金 沢 大 学十 全 医 学 会雑 誌 第9ニう巻 第1 号 1 2 7 −1 46 く19 8 射
心室性 頻柏 発生部位 診断に関する実験 的並び に臨床 的研 究
金 沢 大学 医学 部 節一外 科 学教 室 は 任二君ナ 喬教 授ン
牛 島 聡
仰彿1 5 9年1月2 8甘受付1
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本研 究はJL一室 性頻 拍 くv e ntric ula rta chyc a rdia.V Tl の発生部位を 心電 図から診 断す る目 的で行っ た. V T 手 術 症例1 0例, 関心術後心室ペ ー シ ング療 法 症例5 0例を対 象に1 2誘導 心電 図, 体 表面 電位 図を 記 録し 心表 面 最 早期興 奮部 位との関係を検 討し た. さ らに心 室 中隔を含め た 心室 各 部位 刺激 時の心室興 奮 伝 播 様 式, 心 筋梗 塞の心室 興 奮伝 播に及 ぼ す影 響を知る目 的で犬 3 0頭を用 いて実 験し た.術 後ペ ー シ ング 例の心電 図をQ R S 波 形パター ン,最 大 QR S ベク トル の方 向,QR S 波 初 期成 分の極 性に着目して検 討し た 結果, 心電 図か ら心 外 膜刺 激 部位を石 室は流 出路およ び前壁 中 央, 前 壁 下位, 下壁, 前 基 部, 側基 部, 後 基部, 心尖 部の 7 ヶ所に, 左室は前璧 中 央, 前 壁 下位, 後 壁, 前 基部, 後基部, 中隔寄り 心尖 部, 心 尖 部
の7 ヶ所に分類し て推 定で き た. V T 手 術症例の心電 図は ほ ぼこ の成 績と一致し た. さ らに V T 手 術 症例
およ び術後ペ ー シ ング例の体 表 面 電位 図をQ R S 波初 期4 0 m s e c にお け る極小, 極大の出 現位 置に着 目し て検 討し た結果, 電位図 は右 宴 流 出路型, 右室 前 壁型, 右 宴下壁塾, 右 室心尖 部型, 左室 前壁 型, 左 室 後 壁 型, 左室心尖 部型の7 型に分類でき た. 犬 を 用いた実験モデル で, 心室 自 由壁刺 激 時には V T 臨床 例と 基 本 的に同じ心電 図 所見と 心室興奮伝 播 様 式を 示 し た. 心室 中隔 刺 激時には心尖部から前 中 隔に沿った限 ら れ た領 域に ep ic a rd ial br e akthr o ugh が出 現し自 由壁 刺 激時と異なっ た 心室興 奮伝 播様 式を認め た, 梗 塞 作 製犬 心室自 由壁 刺激 時には梗 塞 部での著る しい伝 導遅延のた め 正常 犬と は大き く異なった 心室興 奮 伝 播 様 式を 示 し た.
以 上の成 績から,非 虚血性心室 性 頻 拍発 生 部位は 1 2誘 導心電 図およ び体 表 面電位 図か ら 正確に推 定でき た.
Key w o rds V entricula r Ta ch yc a rdia,Ve ntric ula r P a cing,
Epic a rd ial M ap ping.
心室 性 頻 拍く以 下 V Tうは, 血 行 動 態の悪 化 と と もに
心 室細 動に陥り や す く危 険な 不整脈と さ れてき た. 近
年,Jo s ephs o n ら1 1は虚血性 心 疾 患に伴な う V T に対
して,Guir a udo n2 I,岩ら3川は非 虚血性V T に対して外 科治療を行い良い成 績を あげて いる. V T の外科 治 療
に際し て は確実な手 術手 技と と もに カテ ー テ ル心内膜
マ ッ ピング, 術 中心外膜な ら びに心内膜マ ッピングに よ る V T 発生部位の正確な 決定が 必要で あ る.
従 来V T 発 生 部 位 診 断は 心電 図 学上の興味にと ど まっ た封が, 術 前 非 侵 襲 的に V T 発 生部位を推 定す る こと は術 前カテ ー テル検査時 間の短縮, 術 中検査 時 間
の短縮しいて は手 術 侵襲の軽 減につな が り, 外 科治療
の成 功に重 要な役 割を果し て く る.
著 者は, 1 2誘 導心電 図およ び体 表 面 電 位 図によ る V T 発 生 部 位 診 断を目 的と してV T 臨 床例およ び術 後ペ ー シ ング症 例を対 象と して臨 床的 研究を行っ た.
さ らに犬 を 用いてペ ー シ ング時の心室興奮 伝 播様 式に
つ いて検 討し たの で心電 図所 見と 比較し て報 告す る.
