than. grade. 1 at. level.. to. III. of. I. to. correspond. III. correspond to. to. those. Table. those. Table. 2.. the. factor. numbers. in. each. 3.. 関 して は,中1の. 年 齢 段 階 か ら性 差 が 存 在 し,女. 子 の ほ うが男 子 に 比 べ て人 で あ る と推 測 され る。 以 上,形 態 領 域 に お い て解釈 され た 体 格 と体脂 肪 の2因子. につ い て 考 察 を進 めて 来 た が,今 回の. 結 果 は,一. 般 集 団 を 対 象 と し,身 長,体. 囲,あ. るいは皮 脂 厚,等. 重,胸. 々の形 態 属 性 の 発育 傾 向. を 分 析 した松浦17)18)の研 究 報告 と ほ ぼ 一 致 した傾 向 を示 してい る。 す な わ ち,低 学 年(12歳頃)で は,皮 脂 厚 を除 く他 の形 態 属性 の発 育 に大 き な性 差 は見 られ な いが,加. 齢 に 伴 う発 育 量 が 男 子の ほ. うが 女 子 に比べ て 大 き く,加 齢 に伴 い 性 差 が 顕 著 に な る の に対 し,皮 脂 厚 は 中学生 以 前 の年 齢 段階 か ら既 に女子 は男 子 を 上 回 って い る。 Fig.. 1,. physique. した が って,本 研 究 の 集 団は,水 泳 トレーニ ン グ を 積 ん だ 水泳 選 手 で あ るが,中 学 生 の 年 齢段 階. の み 有 意 差 が 認 め られ た。 した が って,体 格 は,中2以. 上 の学 年 で は男 子. の ほ うが 女 子 に比 べ て 大 で あ り,ま た,男. 女 共,. 加 齢 に 伴 って発 育 す る が,発 育量 は 男 子 の ほ うが. に お け る男 女の 形 態 の 発 育 傾向 は,一 般 集 団 の形 態 の 発 育 傾 向 とほ ぼ 同 じで あ ると推 測 され る。 2.. 筋力. 表3に 示 した ご と く,こ の 領域 か らは,静 的筋. 女 子 に 比 べ て大 き い と 推 測 され る。 体 脂 肪 因 子 は,性 差 の 主 効果 にの み 有 意 差 が 認. 力,速. い筋運 動 に お け る筋 持 久力,及. び 肩 腕 の動. め られ,多 重比 較 の 結 果,全 学 年共 女 子 の ほ うが. 的 筋 力 の3因 子 が 解 釈 され た。 この3因. 男 子 に 比 べ て大 で あ っ た 。 したが っ て,体. 全 分 散 量 の約71%が. 脂肪に. 子 によ り. 説 明 され ると考 え られ る。.
(7) 出. 14. 村. した が って,こ の 能 力 は,中1の だ 性 差 が 認 め られ な い が,中2以. 低学年 ではま 上 の年 齢段階に. な る と 性 差 が生 じ,男 子 の ほ うが女 子 に 比 べ て勝 る と 推 測 され る. 肩 腕 の 動的 筋力 因 子 は,学 年 差 の 要 因 に の み有 意 差 が 認 め られ,多 重 比 較 の結 果,男 子 の中1と 中2及. び 中3の 間 に 有 意 差 が 認 め ら れ た 。 しか. し,女 子 の学 年 間 に は い ず れ も有 意 な 差 異 が あ る とは 認 め られ な か っ た 。 した がっ て,男. 子 で は,. この 能 力 は加 齢 に伴 っ て 発 達す る と推 測 され る。 以 上,筋. 力領域 に お い て解釈 され た3因. い て 考 察 して来 た が,今. 子 につ. 回の 静的 筋 力 及 び 速 い筋. 運 動 に おけ る筋持 久 力 の 結 果 に関 して は,一 般 集 Fig.. 2.. static. strength. 団 の 静 的筋 力及 び 筋 持 久 力 の加齢 に 伴 う発 達 傾 向. 速 い筋 運 動 にお け る筋 持 久 力 因子 は,主 腕 立 せ 伏 せ,し. ゃが み 跳 び,あ. と して. るい は 上 体 起 こ. し,等 の筋 持 久 力 テ ス トに よ って定 義 され る因子 で あ り,肩 腕 の 動 的 筋 力 因子 は,主 と して ク ロー ル,バ. タ フ ラ イ,等 々の 水泳 にお け る ア ー ム プ ル. に 類 似 した動 作 を 繰 り返 す ア ー ムプ ル ズ テ ス トに. ら,静 的 筋 力 因 子 は,交 互 作 用 に 有 意 な. 