対 象およ び 方 法 工. 臨床的対 象と 方 法
1 w a . 心室 性頻 拍 手術症例
19 8 3 年10 月 まで に教 室で 心室 性頻 拍症 例に対して 外 科 的根 治術を行った ものは 1 2例であった.う ち虚血 性心 疾患を伴なった 2 例を除いた 1 0 例く全 例 男性, 平 均 年令2 3 才うを対 象と し た. 疾 患 別 内訳は右 室 異形 成
E xperim e ntal a nd C linic al Study of the Diagn o sis ofthe S ite of Origi n ofthe Ve ntric ula r Ta chyc a rdia. Sato sh i U sh ijim a, Depa rtm ent of Su rge ry tIl,くD ir e cto r こPr of. T . Iw al, Scho ol of M edicin e,K a n aza w a U niv e r sit y.
症3 例, 心 筋 症2 例, 心筋 炎2例, 心臓 線 推腫1例,
特 発 性V T 2 例で あ る.
1 − b . 関心術 後ペ ー シ ング症 例
教 室で は従 来よ り術 後不整 脈の治療を目 的と し て関 心 術 後ほ ぼ全 例に心 外 膜下 筋 層に べ ー シ ングワイ ヤ ー
を縫 著し, そ の約半 数で術 後ペ ー シ ング療 法を行っ て き た61.19 8 2年6月よ り198 3 年4 月ま での間に教 室で 経 験し た関 心 術症 例1 3 8例 中, 術 後ペ ー シ ング療 法 中
に1 2誘 導心電 図を記 録し得た 5 0症 例を対 象と し た.
男 性3 4例, 女 性1 6 例で平 均 年 令は40才であ る.疾 患 別 内 訳は W P W 症 候群3 7 例,心房 中隔 欠損 症6例,僧 帽 弁 狭 窄症4例, その他3例で虚 血 性心疾 患症例は含
ま れて いない.
原 則と し て 双極 く電極 間 距 離こ約1c mユに縫 著し た ペ ー シ ングワイ ヤ ー を利 用し て, パ ル ス慣1 m s e c の
矩 形 波, 出力は開催の 1.5倍, レ ー ト は 1 00 −1 5 0 回ノ 分で心 室ペ ー シ ングを行った.
2 . 1 2誘 導心電 図
V T 手 術 症 例10 例の術 前V T 発 作 時お よ び関心術 後ペ ー シ ング症 例5 0例の 心室ペ ー シ ング時の心 電 図
を 日本 光電 社 製心電 計Ca rdio.fa x にて記 録し た.
3 . 体表 面 電 位 図
V T 手 術 症 例7 例の術 前V T 発 作 時お よ び関 心 術 後ペー シ ング症 例2 0例の心 室ペ ー シ ング時の体 表 面 電位 図を記録し た. BodySu rfa c e M ap pe rくフクダ電 子社 製M odel H P M 51 0 0, H P M 6 5 0 01 を使用 し,
W ils o n 結 合 電 位を 不関 電 極と し て前 胸 部およ び背 面
の計8 7 点よ り単 極誘 導心 電 図を同 時 記録し た.内臓の
マイ クロ コ ンピュ ー タ ー . プ リンター を通し て等電 位
図を作 製し た. サンプ リング間隔2m s, ステップ 0.2
m V ほ た は 0.1 m Vl にて記録し た. 4 . 心室興 奮 伝 播 図
V T 手 術 症例1 0 例 全 例で術 中V T 誘発時, 後 述の 実験モ デルと同様の方法で 心室 興 奮 伝 播 図を作 製し た.
H . 実 験 的対 象と方法 1 . 実 験モデルの作 製
a . 正常犬にお け る心 室ペ ー シ ング
体重 8 −2 0 kg の雑 種 成 犬 2 5 頭に Keta min e
hydr o chlo ridel O m glkg の筋 肉 内 投 与 お よ び
Sodiu m pe ntoba rb ital l O mglkg q2 0 m glkg の静 脈 内 投与によ り麻 酔を行い気 管 内 挿 管 下に Ha rba rd 型 人 工呼 吸 器を用いて調 節 呼 吸を行った. 第5 肋 間で胸 骨を横 断し両側 開胸し, 心 膜を縦 切 開し, 両心室 自 由 壁心 外 膜, 心 内膜さ らに心 室 中隔に刺 激用 双極電 極を 留置し た. 中 隔刺 激用電 極と し て は自作の電 極 間距 離 5m m の 双極電 極を外簡をつけ た ま ま経 自 由壁 的に心 室腔, 心室 中 隔を貫通して刺入 し た後, 外 簡のみ抜 去
し て留 置し た.