差 異 が 認 め られ て い るが,図2か. ら体 格 因子 の場. 合 と 同様 に,こ れ は この 因子 の学年 間 の 発 達 量 が 男 女 に よ っ て異 な る こ と に よ る もの と 考 え ら れ る。 す な わ ち,男 子 の ほ うが 女子 に比 べ て,加 齢 に 伴 う静 的 筋力 の発 達 量 が 大 き い と推 測 され る。 性 差 及 び学 年 差 の要 因 を そ れ ぞれ 独 立 に分 析 した 結 果,両 要 因 に も有 意差 が 認 め られ,多 析 が な され た。 表4か で あ っ た 。 また,男子. 重比較分. ら,い ずれ の学 年 に お いて. も性差 が 認 め られ,男子. れ は,同 種 の筋 力 テ ス ト(静 的筋 力 の 場 合,背 筋 力,握 せ,上. 力,腕 筋 力,筋. 持 久 力 の場 合,腕. 立 て伏. 体 起 こ し)を 手 が か りと して 両 能 力 の発達. 傾 向 を分 析 した こ と に もよ る と考 え られ る。 肩 腕 の動 的筋 力 は,前 述 した テ ス ト内 容 の ご と く水 泳 運 動 の アー ム プ ル に類 似 した反 復 動 作 を要. よ っ て 定 義 され る因子 で あ る。 表3か. を 分 析 した松浦17)の報 告 と ほぼ一 致 して い る。 こ. の ほ うが 女 子 に 比 べ て 大. で は い ずれ の 学 年 間 に も有. 意 な 差異 が 認 め られ た が,女 子 では,中1と. 中2. 及 び 中3の 問 に の み有 意 な差 異 が認 め られ た 、 以 上 の こ とか ら,静 的 筋 力 は,中 学1年. の段 階. 求 す る ア ー ムプル ズ テ ス トに よって 主 と して定 義 さ れ る能 力 で あ り,水 泳 運 動 の成 就 に対 す る関 与 が高 い と考 え られ る9)。 また,こ の筋 力 は ア ー ム プ ル が 主 体 とな る 日常 の 競 泳 トレー ニ ン グ に おい て 主 と して使用 さ れ る筋 力 で あ ると考 え られ る。 以 上 の 考察結 果 に 見 られ た ごと く,静 的筋 力 及 び 速 い 筋運 動 に お け る筋 持 久力 の発 達 上 の性差 に 加 え て,と. くに,水 泳 運 動 の成 就 に重 要 な 肩腕 の. 動 的 筋 力 の発達 に お け る性 差 が,中 学 生 の 年 齢段 階 に お け る水泳 記 録 の性差 を顕 著 に す る 原 因 の ひ とつ で あろ う と考 え られ る。 3.柔. 軟性. こ の 領 域 か ら は,体 性,足. 側 屈柔 軟性,体. 捻 転 柔軟. 首 伸 展 ・可 動 柔 軟 性,肩 の柔 軟 性,足. 首屈. か ら既 に性 差 が 存 在 し,男 子 の ほ うが 女 子 に比 べ. 曲柔 軟 性,及 び体 前 後 屈 柔 軟性 の6因 子 が 解 釈 さ. て勝 る と推 測 され,ま た,男 女共 加 齢 に 伴 っ て発. れ た 。 この6因 子 に よ り,こ の領 域 を 代 表 す ると. 達 す るが,そ の 発達 量 は 男 子 の ほ うが 女 子 に比 べ. して 選 択 した15柔 軟 変 量 に よって と らえ られ る柔 軟 性 領 域 の約90%が. て大 で あ る と推測 され る。 速 い 筋 運 動 に お け る 筋 持 久 力因子 は,性差. の主. た,大. 一 説 明 され る と考 え られ る。 ま. 学 男子水 泳 選 手 の 柔 軟性 組 テ ス トを 作 成 し. 効 果 にの み 有 意 差 が認 め られ,多 重 比 較 の 結 果,. よ う と した筆 者11)らの 先 行 研究 にお い て も,前 述. 中2及. の6因子. び 中3で は 男子 の ほ うが 女子 に 比 べ て大 で. あった。. 表3及. と全 く同 様 な 因子 が解 釈 され て い る。 び表4か. ら,体 捻 転柔 軟性 及 び 足 首 伸.