ペ ー シ ング はパ ル ス幅1 m s e cの矩形 波で出 力は閲 値の 1.5 倍, レー ト は18 0 −2 0 0回ノ分で行った.
b . 心 筋梗 塞 作 製犬にお け る 心室ペ ー シ ング 心 筋 梗 塞が心 室 興奮 伝 播様 式に お よ ぼ す影響を調べ る目 的で雑種 成犬 5 頭を 用いて左 前下 行 枝 結 黎によ る
印うc a rd
Fig.1. Expe rim e ntal m odel. Epic a rdial m apsd isplay syste m is pr e s e nted. A b br e viatio n s こS T,Stim ulatio nニL A ,1eft atriu m i R A ,righ t atriu mニR V ,
righ t v e ntricleニL V ,1eft v e ntriclei L V C P,1eft v e ntric ula r c a vit y pote n. tialニR V P,righ tv e ntric ula r pote ntial三Epic a rd,epic a rdial b ipola r ele ctr o− C a rd iogr a m.
心室 性頻 拍 発 生 部位 診 断に関す る実 験 的並 びに臨床 的研 究
心筋梗 塞 作 製術を施 行し た.初回手術から 72時 間後に
再 開胸し 心室ペ ー シ ング を施 行し た. 2 . 心 室 興奮 伝播 図
左室心脛 内電 位 記録の為, カ テー テル電極を心 尖部 よ り左 重心腔 内へ刺入 し た. 次い で心表 面電 位 記録の 為, 右 童 心外 膜 面に双極 電極を縫著し た. 心表 面マ ッ ピングは直 径1 m m の電 極を電 極 間距 離2m m で 三 角 形に配 置し た Ele c ath社 製Kais e r電 極を 用い, 右 室3 6ケ所, 左 室3 3ケ所 の計69 ケ所よ り近 接双極誘 導 を行い左 宴膿 内 電位, 石 室表 面 電位, 心電 図I工, 王工工誘 導と同 時にS ie me n s E le m a 社 製M ingogr aph 8 2 を
用い紙 送り速 度1 00 m mノs e c で記 録し, 出 力 側よ り
Te a c 社 製 デー ター レ コ ー ダ ー R 80 に 磁 気 収 録し
た7 ト 9 1
心室興 奮 時間の測 定は 左童心腔 内電 位誘 導に おけ る 刺 激 波を基 準と し て, 近 接双極 誘 導 電 位の intrin sic
defle ctio n まで の時 間を同d 部位で3 M 4拍 計 測し,
その平均を その部位の興奮 到達 時 間と し, こ の興奮 到 達 時 間を も とに教 室で開発し たマイクロ コ ンピュ ー タ ー を 用いた自 動表示装 置によって 心室興 奮 伝 播 図を 作製し た.
3 . 12 誘 導 心 電 図
各 実験モデル に お い て, 心 表 面マ ッピング終了後,
各 電極を縫 著し た ま ま 心膜と開 胸 創を密に縫 合 閉 胸 し, 再 度心室刺 激を行い,S ie m e n sE le m a 社 製M ingo−
1 2 9
gr aph 8 2く時定 数0.00 3 秒, 周波 数特 性5 −12 5 0 H zl を 用い て 1 2 誘 導心電 図を記 録し た. 紙 送り速 度25
A P E X
Fig.2, Cla s sific atio n ofthe epI C a rd ial pa c l ng Site.
1,righ t v e ntric ula r o utflo wニ2,righ t v e ntric ula r mid−a nte rio r w alli 3, right v e ntric ula r lo w− a nte rio r w al 1ニ4,righ t v e ntric ula rinfe rio r w al 1ニ 5,righ t v e ntricula r a nte rio rba s eニ6,righ tv e ntri−
C ula rlate r al ba s ei 7,right v e ntric ula r po ste rio r
ba s ei8, righ t v e ntric ula r ape xニ9,left v e ntri−
C ula r mid ante rio r w all言1 0,left v e ntric ula rlo w− a nte rio r w allil l,1eft v e ntric ula rpo ste rio r w alli 1 2,1eft v e ntric ula r a nte rio rba s eニ1 3,1eft v e ntri−
C ula r po ste rio r ba s ei 1 4,1eft v e ntric ula r pa r a− S ep talape xニ1 5,1eftv e ntric ula r ape x三R V,right
V e ntricleニL V , 1eft v e ntricleニP A, pulm o n a ry a rte ry.
T able l . E le ctr o c a rd iogr a m du ring v e ntric ula r pa cingin the po stope r ativ e pa cing c a s e s
Pa cing site 恕悪 l エ H VI V3 V6
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