(8) 中学 生 水泳 選 手 の 形 態,筋. 展 ・可 動 柔 軟 性 の2因 差 異 が 認 め られ,多. 子 は,性. 差 の要 因 に 有 意 な. 重 比 較 の 結 果,い. 見 られ な い柔 軟性 も存 在 す ると考 え られ る。. ず れ の学年 IV.. に お い て も 女子 の ほ う が 男子 に 比 べ て 大 で あ っ た。. ま. と. 本 研 究 の 目 的1は,技. し た が っ て,こ. れ らの 柔 軟 性 は女子 の ほ うが 男. 子 に 比 べ て 勝 る と推 測 さ れ る 。 足 首 屈 曲 柔 軟 性 因 子 は,性差 認 め ら れ,多ET.比. 対 象 と し,形 態,筋. め. 能 の 高 い中学 生 水 泳 選 手を. 力,及. び柔 軟性 の 性 差 並 び に. 学 年 差 を 明 らか に す る こ と で あ っ た 。 の要 因 に 有 意 差 が. 較 の 結 果,中3の. 有 意 差 が 認 め られ た 。 す な わ ち,男. 力要 因 を 代 表 す る変 量 か ら作 成 され. た 各 相 関 行 列 に 因 子 分 析 法 を 適 用 し,解. 子の 得 点 の ほ. 各 因 子 に つ い て 比 較 ・検 討 が な さ れ た 。 主 な 結 果. 点 が 大 と い う こ と は,足. の 程 度 が 小 と い う こ と で あ り,よ. 前 述 の3体. 男 女 間 に のみ. う が 女 子 の 得 点 に 比 べ て 大 で あ っ た 。 し か し,こ の 因 子 の 場 合,得. 15. 力,及 び 柔 軟 性 の 性 差 ・学 年差 の検 討. 首屈 曲. っ て,足. 釈 され た. を ま と め る と 以下 の 通 り で あ る 。 1.形. 態 の 領 域 で 抽 出 さ れ た2因. 子 の 内,体. 格. 首の屈. は,中2以. 曲能 力 は 女 子の ほ うが 男 子 に比 べて 勝 る と 推 測 さ. 勝 り,ま. れ る。. 育 量 は 男 子 の ほ うが 女 子 に 比べ て 大 で あ る と推測. 体前 後 屈 柔 軟 性 因 子 は,性. 差 及 び学 年 差 の 両 要. 因 に 有 意 な 柔 異 が 認 め ら れ,多. 重 比 較 の 結 果,性. の ほ うが男 子 に 比 べ て大 であ っ た 。 学 年. 差 で は,男 中3の. 子 に の み 有 意 差 が 認 め られ,中2及. 方 が 中1に. し た が っ て,体. び. 齢 に 伴 い 発 育 す る が,発. 子 の ほ う が 男子孔に 比 べ て 大 で あ る. と推 測 され た。 2.筋. 力 の 領 域 で 抽 出 さ れ た3因. 筋 力 は,男子. の ほ う が 女 子 に 比 べ て 勝 り,ま. 男 女 共,加. ほ うが 女 子 に比 べ て 大 で あ ると推測 され た 。. た,男子. で は加 齢 に 伴 っ て 発. 差 及 び 学 年 差 の い ず れ の 要 因 に も有 意 な差 異 が あ. の 測 定 値 を 通 して,そ. 後 屈,及. び体 側 屈 テ ス ト. れ ぞ れ の加齢 に 伴 う 柔 軟 性. 肩 腕 の 動 的 筋 力 は,性. 3.柔. 差 は 認 め られ な か っ た. お いて 加 齢 に 伴 う発達 が推 測 され た。 軟 性 の 領 域 で 抽 出 さ れ た6因. 捻 転 柔 軟 性,足. 首 伸 展可 動 柔 軟 性,及. の発 達 及 び性 差 を分 析 して い る。 今回 の 体 前 後屈. 柔 軟 性 は,い. 柔 軟 性 及 び 体 側 屈 柔 軟 性 の 結 果 は,女子. る と 推 測 さ れ た。 ま た,体. の前者 の. 能 力 に 加 齢 に 伴 う発 達 が 認 め られ な か っ た と い う の報 告 と ほ ぼ一 致 す る もの で あ っ. 以 上 の 考 察 か ら,柔. び 体 前 後屈. ず れ も 女 子 の ほ うが 男 子 に 比 べ て 勝 前 後 屈 柔 軟 性 は,男子. に お い て 加 齢 に伴 う発 達 が 推 測 され た 。 体 側 屈 柔 軟 性 及 び 肩 の 柔 軟 性 に は,性差. 軟 性 は 水泳 運 動 の 成 就 に 関. 与す る 重 要 な 要 因 と 考 え られ る が8)13)16),単. に柔. 軟 性 と い っ て もい くつ か の 一下 位能 力 に分 け て 考 え つ,そ. 及 び学. 本 研 究 の実 施 に あ た り,御 援助 並 び に 御 助 言 を頂 い た 筑 波 大学 ・松浦 義 行 教 授 に 厚 く感 謝 の 意 を 表 し ます。. れぞ れ 発 達 傾 向が 男女 に よ っ て異. な る と 推 測 され る 。 ま た,一 段 階 に お い て は,女. 般 に,中. 子 の ほ う が,男. (受 付. 昭和57年10月6日). 学 生 の年 齢 文. 子 に 比 べ て柔. 軟1生 が 大 で あ り17)18),技 能 の 高 い 中 学 生 水泳 選 手. 1). Broiek, J., Grande,. 献. F., Anderson,. の 場 合 も 全 体 と し て は ほ ぼ 同 じ傾 向 に あ る と 推 測. Keys, A. (1963) : Densitometric. さ れ る 。 しか し,今. body composition. く,肩. 子 の 内,体. 年 差 は 認 め られ な か っ た 。. た.. られ,か. の年. 子 の ほ うが 女 子 に 比 べ て 勝 る. と推 測 され た。. が,男rに. る と は 認 め られ な か っ た 。. 達 量 は男子の. 速 い 筋 運 動 に お け る 筋 持 久 力 は,中2以上 齢 段 階 に お い て,男. 体 側 屈 柔 軟 性 及 び 肩 の 柔 軟 性 の 両 因 子 に は,性. 前 屈,体. 齢 に 伴 い 発 達 す る が,発. 的 た,. 前 後 屈 柔 軟 性 は 女 子の ほ うが 男. 達 す る と 推 測 され る 。. 点 を 除 け ば,彼. 子 の 内,静. 比 べ て 大 で あ った。. 子 に 比 べ て 勝 り,ま. 松 浦17)は,体. 女 共,加. さ れ たr 体:脂 肪 は,女. 差 で は い ず れ の 学 年 に お い て も有 意 差 が 認 め ら れ,女子. 上 の年 齢 段 階 で は 男子 の方 が 女 子 よ り た,男. 回 の 結 果 に も見 ら れ た ご と. の 柔 軟 性 や 体 側 屈 柔 軟 性 の よ う に,性. 差 の. tative. assumptions.. J. T, and analysis. : review of some. of. quanti-. Ann. N. Y. Acad.,. 110,.
(9) 出. 16. 村. 113-140. 2). 学,日. Cureton,. T. K.. kinesiology 3). of swimming. (the crawl. and. in aquatics. at springfield. fitness. Res.. Quart.,. T. K.. (1961) : Physical Univ. of Illinois. Urbana Illinois,. 11-60.. Cureton,. (1963) : Improvements. T. K.. and. without. dietary. with a course trainees, with. supplements.. conditioning upon. for middle distance. various. 20). physical. 21). 22). 出 村 慎 一,松. フ オ ー マ ン ス と の 関 係,日. 館,東. 本 体 育 学 会 第29回. 清 義 行(1979):筋. 京,1‑25.. 第2巻,大. 修. 京,259‑283.. and. 25). E. A. (1962). fitness tests analytic. Psychological. 大 山 良 徳(1974):体 不 昧 堂,東. 26). measure?studies,. Edu-. Measurement,. 力 づ く り と 身 体 柔 軟 性,. 京,224‑256.. Ross, D. T. (1970) : Selected. training. pro-. 泳 能力 の因 子 構 造 に 関す. cedures for the development. of arm exten-. る 研 究,筑. 士 論 文,11‑66.. sor strength. and. speed. sprint crawl. stroke.. 波 大 学,博. 出 村 慎 一,松. 浦 義 行(1982):大. 学 男 子 水 泳選. 27). Faulkner,. J. A.. (1966) : Physiology. swimming.. Res. Quart., 37, 41-54.. Healey, J. H. (1970) : A comparative determine. the. relationship. Hirata,. K.. Champions,. (1977) : Selection Department. cation, Chukyo. Doctoral. of the. dissertation,. of Olympic Edu-. 育 と心 理 の た め の 推計. H. A.. (1976). Relationship. of. certain physical measurements to swimming speed. Res. Quart., 47, 810-814. 28). Wade, C. E. (1976) : Eff ecte. of a season's. training on the body composition. between. Univ., Nagoya.. 岩原 信九 郎(1977):教. Sprague,. of study. of Physical. swimming. Univ. of Arkansas.. 力 科 学,31(2),. plantar flexion at the ankle joint and success in selected skills in swimming. Doctoral dissertation, Univ. of Utah.. 15). 林 書 院,東. ポ ー ツ と エ ネ ル ギ ー ・栄. 出 村 慎 一(1981):水. to. 14). 京,42‑170.. 代 の ス ポ ー ツ 科 学 講 座,. cational. 育 学 研 究,24(1),59‑. 94‑102.. 13). 橋 慎 四 郎(1974):体. 泳 の科 学 〜 キ ネ シオ ロ ジ. A review of factor. 大. 力 と水 泳 パ フ. 手 の た あ の 柔 軟 性 組 テ ス ト,体. 12). 野 忠 文,江. 育 の 科 学 社,東. Nicks, D. C. and Fleishman,. 軟 性 と水 泳パ. 70.. 11). 東 京,47‑78,135‑139.. 養,現. 24). 一法. 22, 77-94.. 出 村 慎 一,松. オ ー マ ン ス と の 関 係,体. 10). ポ ー ツ テ ス ト,第. 長 嶺 晋 吉(1979):ス. and. ポ ー ツ マ ンの. 京,77‑112,230‑232.. ー と 指 導 へ の 応 用 〜 ,杏. 会 号,415. 9). 修 館,東. What do physical. 浦 義 行(1978):柔. 遙 書 院,東. 体 力 測 定,大. 宮 下 充 正(1970):水. Quart., 30, 399-412. 8). 達 運 動 学,逍. 野 三 嗣(1974):ス. 育 測 定 法,体. 23). Res.. 倉 書 店,東. 松 田 岩 男,小. 松 井 三 雄,水. swimming. measures.. 力 の 発 達,朝. 松 島 茂 善 編(1968):ス. Res.. Quart., 34, 440-447. Davis, J. F. (1959) : Effects of training. three. dissertation,. 京,94‑120.. 規. in. on. Doctoral. 松 浦 義 行(1975):発. of. Press,. kicke.. of exer-. and. 京,71‑82,93‑106.. 12,. fitess. flexibility. 松 浦 義 行(1983):体. 19). Cureton,. 京,241‑243.. Univ. of Utah.. 18). physical fitness associated of U. S. navy underwater. 7). swimming. lege, 1929-1939. Res. Quart., 11, 72-74. Cureton, T. K. (1941) : Flexibility as an. champion athletes. 6). cise on ankle. 17). 381-391.. 本 文 化 科 学 者,東. Jorndt, G. T. (1973) : The effects. flatter. Col-. aspect of physical 5). 16). kick). Res. Quart., 1, 87-121. Cureton, T.K. (1940) : Review of a decade of research. 4). (1930) : Mechanics. college swimmers. 29) :. of female. Res. Quart.,. 47, 292-295.. Zaciorsky, V. M., and Safarjan,. I. G. (1972). Untersuchung. von factoren. mung der maximalen. bestim-. geschwindighkeit. freistilschwimmen.. Theorie. der Korper. 695-708.. Kultur,. zur unt. im. Praseis.
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